USA Standard Express vol.33 -SCGO Oakland and Columbus, GP Santiago, Interview With Steve Rubin-

Kenta Hiroki

Kenta Hiroki



皆さんこんにちは!

プロツアー『マジック2016』の予備予選が12月6日(土)に晴れる屋トーナメントセンターで開催されます。

 ■プロツアー『マジック2016』予備予選 開催案内: http://www.happymtg.com/pptq_magic2016/

フォーマットはスタンダードですので、参加される皆さんの参考になれるよう努めていきたいと思います。
今回はいつものSCGO(StarCityGames.com Open)の解説に加え、Grand Prix Santiagoの結果も見ていきます。また、SCGO Colombusの優勝者であるSteve Rubinにインタビューを行いましたので、そちらも合わせてどうぞ。



SCGO Oakland トップ8

~HeroicアグロとJeskaiコンボをハイブリットした革新的なデッキが優勝~


2014年11月2日

Ivan Jen 


1位 Jeskai Heroic Combo/ジェスカイの隆盛コンボ
2位 Abzan Midrange/白黒緑プレインズウォーカー
3位 GB Constellation/黒緑ビートダウン
4位 Abzan Midrange/白黒緑プレインズウォーカー
5位 Jeskai Wins/白青赤ビートダウン
6位 Temur Monsters/青赤緑ビートダウン
7位 GB Constellation/黒緑ビートダウン
8位 GB Constellation/黒緑ビートダウン

GB ConstellationやAbzan Midrange,Jeskai Winsなど多種多様なデッキが入賞する中でも、特に異彩を放っていた「英雄的」持ちのクリーチャーによるビートダウンと《ジェスカイの隆盛》をハイブリットしたデッキが優勝を収めました



SCGO Oakland デッキ解説

「Jeskai Heroic Combo」





Ivan Jen「Jeskai Heroic Combo」
SCGO Oakland (1位)

4 《戦場の鍛冶場》
3 《マナの合流点》
2 《シヴの浅瀬》
4 《神秘の僧院》
4 《凱旋の神殿》
1 《啓蒙の神殿》

-土地(18)-

4 《アクロスの十字軍》
4 《恩寵の重装歩兵》
2 《ラゴンナ団の先駆者》
4 《僧院の速槍》
2 《道の探求者》

-クリーチャー(16)-
4 《果敢な一撃》
4 《神々の思し召し》
4 《撤回のらせん》
2 《ジェスカイの魔除け》
4 《ドラゴンのマントル》
4 《ジェスカイの隆盛》
4 《バネ葉の太鼓》

-呪文(26)-
3 《地割れ潜み》
3 《消去》
2 《道の探求者》
2 《アジャニの存在》
2 《マグマの噴流》
2 《否認》
1 《軽蔑的な一撃》

-サイドボード(15)-
hareruya



今大会見事に優勝を飾ったJeskai Heroic Combo。
《ジェスカイの隆盛》コンボデッキはコンボ以外に効率的な勝利手段に貧しかった印象がありました(それでもモダンと異なり妨害手段が限られているスタンダードでは強力でしたが)。Ivan Jenのリストはコンボ以外にも「英雄的」、「果敢」持ちのクリーチャーによるビートダウンで勝利することも可能です

決勝戦での第1ゲームでは《ジェスカイの隆盛》のコンボを決めることなくクリーチャーのみで勝利しています。コンボによる勝ち手段は《ジェスカイの隆盛》《バネ葉の太鼓》+クリーチャー2体が場にある状態で《バネ葉の太鼓》でマナを出しもう一体のクリーチャーに《撤回のらせん》をキャストしそのクリーチャーを起動して《バネ葉の太鼓》をバウンスします。先ほど《バネ葉の太鼓》から出たマナを使い《バネ葉の太鼓》を再キャストします。《ジェスカイの隆盛》の能力が誘発されクリーチャーがアンタップされるので必要な分だけ繰り返します。

スタンダードのデッキの中では複雑な方になりますが、カバレージを見る限り回していて非常に楽しそうなデッキです。コンボ以外にもビートダウンによる勝ち手段を持ち合わせているため対戦難易度の高いデッキでもあります。


ジェスカイの隆盛アクロスの十字軍道の探求者





Grand Prix Santiago トップ8

~トップ8の内7名が緑系のミッドレンジ、優勝はAbzan~


2014年11月2日

Eduardo dos Santos Vieira 


1位 Abzan Reanimator/白黒緑ビートダウン
2位 Abzan Aggro/白黒緑ビートダウン
3位 Heroic Red/赤単
4位 Abzan Midrange/白黒緑ビートダウン
5位 Temur Midrange/青赤緑ビートダウン
6位 Temur Midrange/青赤緑ビートダウン
7位 Temur Midrange/青赤緑ビートダウン
8位 Sultai Reanimator/青黒緑ビートダウン

