時は幕末と呼ばれた時代――や晴最(ハッピー・オブ・ピースフル)――
晴れる屋幕府の「や晴最」により、プレイヤーの心が奪われた泰平の世。
「や晴最」を掲げる「最高愛獲(トップアイドル)晴霊流屋府炉主(Hareruya Pros)」。
そのプレイングは、数多のマジックプレイヤーの心(ハート)を射抜き、その「試合(バトル)」は、世界を震撼させる。
幕府は「や晴最」以外を掲げる者を捕らえ、愛獲の力、「や晴最」による泰平化によって支配を完璧なものにしようとしていた。
一方で、「や晴最」による幕府の支配を快く思わない者達もいた。
自由と統率者戦を愛する男、坂本龍馬もその一人。
彼はライフ40と統率者魂(ジェネラルソウル)を胸に立ち上がる!
果たして、その熱情(パッション)で民衆(プレイヤー)の魂(ソウル)を解放させることができるのか!?
プレイヤーの心を魅了する「Hareruya Pros」と時代の流れを変える者
「志士(コマンダー)」の魂(ソウル)がぶつかり合う――。
熱く……熱くなってきたぜよーーーーっ!!
超魂(ウルトラソウル)!!統率者戦の夜明けぜよーーーーーーーっっ!!!!
第4話「絶頂(エクスタシー)!
デッキ作るぜよ!!」
【前回】、ついに晴霊流屋府炉主(Hareruya Pros)と激突した坂本龍馬。そこでコンボの極意を教えられる。
そして紆余曲折を経てとりあえず和解した3人。
土方、沖田に熱い熱情(パッション)と片魂(ピースソウル)を感じた坂本はその後も熱い統率者戦を繰り広げるのだった……
坂本 「ぐっ……!事故ぜよ事故ぜよ~~~っ!」
沖田 「あれえ?またトサカくん一人負け?もう何してるのさ」
坂本 「じゃがこうもマナが詰まっては片魂(ピースソウル)も弾けられんぜよ……」
土方 「ちょっとデッキを見せてみろ」
坂本は土方に自分のデッキを渡す。
沖田 「うわっ……土地が20枚しか入ってないよ?このデッキ結構重いのに……」
坂本 「入れたいカードが山ほどあるからのう!わしの熱情(パッション)は100枚のデッキは収まらんぜよ!」
土方 「坂本……それでは事故ばかり起きてしまい、やりたかったことが1つもできずに終わってしまうぞ?」
坂本 「う~ん、ならどうすればいいぜよ?」
土方 「確かに99枚のデッキというと好きなだけカードを入れたくなるものだが、実は意外と取捨選択を迫られる。統率者戦にも構築の基本がある!今からそれを貴様に伝授してやろう!」
・其の壱: 統率者を選べ!!
土方 「【1話】で軽く触れたが、統率者がデッキの中心となるように組むのが基本だな。統率者の選び方は個人の自由だ。絵が好き、フレイバーが好き、能力が好き……というようにな。しかしあまりにも何もしない統率者だと、いくら好きでも使うのには向いていないと言える。例えば今坂本の使っている《素拳の岩守》はちょっとマナレシオが優れているだけで、基本的には何もしないだろう?」
坂本 「むう、か、かっこいいじゃろうに……それじゃあ、どんな統率者がええかのう?」
土方 「やはり統率者としてどのような仕事をするか、というのが大事だな。アドバンテージを稼ぐ、コンボパーツになる、強力な殺傷能力を持つ……など様々だ。あとはマナコストも大事だな。死んでも複数回キャストできるとはいえ、軽いに越したことはない。4マナ以下なら使いやすい部類に入る。逆に6~7マナ以上なら相当な能力でないと使いづらいだろうな。」
土方 「今回は……そうだな。坂本、今組みたい統率者は何かあるか?」
坂本 「そうじゃのう、やっぱり新セットのカードから選びたいぜよ。となれば男はやっぱりドラゴンに憧れる!《世界を溶かすもの、アタルカ》なんてどうぜよ?」
沖田 「ああ、いいね。『運命再編』でのドラゴンサイクル。2回攻撃すれば統率者ダメージでKO。攻撃的で好きだよ、僕。」
土方 「なるほど、面白い能力だ。『ドラゴン全てに二段攻撃を与える』という恐ろしいものだが、7マナもかかる。さて、どのようにデッキを組みあげる?」
・其の弐: 勝ち方を決めろ!!
土方 「坂本、まずは《世界を溶かすもの、アタルカ》でどのように勝つかを考えてみろ」
坂本 「そうじゃのう、《世界を溶かすもの、アタルカ》は7マナと重いが統率者の中でも一際攻撃力の高いカードぜよ!統率者ダメージで相手をHeaven状態にしたいぜよ!」
土方 「なるほどな。となると統率者ダメージで倒すルートがいいだろう。《世界を溶かすもの、アタルカ》は1回の攻撃で12点も叩き出せる。追加戦闘やパワーを底上げするカードを多く入れたいところだ。やりたいことを決めたら、まずはコンセプトにあったカードを探してみるといい」
・其の三: カード配分に気をつけろ!!
