こんにちは!Hareruya Prosの津村 健志です!
ここ数週間は大きなイベントがなかったので、今回はMagic Online(以下MO)の大会結果を追っていきたいと思います。MOでは現実世界以上に面白いデッキが多い傾向にあるので、できるだけ珍しいデッや、あまり有名でないデッキをピックアップしてみました。
それでは、今回も最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
■「青赤デルバー」
6 《島》 2 《山》 4 《蒸気孔》 4 《沸騰する小湖》 3 《硫黄の滝》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《渋面の溶岩使い》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《若き紅蓮術士》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《血清の幻視》 4 《稲妻》 2 《火柱》 2 《蒸気の絡みつき》 2 《呪文嵌め》 1 《呪文貫き》 3 《マナ漏出》 3 《差し戻し》 1 《電解》 1 《火と氷の剣》 -呪文(27)- |
2 《呪文滑り》 2 《破壊放題》 2 《焼却》 2 《対抗変転》 2 《血染めの月》 2 《大祖始の遺産》 1 《イゼットの静電術師》 1 《不忠の糸》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
《若き紅蓮術士》が登場して以来、安定した人気を誇る「青赤デルバー」デック。かつてスタンダードを震撼させた《秘密を掘り下げる者》を筆頭に、《若き紅蓮術士》、《瞬唱の魔道士》と近代の強力なクリーチャー陣が脇を固めます。
このデッキは軽いダメージソースと大量の妨害手段で構成されているため、コンボデッキや中速デッキに強いデッキになっています。《野生のナカティル》や《タルモゴイフ》のような軽くて大きめのクリーチャーで攻めてくるデッキは苦手ですが、幸いにもそれらを主軸に据えた「Zoo」デッキは衰退の一途をたどっているため、このデッキが活躍しやすい環境は整っていると言えます。ここからは各種カード選択を掘り下げていきましょう。
~カードの取捨選択~
■除去
《火柱》はあまり見かけないカードですが、このデッキにとって致命的な《復活の声》や、比較的対処の難しい《台所の嫌がらせ屋》・《残忍なレッドキャップ》などの「頑強」持ちクリーチャーを容易に除去できる優良カードです。特に《瞬唱の魔道士》との組み合わせは極悪で、「《出産の殻》」デッキに対しては《火柱》さえ多めに採用していればそれだけで有利が付くほどです。
《蒸気の絡みつき》も珍しい部類のカードですが、これは主に《タルモゴイフ》対策という意味合いが強いです。なぜならば、「青赤」というカラーリングは除去を火力に頼っている構造上、タフネスの高いクリーチャー、とりわけタフネス4以上のクリーチャーに苦戦することが多いです。《タルモゴイフ》はその中でも最たる例であり、なおかつ使用率が非常に高いクリーチャーです。サイドボードの《大祖始の遺産》や《不忠の糸》しかり、「青赤」を使うのならいつも以上に《タルモゴイフ》対策をしっかりとするように心がけましょう。
■カウンター呪文
カウンター呪文は《差し戻し》と《マナ漏出》が一般的ですが、どちらか一種類を優先させるなら断然<マナ漏出>がお勧めです。《差し戻し》で稼ぐ1ターンはコンボデッキには非常に大きなメリットとなりますが、このようなデッキで使うと「次のターンに再び同じ呪文を対処しなければいけない」ことの方が大きな問題となりえます。最近ではこのリストのように2マナカウンターが6枚入っていることが多いですが、個人的には《マナ漏出》4枚、《差し戻し》2枚のフォーメーションが好きですね。
