こんにちは!今回モダンの記事を担当させていただくことになりました、Hareruya Prosの津村 健志です。
プロツアー予選(以下PTQ)やグランプリ神戸と、今年の夏はいつも以上にモダンが熱い!ということで、この度PTQなどの大会結果をピックアップしていく連載を始めさせていただく運びとなりました。はじめましての方もそうでない方も、何卒よろしくお願いいたします!
今週はPTQ川崎とPTQ金沢、そして「モダン神決定戦」の大会結果を見ていきたいと思います。まずはトップ8に残ったデッキをご覧ください。
直近のモダンイベントの結果
■PTQ川崎(2014/06/07) →トップ8デッキリスト 優勝 「4色《出産の殻》」 準優勝「親和」 3位 「ジャンド(黒緑赤)」 4位 「黒緑ジャンク」 5位 「黒緑ジャンク」 6位 「青赤《欠片の双子》コンボ」 7位 「青赤《欠片の双子》コンボ」 8位 「黒緑ジャンク」 |
■モダン神決定戦(2014/06/14) →トップ16デッキリスト 優勝 「ボロス(赤白)・バーン」 準優勝「親和」 3位 「青赤《欠片の双子》コンボ」 4位 「マーフォーク」 5位 「メリーラポッド(緑黒白)」 6位 「ジャンド(黒緑赤)」 7位 「ラクドス(赤黒)・バーン」 8位 「黒緑ジャンク」 |
■PTQ金沢(2014/06/15) →トップ8デッキリスト 優勝 「親和」 準優勝「メリーラレスポッド(緑黒白)」 3位 「黒緑ジャンク」 4位 「ジャンド(黒緑赤)」 5位 「メリーラポッド(緑黒白)」 6位 「8Rack(黒単手札破壊)」 7位 「トリコロール(青白赤)・コントロール」 8位 「ラクドス(赤黒)・バーン」 |
~デッキ分布~
8人 「黒緑ジャンク」(ジャンド含む)
4人 「《出産の殻》」
3人 「親和」
3人 「《欠片の双子》コンボ」
3人 「バーン」
1人 「トリコロール・コントロール」
1人 「マーフォーク」
1人 「8Rack」
(なお、今回のデッキリストは「ストライクと大会」様、「ファミコンランド小松店」様にご提供いただきました。ご協力いただき誠にありがとうございました)
さて、これらみっつの大会の上位デッキ分布を見てみると、「黒緑ジャンク」系デッキの活躍が目立ちます。《死儀礼のシャーマン》の禁止によって存続の危機に瀕したデッキだと思われていましたが、どうやらそれは杞憂だったようです。「黒緑ジャンク」から派生した「ジャンド(黒緑赤)」デッキも合わせると、2位の「青赤《欠片の双子》コンボ」デッキに倍の差を付ける8席を独占しています。
上位4種のデッキである「黒緑ジャンク」、「《出産の殻》」、「青赤《欠片の双子》コンボ」、「親和」デッキは今現在のモダンを牽引する4トップと呼べるデッキなので、今週はデッキの解説も含めてそれらのデッキを中心に見ていきましょう。
モダンのトップ4アーキタイプ解説
■「黒緑ジャンク」(ジャンド含む)
2 《沼》 1 《森》 3 《草むした墓》 4 《新緑の地下墓地》 2 《湿地の干潟》 2 《黄昏のぬかるみ》 1 《森林の墓地》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《樹上の村》 4 《地盤の際》 -土地(24)- 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 4 《漁る軟泥》 3 《クルフィックスの狩猟者》 1 《最後のトロール、スラーン》 -クリーチャー(16)- |
1 《殺戮の契約》 4 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 2 《四肢切断》 2 《大渦の脈動》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(20)- |
3 《大爆発の魔道士》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《悲哀まみれ》 2 《忍び寄る腐食》 2 《墓掘りの檻》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《外科的摘出》 1 《思考囲い》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
3 《沼》 1 《森》 2 《草むした墓》 4 《新緑の地下墓地》 2 《湿地の干潟》 4 《黄昏のぬかるみ》 1 《森林の墓地》 4 《樹上の村》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《地盤の際》 -土地(24)- 4 《タルモゴイフ》 4 《闇の腹心》 4 《漁る軟泥》 3 《ファイレクシアの抹消者》 -クリーチャー(15)- |
