USA Standard Express vol.20 -SCGO Cincinnati, SCGO Knoxville, BIGMAGIC OPEN-

Kenta Hiroki



皆さんこんにちは!

先週末はBIG MAGIC OPEN(BMO)がありましたね。スタンダード部門は参加者459名と大盛況だったようですし、次回のイベントが今から楽しみです。

さて、今回の記事ではStarCityGames.com Open Series(SCGO) CincinnatiSCGO KnoxvilleBMOの解説をしていきたいと思います。



SCGO Cincinnati トップ8 デッキアーキタイプ

2014年5月3日
1位 BG Devotion/黒単
2位 UW Control/白青コントロール
3位 Junk Midrange/白緑黒ジャンク
4位 UWR Control/白青赤コントロール
5位 BW Midrange/白黒コントロール
6位 Mono Black Devotion/黒単
7位 Esper Control/白青黒コントロール
8位 GR Monsters/赤緑怪物

緑黒占術ランド《疾病の神殿》のおかげでタッチ緑が容易になり、《突然の衰微》にアクセスが可能になったことにより更に強化された黒単信心タッチ緑が見事優勝しました。

筆者の予想では新セットから得るものが多かったNaya Hexproofあたりが活躍すると予想していましたが、StarcityGamesのサイトでもプレミア記事で紹介された事により対策が厳しく勝ち残れなかったようです。スイーパーの 《至高の評決》にアクセス可能な青白系のデッキが多く入賞している事からも、青単やNaya Hexproofにとっては勝ち残り難いメタだったことが伺えます。



SCGO Cincinnati デッキ解説

「BG Devotion」「UW Control」「WUR Control」「Junk Midrange」


Andrew Tenjum 「BG Devotion」 SCGO Cincinnati (1位)

11 《沼》
4 《草むした墓》
4 《疾病の神殿》
2 《ゴルガリのギルド門》
4 《変わり谷》

-土地(25)-

4 《群れネズミ》
4 《生命散らしのゾンビ》
4 《冒涜の悪魔》
4 《アスフォデルの灰色商人》

-クリーチャー(16)-
4 《思考囲い》
3 《肉貪り》
3 《突然の衰微》
4 《英雄の破滅》
4 《地下世界の人脈》
1 《見えざる者、ヴラスカ》

-呪文(19)-
4 《強迫》
2 《死者の神、エレボス》
2 《闇の裏切り》
2 《破滅の刃》
2 《ファリカの療法》
2 《ゴルガリの魔除け》
1 《肉貪り》

-サイドボード(15)-
hareruya


前環境から環境のベストデッキの一つとしてコンスタントに入賞を続けていた黒単。基本的なリストに大きな変化はありませんが、《疾病の神殿》の加入で緑をタッチしやすくなり、エンチャントに触れる 《突然の衰微》《ゴルガリの魔除け》にアクセスが可能になりました。同系対決では 《地下世界の人脈》に触れるようになったのは大きな収穫ですが、今回のリストは相手の《群れネズミ》に対する回答であった《胆汁病》が不採用なので、相手の《群れネズミ》に若干苦戦しそうです。

《突然の衰微》《ゴルガリの魔除け》のおかげで《拘留の宝球》《払拭の光》を容易に除去する事が可能になり、青白系のコントロールデッキとの相性が改善された印象です。BMOでの優勝デッキもBG Devotionだったので今後も流行る事が予想されます。スタンダードの大会に参加する際は必ずと言って良い程当たるデッキなので、このデッキとのプレイテストはメイン・サイド共にしっかりしていくことをお勧めします。

群れネズミ突然の衰微疾病の神殿






Eric Rill 「UW Control」 SCGO Cincinnati (2位)

