Deck Tech: 高橋 優太(東京)の「恐怖を乗り越えたアブザンアグロ」

晴れる屋



By Atsushi Ito



高橋 「あの時…赤白ミッドレンジに出会った時 正直いって赤白ミッドレンジという怪物にぼくはビビッた…

足がすくんで体中の毛が逆立ち全身が凍りついた…赤白ミッドレンジを見て動けない自分に気づき『金しばりにあっているんだな』と思うとますます毛が逆立つのがわかった…

胃がケイレンし 胃液が逆流した ヘドをはく 一歩手前さ!

赤白ミッドレンジはそんなぼくを見ながらこう言った… しかもやさしく子供に言いきかせるように

『高橋くん 恐れることはないんだよ このデッキを使おう』

ぼ く は 自 分 を 呪 う !

それを聞いてぼくはホッとしたんだ 正直いって心の底から安心したんだ……まだまだ生きられるんだ! そう思った

しかし…… 屈辱だ…ゆるせない! これ以上の屈辱はない…自分がゆるせなかった

ヤツに精神的に屈した自分を呪った! この旅に出た理由もそれだ!

二度とあのときの惨めな高橋 優太には絶対に戻らないッ! 赤白ミッドレンジと魂をかけて戦うのもそれが動機さ!

だからこのゲームでこの高橋 優太に精神的動揺による操作ミスは決してない!と思っていただこうッ!







--「何なんですかいきなり」

高橋 『恐怖を乗り越えた高橋』と呼んでもらいたい」

--「わけがわからないんですけど」

高橋 「つまりだねダービー君……『アブザンアグロでは赤白に絶対に勝てない』という『恐怖』があった。でも僕はついにそれを乗り越えたんだ」

--「ダービーじゃないです。赤白ミッドレンジといったら『アブザンアグロを倒すためのデッキ』といっても過言ではないくらいの相性差があると思うんですが、『乗り越えた』って一体どうやって?」

高橋 《囁きの森の精霊》さ」


囁きの森の精霊


--「え?緑信心に乗り換えたんですか?」

高橋 違う。これまでアブザンアグロは5マナ域に《風番いのロック》を搭載していたが、それを《囁きの森の精霊》に変更したんだ」

--「それがそんなに大きな変更なんでしょうか?」

高橋 大転換だね。アブザンアグロと赤白ミッドレンジとの戦いは、赤白側の火力などでこちらの生物が根こそぎ除去されてしまい、『強襲』させてもらえなかった《風番いのロック》が手札に溜まる展開になりやすい。しかし《囁きの森の精霊》なら『強襲』の必要なく即座に2体のブロッカーを用意できるから、《ゴブリンの熟練扇動者》も受けやすい」

--「なるほど」

高橋 「さらに《思考囲い》を全廃して《胆汁病》を4枚搭載したことに加え、《クルフィックスの狩猟者》《真面目な訪問者、ソリン》を多めにとってある。サイドには《消去》も採用してあるし、これにより赤白ミッドレンジはもはや克服したと言っていい」


クルフィックスの狩猟者真面目な訪問者、ソリン消去


--「確かにこれはソリューションに辿りついた感じがありますね」

高橋 「この構成に辿りつくために、かなり時間をかけたからね。オレたちの近道は遠回りだった……このスタンダード……いつも廻り道こそが……最短の道だった。本当に本当に、なんて遠い廻り道……」

--「ではこう言えばいいということですか?高橋きさまこのゲームやり込んでいるなッ!

高橋 Exactly(そのとおりでございます)





理論を裏付けるように、Round 4で赤白ミッドレンジに見事勝利




--「ところで、ちょうど一週間前に【MOPTQで優勝したアブザンアグロ】がそんな感じのデッキだったんですが」

高橋 「え、嘘?(リストを見て)あ、本当だ……これを先に見てれば……なぜオレはあんなムダな時間を……

--「最後だけ違うマンガ混ぜないでください」




高橋 優太「アブザンアグロ」
第3期スタンダード神挑戦者決定戦

3 《森》
1 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
3 《ラノワールの荒原》
3 《コイロスの洞窟》
3 《疾病の神殿》
3 《静寂の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

4 《羊毛鬣のライオン》
4 《ラクシャーサの死与え》
4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》
3 《クルフィックスの狩猟者》
4 《包囲サイ》
3 《囁きの森の精霊》

-クリーチャー(22)-
4 《胆汁病》
4 《英雄の破滅》
3 《アブザンの魔除け》
2 《真面目な訪問者、ソリン》

-呪文(13)-
4 《思考囲い》
3 《悲哀まみれ》
2 《消去》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
2 《太陽の勇者、エルズペス》
1 《勇敢な姿勢》
1 《残忍な切断》

-サイドボード(15)-
hareruya