4 《コジレックの審問》 4 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 1 《夜の犠牲》 2 《四肢切断》 2 《大渦の脈動》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(21)- |
3 《大爆発の魔道士》 2 《夜の犠牲》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《悲哀まみれ》 2 《滅び》 2 《ファイレクシアの闘技場》 1 《光と影の剣》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
手札破壊から《闇の腹心》or《タルモゴイフ》、さらには《ヴェールのリリアナ》へと繋げる動きは依然として健在かつ強力です。このデッキの強みとしては、動きが安定していること、それに加え環境的に<突然の衰微>が強いことが挙げられるでしょう。
《突然の衰微》はミラーマッチで強力なのはもちろんのこと、「黒緑ジャンク」に次ぐ勢力である「青赤《欠片の双子》コンボ」デッキに対しても有効な1枚です。「青赤《欠片の双子》コンボ」デッキが幅を利かすモダン環境では、「カウンターされない」能力が非常に心強いですね。
「青赤《欠片の双子》コンボ」デッキを抜きにしても、「親和」デッキの《頭蓋囲い》だったり「《出産の殻》」デッキのマナクリーチャーだったりと、メタゲーム上位のデッキに対して有効であることが、《突然の衰微》の、そして「黒緑ジャンク」デッキの評価を上げる要因となっています。
固定パーツの多いデッキではありますが、人によってよく分かれるスロットは13枚目以降のクリーチャー選択です。一般的に採用されているカードとしては、《クルフィックスの狩猟者》、《最後のトロール、スラーン》、《ファイレクシアの抹消者》の3種類ですが、個人的に《クルフィックスの狩猟者》はお勧めしません。
《クルフィックスの狩猟者》はフェッチランドと相性が良いこと、《稲妻》で死なないことは加点対象ですが、単純にカードパワーに難があると思っています。「黒緑ジャンク」は2色のデッキなので土地から受けるダメージも少ないため、ライフゲインにそこまで大きな魅力を感じませんし、手札破壊後に最も効果的な戦略はさっさと攻撃してゲームを終わらせることなので、そういった意味合いでも《クルフィックスの狩猟者》以外のカードを採用すべきなのではないかと思います。
他候補の《最後のトロール、スラーン》と《ファイレクシアの抹消者》はどちらも打点の高いカードですが、メリットとデメリットがハッキリしているので、当たりはずれが大きい印象を受けています。《最後のトロール、スラーン》は青系のデッキに強い反面で、「《出産の殻》」デッキのようなクリーチャーを並べるデッキに対して無力なのが欠点です。もう一方の《ファイレクシアの抹消者》は青いデッキにこそあまり強くないものの、「《出産の殻》」やクリーチャーデッキに強いことが最大の魅力ですね。ただし、《ファイレクシアの抹消者》のもうひとつの欠点として、マナベースに負荷がかかる点には留意しておきましょう。《ファイレクシアの抹消者》をきっちりと4ターン目にキャストするためには、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を採用するだけでは心もとないため、《地盤の際》を減らして《黄昏のぬかるみ》を増量する必要があります。
《地盤の際》は「ウルザランド」や《天界の列柱》に強いですし、「黒緑ジャンク」デッキは除去を《突然の衰微》に頼っていることもあり、《天界の列柱》系統の「ミシュラランド」に苦戦しがちなので、《地盤の際》はぜひとも採用したいカードです。これを減らしてまで《ファイレクシアの抹消者》を使用すべきかどうかはいささか疑問に感じるので、今のところの結論としては《最後のトロール、スラーン》の方が優れているのではないかと考えています。
最近ではメインから《大爆発の魔道士》が採用されていたり、市川ユウキさんは《朽ちゆくヒル》をお勧めしているようなので、「13枚目以降のクリーチャー枠」はみなさんも自分なりのカードを試してみてください。
