By Yuuki Murakami
今回から大会賞品などグレードアップしての開催となった『第四回スタンダード東海王決定戦』もついに決勝戦。
本村 茂は現『スタンダード東海王』にして、先日のRPTQでプロツアーの権利も獲得と、いま勢いのあるプレイヤーだ。
対する丸山 友一郎も「今日は誕生日だから勝ちたい」と冗談を言っているがPPTQ突破や、昨年のLast Sun2017へ出場等、意欲的にトーナメントに参加する愛知の強豪プレイヤーだ。
本村 茂(左) vs. 丸山 友一郎(右)
2人の手には、構成は違えども環境王者・赤黒カラーのデッキが握られている。
初の連覇か！？新たな王の誕生か？
Game 1
スイスラウンド1位の本村が先手で7枚でキープ。後手の丸山はダブルマリガンと手札枚数は厳しいが、1ターン目《ボーマットの急使》の好スタート。
本村は2ターン目《屑鉄場のたかり屋》出しエンド。丸山は返すターン《ボーマットの急使》アタックから《キランの真意号》を追加。
初の戴冠を狙う丸山
有利かと思われた盤面も、本村が《ゴブリンの鎖回し》をキャストすると《ボーマットの急使》は貯金を下ろせないまま退場させられ、《屑鉄場のたかり屋》がライフを削る。丸山は《木端＋微塵》で《ゴブリンの鎖回し》を除去、《山》を置いてターンエンド。
お互い盤面のクロックを処理する中で手札の多い本村有利かと思いきや、本村は4ターン目土地を置けず苦しい状況。《屑鉄場のたかり屋》でアタックしターンエンド。対する丸山は4ターン目に山を置き《反逆の先導者、チャンドラ》をキャスト、トップを追放し2点を与えてターンエンド。
5ターン目も土地を置けない本村は《屑鉄場のたかり屋》で《反逆の先導者、チャンドラ》へアタック。忠誠値を使ってクリーチャー化、ブロックした《キランの真意号》には戦闘終了後に《マグマのしぶき》で除去。自身も《キランの真意号》を場に。手札には《ヴラスカの侮辱》が2枚あり、4マナにたどり着きさえすれば、まだ巻き返しが図れる盤面だ。
丸山は《反逆の先導者、チャンドラ》の「+1」能力でトップを公開。ここで追放された《ピア・ナラー》は唱えず2点ダメージを選択すると、手札から《再燃するフェニックス》を出し、盤面の差を広げる。
まだ土地を引けない本村、3マナオープンでターンを返す。丸山は《反逆の先導者、チャンドラ》から赤マナを出し《栄光をもたらすもの》を追加、2体で攻撃するかと思いきや、墓地を確認すると《栄光をもたらすもの》のみでアタック、これには本村「げんじつ～」と一言、《屑鉄場のたかり屋》が場に戻り機体に搭乗。ドラゴンと機体の交換が行われ、ターンエンド。
本村は《大災厄》で《再燃するフェニックス》を追放し《屑鉄場のたかり屋》で《反逆の先導者、チャンドラ》へアタック。忠誠値を削り反撃の機会を窺う。
ダブルマリガンで既に手札がない丸山だが、こんな時こそ心強い《反逆の先導者、チャンドラ》。トップを公開し《削剥》を《屑鉄場のたかり屋》へ、さらに引いた《屑鉄場のたかり屋》を盤面に追加と2アクションで本村に迫る。
四度土地を引けない本村、《木端＋微塵》で《屑鉄場のたかり屋》を除去しターンエンド。対する丸山は《ボーマットの急使》キャスト→アタックから、《反逆の先導者、チャンドラ》でトップを追放し2点を選択。本村のライフを7まで削り、相手のターンに《屑鉄場のたかり屋》も墓地から戻せる状況へ。
土地が引けない本村に対し、丸山がダブルマリガンから怒涛の攻勢をしかける
ここで大望の4マナ目を引いた本村だが、今度は手札が4マナのみで2アクションが取れず。丸山へターンを返し、戦闘中の《屑鉄場のたかり屋》への《ヴラスカの侮辱》を《削剥》でかわされたところで投了を宣言。
ダブルマリガンから丸山の勝利！
本村 0-1 丸山
メインは本村がミッドレンジ、丸山がビートダウンという構成だが、2人ともサイドボード後は、コントロール寄りにシフトする入れ替えを行った。
本村 サイドボーディング
Out
In
丸山 サイドボーディング
Out
In
何と、丸山はサイドボードで14枚、デッキ全体の約4分の1を入れ替えてコントロールにシフト！ここまで大胆なサイドボードは、今はなきマルドゥ機体を思い起こさせる。
Game 2
再度、本村が先手。お互いコントロールにシフトしているため、土地を置いてはターンを返す緩やかな立ち上がり。そして、後手の丸山が3枚目の土地を置けず。4ターン目に本村がキャストした《再燃するフェニックス》にはエンドに《削剥》、メインに入り《マグマのしぶき》で処理するが以前土地は2枚。1本目とは立場が入れ替わったというか、より悪い状況だ。
対して、順調にマナを伸ばす本村は《炎鎖のアングラス》をキャスト、「+1」能力で手札とライフを同時に攻める。