緑系のミッドレンジデッキがトップ8に7人という中優勝したのはAbzan Midrangeにリアニメイト要素をハイブリットしたAbzan Reanimatorでした。



GP Santiago デッキ解説

「Abzan Reanimator」「Temur Midrange」「Sultai Reanimator」





Eduardo dos Santos Vieira「Abzan Reanimator」
2014 Grand Prix Santiago (1位)

4 《森》
1 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
3 《疾病の神殿》
4 《ラノワールの荒原》
2 《コイロスの洞窟》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(23)-

2 《エルフの神秘家》
4 《サテュロスの道探し》
4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《包囲サイ》
1 《開花の幻霊》
2 《破滅喚起の巨人》
3 《テーロスの魂》
3 《女王スズメバチ》

-クリーチャー(27)-
2 《神々との融和》
2 《払拭の光》
3 《エレボスの鞭》
3 《残忍な切断》

-呪文(10)-
4 《羊毛鬣のライオン》
3 《思考囲い》
3 《悲哀まみれ》
1 《再利用の賢者》
1 《異端の輝き》
1 《停止の場》
1 《完全なる終わり》
1 《エレボスの鞭》

-サイドボード(15)-
hareruya



Abzan Reanimatorに《破滅喚起の巨人》《開花の幻霊》といった「星座」要素を加えたデッキで、《女王スズメバチ》《テーロスの魂》といった高コストで高いカードパワーを持つクリーチャーのコストを踏み倒すだけでなく、「星座」クリーチャーや《包囲サイ》の能力を使いまわしてアドバンテージを取ることも可能です。

《テーロスの魂》は特に《女王スズメバチ》との組み合わせは強力です。サイド後は 《羊毛鬣のライオン》が4枚投入されるなどアグロコントロールのように振る舞うことも可能で、相手にとってはサイドボードのプランが立てづらいデッキです。

テーロスの魂破滅喚起の巨人女王スズメバチ








Pedro Carvalho「Temur Midrange」
2014 Grand Prix Santiago (6位)

3 《森》
2 《山》
4 《樹木茂る山麓》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》
3 《マナの合流点》
1 《シヴの浅瀬》
4 《開拓地の野営地》
2 《天啓の神殿》
1 《神秘の神殿》

-土地(24)-

3 《エルフの神秘家》
4 《爪鳴らしの神秘家》
4 《荒野の後継者》
4 《加護のサテュロス》
4 《凶暴な拳刃》
4 《灰雲のフェニックス》
3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》

-クリーチャー(26)-
4 《火口の爪》
3 《稲妻の一撃》
2 《ティムールの魔除け》
1 《龍語りのサルカン》

-呪文(10)-
3 《狩人狩り》
3 《頑固な否認》
2 《マグマのしぶき》
2 《軽蔑的な一撃》
1 《稲妻の一撃》
1 《自然に帰れ》
1 《弧状の稲妻》
1 《石弾の弾幕》
1 《ティムールの魔除け》

-サイドボード(15)-
hareruya



今大会トップ8に3人の入賞者を輩出したTemur Midrange《エルフの神秘家》《爪鳴らしの神秘家》によるマナ加速から 《凶暴な拳刃》《世界を喰らう者、ポルクラノス》など強力なクリーチャーを相手よりも速く展開していくテンポ寄りの構成です。

クロックを守るカウンターとしても除去としても使える《ティムールの魔除け》のほかにも、序盤は除去として機能し中盤以降は勝利手段にもなる《火口の爪》など一貫して効率性を重視しています。それは軽い除去や妨害スペルでスペースの大半が割られているサイドボードを見ても明らかです。

凶暴な拳刃ティムールの魔除け火口の爪








Willy Edel「Sultai Reanimator」
2014 Grand Prix Santiago (5位)

3 《森》
2 《沼》
1 《島》
4 《華やかな宮殿》
2 《疾病の神殿》
1 《神秘の神殿》
4 《ラノワールの荒原》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《マナの合流点》
3 《汚染された三角州》

-土地(23)-

4 《サテュロスの道探し》
4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《血の暴君、シディシ》
2 《破滅喚起の巨人》
2 《サグのやっかいもの》
1 《イニストラードの魂》
3 《女王スズメバチ》