・土地・マナ加速配分
土方 「EDHは60枚の構築と違い、デッキのカードが99枚もある。そのため、土地を1枚引いた時の、デッキ中の土地の割合が60枚デッキよりも変動しにくい。要するにマナフラッド、マナスクリューしやすいというわけだ。土地の配分は構築よりも少なめの割合にしておきたい」
坂本 「あと相手より早く強力なカードを叩き付けるためにも、マナ加速もEDHにおいては大事じゃろ?土地とマナ加速の割合はどのようにしたら良いものなんじゃ?」
土方 「一般的には土地は28~36枚くらいあればいいが、マナ加速をたくさん含むデッキならば土地はより少なくなるだろう。また、安定したマナ加速を行うためには2マナ未満のマナ加速カードを中心に使いたい。土地40枚から数えて、2マナ以下のマナ加速2枚につき土地を1枚減らすくらいが最適だとされる。マナ加速、土地を含めて50枚前後あれば大体のデッキは問題なく回るだろう」
坂本 「幸い《世界を溶かすもの、アタルカ》は緑のマナクリーチャーと赤の一時的なマナ加速を兼ね備えた色ぜよ!安定して4ターン目には出せるようにしたいのう」
・サーチカード
土方 「特定のカードを探せるサーチは統率者戦において非常に重要だ。何せ同じカードは1枚しか入らん。ただし、サーチにもマナがかかる。その分だけ展開が遅くなることは理解していなければならないな。5~8枚程度あればいいだろう」
・妨害手段の量
坂本 「妨害?そんなもんいらんじゃろ!好きなだけ展開して、攻撃あるのみじゃあ!!」
土方 「残念だが、そういうわけにもいかん。毎回完璧にデッキが回ってくれるわけではないし、自分より早いデッキなどいくらでもある。そうなったとき、その相手に対し何もせずやられるわけにはいかないだろう?また統率者戦には決まったら即勝利になるコンボが山ほどある。それに対し何も対処しないのは愚の骨頂だ!」
坂本 「そうじゃのう……どんなに早いスライデッキでも、除去の一つや二つ、入っているものぜよ」
土方 「このデッキは赤緑だから、置物除去に長けた色だ。特にアーティファクト破壊を中心に入れたい。緑以外のデッキはマナ加速をほぼアーティファクトに頼るしかない。アーティファクトを破壊することで機能不全になるデッキは多いだろう」
沖田 「他にも妨害系の置物やクリーチャー除去は取っておきたいね。大体5~12枚、多いデッキでも15枚くらいあればいいんじゃないかな?あまり多すぎるとデッキの動きが悪くなるしね」
・コンセプトにあったカード
土方 「ここまで来たらあとはデッキを輝かせるカードを入れていこう。今回は《世界を溶かすもの、アタルカ》で統率者ダメージを狙うというコンセプトだ」
坂本 「ならばさっき挙げたようなパワーを+5以上にできるカード、追加戦闘などを入れたいところじゃのう。くぅ~!どれを入れるか迷うぜよ~!!」
土方 「ここまで来たら99枚も埋まっているだろう。しかしデッキに入れたいが入りきらない、というカードも多いはずだ。後は一人回しは対戦を繰り返して調整をしていけばいい」
坂本 「よし!ヒジゾーさんできたぜよ!これがわしが作った《世界を溶かすもの、アタルカ》のデッキぜよ!」
坂本 「今回はマナ加速をたくさん入れて、安定して《世界を溶かすもの、アタルカ》を素早く出せるようにしたぜよ!」
土方 「なるほど、追加戦闘にパワー底上げも豊富に入っているが、目を引くのが《戦士の誓言》などの追加ターンだな」
坂本 「生きるか死ぬか伸るか反るかの絶頂DAYBREAK!! 乾坤一擲ぜよーーーーっ!!」
土方 「よし、次は俺の番だな。しかし、統率者は何にしようか……」
坂本 「ふぅーっ!デッキを作ったらバナナが食べたくなったぜよ……」
土方 「ん?バナナだと?……そうか!《黄金牙、タシグル》……!?閃いたぞ!」
そのとき、土方の腕から片魂(ピースソウル)の光が!
土方 「《黄金牙、タシグル》のキーカードとなるのは……こいつだ!」
坂本 「わ、わしのバナナが暴君になってしまったぜよ!」
土方 「行くぞ坂本!集え!『晴』の旗の下に!!」
土方 「俺のデッキが見たければ静まれ!我らのデッキとプレイングに酔いしれて、身も心も俺達に捧げろ!!」
土方 「これが《黄金牙、タシグル》のデッキリストだ!!」
土方 「このデッキは見ての通り《黄金牙、タシグル》を変身させ、《潮吹きの暴君》を出して無限マナを決めるコンボデッキだ」
沖田 「フィニッシュは《迫撃鞘》、もしくは《写本裁断機》だね」
土方 「このデッキ、《潮吹きの暴君》が何らかの方法で追放された場合、ほとんど勝てなくなる。《変身》系呪文を唱える際はカウンターを構えられるようにしておけ!」
坂本 「変身の他にも《ドルイドの誓い》、墓地に落としてからリアニメイトなど、とにかく《潮吹きの暴君》を出せるようにしているぜよ!」
土方 「さて、これでお前も少しはまともなデッキを作れるようになっただろう」
沖田 「今度は一人で勝手に事故らないでよ?」
坂本 「よっしゃあ!ワシも面白いデッキを作ってもっともっと統率者戦を楽しむぜよーーーーーっ!!」
~次回予告~
次回、黒船来襲!?晴れる屋幕府&坂本に史上最大の危機!!全米が泣いた、涙なしでは見られない、今年最高の感動をあなたに。
あなたは伝説の目撃者になる。幕末Commander、最終回。
※内容は予告なく変更される恐れがあります。
※ 大塚 航とhappymtgは「幕末ROCK」を応援しています。
TVアニメ『幕末ROCK』公式ホームページ
http://bakumatsu.marv.jp/anime/