ついに実現した、アジア圏初のレガシーグランプリ。
待望の国内レガシーGPということで、参加者たちは各々練り込んだデッキを持ってきている。
デルバー、オムニテル、エルフ、ANT……
世界中でレガシーの大きな大会が頻繁に開催され、その上位デッキリストがその週のうちに即座に掲載される時代なだけあって、会場で見かけるデッキは【公式記事でも紹介されているような】、既にその実力が証明済みのアーキタイプばかりだ。
だが、「強いデッキがネットで容易に手に入る良い時代になったなぁ」と思うと同時に、少し寂しくも思うのだ。
レガシーといえばヴィンテージに次いで最もカードプールが広いフォーマット。しかも2000人前後が集まるトーナメントだというのに、みんながみんな同じデッキというのも正直味気ない。
むしろ「この機会に挑戦的なデッキで全国に名を知らしめてやる」という気概を感じるような、個性的なデッキはないものか。
というわけで、本戦が進行中のグランプリ会場を彷徨っている中で見かけた、一際ローグなレガシーのデッキを簡単に紹介しよう。
■ ドラゴンストーム
殿堂プレイヤー、三原 槙仁(千葉)を【世界選手権王者へとならしめた】由緒正しきアーキタイプ。
レガシーともなれば9マナの呪文を唱えることは造作もない。《鋭き砂岩》や《硫黄孔》などの2マナ土地を駆使し、戦場に《ドラゴンの嵐》を巻き起こす。
ひとたび解決すれば、致死量のダメージが対戦相手を襲う。戦場には出ていなかったが、『タルキール龍紀伝』の龍王たちも搭載されているのかもしれない。龍の時代にふさわしい、漢気溢れるデッキだ。
■ リベリオン
復帰勢にとっての思い出のデッキとして、「Fires」と並んで人気と思われる「リベリオン」。
レガシーでは《訓練場》を貼って起動コストを軽くできるので、矢継ぎ早に新しい兵士を呼び出せる構造となっている。
また、「レベル」は恒久的なシャッフル手段にもなるので、《師範の占い独楽》とも相性が良い。さらにそこから《相殺》まで設置して、対戦相手をロックしている様子が見られた。
■ サンドポイズ
「ジャッジ殺し」「対戦相手にテキストを読まれるカードNo.1」「読まれても効果がわからないので結局ジャッジを呼ばれるカードNo.1」……といった数々の(今勝手に付けた)異名を持つことで知られるデッキ。
詳しくは【Wikiの解説に任せる】が、どうもコンボが決まるとパーマネントが彼方に消え去って戻ってこなくなるらしい。
あまりに普段目にしないカード同士のコンボなので、大抵の対戦相手はルールを確認するためにジャッジを呼ぶとか。今回のグランプリでもこのデッキと当たった対戦相手がジャッジを呼んでいる様を目撃した。
当たる確率は低いだろうが、ルールを知っておいて損はないだろう。
私が存在を確認できたのはこれくらいだったが、きっとまだまだ個性的なデッキが眠っているものと思われる。
それに、「スリヴァー」や「エンチャントレス」くらいのマイナー度合のデッキなら複数人が使用している。
彼らがメジャーなデッキを打ち倒して2日目に進出し、グランプリの台風の目になれば面白いので、是非とも活躍に期待したい。