皆さんこんにちは!
今回の記事ではいつものSCGO(SCG Invitational Columbus、SCGO Columbus、SCGO Las Vegas)の解説に加えてGP MoscowとGP Chicagoの解説をしていきます。
SCG Invitational Columbus トップ8 ~今シーズンの集大成~
2014年6月13日
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1位 Red Deck Wins/赤単
2位 B/W Midrange/白黒コントロール
3位 B/R Devotion/黒赤コントロール
4位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
5位 Mono Blue Devotion/青信心
6位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
7位 U/W Control/白青コントロール
8位 U/W Control/白青コントロール
スタンダードとレガシーの混同フォーマットで競われたSCG Invitational Columbusのプレイオフはスタンダードで行われRed Deck Wins使いのTom Rossが優勝を果たしました。招待制のイベントだけあってトップ8は優勝者のTom Rossを初めにReid Duke、Brad Nelson、Jared Boettcherとタレント揃いです。トップ8に入賞を果たしたアーキタイプを見渡すと、そこには一部を除いて特に目新しい所はなく、さながら今シーズンの集大成のような内容でした。
SCG Invitational Columbus トップ8 デッキ解説
「Red Deck Wins」「B/W Midrange」「B/R Devotion」
17 《山》 -土地(17)- 4 《アクロスの十字軍》 4 《灰の盲信者》 4 《火飲みのサテュロス》 4 《鋳造所通りの住人》 4 《軍勢の忠節者》 4 《ラクドスの哄笑者》 2 《瓦礫帯のマーカ》 -クリーチャー(26)- |
4 《タイタンの力》 2 《ショック》 1 《眩しい炎》 2 《稲妻の一撃》 4 《ドラゴンのマントル》 4 《向こう見ずな技術》 -呪文(17)- |
4 《頭蓋割り》 2 《大歓楽の幻霊》 2 《マグマのしぶき》 1 《変わり谷》 1 《稲妻の一撃》 1 《灼熱の血》 1 《ミジウムの迫撃砲》 1 《峰の噴火》 1 《地鳴りの踏みつけ》 1 《力による操縦》 -サイドボード(15)- |
速攻デッキを得意とするTom Rossは虎の子のRed Deck Winsを使って見事に優勝を果たしました。これは本人の渾名を冠した”Boss Sligh”とも呼ばれているデッキで、《ラクドスの哄笑者》などの1マナクリーチャーを主力に据え、土地をギリギリまで切り詰めたオールイン高速アグロです。
特徴的な《軍勢の忠節者》は大隊能力が強力で、はびこるエレメンタルトークンや兵士トークンでのブロックを許さないばかりか、先制攻撃とトランプルを与えることで《瓦礫帯のマーカ》や《タイタンの力》をより強力に仕立てます。
《疾病の神殿》など占術土地を多数搭載したJund MonstersやEsper ControlではRed Deck Winsのスピードに着いていくことは難しく、多くのプレイヤーたちがこぞってJund Monsters,、U/W Control,、B/W Midrangeを選択していたため、Red Deck Winsはメタ的にも有利だったようです。
サイドには《頭蓋割り》などの呪文が多く採用されています。《地鳴りの踏みつけ》は青単の《凍結燃焼の奇魔》や《波使い》+エレメンタルトークンによる防壁を突破できます。 厄介な《冒涜の悪魔》等の大型クリーチャーを利用する《力による操縦》は、土地の少ないRed Deck Winsでは奮励でのプレイは叶わないものの依然として強力です。
3 《平地》 10 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《静寂の神殿》 1 《オルゾフのギルド門》 4 《変わり谷》 -土地(26)- 4 《群れネズミ》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 2 《幽霊議員オブゼダート》 -クリーチャー(14)- |
4 《思考囲い》 3 《肉貪り》 2 《究極の価格》 2 《英雄の破滅》 1 《骨読み》 3 《地下世界の人脈》 2 《払拭の光》 1 《エレボスの鞭》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(20)- |
2 《罪の収集者》 2 《強迫》 2 《破滅の刃》 2 《ファリカの療法》 1 《払拭の光》 1 《地下世界の人脈》 1 《胆汁病》 1 《神討ち》 1 《幽霊議員オブゼダート》 1 《エレボスの鞭》 1 《死者の神、エレボス》 -サイドボード(15)- |
Mono Black Devotionをベースに白が加えられたコントロールです。Mono Black Devotionの象徴である《アスフォデルの灰色商人》の枠には、代わりとして《幽霊議員オブゼダート》と《太陽の勇者、エルズペス》が採られています。B/W Midrangeには珍しく《ヴィズコーパの血男爵》 はメインとサイド共に不採用でした。
Mono Black Devotionとのマッチアップのみを考えれば同じ5マナ域でも《ヴィズコーパの血男爵》の方が良い選択肢ですが、今回採用された《幽霊議員オブゼダート》は他のマッチでも安定した強さを見せます。特に《エレボスの鞭》との組み合わせはコントロールデッキに対して強力です。
