By Akihisa Tomikawa
三か月ぶりの開催となった『第二期関西帝王戦モダン』。参加者は前回の81名を大きく上回る91名での開催となった!!
— Hajime Fujii(Magic Judge) (@gemstone) 2018年6月17日
店内各所の「机ではない」箇所も使用した最大収容人数。関西モダン勢の夏の日差しにも負けない熱気が伝わってくる。
そんな中、8つの異なるアーキタイプが勝ち上がった決勝ラウンドを勝ち上がり、決勝戦にたどり着いた2名。
片やプロツアー『イクサランの相克』で確かな存在感を見せたマルドゥ・パイロマンサーを操る門脇 竜也。
もう片やそして同大会にてチーム武蔵に所属するトッププロ、行弘 賢が使用し、そのポテンシャルの高さから環境に定着したホロウワン。使うはブロンズレベル・プロの谷口 裕昭。
それぞれコントロールとコンボに分類されるデッキであり一般的にはこのマッチアップは相手の動きを妨害することに長けるコントロールに軍配が上がる。しかし、このマッチアップにおいてはその法則は当てはまらない。
マルドゥ・パイロマンサーは白が入っているものの《流刑への道》を採用していないアーキタイプなので、何度も墓地から戻ってくるクリーチャーに対処することができないのだ。それに加え、門脇のリストではホロウワンが繰り出す探査クリーチャー2種《黄金牙、タシグル》と《グルマグのアンコウ》を1枚で処理する手段が75枚中2枚しか存在しない。
マルドゥ・パイロマンサーのハンデスが試合をコントロールするか、はたまたホロウワンのランダムディスカードがゲームプランを崩壊させるか。手札を狙う、墓地を利用する。同じコンセプトと言えるデッキ同士が今、激突する。
Game1
先手はスイスラウンド3位の門脇。《黒割れの崖》から《思考囲い》。受ける谷口のオープンハンドは、
というもの。この中からまず《ゴブリンの知識》を抜く。さらに《若き紅蓮術士》から《コジレックの審問》で《燃え立つ調査》を奪い去り、このマッチアップの天秤を一気に傾ける。
対する谷口は《炎刃の達人》の展開を優先したことでドローを進めることなく《恐血鬼》を並べ、次のトップで意を決し《集団的蛮行》!「増呪」は全力、捨てたカードは《血染めのぬかるみ》と《恐血鬼》。
これによって谷口の手札は空になるが、《若き紅蓮術士》を除去しつつ門脇の手札を奪うことでトップ勝負に持ち込もうとする。しかし、門脇はこれに対応して《コラガンの命令》をキャスト。
モードは《炎刃の達人》に2点と、『自分が』カードを1枚捨てる。門脇自身の手で墓地に置かれるカードは……窮屈な白のマナの制限から解き放たれる《未練ある魂》!
スタックの呪文を全て解決すると、門脇は《若き紅蓮術士》に加えて《集団的蛮行》の手札破壊モードにより《信仰無き物あさり》こそ失うものの、エレメンタルトークン2体と墓地に《未練ある魂》を蓄えることに成功する。
対する谷口は手札も尽き、戦場には《炎刃の達人》と《恐血鬼》。頼みの綱である墓地リソースも《恐血鬼》のみといった状況。果敢に戦闘を試みるも、門脇がマルドゥデッキの代名詞ともいえる《騒乱の歓楽者》を着地させると《集団的蛮行》で奪ったリソースも回復されてしまい、守備に向かない《恐血鬼》を抱えた谷口を2枚の《稲妻》が引き裂いた。
門脇 1-0 谷口
Game2
先手の谷口は悩みながら6枚をキープ。その望みを門脇の《思考囲い》が暴く。
明かされた谷口の手札は土地が4枚と《信仰無き物あさり》、《集団的蛮行》。門脇はその中から《集団的蛮行》を抜き去り、さらに《信仰無き物あさり》から《未練ある魂》を2枚捨て、手札に回答を用意できずにいる谷口を責め立てる。
だが、ここで門脇にトラブルが発生。土地が引けず2マナでストップしてしまう。さらにマナを立てたままエンドを宣言し、帰ってきたターンで「ミスった……」と一言。
そう、墓地にある《未練ある魂》を唱えないままターンを渡してしまっていた。
これにより谷口が出していた《渋面の溶岩使い》に睨まれる格好になり、続くターンにもスピリットを呼び出すことができず、《渋面の溶岩使い》を《戦慄掘り》で処理するのみとなる。
谷口はトップデッキした《炎跡のフェニックス》で攻守交替の形となった戦場を駆け抜け、門脇のライフを9へと減らす。さらに《信仰無き物あさり》で2枚目の《炎跡のフェニックス》を捨て、手札に控える《虚ろな者》へのお膳立てを完了させた。
しかし、ついに3マナを揃えた門脇が谷口を捉える。《コラガンの命令》! 選択したモードは《炎跡のフェニックス》に2点と、谷口に手札を1枚捨てさせるというもの。さらに、これによって墓地に落ちた《炎跡のフェニックス》に対して必殺の《外科的摘出》!
続けて次のターンの谷口のドローステップに2枚目の《コラガンの命令》を炸裂させ、事実上の《Time Walk》を果たす。門脇はダメ押しとばかりに更地となった戦場に《最後の望み、リリアナ》を降り立たせ、谷口へと終了へのカウントダウンを突きつける。
谷口も豊富な墓地を利用して《黄金牙、タシグル》を召喚するも、《最後の望み、リリアナ》の-2/-1修正を受け、2/4で殴るのみ。
盤面、手札こそ谷口が劣勢だが、門脇のライフはすでに残り4。即死の要因足りえる《稲妻》こそ2枚目の《外科的摘出》で対処したが、まだどこからでも負ける可能性がある。それを物語るかのように、谷口は威迫を持つ《炎刃の達人》を戦線に加え、打破を目指す。
しかし、またしても。
門脇が2枚の土地を寝かせて唱えたのは《騒乱の歓楽者》!さらに、捨てられた手札の中には3枚目の《未練ある魂》!
一瞬にして3体のクリーチャーを並べた門脇は、谷口の猶予を奪っていく。
谷口はなおも《信仰無き物あさり》を「フラッシュバック」し、”育った”《炎刃の達人》2体と《黄金牙、タシグル》でアタックするが、それには門脇の《終止》が刺さり、ライフを削ることができない。
やがて《最後の望み、リリアナ》の「-7」能力が解き放たれ、ゾンビの増殖が始まる。
ようやく《熱烈の神ハゾレト》にたどり着き、2回の起動で門脇を燃やし尽くす目途が立ったものの、その未来を迎える前に増殖するスピリットとゾンビに押しつぶされることとなった。
門脇 2-0 谷口
『第二期関西帝王戦モダン』、優勝は門脇 竜也!
おめでとう!!