また、このデッキを使用する際の注意点として、「親和」デッキへの対策を怠らないようにしましょう。後述になりますが、「親和」デッキは手数の多さで対戦相手を圧倒するデッキです。「黒緑ジャンク」デッキでそのスピードについていくことは容易なことではないので、《ゴルガリの魔除け》、《悲哀まみれ》、《忍び寄る腐食》、《滅び》といった他のデッキにも有効な受けの広いカードで、きっちりと対策しておきましょう。
2 《森》 1 《沼》 2 《草むした墓》 2 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 1 《湿地の干潟》 4 《黒割れの崖》 1 《黄昏のぬかるみ》 2 《怒り狂う山峡》 2 《樹上の村》 -土地(24)- 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 4 《漁る軟泥》 3 《大爆発の魔道士》 -クリーチャー(15)- |
4 《稲妻》 4 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 2 《終止》 1 《大渦の脈動》 3 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(21)- |
4 《強情なベイロス》 3 《古えの遺恨》 2 《オリヴィア・ヴォルダーレン》 2 《神々の憤怒》 1 《大爆発の魔道士》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《ジャンドの魔除け》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
「黒緑ジャンク」の派生デッキとして、常に一定数以上の使用者がいるのが「ジャンド」デッキです。赤を足せば《古えの遺恨》、《ジャンドの魔除け》、《神々の憤怒》などの強力なカードが使えるという利点もありますが、やはり「モダン環境最高の1マナ呪文」である《稲妻》がデッキに加わること以上のメリットはないでしょう。
ここ最近で「ジャンド」よりも「黒緑ジャンク」が増えているのは、《死儀礼のシャーマン》が禁止になったことで、以前よりも土地から受けるダメージが増えているためだと考えられますが、ライフ損失は《漁る軟泥》や《クルフィックスの狩猟者》でカバーすることができます。そのため、「ジャンド」デッキは「黒緑ジャンク」よりも《クルフィックスの狩猟者》がフィットしたデッキだと言えるでしょう。
3色のデッキなので《地盤の際》が使えないというデメリットもありますが、それを帳消しにできるほどに魅力的なカードが多いため、十分に考慮に値するデッキだと思います。
■「青赤<欠片の双子>コンボ」
5 《島》 1 《山》 3 《蒸気孔》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 4 《硫黄の滝》 2 《僻地の灯台》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 3 《呪文滑り》 4 《やっかい児》 2 《詐欺師の総督》 -クリーチャー(13)- |
4 《稲妻》 4 《血清の幻視》 3 《よじれた映像》 4 《差し戻し》 3 《電解》 2 《広がりゆく海》 4 《欠片の双子》 -呪文(24)- |
3 《血染めの月》 2 《破壊放題》 2 《焼却》 2 《神々の憤怒》 2 《不忠の糸》 2 《大祖始の遺産》 1 《白鳥の歌》 1 《広がりゆく海》 -サイドボード(15)- |
《欠片の双子》と《やっかい児》、または《詐欺師の総督》を組み合わせて「無限トークン」を生み出す瞬殺コンボを仕込んだデッキです。一昔前の「青赤《欠片の双子》コンボ」デッキと言えば、全精力を注いでコンボを決めるイメージでしたが、近年ではコンボがなくても殴り勝てるように工夫してあることがほとんどです。4枚ずつ採用されている《瞬唱の魔道士》と《稲妻》はその一環で、中には緑を足して《タルモゴイフ》や《漁る軟泥》を入れて攻撃力を高めているリストもあるほどです。
コンボ一辺倒だと、対戦相手に除去呪文を構えられているだけで勝つのが困難になりますが、その他の手段で攻撃し続ければ対戦相手に動くことを強制できるようになります。そうすることでこのデッキの天敵である《突然の衰微》の使用を強制させたり、コンボを決めるための隙を作りやすくなるのがこのプランの強みです。「黒緑ジャンク」の流行に伴い、《突然の衰微》の使用率も大幅に増えている現状なので、こういったアタックだけでも勝てるいわゆる「プランB」や、このリストのように《呪文滑り》のようなカードでしっかりと対策しておくといいでしょう。