やっと3枚目の土地を引いた丸山は《ゴブリンの鎖回し》を場に出すが、即座に《栄光をもたらすもの》の「督励」アタックで処理され、《炎鎖のアングラス》に、また1枚ディスカードを迫られる。
丸山も4枚目の土地も引き込み《再燃するフェニックス》を場に出すが、本村が強い。まずは《炎鎖のアングラス》でディスカードさせ、丸山の手札を1枚に、《再燃するフェニックス》も《マグマのしぶき》から《反逆の先導者、チャンドラ》を場に追加し「-3」能力でトークンも出させず処理する。
丸山も《反逆の先導者、チャンドラ》キャストから赤マナ2つだし、《木端＋微塵》で《栄光をもたらすもの》を除去し一縷の望みに賭ける。
プレインズウォーカーたちの競演
しかし、本村が《反逆の先導者、チャンドラ》でトップを公開すると《栄光をもたらすもの》が、そして丸山の《反逆の先導者、チャンドラ》に《チャンドラの敗北》をキャストされたところで投了を宣言。
本村 1-1 丸山
再びのサイドボード、後手になる本村は《焼けつく双陽》をサイドイン。丸山も先手時は《屑鉄場のたかり屋》をメインボードに戻す。
Game 3
3本目にして、初の先手を取る丸山、1ターン目《山》、2ターンに《竜髑髏の山頂》をセットするも、3ターン目に土地を置けず。《キランの真意号》を場に出してターンを返す。
対して本村はこのゲームも順調に土地をセットし、《キランの真意号》にはターンエンドに《削剥》で対処、3ターン目には《ピア・ナラー》を場に出す。《ピア・ナラー》は《削剥》で除去されるも飛行機械トークンが1点ずつダメージを刻む。
先に4マナに到達した本村は《反逆の先導者、チャンドラ》を出し「+1」能力で丸山へ2点ダメージを与えターンエンド。丸山も返すターン即座に《反逆の先導者、チャンドラ》へ《チャンドラの敗北》をキャスト、ルーティングで待望の《竜髑髏の山頂》を引き戦場に。
土地が余り気味の本村は《泥濘の峡谷》をサイクリングし、飛行機械トークンでアタック。《ゴブリンの鎖回し》を追加するも、すぐに除去されてしまいクロックがかからない。ここで、4マナに伸びた丸山は《反逆の先導者、チャンドラ》を出し、「-3」能力で飛行機械トークンを処理す。この《反逆の先導者、チャンドラ》はエンドに《ヴラスカの侮辱》されて盤面は更地に。
本村再度《泥濘の峡谷》をサイクリング、《死の権威、リリアナ》を引くも、残りが4マナでキャストできずターンを終了。
連覇を狙う現スタンダード東海王・本村
土地が止まっていたということは手札が強い丸山、5マナ目の土地を置き2枚目の《反逆の先導者、チャンドラ》を場に、「+1」能力で公開された《強迫》を即座にキャストすると、対応して《反逆の先導者、チャンドラ》には《ヴラスカの侮辱》。公開された本村の手札から《死の権威、リリアナ》を奪い去り、実質的なスペルは《木端＋微塵》のみに。
お互い場に出せる脅威がなく、1ターン土地を置いてお互いにターンを返すと、先に本村の場に《ウルザの後継、カーン》が登場。「+2」能力で2枚めくると《栄光をもたらすもの》と《山》が公開され、《山》が手札へ。
丸山も《ウルザの後継、カーン》を引き即座に場へ、《泥濘の峡谷》と《山》が公開され《山》を手札へ加えてターンエンド。
本村、《ウルザの後継、カーン》の「-1」能力で《栄光をもたらすもの》を手札に加えキャスト、即座に丸山の《ウルザの後継、カーン》へアタック。さらに《ゴブリンの鎖回し》を追加する。
対する丸山、《ウルザの後継、カーン》の「+2」能力を起動し公開された《山》と《霊気拠点》から、《霊気拠点》が手札に。《栄光をもたらすもの》を出し「督励」で《ゴブリンの鎖回し》を除去しながら《ウルザの後継、カーン》へアタック。さらに《木端＋微塵》で本村の《栄光をもたらすもの》を除去と場の有利が目まぐるしく入れ替わる。
盤面から脅威が失われた本村、《ウルザの後継、カーン》の「+1」能力を起動すると《栄光をもたらすもの》と《反逆の先導者、チャンドラ》が公開される！！
手札に加えるカードには《反逆の先導者、チャンドラ》が選択され、即座に場に出て「+1」能力を起動。土地が9枚ある本村のトップから公開されたのは《ヴラスカの侮辱》！丸山の《ウルザの後継、カーン》が除去され、勝敗の天秤が大きく本村に傾く。
丸山、2体のプレインズウォーカーへの解答が引けず。能力で広がったカードアドバンテージに加えて、忠誠度が7に到達した《反逆の先導者、チャンドラ》奥義によりライフを削り切られてしまった。
本村 2-1 丸山
『第四期スタンダード東海王決定戦』、優勝は本村 茂！
東海王決定戦、初の2連覇！！
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