-クリーチャー(24)-
3 《思考囲い》
3 《英雄の破滅》
3 《エレボスの鞭》
4 《残忍な切断》

-呪文(13)-
3 《軽蔑的な一撃》
3 《悪夢の織り手、アショク》
2 《胆汁病》
2 《悲哀まみれ》
2 《スゥルタイの魔除け》
1 《再利用の賢者》
1 《ナイレアの信奉者》
1 《エレボスの鞭》

-サイドボード(15)-
hareruya



優勝したAbzan Midrangeと同様に、《サテュロスの道探し》で墓地に落とした 《女王スズメバチ》などを《エレボスの鞭》リアニメイトする戦略と「星座」要素を組み合わせています

青を足したことにより《血の暴君、シディシ》にアクセス可能になっており、墓地を肥やしつつ大量のトークンを生み出すことが可能です。

血の暴君、シディシイニストラードの魂エレボスの鞭





SCGO Columbus トップ8

~スイスラウンド11+プレイオフという長丁場を制したのはAbzan Midrange~


2014年11月9日

Steve Rubin 


1位 Abzan Midrange/白黒緑プレインズウォーカー
2位 Mardu Aggro/白黒赤ビートダウン
3位 UW Heroic/英雄ビートダウン
4位 Abzan Midrange/白黒緑プレインズウォーカー
5位 GB Devotion/黒緑ビートダウン
6位 Mardu Midrange/白黒赤ビートダウン
7位 UB Control/黒緑ビートダウン
8位 Mardu Walker/白黒赤コントロール

750以上の参加者を記録し、スイスラウンドはなんと11ラウンドという、9-10ラウンドがごく普通のSCGOの中でも特に規模が大きかったSCGO Columbus。
プロツアーで優勝を飾ったことで記憶に新しいAbzan Midrangeの優勝で幕を閉じました。



SCGO Columbus デッキ解説

「Mardu Aggro」「UW Heroic」





Andy Ferguson「Mardu Aggro」
SCGO Columbus (2位)

2 《山》
2 《沼》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《遊牧民の前哨地》
3 《凱旋の神殿》
1 《悪意の神殿》
3 《マナの合流点》
3 《コイロスの洞窟》
1 《戦場の鍛冶場》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(24)-

4 《血に染まりし勇者》
4 《脳蛆》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
4 《軍族の解体者》
2 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(18)-
4 《思考囲い》
3 《マグマの噴流》
3 《稲妻の一撃》
4 《はじける破滅》
4 《かき立てる炎》

-呪文(18)-
3 《静翼のグリフ》
3 《マグマのしぶき》
2 《消去》
2 《停止の場》
2 《神々の憤怒》
2 《力による操縦》
1 《死者の神、エレボス》

-サイドボード(15)-
hareruya



1マナクリーチャーで「強襲」の条件を満たせば墓地から復活させる能力を持つ《血に染まりし勇者》をフル搭載したアグロ寄りのMardu。1マナ2/1というスペックはタップインランドを多く採用したデッキが多く存在する遅めの現環境では脅威となります。「強襲」の条件も 《ゴブリンの熟練扇動者》《脳蛆》といった軽いクリーチャーを多く採用したこのデッキでは達成しやすくなっています。

《脳蛆》《思考囲い》の合計8枚のハンデスが相手の脅威やこちらの脅威に対する回答を奪います。構成上コントロールやミッドレンジに対して強く、赤単などの高速ビートダウンに対しては不利が付きます。その弱点をカバーするのがサイドの 《マグマのしぶき》《神々の憤怒》です。

血に染まりし勇者脳蛆軍族の解体者








Tom Ross「UW Heroic」
SCGO Columbus (3位)

9 《平地》
2 《島》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《啓蒙の神殿》
2 《平穏な入り江》
1 《マナの合流点》

-土地(22)-

4 《恩寵の重装歩兵》
4 《イロアスの英雄》
4 《戦識の重装歩兵》
3 《道の探求者》
3 《ヘリオッドの巡礼者》
2 《万戦の幻霊》

-クリーチャー(20)-
4 《神々の思し召し》
4 《果敢な一撃》
2 《抵抗の妙技》
1 《液態化》
4 《タッサの試練》
1 《ヘリオッドの試練》
1 《鐘音の一撃》
1 《層雲歩み》

-呪文(18)-
3 《頑固な否認》
2 《ラゴンナ団の先駆者》
2 《消去》
2 《アジャニの存在》
2 《宝船の巡航》
1 《道の探求者》
1 《ヘリオッドの巡礼者》
1 《液態化》
1 《ヘリオッドの試練》

