皆さんこんにちは!
先週末は新セット『タルキール龍紀伝 / Dragons of Tarkir』のプレリリースがありましたが皆さん参加されましたか?《引き裂く流弾》や《ドロモカの命令》など、レガシーで使えそうなカードもわずかながら見られます。
さて、今回の記事では【SCG Premier IQ Dalas】の結果を見ていきたいと思います。
SCG Premier IQ Dalas ~レガシーを代表するコンボデッキが優勝~
2015年3月15日
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1位 ANT/【むかつきストーム】
2位 Grixis Delver/【青黒赤ジャンク】
3位 Miracles/【白青奇跡】
4位 Reanimator/【リアニメイト】
5位 Sultai Delver/【青黒緑アグロ】
6位 Reanimator/【リアニメイト】
7位 Death and Taxes/【デス&タックス】
8位 Lands/【土地単】
最近の墓地対策の薄さからReanimatorの活躍が目立ちます。優勝はレガシーではお馴染みのストームを利用したコンボデッキのANTでした。
SCG Premier IQ Dalas デッキ解説
「ANT」「Grixis Delver」「Reanimator」「Death and Taxes」
2 《島》 1 《沼》 2 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 4 《汚染された三角州》 3 《溢れかえる岸辺》 1 《血染めのぬかるみ》 -土地(14)- -クリーチャー(0)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《暗黒の儀式》 4 《強迫》 3 《陰謀団式療法》 2 《定業》 4 《陰謀団の儀式》 4 《冥府の教示者》 1 《Grim Tutor》 1 《苦悶の触手》 1 《炎の中の過去》 1 《むかつき》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 1 《師範の占い独楽》 -呪文(46)- |
3 《突然の衰微》 2 《ザンティッドの大群》 2 《蒸気の連鎖》 2 《外科的摘出》 2 《夜の戦慄》 1 《Tropical Island》 1 《再建》 1 《不正利得》 1 《巣穴からの総出》 -サイドボード(15)- |
レガシーを代表するストームコンボデッキ。『タルキール覇王譚 / Khans of Tarkir』リリース以前はTemur Delverを初めとした青いテンポデッキが幅を利かせていたため苦戦を強いられていましたが、KTKリリース後は「探査」ドロースペルを活用するべくデッキ内のキャントリップスペルを増量し妨害要素を限界まで削ったUR Delverが主流になったため、それに伴って活躍するようになっていました。
《宝船の巡航》が禁止カードに指定された後は相性が悪いSultai Delver等が復権してきましたが、KTK以前の環境ほどには青いテンポデッキが多い環境ではないため、最近はコンスタントに入賞し続けています。
☆注目ポイント
サイドボードの《外科的摘出》は復権の兆しを見せるReanimatorや他のコンボデッキとのマッチアップで活躍が期待できます。ハンデスで相手のキーカードを落とした後に《外科的摘出》で追放してしまえば、相手側は勝つのが難しくなります。
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1 《島》 3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 2 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 -土地(17)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《僧院の速槍》 4 《若き紅蓮術士》 1 《黄金牙、タシグル》 1 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《稲妻》 2 《二股の稲妻》 4 《目くらまし》 1 《Fire》/《Ice》 4 《Force of Will》 2 《時を越えた探索》 -呪文(29)- |
3 《紅蓮破》 2 《陰謀団式療法》 2 《発展の代価》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《残響する真実》 1 《唐突なる死》 1 《ラクドスの魔除け》 1 《硫黄の渦》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《無のロッド》 -サイドボード(15)- |