他の1マナカウンターは《呪文嵌め》2枚、《呪文貫き》1枚という形が多いですね、《呪文貫き》には《謎めいた命令》などの呪文を打ち消せるメリットがありますが、《呪文嵌め》ならばこのデッキの天敵である前述の《タルモゴイフ》を打ち消すことが可能です。様々なコンボデッキなどを相手取ることも考えるとこのままでもいいと思いますが、《タルモゴイフ》が今以上に増えるのであれば、《呪文嵌め》の増量は必須だと思います。
■装備品
装備品の候補はこのリストにも採用されている《火と氷の剣》や、《饗宴と飢餓の剣》、《ルーン唱えの長槍》などが候補として挙がります。この中で最も評価が低いものは《饗宴と飢餓の剣》です。《饗宴と飢餓の剣》は、その能力ゆえに「クロックパーミッション」デッキに最適なカードだと認知されていますが、このデッキは全体のマナコストが軽いため土地をアンタップする能力が生かしづらいこと、不利な盤面をひっくり返しづらい能力である点を考慮して、その他の2種類よりは評価が下がると考えています。《火と氷の剣》と《ルーン唱えの長槍》は打点が高く、劣勢の状況を覆しやすいので、このデッキに合致した装備品だと言えるでしょう。
■サイドボード
サイドボードで間違いなく必要なものは、《血染めの月》と「親和」対策です。前者は「青赤」デッキの必殺技と言えるもので、このカードのためにあえて2色のデッキにしてもいいほどの威力を秘めています。後者に関しては、このデッキが最も苦手とするデッキなので、《破壊放題》や《粉砕の嵐》で対策しておくといいでしょう。個人的には《刻まれた勇者》に効くかどうかという点を加味して、少し重いですが《汚損破》や《粉砕の嵐》の方が使いやすい印象を受けています。「親和」デッキは非常に数が多いので、「親和」対策カードはもう1~2枚の追加を検討してもいいと思います。
また、土地が少ないので微妙かもしれませんが、《嵐の神、ケラノス》も一考に値するカードだと思います。このデッキは基本的には軽いクロックを除去やカウンターでバックアップする戦術をとっていますが、対戦相手が《突然の衰微》のような除去を多用してくると、クロックを守りきることが困難になるため、別軸の勝ち手段である《嵐の神、ケラノス》や《殴打頭蓋》のようなカードはサイドボードプランして検討の余地があるでしょう。
■「ブルー・ムーン」
9 《島》 1 《山》 2 《蒸気孔》 4 《沸騰する小湖》 3 《霧深い雨林》 2 《硫黄の滝》 1 《天啓の神殿》 1 《僻地の灯台》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《嵐の神、ケラノス》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(8)- |
4 《血清の幻視》 4 《稲妻》 2 《呪文嵌め》 4 《差し戻し》 3 《電解》 4 《謎めいた命令》 4 《広がりゆく海》 2 《血染めの月》 2 《ヴィダルケンの枷》 -呪文(29)- |
2 《払拭》 2 《汚損破》 1 《呪文滑り》 1 《業火のタイタン》 1 《炎の斬りつけ》 1 《否認》 1 《焼却》 1 《紅蓮地獄》 1 《神々の憤怒》 1 《対抗変転》 1 《血染めの月》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
プロツアー『神々の軍勢』でトップ8入賞をはたした「ブルー・ムーン」。このデッキは、本来であればメインから4枚採用された《血染めの月》で対戦相手の動きを封殺することが主戦略です。しかしながら、《血染めの月》には、一度その存在を知られてしまうとフェッチランドから基本地形を持ってこられたり、サイドボードから《帰化》系のカードを搭載されると脆いという重大な欠点がありました。
このデッキがプロツアートップ8以降もなかなか数が増えなかった要因がそれであり、つまるところこのデッキは「<血染めの月>対策をされた際に勝ちきれるかどうか」が最大のテーマでした。このリストはそれを改善すべく、<血染めの月>を2枚に抑えるという驚きの構築が成されています。その代わりに増量された《広がりゆく海》が序盤から速やかに対戦相手の動きを締め上げ、なおかつ基本地形を多用された際にもしっかりとした妨害として機能するようになっています。
