By Kazuki Watanabe
“プロツアー優勝”。
この光り輝く称号を持つものは限られている。
世界の頂点に立ち、そこから眺める景色というのは、どのようなものなのだろうか?
前回のプロツアー『イクサランの相克』で頂点に立った、ルイス・サルヴァットに聞いてみよう。
「プロツアーで優勝して、何か変化はありましたか?」
プロツアーチャンピオン、ルイス・サルヴァットにインタビュー!
ルイス「何が変わったか、と言われれば、何もかもさ! 優勝した瞬間から、まるで別世界のような生活が始まったよ。何も誇張はしていない。本当に、世界が変わるのさ」
ルイス「例えば、プロポイントやプロ・レベル、プロツアーの権利、なんていうものがある。ただ、何よりも大きいのは世界中の人が俺の名前を知ってくれたということだろう。これは驚くべきことだ。Twitterで祝福のメッセージが山ほど届いて、びっくりしたよ」
――「たしかに、プロツアーチャンピオンの名前は知れ渡るからね。日本のプレイヤーでも、君の名前を覚えた人は多いはずだよ」
ルイス「そうだろう? もちろん、名誉には責任が伴う。これから先、俺が紹介されるときには、『プロツアーチャンピオン』という肩書きが付いてくるんだ。情けないプレイはできないし、プレッシャーになるような日も来るかもしれないな。ただ、少なくとも今のところは問題ない。むしろ、良い方向で自分の支えになってくれている。自信を持てるようになったし、決勝まで戦った経験は、何物にも代えがたいからね」
プロツアーチャンピオンの、次なる目標
――「多くのプレイヤーにとって夢である”プロツアー優勝”を叶えたわけだけど、今シーズンの目標を聞かせてもらえるかな?」
ルイス「目標は明確だ。プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得すること。これまでは”途方もない夢”だったんだが、まさか”現実的な目標”として話せる日が来るとはね。現在のランキングで、俺は3位だ。前に居るのは、セス・マンスフィールドと、リイド・デュークのみ。どちらも強豪だし、点差はあるが、逆転不可能な数字ではないと思っている。全力を出して挑むだけの価値があるよ。その過程で、さらに成長できると思っているよ」
次のラウンド開始時刻が迫り、そろそろインタビューを締めくくろうと思った頃、ルイスが私に尋ねてきた。
ルイス「このインタビューは、日本語で掲載されるんだろう?」
「もちろんさ」と答えると、彼は続けた。
ルイス「それなら、少し話しておきたいことがあるんだ。Hareruya Latinに所属して、日本のプレイヤーから話しかけられることも増えた。プロツアーで優勝したとき、Twitterでメッセージを送ってくれた人も居る。本当に、ありがたい。アルゼンチンから気軽に行ける距離ではないのが悔やまれるよ」
――「その分、こうやってインタビューを掲載するよ。君の言葉は、確実に日本のプレイヤーに届けておくからね」
ルイス「そうだな……では、日本のみんなに“感謝の言葉”を伝えて欲しいんだ。『いつも応援してくれてありがとう』とね。あまり記事を書くことはないんだが、これからも何らかの形で俺の経験や思考を伝える機会を設けたいと思っている。何かの参考になれば嬉しいな。もし日本に行くことができたら、なるべく多くのプレイヤーと対戦し、話をしてみたいね」
――「OK、ちゃんと書いておくよ。他に伝えておきたいことはあるかい?」
ルイス「書く必要もないかもしれないが、マジックは最高のゲームだ。言葉が通じなくたって、対戦できる。どこかのトーナメントで会ったら、思いっきり楽しもう。もちろん、負けるつもりはないがね!」
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