UR Delverがコンボデッキとのマッチアップで優位を得るためにハンデスの黒を足した型がこのGrixis Delverです。《宝船の巡航》の退場に伴い衰退するかと思われましたが、代わりに《時を越えた探索》や『運命再編 / Fate Reforged』から加入した「探査」クリーチャーで穴埋めをしています。禁止改定前ほどの支配力はないものの、復権を果たしたSultai Delverと並んで、上位でよく見かけるDelverデッキです。
☆注目ポイント
《グルマグのアンコウ》は除去耐性や回避能力こそ無いものの、「探査」コストを払えば1マナ5/5と破格のサイズで、主に同型戦で強さを発揮しそうです。
サイドの《ラクドスの魔除け》はインスタントスピードの墓地対策になる上に、装備品や《防御の光網》などの厄介なアーティファクト対策にもなり、3つ目のモードもElvesなどのクリーチャーを並べるデッキやANTのサイドボードの《巣穴からの総出》プラン対策になります。
1 《島》 1 《沼》 4 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 2 《霧深い雨林》 2 《新緑の地下墓地》 4 《宝石の洞窟》 -土地(18)- 1 《不運な研究者》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 4 《グリセルブランド》 1 《潮吹きの暴君》 1 《エメリアの盾、イオナ》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《入念な研究》 4 《納墓》 4 《再活性》 3 《思案》 2 《呪文貫き》 4 《死体発掘》 3 《目くらまし》 4 《Force of Will》 1 《動く死体》 1 《真髄の針》 -呪文(34)- |
4 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 1 《鋼の風のスフィンクス》 1 《棺の追放》 1 《虐殺》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
2 《島》 2 《沼》 4 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《湿地の干潟》 -土地(16)- 1 《墓所のタイタン》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 4 《グリセルブランド》 1 《潮吹きの暴君》 1 《エメリアの盾、イオナ》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《入念な研究》 4 《納墓》 4 《再活性》 3 《思案》 2 《思考囲い》 4 《死体発掘》 2 《目くらまし》 2 《実物提示教育》 4 《Force of Will》 3 《水蓮の花びら》 -呪文(36)- |
3 《虐殺》 3 《真髄の針》 2 《裏切り者の都》 2 《思考囲い》 2 《実物提示教育》 1 《墨溜まりのリバイアサン》 1 《狼狽の嵐》 1 《残響する真実》 -サイドボード(15)- |
上位入賞は暫くぶりのReanimator。環境の多くのデッキのサイドの墓地対策が減少傾向にあり、《封じ込める僧侶》を採用したデッキも少ないため、Reanimatorのように墓地を活用するデッキにとって勝ちやすいメタになってきているようです。
☆注目ポイント
今大会入賞を果たした2名のプレイヤーのリストは、同様のアーキタイプでありながら細部に違いが見られます。
Noah Cohenは対策カードの《封じ込める僧侶》や《死儀礼のシャーマン》等に触れる《突然の衰微》のために緑をタッチしています。
一方Aaron Segrestは以前からポピュラーな《実物提示教育》を採用したバージョンで、土地も少なめでマナ加速の《水蓮の花びら》を採用しているなど、爆発力を優先しています。
両プレイヤーともにサイドに追加の土地を採用していますが、緑をタッチしているNoahはマナ基盤の安定も兼ねて《Bayou》を、Aaronは《実物提示教育》戦略を取っているために2マナランドの《裏切り者の都》を採用しています。
9 《平地》 2 《Karakas》 1 《地平線の梢》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《ルーンの母》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《迷宮の霊魂》 3 《ファイレクシアの破棄者》 3 《ちらつき鬼火》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 2 《ミラディンの十字軍》 1 《コロンドールのマンガラ》 -クリーチャー(26)- |