-サイドボード(15)-
hareruya



高速の赤単デッキであるBossSlighを世に送り出したアメリカのプロTom Rossは、今回はいつもの赤単では無くUW Heroicを使用し入賞を果たしました。このUW Heroicは「英雄的」持ちのクリーチャーを軽いスペルで強化してビートダウンしていくデッキで、スタンダードの赤単やレガシーのInfectのようなデッキを得意とするTom Rossのプレイスタイルにもフィットしています。

テーロスの「英雄的」クリーチャーのみに絞らず、「果敢」持ちでこのデッキの戦略との相性の良い《道の探求者》や、クリーチャー強化に必要なオーラをサーチしてこれるためアドバンテージ源にもなる 《ヘリオッドの巡礼者》も採用されています。《ヘリオッドの巡礼者》は自身は1/2とお世辞にも高いスペックとは言えませんが、対象先が無いと無駄碑になりやすいオーラである《層雲歩み》などの枚数を減量することを可能にしデッキの安定性の向上に貢献しました。サーチ能力により状況に応じたオーラを選択するシルバーバレット戦略も可能になったため《ヘリオッドの試練》《鐘音の一撃》なども採用されています。

サイドにはカウンターの《頑固な否認》やドロースペルの《宝船の巡航》が見られます。このデッキなら「獰猛」の条件も比較的満たしやすく、相手の除去スペルやスイーパーに対する回答になります。《宝船の巡航》は消耗戦になるコントロールやミッドレンジとのマッチアップで消耗したリソースを回復させ中盤以降の息切れ防止になります。

イロアスの英雄ヘリオッドの巡礼者鐘音の一撃





Interview With Steve Rubin


Steve Rubin 

今年の夏に行われたSCGO Washigton DCでも優勝、GP Chicago 2014でもトップ8に入賞経験のある強豪プレイヤーで、今大会の優勝者であるSteve Rubinにインタビューすることができました。

彼はプロツアー『タルキール覇王譚』チャンピオンのAri Laxと同じチームに所属し、彼を優勝へと導いたAbzan Midrangeの制作に貢献したプレイヤーです。






Steve Rubin「Abzan Midrange」
SCGO Columbus (1位)

2 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
2 《静寂の神殿》
1 《豊潤の神殿》
2 《ラノワールの荒原》
2 《コイロスの洞窟》
1 《マナの合流点》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《オレスコスの王、ブリマーズ》
4 《包囲サイ》
2 《風番いのロック》

-クリーチャー(16)-
4 《思考囲い》
4 《アブザンの魔除け》
3 《英雄の破滅》
1 《完全なる終わり》
1 《残忍な切断》
2 《真面目な訪問者、ソリン》
1 《英雄の導師、アジャニ》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(19)-
3 《胆汁病》
3 《悲哀まみれ》
2 《砂塵破》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《消去》
1 《異端の輝き》
1 《霊気のほころび》
1 《残忍な切断》
1 《リリアナ・ヴェス》

-サイドボード(15)-
hareruya




--今大会優勝おめでとう!プロツアー『タルキール覇王譚』で優勝していたリストと比べるとメインの《オレスコスの王、ブリマーズ》《エルフの神秘家》の不在など違いが見られるけど、今回のリストを使用した経緯は?

Steve: プロツアー後の環境は赤単のような速いデッキが以前よりも多くなった上に、それらのデッキは《エルフの神秘家》を容易に除去する手段も持ち合わせている。そこで《エルフの神秘家》と重い《英雄の導師、アジャニ》《完全なる終わり》を解雇して25枚目の土地と《残忍な切断》、2枚の《オレスコスの王、ブリマーズ》を採用することにしたんだ。これによって《風番いのロック》の「強襲」を満たすためのアタッカーの数を減らすことなく、デッキの核を維持しつつもデッキのもっさり感が改善されたんだ。また初手のキープ率も上がり《稲妻の一撃》《マグマの噴流》《胆汁病》といったスペルはこのデッキ相手には除去として機能しなくなった。あとはサイドボードも最近のHeroicやJeskai Combo、GB Constellationに対応できるように 《消去》《異端の輝き》を投入することにした。

--なるほど。Abzanを使ってみて分かったけど、確かにメインの2枚の《エルフの神秘家》よりも追加の土地の方が良さそうだね。この構成で土地24枚は序盤に《エルフの神秘家》が除去されて展開が遅れることもあったし、中盤以降に《クルフィックスの狩猟者》で捲れたときなんかはこれが土地だったらと思ったことは何度もあったしね。《先頭に立つもの、アナフェンザ》よりも《オレスコスの王、ブリマーズ》なのも面白いね。