「ブルー・ムーン」が《血染めの月》に頼らない構築ができるようになった、ということは非常に大きなトピックで、今後更なる進化を見せるようであれば、このデッキの躍進も十分にありえると思っています。
また、「ブルームーン」のフィニッシャーに《嵐の神、ケラノス》を3枚搭載したリストも見受けられたので、「黒緑ジャンク」が多いと読むのであれば、そのようなアプローチもぜひお試しください。
■「青黒<群れネズミ>フェアリー」
3 《島》 1 《沼》 4 《闇滑りの岸》 4 《涙の川》 4 《人里離れた谷間》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《地底の大河》 4 《変わり谷》 2 《地盤の際》 -土地(25)- 4 《群れネズミ》 4 《呪文づまりのスプライト》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《霧縛りの徒党》 -クリーチャー(12)- |
4 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 2 《見栄え損ない》 2 《マナ漏出》 1 《破滅の刃》 1 《燻し》 1 《四肢切断》 4 《謎めいた命令》 4 《苦花》 1 《饗宴と飢餓の剣》 -呪文(23)- |
3 《誘惑蒔き》 2 《見栄え損ない》 2 《喉首狙い》 2 《漸増爆弾》 2 《世界のるつぼ》 2 《地盤の際》 1 《払拭》 1 《神秘の指導》 -サイドボード(15)- |
プロツアー『神々の軍勢』前の禁止改定で《苦花》が解禁されたことにより、再び日の目を浴びるであろうと大きな注目を集めた「青黒フェアリー」デッキ。しかしいざ蓋を開けてみると、《復活の声》を筆頭とした近代のカードパワーに付いていけず、なかなか結果を残すことができませんでした。
「青黒フェアリー」でグランプリを2連覇した高橋 優太(東京)をして、「青黒フェアリーは選択肢にない」と言わしめるほどに色褪せてしまったデッキですが、ここ最近は少しずつ復調の兆しを見せています。
その立役者となっているカードは、スタンダードでも一大旋風を巻き起こしている《群れネズミ》です。
「青黒フェアリー」を一度でも使ったことがある方ならご存知かと思いますが、このデッキの課題は「<苦花>を引かない時の勝率をいかにして上げられるか」です。2ターン目に《苦花》を設置できれば、《呪文づまりのスプライト》は《対抗呪文》に、《霧縛りの徒党》はほぼ確実に「覇権」の失敗しないスーパー《枯渇》へと昇華します。そのような展開であれば、対戦相手がよほど攻撃的なデッキでない限りは簡単にゲームを掌握することができますし、それこそ「手札破壊→《苦花》の動きはゲーム終了の合図」と言われるほどに、この動きの極悪非道さは際立っています。
その一方で、「<苦花>を引かなかった際の脆さ」は「青黒フェアリー」が抱える永遠の課題です。《苦花》がない手札であろうとも、土地と呪文のバランスがいいのであればマリガンするわけにもいきませんし、このジレンマはこれまで解消することができなかったと記憶しています。
そこで白羽の矢が立ったのが《群れネズミ》というわけです。一度量産体制に入ってしまった《群れネズミ》を止めることがいかに困難であるかは、みなさんがスタンダード環境で経験している通りで、このデッキにおける《群れネズミ》は「疑似<苦花>」として機能します。
このおかげで手札破壊→2ターン目に《苦花》か《群れネズミ》と必殺パターンが増えていますし、マリガン回数も明らかに少なくなっています。このリストは本来5枚ほどに抑えられている手札破壊も7枚まで増量されており、徹底して勝ちパターンを増やすように工夫されています。
サイドボードに関しては、「黒緑ジャンク」に強い《誘惑蒔き》の存在感が光ります。クリーチャーを奪う性質上《ヴェールのリリアナ》に強く、《突然の衰微》も効かないナイスガイ。「黒緑ジャンク」を強く意識するのであれば、ぜひとも採用したい1枚です。
依然よりも攻める姿勢を強めた「青黒フェアリー」。一度諦めてしまったみなさんも要注目ですよ!