4 《剣を鍬に》 2 《ハルマゲドン》 1 《金属モックス》 4 《霊気の薬瓶》 1 《殴打頭蓋》 1 《火と氷の剣》 1 《梅澤の十手》 -呪文(14)- |
3 《解呪》 2 《悟りの教示者》 2 《流刑への道》 2 《議会の採決》 2 《ハルマゲドン》 2 《安らかなる眠り》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《弁論の幻霊》 -サイドボード(15)- |
妨害要素を内蔵する白の優秀なクリーチャーでビートダウンしつつ、《リシャーダの港》+《不毛の大地》で相手の行動を制限する白単色のアグロコントロールデッキ。一時期と比べると《二股の稲妻》や《虐殺》といった小型クリーチャー対策カードの採用率が上がったため上位で見かける機会は減りましたが、レガシーの大きな大会では常に一定数存在するデッキです。
☆注目ポイント
Blake Donnanはマナ加速として《金属モックス》を採用しており先手1ターン目の《スレイベンの守護者、サリア》はコンボデッキにとって脅威となります。
また、メイン、サイドにそれぞれ2枚ずつ採用されている《ハルマゲドン》は《金属モックス》とも相性が良く、MiraclesやLandsといったコントロールデッキに対して決定打になります。このリストでは不採用ですが、墓地に置かれたときに 《平地》をサーチしてこれる《トロウケアの敷石》はこの手のリセットと相性が良いのでオススメです。
ボーナストピック
今回のボーナストピックでは惜しくもトップ8入賞はならなかったものの珍しいデッキや戦略を紹介していきます。
1 《島》 1 《森》 4 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 1 《魂の洞窟》 1 《ボジューカの沼》 1 《Karakas》 1 《カルニの庭》 4 《雲上の座》 4 《微光地》 2 《ヴェズーヴァ》 1 《ウギンの目》 1 《Glacial Chasm》 -土地(26)- 1 《粗石の魔道士》 1 《スラーグ牙》 4 《原始のタイタン》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(9)- |
4 《渦まく知識》 3 《輪作》 2 《撤廃》 2 《一瞬の平和》 3 《実物提示教育》 1 《仕組まれた爆薬》 4 《師範の占い独楽》 3 《探検の地図》 2 《真髄の針》 1 《Candelabra of Tawnos》 -呪文(25)- |
4 《Force of Will》 3 《青霊破》 3 《白鳥の歌》 2 《花の絨毯》 1 《ファイレクシアの破棄者》 1 《狼狽の嵐》 1 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
「神座」の《雲上の座》と《微光地》から出る大量のマナから最終的には《引き裂かれし永劫、エムラクール》をキャストして勝利するデッキで、12 Postというデッキ名が定着していますが、Turbo Eldraziとも呼ばれています。
他のデッキとは異なる軸で勝負する戦略なためにMiraclesなどのコントロールデッキに強く、逆に土地破壊、クロック、カウンターと揃ったDelver系、特に《ヴェールのリリアナ》を採用したSultai Delverは苦手なマッチとなります。また、《不毛の大地》を《壌土からの生命》で使いまわしてくるLandsも相性の悪いマッチです。
☆注目ポイント
メインに1枚ずつ採用されている《ワームとぐろエンジン》と《スラーグ牙》は除去されてもトークンを残していくため、《ヴェールのリリアナ》の「-2」能力に耐性があり、このデッキが苦手とするSultai Delverとのマッチアップで強さを発揮します。またご存知の方も多いと思いますが、土地サーチスペルの《輪作》は相手の《不毛の大地》に対応してキャストし対象になった土地をサクリファイスすれば、疑似的な《もみ消し》として機能します。
総括
【SCG Premier IQ Dalas】は最近コンボの中では特に安定した成績を残していたANTの優勝で幕を閉じました。墓地対策が薄くなってきたところを狙っていたかのように、Reanimatorも久々に入賞していました。元々のデッキパワーが高いので、しっかりとした対策をされなければベストに近いデッキです。
さて、今週末はいよいよ今年初のSCG InvitationalがRichmondで開催されます。スタンダードとレガシーで競われる招待制のイベントで、各地の予選大会を勝ち抜いたプレイヤーやSCGOで好成績を残した強豪プレイヤーが集うため、レベルの高い大会となりそうです。
次回の記事ではそのSCG Invitational Richmondの結果を中心にカバーしていく予定です。
以上で今回の解説を終わります。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php