Steve: 《先頭に立つもの、アナフェンザ》も良いカードだけど、パワー4は《太陽の勇者、エルズペス》の「-3」能力で死んじゃうのが難点だね。《オレスコスの王、ブリマーズ》は攻守に渡って優れた良いクリーチャーで、特に赤単やJeskai Wins相手に強さを発揮する。白白を3ターン目に出すのは、たまに出すのが難しいことがあるけど、それを加味しても凄く優秀なクリーチャーだね。



--先週末にSCGOで優勝していたJeskai Heroicとのマッチアップについてはどう思う?

Steve: このバージョンのAbzanなら互角以上に戦えると思う。サイドにも多くのカードがこのマッチで有効に使えるものが多い。実際に今回もスイスラウンドで一回当たったけど1ゲーム目は運よくメイン1枚挿しの《完全なる終わり》を引き込み、相手の 《ジェスカイの隆盛》を追放して勝った。2戦目は《胆汁病》など軽い除去を多く投入して、相手の場のクリーチャーを片っ端から除去して簡単に勝つことができた。

--確かにメインはともかくサイド後は《胆汁病》《悲哀まみれ》と軽いクリーチャーを並べてくるデッキとの相性は逆に良くなりそうな構成だね。



--今後同じデッキで大会に出るとしたら何か変更したい点とかある?

Steve: 変更したい点は一部を除いてあまり見られないかな。Ariのリストからも数枚変更を加えただけだったし、プロツアー『タルキール覇王譚』でも良成績を残せたからデッキとしてはほぼ完成されていると思う。
メタにもよるけどフレキシブルなスロットは《オレスコスの王、ブリマーズ》《英雄の導師、アジャニ》、サイドは《消去》《異端の輝き》《霊気のほころび》あたりかな。確実に変更を加えたい所はタップインランドの枚数だね。プロツアー『タルキール覇王譚』のリストにタップインランドを2枚加えたんだけど少し多すぎた。《静寂の神殿》1枚を追加の《コイロスの洞窟》に変えた方が良さそうだ。

--なるほど。今回はインタビューに協力してくれてありがとう。改めて優勝おめでとう!


プロツアー『タルキール覇王譚』での優勝以来、コンスタントに大きな大会で結果を残し続けているAbzan Midrange。そのデッキの制作者の一人であるSteve Rubinは筆者のインタビューの質問にも分かりやすく答えてくれました。流石はプロツアー優勝者を出したチームの一員、スイスラウンド11+プレイオフという長丁場もスイスラウンドで1マッチMardu Midrange相手に落としただけだったとのことです。


オレスコスの王、ブリマーズ包囲サイ太陽の勇者、エルズペス





総括

今回の記事ではSCGO OaklandColumbusGP Santiagoの3つの大会結果を見ていきました。緑系のミッドレンジの多さが目立ちますが、それぞれ異なるアプローチを施しているリストが結果を残しています。前シーズンのスタンダードと大きく異なりまだ『タルキール覇王譚』がリリースされてそこまでの時間が経っていないことを考慮に入れても、環境は多様性に満ちていると言えるでしょう。

同じJeskaiでも《カマキリの乗り手》など効率的なクリーチャーでダメージを刻みつつ火力で勝負を決めるJeskai WinsやSCGO Oaklandを制したコンボとHeroicクリーチャーによるビートダウンをハイブリットしたデッキ、AbzanもPWを多数採用したミッドレンジから緑黒白の軽い優秀なクリーチャーを多数積んだAbzan Aggro、GP Santiagoで優勝を飾ったReanimator型と幅広い選択肢が存在します。他にもMardu Midrange(Aggro),Sultai Midrange(コントロール), UB Control, UW Heroic、赤単など現環境には数多くのデッキが存在し、その多くがSCGOやGPのような大きな大会でも結果を残せるポテンシャルを持っています。

現在のスタンダードは占術土地のカード選択や《思考囲い》《クルフィックスの狩猟者》によるお互いの手札の情報管理などプレイングも重要で、デッキや戦略の多様性も手伝って非常に面白いフォーマットに仕上がっています

以上で今回の解説を終わります。次回の記事ではSCGO Richmondの解説を予定しています。

それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!


※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『MAGIC: THE GATHERING』
http://magic.wizards.com/en
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php