他にこのリストの特徴的なところとして、《よじれた映像》、《広がりゆく海》、《電解》といったドロー付きのユーティリティカードを多用することで、デッキの動きを円滑にしている点でしょうか。
《よじれた映像》はコンボの障害となる対戦相手の《呪文滑り》をただ同然で除去できることに加え、環境に蔓延るマナクリーチャーや《信号の邪魔者》、《羽ばたき飛行機械》など、思いのほか対象に困らないこともメイン採用を後押ししています。
また、《広がりゆく海》はサイドボードの《血染めの月》と合わせて、「Blue Moon」よろしく土地破壊戦略をとれることにも要注目です。
2色と3色バージョンの比較ですが、最大の相違点は<血染めの月>に耐性があるかどうか、そしてそれを使用できるかどうかだと思います。《血染めの月》はモダン環境を定義するほどに強力なカードなので、個人的にはこれを上手く運用できる2色バージョンの方が好みです。
■「出産の殻」
3 《森》 1 《平地》 1 《沼》 2 《草むした墓》 1 《神無き祭殿》 1 《寺院の庭》 4 《新緑の地下墓地》 4 《霧深い雨林》 3 《剃刀境の茂み》 1 《森林の墓地》 2 《ガヴォニーの居住区》 -土地(23)- 4 《極楽鳥》 3 《貴族の教主》 1 《臓物の予見者》 2 《復活の声》 1 《根の壁》 1 《シルヴォクののけ者、メリーラ》 1 《呪文滑り》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 3 《台所の嫌がらせ屋》 1 《オルゾフの司教》 1 《永遠の証人》 1 《スパイクの飼育係》 1 《イーオスのレインジャー》 1 《残忍なレッドキャップ》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《修復の天使》 1 《目覚ましヒバリ》 1 《叫び大口》 1 《テューンの大天使》 -クリーチャー(28)- |
2 《突然の衰微》 3 《召喚の調べ》 4 《出産の殻》 -呪文(9)- |
4 《思考囲い》 2 《四肢切断》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《調和スリヴァー》 1 《弁論の幻霊》 1 《罪の収集者》 1 《オルゾフの司教》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《納墓の総督》 1 《強情なベイロス》 1 《引き裂く突風》 -サイドボード(15)- |
モダン環境を代表するもうひとつのデッキが「メリーラポッド(緑黒白)」デッキです。基本的には《臓物の予見者》+《シルヴォクののけ者、メリーラ》+《台所の嫌がらせ屋》or《残忍なレッドキャップ》で無限ライフか無限ダメージを目論むデッキです。《台所の嫌がらせ屋》の場合は、《シルヴォクののけ者、メリーラ》ではなく《テューンの大天使》でも無限ライフの獲得が可能です。今ではすっかりお馴染みとなった《スパイクの飼育係》と《テューンの大天使》の組み合わせも、無限ライフ+無限強化できるコンボとして有名ですね。
《出産の殻》や《召喚の調べ》はコンボ完成を助けるのみならず、状況に応じて適切なカードをサーチできるこのデッキの要です。《呪文滑り》、《クァーサルの群れ魔道士》、《静寂の守り手、リンヴァーラ》など、対戦相手次第で劇的な効果を発揮するカードをピンポイントでサーチできることは、このデッキの強さを大きく底上げしています。
また、このデッキも「青赤《欠片の双子》コンボ」デッキと同様に、プランBである「殴り勝つ」戦略が非常に強力なことは特筆に値します。このデッキの対策カードとして《墓掘りの檻》や《倦怠の宝珠》が一般的ですが、「《出産の殻》」系統のデッキに勝つにはそれだけでは不十分です。
《復活の声》や《台所の嫌がらせ屋》を軸にした攻撃陣は見た目以上に厄介で、そこに《ガヴォニーの居住区》が加われば殺傷力は十分。このデッキに勝ちたいのであれば、《出産の殻》やコンボを封じるだけではなく、「クリーチャーを捌く手段」も忘れないようにしましょう。
これまでの「メリーラポッド」デッキは、コンボパーツの増減などの変更こそあれど、《シルヴォクののけ者、メリーラ》を軸にしたコンボデッキだという事実には変わりがありませんでした。しかし、そこに風穴を開ける大幅な変更を施したものがここ数ヶ月の間に結果を残し始めています。
