Round 1: 相澤 恵司(茨城) vs. 星野 知之(静岡)

晴れる屋



By Yuya Hosokawa


 ついに開幕したPWC Championship 2015。
 
 「PWC」の名を冠する大会で上位入賞をしたことのあるプレイヤーと、年間ランキング100位以上のプレイヤーしか参加することの出来ない招待制のイベントとあって、対戦テーブルには強豪ばかりが着くこととなる。

 第1ラウンドでも、強力なプレイヤー同士が火花を散らすこととなった。

 まずは静岡より参戦となる星野 知之。週末に東京へと遠征し、その腕を磨くプレイヤーだ。【昨日行われたPPTQ「ミルウォーキー」】では惜しくも決勝戦にて敗北してしまったものの、その腕は確かなことは証明した。デッキは昨日のPPTQで好成績を収めたティムールアグロ。『運命再編』加入前までは比較的メジャーなアーキタイプだったティムールは、近頃では赤緑アグロの増加に伴いその数を減らしているが、星野はそんな逆風に真っ向から立ち向かっている。環境の初期から研ぎ続けていた得物を手に、東京二連戦の二日目を戦う。

 そしてそんな星野の対戦相手は、ご存知歴代ミスターPWCの1人、相澤 恵司。東京から茨城に移住したことでPWCへの参加回数は減ってしまったものの、歴代ミスターPWC特権により本日はこのPWCCに参戦している。東京を離れてしまった相澤だったが、マジックへの熱は一向に冷めないどころか上がっている一方のようで、ついこの間行われた【BIGMAGIC OPEN vol.3】でもトップ8入賞を果たしている。

 相澤の使用デッキはもちろん赤緑。『タルキール覇王譚』が発売されてから相澤が刃を磨き続けている真剣だ。茨城で名刀を鍛えた相澤が、その白刃を東京で光らせる。

 ティムール対グルール。静岡と茨城からやってきた二人の侍が、東京の地で刃を交差させる。
 




Game 1
 決闘は《奔放の神殿》の置き合いで静かに始まった。星野は先手の利を生かして動くことは出来ず、2ターン目にも《奔放の神殿》を置くのみ。今回も「占術」は下に置く。

 相澤の《森の女人像》に対して《灰雲のフェニックス》を「変異」でキャストと、少し寂しい星野。

 ようやく『運命再編』からの新しい刃である《大いなる狩りの巫師》を呼び出すも、その「速攻」という武器を生かすことはできなかった。相澤は更に強大な得物をコントロールしていたからだ。

 その名は《世界を喰らう者、ポルクラノス》


 《大いなる狩りの巫師》は怪物と化した《世界を喰らう者、ポルクラノス》の餌食となり、《灰雲のフェニックス》も星野のライフを守るべく、その犠牲に。

 7点のライフを重んじた星野の狙いは明らかだった。《龍語りのサルカン》で攻撃を仕掛けたのだ。7/7を除去することが出来ない以上、刺し違えるしかない。ライフは1点も無駄には出来ない。



星野 知之 



 だが、そんな星野に相澤はもう一本の武器を用意していた。その得物は《嵐の息吹のドラゴン》

 星野の手札にも《嵐の息吹のドラゴン》。しかし刺し違えることはもうない――出来ない。

 二刀流となった相澤を一瞥し、刀を失った星野は、並べ続けていた土地を片付けた。


相澤 1-0 星野



Game 2
 このマッチで早くも4回目となる《奔放の神殿》セットが決闘開始の合図となった。

 次のターンも変わらず「占術」をする星野に対し、絶好調の相澤は《エルフの神秘家》から《ゴブリンの熟練扇動者》と、切れ味抜群。

 相澤の刃を食い止めるべく星野が呼び出したのはまさしく《凶暴な拳刃》

 だが、その凶暴さを存分に発揮するためには、その拳を相沢に向けなければならない。

 今回はその拳は《ゴブリンの熟練扇動者》へと伸び、相打ちとなる。

 更に相澤は《世界を喰らう者、ポルクラノス》をプレイ。星野の喉笛に刃を突きつけ続ける。



相澤 恵司 



 これに対して星野は2枚目の《凶暴な拳刃》と心もとない。これではつばぜり合いにならない。それでも《世界を喰らう者、ポルクラノス》の攻撃をスルーし、ダメージレースを挑むことで刺し違えることは出来る。《凶暴な拳刃》にはそれほどの切れ味がある。

 それでも相澤は斬り合いに持ち込ませることはなかった。《嵐の息吹のドラゴン》を左手に追加し、二刀流で星野を斬り付ける。

 星野も負けじと《龍語りのサルカン》《嵐の息吹のドラゴン》を処理にかかるも、相澤の手札からは更なる《嵐の息吹のドラゴン》飛び出す。


嵐の息吹のドラゴン



 剣太刀を乱舞させる相澤に、星野は刀を収め、静かに降参の意を示した。



相澤 2-0 星野