同じ関東のプレイヤー同士、幾度と無く対戦したことがあるであろう山本と佐藤のマッチング。
幾度と無くプロツアーに出たという共通点はあるものの、今シーズン乗りに乗っている山本に対し、明らかにマジックあまりやってない感を出している佐藤。
下馬評通りなら山本有利だろうが、何があるか分からないのもまたマジックだ。
佐藤、波乱を起こすことが出来るか。
Game 1
《審判官の使い魔》、《凍結燃焼の奇魔》から立ち上がり、様子を伺いながら《凍結燃焼の奇魔》を全力パンプする佐藤。
未だ動きを見せないい山本だが、置いてある土地から青白コントロールということが伺えるため、《アゾリウスの魔除け》《今わの際》が気になりつつも拙速は《スフィンクスの啓示》のいい的になるとの判断だろう。
実際山本にはレスポンスが無く、佐藤にとっては手札状況を確認する意味でも好材料となった。
だが先手の山本から4ターン目に《思考を築く者、ジェイス》がプレイされ(プラス能力を使用)、返しで展開した《海の神、タッサ》に《拘留の宝球》を合わせられるとゲームは俄然山本のペースに。
何しろ佐藤は土地が3枚で止まっており、《思考を築く者、ジェイス》のパワーを下げる能力がとにかく辛い。
特にすることが無いため《思考を築く者、ジェイス》を《凍結燃焼の奇魔》で叩くことしか出来ず、その後のターンでも土地が全く伸びないまま。
佐藤「土地引けないんだけど~」と思わず声が出てしまうほど。
特に選択肢が増えないまま佐藤はただただ《凍結燃焼の奇魔》を《思考を築く者、ジェイス》に差し向け続けることしか出来ない。
さてここまで佐藤のクリーチャーに一切干渉してこなかった山本だが、ようやく引き当てたのか《アゾリウスの魔除け》を《凍結燃焼の奇魔》に。
そして《思考を築く者、ジェイス》のマイナス能力で土地を調達すると、満を持して《太陽の勇者、エルズペス》を登場させる。
アグロ側にも関わらず全くイニシアティブが取れていなかった佐藤、「投了してやろう」の一言で場を片付けた。
山本 1-0 佐藤
「確認しまーす」の宣言から佐藤はカンニングペーパーを取り出す。
さっそく普段マジックをしていない感出しまくりだ。
佐藤「相手がクリーチャー入れてくるかどうかって書いてあるんだけど、入れる?
山本「さすがにそれはちょっと……」
佐藤「ていうか青単、このマッチング不利じゃない?メインは全然勝てないよね?」
山本「いや《反論》の差し合いになるからサイド後は分からないよ」
一旦サイドボードを終えた後、
佐藤「いや、たぶんやまけんはクリーチャー入れてくるだろうから、そういうサイドにしよう!」
とほとんどゲームが出来なかった鬱憤か、佐藤がひたすら喋りまくる。
山本はいつも通りの苦笑い。
Game 2
佐藤の《潮縛りの魔道士》から二本目が始まる。
続くターン、気合を入れて《海の神、タッサ》をプレイするのだが、そこにはしっかりと山本の《反論》が。
気を取り直し《凍結燃焼の奇魔》を追加する。
さて山本の4ターン目、《反論》出来るマナが見えているため山本は小考。
《思考を築く者、ジェイス》をプレイする選択肢を吟味しているのか。
ここでは用意された2マナを有効活用させない《至高の評決》を。
そして《審判官の使い魔》しか後続を出せない佐藤、《変わり谷》をクロックとして機能させるしか無い。
山本は今度こそ《思考を築く者、ジェイス》をプレイするのだが、そこには予想通り佐藤の《否認》が。
そしていよいよ2枚の《変わり谷》で攻撃を始める佐藤。
一度は弾いた《思考を築く者、ジェイス》を山本が再びプレイするのも意に介さず、佐藤は《海の神、タッサ》を呼び出しつつ山本のライフを狙い続ける。
だが一本目同様に《思考を築く者、ジェイス》のマイナス能力から《太陽の勇者、エルズペス》が現れてしまうとさすがに手が止まってしまう。
佐藤、ここでジャッジに注意を受けるほどの長考を。
一度方針を転換し、《夜帷の死霊》で《海の神、タッサ》を顕現させ《太陽の勇者、エルズペス》を屠ることに。
しかしながら《思考を築く者、ジェイス》のマイナス能力が佐藤を翻弄する。
《海の神、タッサ》に《拘留の宝球》、《夜帷の死霊》に《アゾリウスの魔除け》と佐藤は思ったようにゲームを運ぶことが出来ない。
そしてさんざんアドバンテージを提供した《思考を築く者、ジェイス》が退場したかと思えば、二度あることは三度ある、佐藤にとってはうんざりの3枚目の《思考を築く者、ジェイス》が登場だ。
一度は残り一桁に落ち込んだ山本のライフだが、《思考を築く者、ジェイス》が頑張りすぎてライフが動かなくなってしまった。
することが無いのか佐藤は手札をシャカシャカさせたり、場にある土地をシャカシャカさせたり無駄に忙しい。
というか《思考を築く者、ジェイス》を前にしてうんざりしてる感がある。
山本はしつこく《思考を築く者、ジェイス》のマイナス能力を。
しかも4枚目となる《思考を築く者、ジェイス》に加えて《今わの際》《中略》をめくり、「強い強い強い……」と佐藤は思わずぼやき声。
ここで佐藤は《今わの際》と《思考を築く者、ジェイス》《中略》に分け、山本は後者を手札に加える。
そして次ターン山本が《思考を築く者、ジェイス》のマイナス能力を起動した上で、最後の《思考を築く者、ジェイス》をプレイしようとすると、
佐藤「そうかレジェンドルール変わったんだ!」
っておいおい。
佐藤「忠誠度が残ってるから《思考を築く者、ジェイス》出せないと思ってた、だったら《思考を築く者、ジェイス》とそれ以外に分けたよ~」
もうこうなると本体を殴るしかない佐藤。
《今わの際》を《払拭》しようとするものの、そこには確認済みの《中略》が。
「あープレイ違ったなぁ、さすがに負けたなぁ」と佐藤がぼやいている間に、山本は淡々と占術ランドを経由しながらの《思考を築く者、ジェイス》のマイナス能力を起動し、いよいよとなる《スフィンクスの啓示》をX=7で即プレイ(佐藤はフルタップ)。
この上《太陽の勇者、エルズペス》をプレイされてしまうと、
佐藤「《スフィンクスの啓示》減らしてるよね?
佐藤「《払拭》の使いどころ間違ったかな~」
佐藤「IDしない?」
もはや一人トラッシュトーク劇場しかすることがないのであった。
山本 2-0 佐藤