5 《平地》
5 《島》
4 《神聖なる泉》
4 《啓蒙の神殿》
4 《アゾリウスのギルド門》
1 《欺瞞の神殿》
1 《静寂の神殿》
3 《変わり谷》

-土地(27)-


-クリーチャー(0)-
1 《中略》
4 《アゾリウスの魔除け》
2 《天界のほとばしり》
1 《否認》
4 《解消》
4 《スフィンクスの啓示》
4 《至高の評決》
4 《拘留の宝球》
1 《払拭の光》
1 《不死の霊薬》
4 《思考を築く者、ジェイス》
1 《記憶の熟達者、ジェイス》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(33)-
3 《今わの際》
2 《ニクス毛の雄羊》
2 《天界のほとばしり》
2 《反論》
1 《霊異種》
1 《払拭》
1 《神討ち》
1 《否認》
1 《盲従》
1 《真髄の針》

-サイドボード(15)-
hareruya


前環境からコンスタントに入賞していた環境のコントロールデッキの青白も、リスト自体に大きな変化は見られず、新セットから数枚のカードによる戦力の補強のみに留まっています。
5枚目の《拘留の宝球》として 《払拭の光》がメインに一枚採用されています。相手の《拘留の宝球》を除去することも可能で、同系戦では特に重要になります。また、プロテクション(青)により《拘留の宝球》《アゾリウスの魔除け》での対処が不可能で厄介だった、緑系デッキのサイドボード《霧裂きのハイドラ》に対する回答にもなります。

サイドにはインスタントのエンチャント除去で《海の神、タッサ》《死者の神、エレボス》などのGODシリーズを相手の手札やライブラリーから追放することができる《神討ち》、バーンやアグロデッキに対して時間を稼いでくれる《ニクス毛の雄羊》が採用されています。メイン・サイドと合わせて4枚採られている《天界のほとばしり》《嵐の息吹のドラゴン》などの速攻クリーチャーや今大会前に話題になっていたNaya Hexproofの対策のようです。

太陽の勇者、エルズペススフィンクスの啓示払拭の光






Christopher OBryant 「UWR Control」 SCGO Cincinnati (4位)

4 《島》
2 《平地》
4 《神聖なる泉》
1 《聖なる鋳造所》
1 《蒸気孔》
4 《啓蒙の神殿》
4 《天啓の神殿》
4 《凱旋の神殿》
3 《変わり谷》

-土地(27)-

1 《嵐の神、ケラノス》

-クリーチャー(1)-
2 《中略》
1 《急かし》
1 《神討ち》
1 《変化+点火》
2 《イゼットの魔除け》
1 《今わの際》
4 《解消》
4 《スフィンクスの啓示》
4 《至高の評決》
1 《火想者の予見》
2 《払拭の光》
2 《拘留の宝球》
4 《思考を築く者、ジェイス》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(32)-
2 《テューンの大天使》
2 《オレスコスの王、ブリマーズ》
2 《天界のほとばしり》
2 《神々の憤怒》
2 《対抗変転》
1 《霊異種》
1 《払拭》
1 《マグマのしぶき》
1 《摩耗+損耗》
1 《軍勢の集結》

-サイドボード(15)-
hareruya


『ニクスへの旅』から《天啓の神殿》が加入した事でようやくEsper Controlと同様のマナ基盤を得る事ができた青白赤コントロール。メインのリストは齋藤友晴さんがツイッターやFacebook上で公開していた新スタンダードのデッキの一つである《嵐の神、ケラノス》をフィーチャーした青白赤とほど同一のリストです(メイン60枚が同じ)。

Esper Controlと同様に12枚の占術ランドを採用しており、青白赤という色の組み合わせらしく《変化+点火》《イゼットの魔除け》など軽いユーティリティスペルが多いのが特徴です。《イゼットの魔除け》は黒単信心の《群れネズミ》を除去に使用したり《地下世界の人脈》をカウンターしたり、コントロール同系、特に1ゲーム目で第3のモードでクリーチャー除去などを有効碑に変えたりと、非常にフレキシブルなカードです。青白系のコントロールにとっては厄介な《変わり谷》も除去することが可能です。