Jund MonstersやU/W Controlに強い構成な反面、重いスペルが多く、除去も単体除去が中心なので、今回優勝したTom RossのRed Deck Winsのような高速アグロには苦戦を強いられそうです。
11 《沼》 4 《血の墓所》 4 《悪意の神殿》 1 《天啓の神殿》 1 《マナの合流点》 4 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《群れネズミ》 4 《夜帷の死霊》 3 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 2 《戦慄掘り》 2 《ミジウムの迫撃砲》 2 《ラクドスの復活》 1 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(22)- |
3 《生命散らしのゾンビ》 3 《強迫》 1 《狂気の種父》 1 《肉貪り》 1 《マグマのしぶき》 1 《究極の価格》 1 《パーフォロスの槌》 1 《エレボスの鞭》 1 《死者の神、エレボス》 1 《戦慄掘り》 1 《ラクドスの復活》 -サイドボード(15)- |
今季のルーキー・オブ・ザ・イヤー候補でもあるJared Boettcherは、昨今のGPやPTでコンスタントに上位入賞をしているアメリカの若手プレイヤーで、今回もMono Black Devotionに赤を加えたデッキで入賞を果たしました。
赤を足して《ミジウムの迫撃砲》にアクセスすることで、黒単色では対処が困難だった《ヴィズコーパの血男爵》を除去することができるようになりました。2色になったこととデッキの構成が少し重くなったので、今大会で優勝したRed Deck Winsや最近復権してきたMono Blue Devotionなどアグロデッキとの相性は悪くなってしまったようです。
しかし、その反面《ラクドスの復活》のおかげでコントロールやJund Monstersとのマッチアップは有利になったようです。赤を加えて手にした万能除去である《戦慄掘り》はJund Monstersとのマッチアップで《英雄の破滅》と並んで活躍します。つまりJund Monstersやコントロール、Mono Black Devotionが多いメタゲームで強さを発揮するヴァリエーションだといえるでしょう。
SCGO Columbus トップ8 ~Openを制したのはMono Red Aggro~
2014年6月14日
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1位 Mono Red Aggro/赤単
2位 B/G Devotion/黒緑コントロール
3位 Mono Black Devotion/黒単信心
4位 Mono Black Devotion/黒単信心
5位 R/G Devotion/赤単信心
6位 B/G Devotion/黒緑コントロール
7位 Mono Black Aggro/黒単アグロ
8位 Mono Black Devotion/黒単信心
SCGO Columbusはトップ8の半分をMono Black Devotionが占めるなか、紅一点のMono Red Aggroが優勝を果たしました。
SCGO Columbus トップ8 デッキ解説
「Mono Red Aggro」「R/G Devotion」
19 《山》 2 《変わり谷》 -土地(21)- 4 《火飲みのサテュロス》 4 《ラクドスの哄笑者》 3 《火拳の打撃者》 4 《灰の盲信者》 4 《炎樹族の使者》 4 《ボロスの反攻者》 4 《チャンドラのフェニックス》 4 《モーギスの狂信者》 -クリーチャー(31)- |
2 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 2 《マグマの噴流》 1 《灼熱の血》 -呪文(9)- |
4 《頭蓋割り》 4 《ミジウムの迫撃砲》 3 《灼熱の血》 2 《力による操縦》 2 《Toil》 -サイドボード(15)- |
SCG Invitational Columbusで優勝を果たした、土地をギリギリまで切り詰めたTom Rossの赤単とは異なり、Festus Resendezが駆ったものは、これまでも何度か目にしたことのあるオーソドックスなMono Red Aggroでした。
同じ赤単色のデッキながら採用されているクリーチャーやスペルに違いがみられ、Tom RossのRed Deck Winsと比較するとすこし重く作られているのが興味深いところです。
12 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(24)- 4 《灰の盲信者》 4 《炎樹族の使者》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《ボロスの反攻者》 4 《モーギスの狂信者》 2 《鍛冶の神、パーフォロス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 1 《歓楽の神、ゼナゴス》 -クリーチャー(27)- |
2 《ミジウムの迫撃砲》 1 《パーフォロスの槌》 3 《ドムリ・ラーデ》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 2 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(9)- |
3 《霧裂きのハイドラ》 3 《灼熱の血》 2 《ミジウムの迫撃砲》 2 《力による操縦》 1 《燃え立つ大地》 1 《破壊的な享楽》 1 《霊気のほころび》 1 《パーフォロスの槌》 1 《神々の憤怒》 -サイドボード(15)- |
