神と挑戦者の読み合い: モダン編

晴れる屋

By Hiroshi Okubo

 この神決定戦の醍醐味は、デッキの読み合いが発生するということにある。

 何せ対戦相手は1人。多くの対戦相手が駆る様々なデッキと戦う必要がある普段のトーナメントと違い、ただ1人に勝てばいいのであって、極端な話相手のデッキが75枚わかっているなら、それをガンメタすることすら正当化される。

 そんな状況で。はたして『神』は、『挑戦者』はいかなるデッキを持ち込むのか?

 ここでは互いのデッキについての2人の事前予想を聞いてみよう。

Q1.対戦相手が持ち込んでくるデッキは何だと思いますか?
また、その理由は?

渡邉 真木

渡邉

  1. 予想を外す
  2. 多少の妨害要素がある高速アグロ(バーン、ホロウワンなど)
  3. 最高峰のクロックパーミ(人間、死の影など)
  4. とにかく早いコンボ(KCIなど)

あちら側からするとフェアではなく何らかのオールインがターゲットになると思うので、どんなオールインに対しても多少妨害しながらの殴り勝ちが期待できる早いデッキを使ってくる可能性が高いと考えました。また、こちらがフェアをおそらく使わない=手札破壊やカウンターはない。とも考えられるので、手札コンボの可能性もあると思います。

クリーチャーコンボ系は予想されやすく対策される可能性を考えると使われないと思います。除去コンも多種多様なオールインを受け手に回りながら捌き切るのが大変なのでないかと思います。

小田 光一

小田

『基本セット2019』がモダンに与えた影響が大きく、デッキの予想がまるでできませんでした。あえて予想するなら、墓地コンボかバーン、人間です。

Q2.それを踏まえてどのように考えてデッキ選択やカード選択をしましたか?

渡邉 真木

渡邉

5色人間を選択しました。苦手なクリーチャーコンボ系と除去コンは使われる可能性が薄いと考えたことが大きいです。

バーンや死の影にはサイド含めて微有利が付きますし、上で名前を挙げたデッキとのマッチアップは悪くとも五分です。強いデッキなので予想が外れてもある程度は戦えると思います。

人間がカンパニーを苦手としていることと、こちらがこれまでは「死せる生」「呪禁オーラ」とローグ寄りのデッキで来ていることから、意外と予想されにくそうだな、とも感じています。

小田 光一

小田

幅広く戦える白青コントロールを選択しました。土地構成は本来《廃墟の地》を採用するところを、《屍肉あさりの地》《探知の塔》にしています。墓地コンボと、前回使用されたボーグルに対するささやかな抵抗です。

Q3.自信のほどはいかがですか?

渡邉 真木

渡邉

もし小田さんが自分を貫いてカンパニーを選択されたとしたら厳しいです。それ以外のデッキならいい勝負になると思います。

ただ、結局勝負は時の運。相性で勝負しているわけではないので、最後まで挑戦者の気持ちで足掻きます。

小田 光一

小田

奇跡に賭けます。


 神・渡邉、読みは外したが……!?

 渡邉は小田のデッキを「(何らかの形で)対応を押し付けてくるデッキ」と予想し、逆にコントロールデッキを選ばれることはないだろうと踏んで自身も環境のベストデッキの一つである「5色人間」を選択。デッキパワーはモダンの中でも最高峰であり、たとえ読み外していたとしても戦えるというのがデッキ選択の決定打となったようだ。

 対する小田は「白青コントロール」を選択。渡邉のデッキ選択を読めなかったために、何を使われてもある程度対応が可能なデッキを選択したのだ。これにより結果的に渡邉の読みを絶妙に外すことに成功しており、読み合い時点での勝負は互角といったところだろう。

 互いの読みが交錯した結果、デッキ相性では大きな差はつかず、両者の腕が出るマッチアップとなったこの戦い。両者の間で揺れ動く神のタイトル、その栄冠を掴み取るのはどちらだ!?