■「青黒コントロール」
4 《島》 2 《沼》 2 《湿った墓》 3 《霧深い雨林》 1 《新緑の地下墓地》 3 《闇滑りの岸》 3 《忍び寄るタール坑》 2 《沈んだ廃墟》 2 《戦慄艦の浅瀬》 4 《地盤の際》 -土地(26)- 4 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(4)- |
1 《殺戮の契約》 3 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 1 《根絶》 1 《見栄え損ない》 3 《マナ漏出》 2 《熟慮》 1 《燻し》 1 《肉貪り》 1 《ディミーアの魔除け》 1 《四肢切断》 1 《英雄の破滅》 1 《青の太陽の頂点》 4 《謎めいた命令》 2 《神秘の指導》 1 《滅び》 1 《弱者の消耗》 1 《ジェイスの創意》 2 《殴打頭蓋》 -呪文(30)- |
3 《仕組まれた爆薬》 2 《涙の雨》 2 《ジェイス・ベレレン》 1 《思考囲い》 1 《見栄え損ない》 1 《呪文嵌め》 1 《否認》 1 《疑念の影》 1 《記憶殺し》 1 《滅び》 1 《信者の沈黙》 -サイドボード(15)- |
同じ「青黒」デッキでも、お次は本気と書いてマジと読む「コントロール」デッキの紹介です。勝ち手段は《瞬唱の魔道士》×4、《殴打頭蓋》×2、《忍び寄るタール坑》×3の計9枚のみで、残るカードは全て妨害かドロー呪文で占められています。
ここまで本腰を入れた「コントロール」デッキがなぜ今まで勝てなかったかと言いますと、様々なデッキが混在し、なおかつ強いデッキが多いモダン環境において、それら全てにきちんと勝てる「コントロール」デッキを組み上げることが困難なためです。
このデッキに1枚差しのカードが多いのは、多種多様なデッキに打ち勝つための術であり、《神秘の指導》のおかげでそれらを的確なタイミングで導くことが可能となっています。
このリストの長所としては、手札破壊、《根絶》、《謎めいた命令》、《戦慄艦の浅瀬》などが採用されているため、長期戦に強いことです。それこそプロツアー『神々の軍勢』を優勝した「トリコロール(青白赤)・コントロール」デッキなんかには無類の強さを誇ります。
サイドボードはその点を考慮してか、ビートダウンデッキや、軸の違う「赤緑トロン」対策に多めに枠が割かれていますね。
1枚差しのカードが多いため、《神秘の指導》を引けなかった際の「引きムラ」こそ気になるものの、それを差し引いても全国の「コントロール」フリークに希望を与える素晴らしい構築だと思います。今後もメタゲームの僅かな変化に合わせてデッキリストを変えていく必要があると思いますが、久々に「コントロール」デッキを思う存分使ってみたい!という方はぜひ挑戦してみてください!
■「白緑ヘイトベアー」
2 《平地》 1 《森》 4 《寺院の庭》 4 《剃刀境の茂み》 4 《地平線の梢》 1 《永岩城》 4 《幽霊街》 2 《ガヴォニーの居住区》 -土地(22)- 4 《貴族の教主》 4 《レオニンの裁き人》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 3 《漁る軟泥》 4 《刃の接合者》 4 《ちらつき鬼火》 3 《エイヴンの思考検閲者》 4 《修復の天使》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 -クリーチャー(30)- |
4 《流刑への道》 4 《霊気の薬瓶》 -呪文(8)- |
4 《石のような静寂》 2 《避難所の印》 2 《窒息》 2 《世界のるつぼ》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《太陽の槍》 1 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
「ブルームーン」よろしく、対戦相手の動きを封殺することに重きを置いたデッキが「白緑ヘイトベアー」。《レオニンの裁き人》・《エイヴンの思考検閲者》のツートップが、フェッチランドを多用するモダン環境においてナチュラルに強いことに加え、そこに《流刑への道》と《幽霊街》を絡めて対戦相手の動きを縛っていきます。