赤緑という色の組み合わせですが、緑を主色にしたMonstersとは異なり《ボロスの反攻者》など色拘束の強いカードを搭載したR/G Devotionです。Devotion系らしく《炎樹族の使者》からの爆発的なスタートが強みで、《ドムリ・ラーデ》や《歓楽者ゼナゴス》などのPWが生み出すアドバンテージによって中盤以降も息切れの心配が少なくなっています。タッチ白の組み合わせと比較すると大型クリーチャー対策に貧しいので、サイドには《力による操縦》が採用されています。Tom Rossのデッキにはなかった大量のマナは奮励に活用され、《力による操縦》がより強力なカードとして活躍します。
2014 GP Moscow トップ8 ~挑戦的なアプローチが光る~
2014年6月15日
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1位 Boros Burn/バーン
2位 Mono Black Devotion/黒単信心
3位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
4位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
5位 B/R Devotion/黒赤コントロール
6位 4C Midrange/4色コントロール
7位 Mono Black Devotion/黒単信心
8位 Bant Superfriends/白青緑コントロール
定番のJund MidrangeやMono Black Devotionが順当に勝ち抜くなか、6位入賞の4C Midrangeや8位に入賞しているBant Superfriendsなど他の大会では見られない珍しいデッキも結果を出しています。
2014 GP Moscow トップ8 デッキ解説
「Boros Burn」「Bant Super Friends」
8 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 1 《悪意の神殿》 1 《静寂の神殿》 2 《マナの合流点》 3 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《若き紅蓮術士》 4 《チャンドラのフェニックス》 -クリーチャー(8)- |
3 《ショック》 4 《マグマの噴流》 4 《稲妻の一撃》 4 《頭蓋割り》 4 《ボロスの魔除け》 3 《灼熱の血》 3 《岩への繋ぎ止め》 4 《戦導者のらせん》 -呪文(29)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 3 《Toil》 2 《大歓楽の幻霊》 2 《異端の輝き》 2 《払拭の光》 1 《岩への繋ぎ止め》 1 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《宿命的火災》 -サイドボード(15)- |
SCG Invitational Columbusと同週末に開催されたGP MoscowではBoros Burnが優勝していました。優勝者のIgor Gorbunovのリストはスタンダード神決定戦で準優勝した八十岡さんのリストをベースに比較すると、メインの《ショック》、《岩への繋ぎ止め》の枚数が削られて 《灼熱の血》が採用されています。
これはコントロールに対しては無駄になり易いカードですが、最近流行しつつあるMono Black AggroやMono Red Aggroなどといった、タフネス2以下のクリーチャーが中心のデッキに対しては強力な除去兼直接火力として活躍します。
サイドは《Toil》 // 《Trouble》が採用されていて全体的にコントロールをメタった構成です。また、八十岡さんのリストと同様に、サイドにはPWの《紅蓮の達人チャンドラ》や除去の《払拭の光》や《岩への繋ぎ止め》が採用されていて、RW Controlにシフトする選択肢も健在です。
4 《平地》 5 《島》 4 《神聖なる泉》 2 《繁殖池》 1 《寺院の庭》 4 《啓蒙の神殿》 3 《豊潤の神殿》 2 《神秘の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
2 《中略》 4 《アゾリウスの魔除け》 2 《今わの際》 4 《解消》 3 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 3 《荒ぶる波濤、キオーラ》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(33)- |
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》 3 《ニクス毛の雄羊》 3 《霊気のほころび》 2 《霧裂きのハイドラ》 2 《否認》 1 《払拭》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
U/W Controlに緑を足したバージョンで、PWの 《荒ぶる波濤、キオーラ》がチャームポイントです。これまで紹介してきたMono Red Aggroのようにクリーチャーを高速で大量に並べてくるデッキ相手には活躍しませんが、Mono Black DevotionのようにPWへの脅威が少ないデッキに対しては強く、奥義で紋章を得ることもコントロール系など遅いデッキには狙えます。
緑が加わったことでサイドボードの選択肢も広がりました。Mono Blue Devotionやコントロール同系で活躍が期待できる 《霧裂きのハイドラ》はまさに緑がもたらした恩恵だといえるでしょう。
SCGO Las Vegas トップ8 ~またもやMono Red Aggroが戴冠~
