齋藤友晴のGPパリレポート

齋藤 友晴


【GPパリ】@スタンダードに参加してきました!

11勝4敗で47位っていう微妙な結果。プロポイント1点と賞金ちょっと獲得。


使用デッキはアタルカレッド

今回の選択理由は大きく分けて3つ。



(1) 良いオリジナルデッキができなかった。


【前回のブログ】で色々とぐちゃってる様子を書いた通り、光り輝く新しいものを生み出すのはかなり困難で、そのまま試合までに良いものができそうにないと判断した(かなりギリギリまでやったけど)。

それならメタ上のデッキの中で良いものを選択し、調整、練習して臨むしかない



(2) メタゲーム上のポジションが良い。


相手がマグロのとき4ターンでの勝利、つまりは4キルも現実的で、3キルもごくごくわずかな可能性だがありえるような、
環境最速のデッキだけど、使用率は赤単を含めてもほとんどのイベントで15%未満なので最優先して意識されにくい

【GPトロント】【GPサンパウロ】、直前の2つのスタンダードGP上位デッキリストを最重要で参考にする要素とし、色んなデッキのリストを見ていたら、
赤単系にサイドアウトする《思考囲い》がメイン3~4枚入ってるのは当たり前、メインの除去が少ないのは紳士のたしなみ、みたいな状態。

赤いデッキにとってはよだれが出そうなタイミングに見えた。



(3) アタルカレッドはデッキパワーが高い。


【プロツアー】のときもだいぶ意識されていたようだけど、結果として優勝していた。その後もちろん、更に意識された。
でもそんな中、このデッキはGPでこそ目立ってはいないものの上位入賞も何件もあったし、各地でそれなりに猛威を振るっていた。


たまには大事なこと書いちゃう。

『公開された上位デッキからデッキの強さを判断する場合は、
平等に見るのではなく、ビートダウンのハードルを下げ、
コントロールのハードルを上げ、ミッドレンジはそのまま。』



これは、ビートダウンが好きだからとか得意だからとかそういうことでは決してなく、使用プレーヤーの性能差を考慮に含めるとそうなる。
正しくプレイできる強豪プレーヤーほど、ロングレンジのデッキを好み、ショートレンジのデッキを好まない傾向がある。
長いターン数、より多くの選択肢がお互いにあるほうがドローのムラが減るし、プレイ差が出やすいから。

まとめると、少し前までのアタルカレッドは強いプレーヤーがあまり使用していなかったであろうことを踏まえた場合、すこぶる勝っているデッキに見えた。
実際、ひととおり見たリスト内には有名プロの名前は一切発見できなかった。

そして、強さを確認するために使用したらやっぱりデッキパワーの高さを感じた。
さらに回していてまだ未完成な気がして、わずかな伸びしろにも魅力を感じた。

アブザンメガモーフの丸さにも惹かれたけど、有利な要素はあまりないし、経験値の生きる度合も含めてアタルカレッドに決定。



Adam Cooper「アタルカレッド」
グランプリ・トロント2015 (15位)

10 《山》
1 《森》
4 《樹木茂る山麓》
4 《マナの合流点》
1 《奔放の神殿》

-土地(20)-

4 《鋳造所通りの住人》
4 《僧院の速槍》
3 《鐘突きのズルゴ》
2 《稲妻の狂戦士》
2 《ゴブリンの熟練扇動者》

-クリーチャー(15)-
4 《乱撃斬》
4 《アタルカの命令》
4 《ドラゴンの餌》
4 《稲妻の一撃》
4 《軍族童の突発》
4 《かき立てる炎》
1 《強大化》

-呪文(25)-
4 《大歓楽の幻霊》
4 《焙り焼き》
2 《ゴブリンの熟練扇動者》
2 《洗い流す砂》
1 《ゴブリンの踵裂き》
1 《破壊的な享楽》
1 《凱旋の間》

-サイドボード(15)-
hareruya



最初は【PTチャンピオンのリスト】の正当後継者的なこのリストを回してみて、現環境に合わせてだんだん変更していった。


で、使った形はこう。最後は10マッチやっても1枚も変わらなかった。



齋藤 友晴「アタルカレッド」
グランプリ・パリ2015

12 《山》
2 《森》
4 《樹木茂る山麓》
3 《マナの合流点》

-土地(21)-

4 《鋳造所通りの住人》
4 《僧院の速槍》
3 《鐘突きのズルゴ》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》