メインに一枚採用されている《嵐の神、ケラノス》はこのデッキではクリーチャー化はほぼ不可能ですが、黒単にとってはハンデスで落とす以外に対処法が無く、一度場に出てしまえば毎ターン《吠えたける鉱山》《稲妻》でアドバンテージを稼ぐことが可能です。ライブラリーのトップを12枚の占術ランドで調整することが出来る点も見逃せません。《火想者の予見》は7マナと重いスペルですが、状況に応じた3マナ(《スフィンクスの啓示》《解消》、《Turn》、《対抗変転》)、2マナ(《神討ち》《イゼットの魔除け》《今わの際》、 《Burn》、《天界のほとばしり》、《Wear》)、1マナ(《急かし》《中略》《払拭》《マグマのしぶき》、《Tear》)のスペルをサーチすることが可能なので、実質5枚目の《スフィンクスの啓示》として扱えます。

赤をタッチしているメリットとしては、コントロール同系対決でのカウンター合戦を有利にする《対抗変転》にアクセスが可能になったことです。黒単に対してこれまで有効だった《軍勢の集結》ですが、現環境では 《ゴルガリの魔除け》で割られる可能性があるので追加の 《嵐の神、ケラノス》に変更してみるのも面白そうです。

嵐の神、ケラノス火想者の予見天啓の神殿






Jeff Hoogland 「Junk Midrange」 SCGO Cincinnati (3位)

2 《森》
1 《沼》
4 《草むした墓》
4 《豊潤の神殿》
4 《静寂の神殿》
3 《神無き祭殿》
3 《寺院の庭》
3 《疾病の神殿》
1 《マナの合流点》

-土地(25)-

4 《森の女人像》
3 《漁る軟泥》
4 《クルフィックスの狩猟者》
1 《生命散らしのゾンビ》
2 《テューンの大天使》
2 《ヴィズコーパの血男爵》
1 《幽霊議員オブゼダート》

-クリーチャー(17)-
3 《突然の衰微》
4 《英雄の破滅》
4 《ワームの到来》
2 《払拭の光》
2 《地下世界の人脈》
2 《英雄の導師、アジャニ》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(18)-
2 《生命散らしのゾンビ》
2 《罪の収集者》
2 《思考囲い》
2 《胆汁病》
2 《ゴルガリの魔除け》
2 《化膿》
1 《死者の神、エレボス》
1 《幽霊議員オブゼダート》
1 《地下世界の人脈》

-サイドボード(15)-
hareruya


『ニクスへの旅』から新たに加わった新PWの《英雄の導師、アジャニ》を使ったデッキです。今大会のデッキテクとしても紹介されています。

《クルフィックスの狩猟者》《地下世界の人脈》そして新PWの《英雄の導師、アジャニ》でアドバンテージを稼いでいく中速のグッドスタッフデッキ。 《テューンの大天使》《クルフィックスの狩猟者》《漁る軟泥》の組み合わせが強力です。《ワームの到来》《生命散らしのゾンビ》で手札から追放されない瞬速持ちの5/5トランプルクリーチャーで、《至高の評決》を使うデッキに対して特に強さを発揮します。場を平らにされても5/5トランプルクリーチャーをインスタントスピードで出せばプレッシャーを与え続けることが可能です。

《英雄の導師、アジャニ》でサーチすることが可能なためか、1枚刺しのカードが多めです。全体的にカードパワーが高くデッキのほとんどのカードが脅威なので 《思考囲い》やカウンターに強く今後の展開が楽しみなデッキです。

クルフィックスの狩猟者テューンの大天使英雄の導師、アジャニ





SCGO Knoxville トップ8 デッキアーキタイプ

2014年5月10日
1位 RW Burn/バーン
2位 Naya Aggro/白赤緑アグロ
3位 Jund Monsters/黒赤緑アグロ
4位 RW Burn/バーン
5位 BG Devotion/黒単
6位 Esper Control/白青黒コントロール
7位 BG Devotion/黒単
8位 BG Devotion/黒単

前回のSCGO Cincinnatiで優勝を果たしたBG Devotionは今大会でもトップ8に3名のプレイヤーを送り込む強さを見せますが、今回は準々決勝から勝ち進めなかったようです。優勝はRW Burnでした。今回はコントロールが多かった前回と異なり、Naya AggroやJund Monstersなどアグロやミッドレンジが勝ち残っています。



SCGO Knoxvillet デッキ解説

「RW Burn」「Naya Aggro」「Esper Control」


Tyler Winn 「RW Burn」 SCGO Knoxville (1位)