2014年6月22日
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1位 Mono Red Aggro/赤単
2位 U/W Control/白青コントロール
3位 Junk Midrange/白緑黒ジャンク
4位 Mono Black Devotion/黒単信心
5位 B/G Devotion/黒緑コントロール
6位 U/W Control/白青コントロール
7位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
8位 Jund Monsters/黒赤緑ビートダウン
SCGO Columbusに続いてMono Red Aggroの優勝で幕を閉じたSCGO Las Vegas。Jund MonstersやJunk Midrange等緑系のミッドレンジデッキの活躍が目立ちます。
SCGO Las Vegas トップ8 デッキ解説
「Junk Midrange」
2 《沼》 1 《森》 4 《神無き祭殿》 4 《草むした墓》 3 《寺院の庭》 4 《疾病の神殿》 4 《豊潤の神殿》 3 《静寂の神殿》 1 《マナの合流点》 -土地(26)- 4 《森の女人像》 2 《漁る軟泥》 3 《クルフィックスの狩猟者》 2 《テューンの大天使》 2 《幽霊議員オブゼダート》 1 《ヴィズコーパの血男爵》 -クリーチャー(14)- |
3 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 2 《肉貪り》 4 《英雄の破滅》 2 《払拭の光》 2 《地下世界の人脈》 2 《英雄の導師、アジャニ》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(20)- |
2 《生命散らしのゾンビ》 2 《罪の収集者》 2 《ニクス毛の雄羊》 2 《胆汁病》 2 《神討ち》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《エレボスの鞭》 1 《地下世界の人脈》 -サイドボード(15)- |
緑白黒各色の優秀なクリーチャーやスペルで構成されたミッドレンジです。《クルフィックスの狩猟者》と《地下世界の人脈》でアドバンテージを取りつつ、《英雄の導師、アジャニ》や 《幽霊議員オブゼダート》などのパワフルなカードを繰り出していきます。《英雄の破滅》や 《払拭の光》、 《突然の衰微》など除去の種類も豊富です。
デッキには強力なカードが散りばめられているものの、それぞれが重くクロックが遅いので《スフィンクスの啓示》デッキに対しては相性が良くなさそうです。サイドには《エレボスの鞭》と《幽霊議員オブゼダート》の強力なタッグに加えて、《罪の収集者》や追加の 《地下世界の人脈》が含まれるため、サイド後のゲームに期待がかかります。
GP Chicago トップ8 ~Mono Black Devotionの隆盛~
2014年6月22日
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1位 Mono Black Devotion/黒単信心
2位 Mono Black Devotion/黒単信心
3位 U/W Control/白青コントロール
4位 Mono Black Devotion/黒単信心
5位 Mono Blue Devotion/青信心
6位 U/W Control/白青コントロール
7位 B/G Devotion/黒緑コントロール
8位 B/R Devotion/黒赤コントロール
Mono Black Devotion系が単色とタッチを含めてTop8に5名と大活躍し、現環境トップクラスのデッキであることを改めて証明する結果となりました。先のトーナメントの影響を受けてか、入賞したMono Black Devotionの多くが高速アグロを意識してサイドボードにしっかりと《悲哀まみれ》を採用していたことが印象的でした。
Top8の残りは強力なデッキであるU/W Control、Mono Blue Devotion、Jund Monstersで埋まり、最近の活躍が仇となり対策されたのか、Mono Red Aggro系は一人も勝ち残れませんでした。
2014 GP Chicago トップ8 デッキ解説
「Mono Black Devotion」
16 《沼》 4 《静寂の神殿》 2 《疾病の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(26)- 4 《群れネズミ》 4 《夜帷の死霊》 2 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(18)- |
4 《思考囲い》 3 《胆汁病》 1 《肉貪り》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(16)- |
4 《強迫》 4 《ファリカの療法》 2 《死者の神、エレボス》 2 《生命散らしのゾンビ》 2 《破滅の刃》 1 《胆汁病》 -サイドボード(15)- |
優勝者のTyler Blumは他のプレイヤーが 《生命散らしのゾンビ》か《夜帷の死霊》のどちらか一方をメインに採用しているなかで両方とも採用するという英断を下しています。これによってメインの脅威が他のリストと比べて増しているため、攻撃的なゲームプランを採ることで 《アスフォデルの灰色商人》のプレッシャーをより強く生かすことができるようになっています。しかし、クリーチャーを採用した分だけメインの除去が減らされているので、Mono Blue Devotionなどとのマッチアップはやや厳しいものとなっています。
