Round 13:宮本 寛弥(千葉) vs. 木下 智弘(埼玉)

晴れる屋

晴れる屋

By Atsushi Ito

 ここまで8勝4敗、24点ラインで奮闘を続ける2人。

 グランプリ・横浜12トップ8の松戸勢、宮本と、埼玉の木下だ。

 長かったThe Last Sun予選ラウンドも、残り2ラウンド。

 トップ8に残るにはおそらく全勝縛りという、天下分け目の戦い。

 そんな緊張感溢れるマッチにふさわしいデッキを、2人とも用意してきていた。

 すなわち、スニークショー同型対決。

 ちょっと想像するだけでも、《実物提示教育》を撃って普通にデカブツを出そうとすると逆に相手にデカブツを出されて死んでしまいそうなことがわかる。

 ならば、どう攻めるのか。どう守るのか。

 どう決着するのか。ゲームの行方に注目だ。



Game 1

 先手の宮本がワンマリガンながら、《水蓮の花びら》を切っての《騙し討ち》ハードキャストで仕掛ける。

 これには《実物提示教育》を切って《Force of Will》を当てる木下だが、宮本は残り手札1枚となりながらも《Force of Will》を当て返す!

 そう、場に置かれてしまった《騙し討ち》に対しては干渉できない。あとは《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》を引きこむだけだ。そんな勝利のプランを立てた宮本。

 それに対して、木下は先ほど《Force of Will》で切った《実物提示教育》が、喉から手が出るほど欲しくてたまらない状況になってしまっていた。

 残り手札が1枚である以上、それが《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》であれば木下の負けは確定なのだ。であれば、そうでないことに賭けて、ここで《実物提示教育》をぶっ放す方が、まだしも勝率が高い。そのはずだった。しかし、今ゲーム外には《実物提示教育》が追放されてしまっている。なぜ?

 だが、悔やんでも後の祭りだ。

 いずれにせよ木下は、自分が《実物提示教育》《騙し討ち》を引き込む前に宮本が8枚の致死カードを引かないことを、祈り続けるしかない。



 《思案》《渦まく知識》

 宮本はライブラリーを深く掘り続けるが、《騙し討ち》『起動』の声はなく、あえなくフェッチランドをセットし続けるだけのターンが続く。

 しかし、木下も青マナが《水蓮の花びら》のみと事故っている関係で、なかなかドロースペルを撃つことができない。

 木下が早いか。宮本が早いか。

 やがて、そのときが訪れた。

 一足先に青マナにたどり着いた木下が、《騙し討ち》をプレイしたのだ。

 だが、このターンは。これまで木下が《裏切り者の都》をあらかじめセットしておかなかったことが響いて、起動の赤マナまでは残されなかった。

 すなわち宮本、ラストターン、ラストドロー。

 ……届かず。

 木下の《引き裂かれし永劫、エムラクール》が全てを飲み込んで走る。

宮本 0-1 木下

宮本 「土地祭りだった……」

木下 《Force of Will》《実物提示教育》切らなければ早々に決まってたし……なんであんなミスしたんだろ……」

Game 2

 スニークショー同型のサイド後。

 そこでは、何が勝負を決定づけるのか?

 お互いに土地を置きあう静かなゲーム。

 しかし唐突に、木下が動いた。



 宮本のエンド前にプレイされたのは《裂け目の突破》

宮本 「これ、そのまま生け贄に捧げられるんじゃないんですか?」

木下 「いえ、エンド前のチェックはターン終了フェイズの開始時に行われるので、こっちのターンまで残ります」

 これはさすがに通せないと《呪文貫き》

 だが、マジックにおいてエンド前に行動するときは、メインに二の矢がある。

 すなわち木下、《騙し討ち》プレイ!

 宮本も虎の子の《Force of Will》を切るが、さらに木下は《紅蓮破》

 宮本も《赤霊破》を抱えてはいたものの、《騙し討ち》では対象がない。

 《引き裂かれし永劫、エムラクール》が介錯した。

宮本 0-2 木下

 息詰まる攻防を終えた2人が一息ついたところで、普段からレガシーをプレイしているのか、聞いてみた。

宮本 「2年半ぶりですね。一応その時は《実物提示教育》を使ってましたけど、《瞬唱の魔道士》《死儀礼のシャーマン》もない時代だったので、今は全然わからないですw」

木下 「僕も友達からデッキを丸ごと借りて……全然プレイイングとかわからなかったんで、happymtgの記事を読みこんで勉強しました。レシピも完コピなんですよw」

宮本 「こんなレガシー初心者の対戦をフィーチャーして良かったんですかね……w」

木下 「全くですよw」

 とんでもない。2人は慣れないフォーマット、慣れないアーキタイプながらも、そんな素振りを感じさせない、真剣で熱い戦いを見せてくれた。2人には感謝を。


 そして木下、トップ8へ向けて最終戦へ望みをつなぐ。