3 《森》 1 《沼》 2 《草むした墓》 1 《神無き祭殿》 1 《寺院の庭》 4 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 2 《湿地の干潟》 3 《剃刀境の茂み》 1 《地平線の梢》 3 《ガヴォニーの居住区》 -土地(23)- 4 《極楽鳥》 3 《貴族の教主》 3 《復活の声》 1 《根の壁》 1 《呪文滑り》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 2 《台所の嫌がらせ屋》 1 《オルゾフの司教》 1 《永遠の証人》 1 《スパイクの飼育係》 1 《ファイレクシアの変形者》 1 《残忍なレッドキャップ》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《修復の天使》 1 《目覚ましヒバリ》 1 《叫び大口》 1 《テューンの大天使》 -クリーチャー(26)- |
2 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 2 《召喚の調べ》 4 《出産の殻》 -呪文(11)- |
2 《強情なベイロス》 2 《思考囲い》 2 《流刑への道》 1 《ブレンタンの炉の世話人》 1 《呪文滑り》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《調和スリヴァー》 1 《大爆発の魔道士》 1 《エイヴンの思考検閲者》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《納墓の総督》 1 《殺戮の契約》 -サイドボード(15)- |
あんちゃんこと高橋 優太さんが世に送り出した、《シルヴォクののけ者、メリーラ》の入っていない新機軸のデッキが「メリーラ”レス”ポッド」です。その名の通りこのデッキの無限コンボは《スパイクの飼育係》と《テューンの大天使》のみとなっています。
あんちゃんがこのリストに至った経緯としては、単体で弱いカードである《臓物の予見者》や《シルヴォクののけ者、メリーラ》をデッキから抜いてしまいたかったからとのこと。それらを抜いて確保したスペースに《思考囲い》を投入することで、コンボデッキ耐性が上がりますし、さらにはサイドボードのスロットも空くという副次効果もあります。
あんちゃんはブログ上で調整過程や最新リストを公開していらっしゃるので、「メリーラ”レス”ポッド」に興味のある方はぜひご覧になってみてください。
■「親和」
1 《山》 3 《空僻地》 4 《ちらつき蛾の生息地》 4 《墨蛾の生息地》 4 《ダークスティールの城塞》 -土地(16)- 4 《羽ばたき飛行機械》 2 《メムナイト》 4 《信号の邪魔者》 4 《大霊堂のスカージ》 4 《電結の荒廃者》 3 《鋼の監視者》 4 《刻まれた勇者》 -クリーチャー(25)- |
3 《感電破》 3 《物読み》 4 《オパールのモックス》 1 《溶接の壺》 4 《バネ葉の太鼓》 4 《頭蓋囲い》 -呪文(19)- |
3 《思考囲い》 2 《呪文滑り》 2 《はらわた撃ち》 2 《摩耗/Wear》 2 《血染めの月》 1 《急送》 1 《古えの遺恨》 1 《集団疾病》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
スタンダード、エクステンデッドと、色々なフォーマットで数々の禁止カードを生み出してきた「親和」デッキ。モダン環境でも《教議会の座席》などの「アーティファクト・土地」5種類が禁止になっていますが、それは一重にこのデッキの存在ゆえです。
しかしながら、それでもなお結果を残し続けるのが「親和」デッキの恐ろしさを物語っています。2~3ターン目には手札を全て使いきるほどの爆発力を秘めたデッキで、《鋼の監視者》、《電結の荒廃者》、《頭蓋囲い》が織り成す旋律は対戦相手に息つく暇も与えません。一見ビートダウンデッキのように見えますが、あまりにも攻め方が特殊なこと、メイン戦の勝率が非常に高いことから、このデッキは一種のコンボデッキと称されています。
課題となるのはサイドボード後の戦いですが、《古えの遺恨》、《粉砕の嵐》、《忍び寄る腐食》のようなカードが当たり前のように使われている中で、見事にPTQ川崎・モダン神決定戦・PTQ金沢と全ての大会で決勝戦まで勝ち進むことに成功しています。
「親和」デッキは「黒緑ジャンク」に強い構成なので、「黒緑ジャンク」が多いこともまた、このデッキが結果を残せる要因のひとつかもしれません。「親和」デッキも固定パーツの多いデッキとして知られていましたが、「モダン神決定戦」ではこのような意欲的なリストも登場しています。