また、Tylerのリストには占術土地が6枚と多目に搭載されています。タップインランドが増えたことで展開の遅れが懸念されますが、中盤以降のマナフラッドが緩和されることでドローの質が高まるため、同系やコントロールとの長いマッチアップでは有利になります。
22 《沼》 4 《変わり谷》 -土地(26)- 4 《群れネズミ》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 4 《胆汁病》 1 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 1 《エレボスの鞭》 -呪文(18)- |
4 《強迫》 3 《破滅の刃》 2 《悲哀まみれ》 2 《死者の神、エレボス》 2 《骨読み》 1 《闇の裏切り》 1 《エレボスの鞭》 -サイドボード(15)- |
ファイナリストのJadine KlomparensのリストはSCGO Columbusでもトップ4に入賞していたOwen Turtenwaldのリストと同様で占術土地を一切採用していないのが特徴です。先ほどのTylerのリストでも解説した通り、占術はドローの質を高められる一方でタップインによる展開の遅れが生じます。特にMono Black Devotionのベストなスタートは1ターン目《思考囲い》、2ターン目《群れネズミ》でゲーム開始から数ターンの間はアンタップインの土地が必要不可欠です。4 《変わり谷》22 《沼》というシンプルなマナ基盤はデッキの序盤の展開をスムーズにします。
最近のMono Black Devotionは土地が25枚が主流ですがJadineのリストは占術土地によるドロー操作が無いためか土地が1枚追加されています。余分な土地は《群れネズミ》でネズミに変換することができるほか、《地下世界の人脈》や《死者の神、エレボス》、 《エレボスの鞭》などとマナを食うカードが多数搭載されているので、この構成には納得です。ドローカードである《骨読み》は消耗戦になりがちな同系戦やコントロールとのマッチアップで追加のカードアドバンテージ獲得手段として活躍します。
Jadineのリストはメインの4枚の《生命散らしのゾンビ》やサイドに3枚採用されている《破滅の刃》を見るに、Jund Monstersを筆頭とした緑系のミッドレンジデッキをメタった構成なので、Mono Black Devotion同系が多くなりそうなメタゲームでは、メインの《生命散らしのゾンビ》を《夜帷の死霊》にして、サイドの《闇の裏切り》の増量をする調整をした方が良さそうです。
19 《沼》 2 《悪意の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《群れネズミ》 4 《夜帷の死霊》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 2 《強迫》 4 《肉貪り》 2 《胆汁病》 3 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 -呪文(19)- |
3 《生命散らしのゾンビ》 3 《悲哀まみれ》 2 《破滅の刃》 2 《強迫》 2 《死者の神、エレボス》 2 《ファリカの療法》 1 《究極の価格》 -サイドボード(15)- |
フェアリーマスターで知られる高橋 優太さんは今回Mono Black Devotionを使用して見事入賞を果たしました。高橋さんのリストは 《思考囲い》の他にも《強迫》が2枚とメインのハンデスが多く採用されています。1ターン目からのハンデススタートをできるかどうかはMono Black Devotionの序盤の展開における鍵となります。コントロールやJund Monstersに対してもメインから有利にゲームを進めていくことが可能になります。
採用されている占術土地は2枚と、全く採用していないJadineと6枚も採用しているTylerの中間といった枚数でした。サイドには直前のSCGO ColumbusやSCG Invitational Columbusで優勝していたMono Red Aggro対策に《悲哀まみれ》が3枚も採られています。
総括
高速のMono Red Aggroが制したSCG Invitational ColumbusとSCGO Columbus、その同週末に行われてBoros Burnが制したGP Moscowの翌週に行われたGP Chicagoでは黒信心がトップ8の半分以上を占め、SCGO Las VegasではSCGO Columbusと同様に赤いアグロデッキが優勝しました。
プロツアーテーロス以降TopTierに残り続けているMono Black DevotionはSCG Invitational Columbusでも安定の選択肢として多くのプレイヤーが使用し、SCGO ColumbusとGP Chicagoではトップ8の半分以上を占めるという凄まじいパフォーマンスです。Jund Monsters等の緑系のミッドレンジは、Mono Blue Devotionの復権と、《生命散らしのゾンビ》と 《破滅の刃》を搭載したMono Black Devotionの存在で以前よりも厳しいメタゲームとなっているようです。
M15の発売を直前に迎えて、環境もいよいよ終盤らしくメタゲームも煮詰まってきました。来月にリリースされるM15が現環境にどのような影響を与えるのか今から楽しみです。
以上今回の解説を終わります。一度に5つもの大会を解説したので今回は少し情報量が多くなってしまいましたが皆さんの参考になれたなら幸いです。
次回の記事ではSCGO PortlandとSCGO Worcesterの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!