9 《山》
4 《聖なる鋳造所》
4 《凱旋の神殿》
2 《マナの合流点》
4 《変わり谷》

-土地(23)-

4 《大歓楽の幻霊》
4 《チャンドラのフェニックス》

-クリーチャー(8)-
2 《ショック》
4 《稲妻の一撃》
4 《マグマの噴流》
4 《頭蓋割り》
4 《ボロスの魔除け》
3 《灼熱の血》
2 《野生の勘》
4 《戦導者のらせん》
2 《岩への繋ぎ止め》

-呪文(29)-
4 《火飲みのサテュロス》
4 《サテュロスの火踊り》
2 《摩耗+損耗》
2 《反逆の行動》
2 《岩への繋ぎ止め》
1 《双子神の指図》

-サイドボード(15)-
hareruya


前環境から存在するRW Burn。今回優勝したTyler Winnは『ニクスへの旅』で新たに登場した《大歓楽の幻霊》を同コストの《灰の盲信者》よりも優先して採用しています。この《大歓楽の幻霊》《紅蓮光電の柱》の能力を内蔵しており、多くの除去スペルのコストが3以下なため即座に除去されても最悪《ショック》として機能しますし、もちろん生き残り続ければその分ダメージを稼ぐことができる優秀なクリーチャーです。
《野生の勘》はあまり見かけないカードですが 、《チャンドラのフェニックス》や不要な土地等をカード2枚に変換することが可能です。《チャンドラのフェニックス》は相手に火力を当てれば手札に戻るのでカードを捨てるコストもそれほど気にならないと思います。

サイドに実験的に採られている《双子神の指図》も面白いカードです。5マナとこのデッキには少し重いのが難点ですが、瞬速持ちなのでコンバットトリックとしても使うことも可能で奇襲性の高いカードです。

大歓楽の幻霊野生の勘双子神の指図






Jamie Arnold 「Naya Aggro」 SCGO Knoxville (2位)

2 《平地》
4 《聖なる鋳造所》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《寺院の庭》
3 《豊潤の神殿》
1 《奔放の神殿》
4 《マナの合流点》

-土地(22)-

4 《ドライアドの闘士》
3 《万神殿の兵士》
4 《復活の声》
4 《羊毛鬣のライオン》
4 《ボロスの反攻者》
3 《ロクソドンの強打者》
4 《ゴーア族の暴行者》

-クリーチャー(26)-
4 《精霊への挑戦》
4 《ボロスの魔除け》
4 《セレズニアの魔除け》

-呪文(12)-
3 《ミジウムの迫撃砲》
3 《叫び回る亡霊》
3 《ひるまぬ勇気》
3 《ドムリ・ラーデ》
2 《巨大化》
1 《異端の輝き》

-サイドボード(15)-
hareruya


緑・白・赤の3色から軽い優秀なクリーチャーとスペルを集めたアグロデッキ。現スタンダード版のNaya Zooといったところでしょうか。

メインから4積みされた《精霊への挑戦》が特徴的です。デッキに採用されているほとんどのクリーチャーが白なので、単体除去に対しては打消し呪文として機能しますし、打消し呪文では無いのでカウンターされない除去である《突然の衰微》も弾くことができます。また、守りだけではなく、自軍の白のクリーチャーにプロテクションを与えることによって相手のブロッカーを無視してダメージを通すことも可能と、《ボロスの魔除け》同様、攻守に渡って活躍が期待できます。唯一《至高の評決》のような全体除去は《精霊への挑戦》では弾くことができませんが、そこは《ボロスの魔除け》でカバーと隙がありません。

『ニクスへの旅』発売前の環境ではM10ランドのようなアンタップインランドの不在から3色のアグロを構築するのは困難を極めましたが、今回新加入した《マナの合流点》がそれを可能にしました。《マナの合流点》がフル搭載されているのでペイライフが痛い時もありますが、自分のライフトータルがゲームに影響する前に決着をつけることが可能なアグロデッキなので、RW Burnのように直接火力を多く積んだデッキ以外に対してはそれ程大きなデメリットではなさそうです。