至極当然な話ですが、デッキの構造上、シャッフルを多用する「赤緑トロン」や「《出産の殻》」デッキに強いデッキです。
また、《ちらつき鬼火》と《修復の天使》コンビがいることもあり、対戦相手としては非常に組し難いデッキであることも特筆に値します。この辺りはローグデッキが持つ普遍的な強みなので、そういった意味でも少数派のデッキを使い込む意義は大いにあります。
サイドボードで注目すべきは、《避難所の印》と《窒息》でしょうか。前者は《紅蓮地獄》と《神々の憤怒》のみならず、クリーチャー除去の大多数を火力呪文に頼っている「トリコロール(青白赤)・コントロール」デッキにも劇的に作用します。後者は「青赤《欠片の双子》コンボ」、「青赤デルバー」、「青赤《吹き荒れる潜在能力》」デッキなど、多くのデッキに効果的であることを買われ、近頃では露出の増えてきた1枚です。
メインボードでは対「親和」デッキに対して絶望的な相性なので、サイドボードに当然のように《石のような静寂》が採用されている点にも注目です。
前述の通りフェッチランドを咎める構成をしているため、対戦相手がフェッチランドしか持っていなかった場合はそれだけで勝ててしまうこともあるでしょう。モダン環境とフェッチランドは切っても切れない関係なので、そういった意味では常にチャンスのあるデッキだと思います。
■「緑単タッチ赤信心」
7 《森》 2 《踏み鳴らされる地》 4 《新緑の地下墓地》 3 《霧深い雨林》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(26)- 4 《東屋のエルフ》 4 《エルフの幻想家》 4 《永遠の証人》 4 《悲しげなセルキー》 4 《なだれ乗り》 4 《酸のスライム》 -クリーチャー(12)- |
4 《起源の波》 4 《楽園の拡散》 4 《肥沃な大地》 4 《野生語りのガラク》 -呪文(22)- |
4 《強情なベイロス》 3 《呪文滑り》 3 《忍び寄る腐食》 3 《墓掘りの檻》 2 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
こちらは《楽園の拡散》か《肥沃な大地》の付いた土地を、《東屋のエルフ》や《野生語りのガラク》でアンタップしてマナを爆発的に増やし、そこから《起源の波》へと繋げるデッキです。
デッキ名に「信心」と付いているだけあって、もちろん《ニクスの祭殿、ニクソス》も採用されており、それと《野生語りのガラク》の組み合わせがどれほど膨大な量のマナを生み出すのかは説明するまでもないでしょう。
このリストは、今までは必ずといっていいほど採用されていた《原始のタイタン》・《孔蹄のビヒモス》が不採用となっていて、その代わりに《なだれ乗り》と《酸のスライム》を用いた土地破壊戦略という、一線を画した構築が成されています。
このデッキの負けパターンはクリーチャーやマナ加速を潰されて、重いカードが手札に溜まってしまうことなので、おそらくはその展開を減らす目的があるのではないかと思います。ドデカイ《起源の波》をキャストできれば、勝ち手段がなんであれ勝利することができますし、この変更には好感が持てますね。パーマネントでない点は残念ですが、「土地破壊」という意味合いでは《すき込み》を採用しても面白いでしょう。
サイドボードは目的のはっきりしたカードばかりで構成されていますが、《墓掘りの檻》は《起源の波》とウルトラスーパーハイパー相性が悪い(14:30頃からご覧ください)ので、墓地対策や《出産の殻》対策をするにしても、他のカードを採用した方がいいと思います。
「コガモダン」vol.3は以上になります。今回紹介させていただいたデッキはほんの僅かではありますが、少しでもモダン環境の奥深さが伝われば幸いです。
今週末からはまた各地で「プロツアー予選」が開催されますし、8月23・24日にはグランプリ・神戸2014も開催されます!どのデッキにも十分なチャンスがありますし、あなたなりの思い入れのあるカードやデッキを選ぶのもいいと思います。モダン環境はやり込めばやり込むだけ強くなると言われているので、そろそろデッキを決めて練習に打ち込んでいければ理想的ですね!
次回はグランプリ・神戸2014直前特集をお送りする予定です。次回もよろしくお願いいたします!
それでは、また次回の連載で!