2 《島》 1 《沼》 2 《空僻地》 1 《シヴの浅瀬》 1 《硫黄泉》 1 《地底の大河》 4 《ちらつき蛾の生息地》 4 《ダークスティールの城塞》 -土地(16)- 4 《羽ばたき飛行機械》 3 《メムナイト》 3 《信号の邪魔者》 4 《大霊堂のスカージ》 2 《電結の荒廃者》 2 《鋼の監視者》 3 《刻まれた勇者》 3 《エーテリウムの達人》 -クリーチャー(24)- |
3 《感電破》 2 《物読み》 4 《オパールのモックス》 4 《バネ葉の太鼓》 4 《頭蓋囲い》 3 《ボーラスの工作員、テゼレット》 -呪文(20)- |
2 《呪文貫き》 2 《はらわた撃ち》 2 《古えの遺恨》 2 《血染めの月》 2 《大祖始の遺産》 2 《倦怠の宝珠》 1 《強迫》 1 《思考囲い》 1 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
クドウさんのリストは「親和」デッキの新境地を切り開いたと言って差支えないほどに独特な構成に仕上がっています。メインボードの《ボーラスの工作員、テゼレット》の採用に始まり、《墨蛾の生息地》を抜いて色マナを増やすことでサイドボードに有色のカードを多用できるように工夫されています。
《ボーラスの工作員、テゼレット》はこれまでなかなか日の目を浴びることのなかったカードですが、《ダークスティールの城塞》との「破壊不能」コンボはもちろんのこと、《古えの遺恨》等のアーティファクト破壊に強いことも秀逸です。
サイドボードの《血染めの月》は、従来の「親和」デッキであれば《ちらつき蛾の生息地》と《墨蛾の生息地》ゆえに自身の被害もそれなりにありましたが、このリストではそれもクリアになっています。余談ではありますが、《ちらつき蛾の生息地》と《墨蛾の生息地》の両カードを使用していても、「ジャンド」や「トリコロール(青白赤)・コントロール」が多いと予想するなら《血染めの月》はぜひとも採用すべきだと思います。
幾多の禁止改定も、幾多の対策カードすらも乗り越える「親和」デッキ。モダンの大会に出る際には絶対に対策を怠りたくないデッキのひとつです。
今注目のアーキタイプ
■「ボロス(赤白)・バーン」
2 《山》 1 《平地》 4 《聖なる鋳造所》 4 《乾燥台地》 4 《沸騰する小湖》 3 《湿地の干潟》 1 《戦場の鍛冶場》 -土地(19)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《渋面の溶岩使い》 4 《苛立たしい小悪魔》 1 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(13)- |
4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 4 《欠片の飛来》 2 《二股の稲妻》 4 《頭蓋割り》 4 《ボロスの魔除け》 2 《稲妻のらせん》 4 《裂け目の稲妻》 -呪文(28)- |
4 《溶鉄の雨》 3 《焼却》 2 《摩耗/Wear》 2 《稲妻のらせん》 2 《石のような静寂》 2 《倦怠の宝珠》 -サイドボード(15)- |
フェッチランド→ショックランドでペイ3!対戦相手のこの動きを最大限に悪用するのが「バーン」デッキです。その一貫性は生半可なものではなく、デッキ内に含まれるカードは対戦相手にダメージを与えるものばかり。モダンという広大なカードプールの中から優秀な火力を集めただけあって、ほとんどのゲームは4ターンほどで決着をつけることが可能となっています。
メインボードは速度を追求した構成になっていますが、サイドボードはこのデッキを速度で上回る「青赤《欠片の双子》コンボ」や「親和」対策が大部分を占めています。また、近年のライフ回復手段は《台所の嫌がらせ屋》や《強情なベイロス》のような「戦場に出た時」のものが多いので、それを封じることのできる《倦怠の宝珠》はライフ回復対策としても「青赤《欠片の双子》コンボ」対策としても重宝します。
このデッキの使用者である小堺さんのインタビューも掲載される予定ですので、そちらの方もお楽しみに。
「コガモダン」vol.1は以上となります。川崎では「黒緑ジャンク」の隆盛が目立ちましたが、そこからふたつの大会を経て、他のデッキも徐々に存在感を増してきた印象です。個人的にはこれからは「青赤《欠片の双子》コンボ」や、今回紹介できなかったコンボデッキなどが巻き返しを見せるのではないかと期待しています。
次回の連載では、今週末のPTQ大阪と、来週末に開催されるPTQ土浦の結果をお届けします!
それでは、また次回の連載で!