サイドにはコントロールに対してはカードアドバンテージを得られる《ドムリ・ラーデ》、アグロやRW Burn、GR Monstersなどとのマッチアップでダメージレースを有利すると同時に土地からのダメージを回復させる《ひるまぬ勇気》、Monsters系の《クルフィックスの狩猟者》《嵐の息吹のドラゴン》対策の《ミジウムの迫撃砲》《払拭の光》《拘留の宝球》・Naya Hexproofのオーラなどエンチャント対策である《叫び回る亡霊》と分かりやすくまとまっています。

羊毛鬣のライオン精霊への挑戦マナの合流点






Cam Adkins 「Esper Control」 SCGO Knoxville (6位)

2 《島》
1 《平地》
4 《神聖なる泉》
3 《湿った墓》
3 《神無き祭殿》
4 《欺瞞の神殿》
4 《啓蒙の神殿》
4 《静寂の神殿》
1 《変わり谷》

-土地(26)-

1 《霊異種》

-クリーチャー(1)-
3 《中略》
1 《急かし》
3 《究極の価格》
1 《神討ち》
1 《アゾリウスの魔除け》
4 《スフィンクスの啓示》
3 《英雄の破滅》
3 《解消》
4 《至高の評決》
3 《拘留の宝球》
4 《思考を築く者、ジェイス》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(33)-
3 《夜帷の死霊》
2 《罪の収集者》
2 《ニクス毛の雄羊》
2 《思考囲い》
1 《テューンの大天使》
1 《神討ち》
1 《破滅の刃》
1 《反論》
1 《否認》
1 《ディミーアの魔除け》

-サイドボード(15)-
hareruya


今回入賞したCam AdkinsのEsper Controlは最近よく目にする青白タッチ黒ではなく、《英雄の破滅》を採用している黒が濃いタイプのEsper Controlです。黒マナ確保の為《湿った墓》などのショックランドが多めに採られており、そのため《変わり谷》は1枚と少なめです。

サイドには《夜帷の死霊》《罪の収集者》などクリーチャーが多めに採用されています。RW Burnやアグロ相手に時間を稼ぐ《ニクス毛の雄羊》もしっかり採用されています。この《ニクス毛の雄羊》の1ゲインは、《テューンの大天使》の能力とコンボになる点も見逃せないですね。

至高の評決夜帷の死霊ニクス毛の雄羊





BIGMAGIC Open(BMO) トップ8 デッキアーキタイプ

2014年5月11日
1位 BG Devotion/黒単
2位 RW Burn/バーン
3位 BG Devotion/黒単
4位 BW Midrange/白黒コントロール
5位 Esper Midrange/エスパー人間アグロ
6位 RW Burn/バーン
7位 RW Burn/バーン
8位 Esper Control/白青黒コントロール

参加者459名を出した大規模な賞金制の大会のBMO。優勝はSCGO Cincinnatiでも優勝していたBG Devotionでした。SCGOと同様にBG DevotionやRW Burnが中心のようですが、Esper Midrangeや《予言の炎語り》を使ったデッキなどSCGOでは見られなかったデッキも勝ち残っていました。



BIGMAGIC Open(BMO) デッキ解説

「Esper Midrange」「RW Burn」


澤田 健 「Esper Midrange」 BMO (5位)

3 《平地》
4 《神無き祭殿》
4 《神聖なる泉》
2 《湿った墓》
4 《啓蒙の神殿》
4 《静寂の神殿》
2 《マナの合流点》
2 《変わり谷》

-土地(25)-

4 《万神殿の兵士》
4 《管区の隊長》
1 《威圧する君主》
1 《叫び回る亡霊》
4 《オレスコスの王、ブリマーズ》
2 《リーヴの空騎士》
1 《罪の収集者》
1 《通行の神、エイスリオス》
1 《都市国家の神、エファラ》
3 《幽霊議員オブゼダート》