-クリーチャー(15)-
4 《乱撃斬》
4 《アタルカの命令》
4 《ドラゴンの餌》
4 《稲妻の一撃》
4 《軍族童の突発》
4 《かき立てる炎》

-呪文(24)-
4 《大歓楽の幻霊》
4 《焙り焼き》
3 《ゴブリンの踵裂き》
3 《弧状の稲妻》
1 《凱旋の間》

-サイドボード(15)-
hareruya






特に目新しいカードは見つからなかったけど、構成はけっこう変わった。
個人的には、本来あるべき姿になったというような手応えがあった。

せっかくだからポイントだけ紹介。



■ メイン4にした《ゴブリンの熟練扇動者》


メイン2、サイド2が主流で、だいたいのリストが合計4枚採用。
メインは速度重視、妨害カードが増えてくるサイド後は根強くという考えは理解できるけど、
下に書いた採用するべきでないカードよりは優先すべきで、キーカード《アタルカの命令》との相性も良いパワーカードだった。

メインで除去打たれる可能性も減っていたし、サイドの枠が増えるのも魅力的だった。
簡単に言えば繰り上がり採用。



■ 今回不採用とした、よくメインデッキに見かけたカードたち


《強大化》

強大化


リターンも大きいけれど、色事故、クリーチャーなしマリガンやぬるい展開が増える。
また、これ入りのリストがプロツアーで勝ってしまっているため、分からん殺しの可能性も下がっている。
これがなければ緑マナ自体を10枚→9枚にしても問題が少ないと思った。


《稲妻の狂戦士》

稲妻の狂戦士


メガモーフ勢をはじめとし、盤面にクリーチャーを出されまくる環境に変わってきてるから単純にアタックが通りにくいし、
よく《森》を探してくるデッキにおいてはカード本来のポテンシャルも出ない。


《激情のゴブリン》

激情のゴブリン


従来のアブザンアグロ、アブザンミッドレンジには効果的で、魅力もあるけれど、
《エルフの神秘家》からたくさん並べてくるデッキが増えているのであまり優秀じゃない。
赤単系や青黒コントロール系に弱いのは言うまでもなく、展開によっては支払うマナもない。


《奔放の神殿》

奔放の神殿


そもそもビートダウンにできればタップインは入れたくない。《稲妻の狂戦士》を不採用とし、
メインの《ゴブリンの熟練扇動者》を4にして土地を21枚にしたことで、2枚目の《森》を優先した。
《森》が2枚入っているメリットとして、4ターン目に2枚目を探して超必殺奥義「ダブル《アタルカの命令》」も可能。
また、従来4枚が基本となっていたビートダウン対決で足を引っ張る《マナの合流点》を1枚減らせた。



本戦の対戦成績。


ラウンド 対戦デッキ 先手・後手 勝敗
Round 1BYE
Round 2BYE
Round 3エスパードラゴン〇〇
Round 4黒白戦士〇〇
Round 5バント大変異××
Round 6エスパードラゴン〇〇
Round 7赤単〇〇
Round 8アブザンアグロ〇〇
Round 9アブザン大変異〇×〇
Round 10ジェスカイトークン〇〇
Round 11緑信心タッチ赤×〇×
Round 12マルドゥドラゴン××
Round 13アブザンアグロ〇〇
Round 14黒赤ドラゴン××
Round 15マルドゥドラゴン〇〇


今回から1本目の先手後手も記録することにした。
ダイスロールの重要性は年々上がっているし、今回のようにビートダウンを使ったときの振り返りではなおさら大事。

全体的にかなり先手も取れてる(8/13)し、初日は運が良かったけれど、2日目はそれ以上に運が下振れた。
マリガンやひどい展開が平均レベルよりだいぶ多かった。
そして、付け焼刃だけあって、断言はできないもののミスかもってプレイがあるゲームで2回負けてるって事実もある。


デッキ選択としては、今回のトーナメントであれば平均12勝3敗ぐらいの期待値だと感じたから良かったと思う。

結局自宅に置いて行った《精霊龍、ウギン》といちゃいちゃしてないでもっと早めからメタデッキやっていればね(笑)

精霊龍、ウギン


あいつマツコ・デラックス並の存在感と楽しさがあるからなあ><

やっぱり重さもすごいけど(笑)


来週のGP上海はどうしようかな。
【GPパリ】ではしっかり赤単がトップ8に2人残ってたし、アタルカレッドは今回より期待値低いだろうからな。
もう充分試したウギンデッキ以外かな^^


今回久々に誰でも知ってるデッキを使ったことで、グランプリって普通のデッキを仕上げてもホームラン狙えるイベントだってことを思い出したかも!

【トラクシーズの落とし子】とか色々苦い思い出もあったけど目が覚めて良かった!!(笑)

これからは素直に高安打率、高ホームラン率を狙ってこ♪


マジック好きのおっちゃんが、再び一流プロとして大きく飛び立つその瞬間を、あなたは目にしている。


たぶん^^


(最後に宣伝)




現在、【晴れる屋 成田店】を拠点に活動中!皆様成田でお待ちしています^^


トモハル