-クリーチャー(22)-
2 《思考囲い》
2 《遠隔+不在》
2 《究極の価格》
4 《拘留の宝球》
1 《ヘリオッドの槍》
1 《エレボスの鞭》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(13)-
3 《破滅の刃》
2 《鬼斬の聖騎士》
2 《ヴィズコーパの血男爵》
2 《神討ち》
2 《否認》
2 《至高の評決》
1 《生命散らしのゾンビ》
1 《エレボスの鞭》

-サイドボード(15)-
hareruya


GP 静岡GP北京でも入賞していたEsper Midrange。今回入賞した澤田さんは前環境のスタンダードで行われたGP北京でも同様のデッキで入賞を果たしています。

『ニクスへの旅』からは《マナの合流点》《通行の神、エイスリオス》《神討ち》が新戦力として採用されています。《マナの合流点》はタップインランドが多く、動きがもっさりしてしまう事が多かったこのデッキにとって待望のアンタップインランドです。4枚は流石に多すぎるので採用枚数は2枚に抑えられていますが、デッキの動きは前環境と比べてスムーズになった印象です。《通行の神、エイスリオス》《管区の隊長》《幽霊議員オブゼダート》などのおかげで白黒への信心も比較的集まりやすく、クリーチャーが多めに採られているこのデッキと相性が良いカードです。

通行の神、エイスリオスオレスコスの王、ブリマーズ神討ち






三ツ井 英郎 「RW Burn」 BMO (6位)

8 《山》
4 《聖なる鋳造所》
4 《凱旋の神殿》
2 《ボロスのギルド門》
1 《マナの合流点》
4 《変わり谷》

-土地(23)-

4 《若き紅蓮術士》
4 《予言の炎語り》

-クリーチャー(8)-
4 《ショック》
4 《マグマの噴流》
4 《稲妻の一撃》
4 《ボロスの魔除け》
3 《頭蓋割り》
2 《ミジウムの迫撃砲》
4 《戦導者のらせん》
4 《岩への繋ぎ止め》

-呪文(29)-
4 《ボロスの反攻者》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》
2 《嵐の息吹のドラゴン》
2 《摩耗+損耗》
2 《払拭の光》
2 《安らかなる眠り》
1 《ミジウムの迫撃砲》

-サイドボード(15)-
hareruya


『ニクスへの旅』の注目株《予言の炎語り》を採用したRW Burn。RW Burnは《稲妻の一撃》《岩への繋ぎ止め》など相手のブロッカーを排除する手段が豊富なので《予言の炎語り》の攻撃も比較的通りやすく、軽いクリーチャーや火力スペルが多数採用されているので能力も活用しやすそうです。

今回入賞した三井さんのリストは 《チャンドラのフェニックス》が不採用で代わりに《若き紅蓮術士》が採用されているなど、SCGOのRW Burnと比べると非常に個性的です。サイド後は《ボロスの反攻者》《嵐の息吹のドラゴン》《紅蓮の達人チャンドラ》が投入されミッドレンジ寄りになります。

予言の炎語り若き紅蓮術士岩への繋ぎ止め





総括

新環境初のSCGO Cincinnatiは青白系のコントロールが多く勝ち残る中、《拘留の宝球》に対する回答である《突然の衰微》《ゴルガリの魔除け》を採用したBG Devotionが制しました。
その翌週のSCGO KnoxvilleはSCGO Cincinnatiと異なり青白系のコントロールは少なめでBG Devotion、Jund Monsters, Naya Aggroといったミッドレンジやアグロデッキが結果を残していました。そんな中優勝したのは新カードの《大歓楽の幻霊》をフル搭載したRW Burnでした。《マナの合流点》の加入に伴い多くのデッキが多色化し、同カードやショックランドからのライフの損失が著しい環境なので、相手ライフを速攻で0にする事に特化したRW Burnはメタ的にも良い選択だったようです。同週末に開催されたBMOでも優勝こそBG Devotionでしたが、RW Burnはトップ8に3名のプレイヤーを輩出する活躍を見せました。

BMOはSCGOと同様に実況中継があり、参加が叶わなかったプレイヤーにも楽しめる良い大会だと思うので、今後も継続して開催して欲しい所です。

以上SCGO Cincinnati、SCGO Knoxville、BMOの解説でした。

それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!