津村健志オススメの『タルキール龍紀伝』注目カード20選・反省会

津村 健志


 こんにちは!

 この度は【前回】に引き続き、【津村健志オススメの『タルキール龍紀伝』注目カード20選】の反省会を実施したいと思います!

 前回と同様に、『選んでてよかったこの5枚』と、『どうして選ばなかったこの5枚』と題しまして、ランキング形式でお届けしていきます。

 まずは、『選んでてよかったこの5枚』から!




■ 『選んでてよかったこの5枚』



・5位 《集合した中隊》

集合した中隊


 【色々なデッキでの活躍】が目立つ《集合した中隊》を5位に。


Yohan Dudognon「4色<集合した中隊>
グランプリ・パリ2015 (11位)

2 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《開拓地の野営地》
2 《凱旋の神殿》
1 《天啓の神殿》
4 《神秘の僧院》
3 《マナの合流点》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地(24)-

4 《羊毛鬣のライオン》
3 《爪鳴らしの神秘家》
3 《道の探求者》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
4 《カマキリの乗り手》
4 《凶暴な拳刃》

-クリーチャー(22)-
2 《ドロモカの命令》
2 《勇敢な姿勢》
4 《集合した中隊》
3 《かき立てる炎》
2 《オジュタイの命令》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(14)-
4 《スズメバチの巣》
3 《アラシンの僧侶》
3 《軽蔑的な一撃》
2 《否認》
1 《ドロモカの命令》
1 《オジュタイの命令》
1 《宝船の巡航》

-サイドボード(15)-
hareruya


 このカードはまだまだ使い方に工夫ができそうですし、伸びしろの多い面白いカードですね。《カマキリの乗り手》《凶暴な拳刃》や、【ボール・ライトニング&地壊し】を超える組み合わせを実現するのは誰だ!?



・4位 《シルムガルの嘲笑》

シルムガルの嘲笑


 返ってきた《対抗呪文》こと《シルムガルの嘲笑》。このカードは事前の予想以上に大活躍でした。


Mike Flores「青単ドラゴンコントロール」
(RPTQ突破)

5 《島》
4 《汚染された三角州》
4 《精霊龍のるつぼ》
4 《精霊龍の安息地》
4 《啓蒙の神殿》
4 《神秘の神殿》
2 《欺瞞の神殿》

-土地(27)-

3 《龍王オジュタイ》
2 《氷瀑の執政》
3 《龍王ドロモカ》
1 《龍王シルムガル》
1 《龍王アタルカ》

-クリーチャー(10)-
4 《シルムガルの嘲笑》
2 《予期》
2 《氷固め》
2 《無効化》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《航海の終わり》
4 《解消》
1 《龍王の大権》
3 《時を越えた探索》
2 《危険な櫃》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文(23)-
4 《前兆語り》
4 《波使い》
1 《龍王シルムガル》
1 《漂う死、シルムガル》
1 《龍王アタルカ》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《氷固め》
1 《否認》
1 《龍王の大権》

-サイドボード(15)-
hareruya


 『タルキール龍紀伝』がリリースされてからというもの、《シルムガルの嘲笑》《龍王オジュタイ》のおかげで青いデッキは完全に復権を果たしました。やはり新セットの影響力はとんでもないですね。



・3位 《ドロモカの命令》

ドロモカの命令


 スタンダードでもっともよく使われている「命令」。白と緑が入っているデッキならば、ほぼ確実に採用される傾向にあります。


Amand Dosimont「アブザン・アグロ」
グランプリ・パリ2015 (優勝)

2 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
3 《疾病の神殿》
3 《静寂の神殿》
3 《ラノワールの荒原》
2 《コイロスの洞窟》
1 《マナの合流点》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

2 《始まりの木の管理人》
4 《羊毛鬣のライオン》
4 《ラクシャーサの死与え》
4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》
4 《包囲サイ》
1 《狩猟の統率者、スーラク》
2 《風番いのロック》

-クリーチャー(21)-
4 《思考囲い》
2 《ドロモカの命令》
4 《アブザンの魔除け》
2 《英雄の破滅》
2 《真面目な訪問者、ソリン》

-呪文(14)-
3 《棲み家の防御者》
3 《悲哀まみれ》
2 《強迫》
2 《異端の輝き》
2 《自傷疵》
2 《太陽の勇者、エルズペス》
1 《ドロモカの命令》

-サイドボード(15)-
hareruya


 上手く嵌まったときの破壊力は、思わず笑みがこぼれてしまうほど。現環境から「エンチャント」カードを追いやってしまったすごいやつ。



・2位 《棲み家の防御者》

棲み家の防御者


 あるときは《ハイドラの血》でボコスカ殴ったり、またあるときは《永遠の証人》よろしく優秀なアドバンテージ源として、スタンダードで絶賛大活躍中。


Antonio Del Moral Leon「緑白ビートダウン」
グランプリ・クラクフ2015 (13位)

8 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《豊潤の神殿》
2 《マナの合流点》
2 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(22)-

4 《エルフの神秘家》
4 《毅然さの化身》
4 《羊毛鬣のライオン》
3 《棲み家の防御者》
2 《道の探求者》
4 《加護のサテュロス》
3 《恭しき狩人》
2 《狩猟の統率者、スーラク》

-クリーチャー(26)-
2 《ハイドラの血》
4 《ドロモカの命令》
2 《勇敢な姿勢》
4 《集合した中隊》

-呪文(12)-
4 《ナイレアの信奉者》
3 《見えざるものの熟達》
2 《勇気の元型》
2 《再利用の賢者》
2 《部族養い》
1 《神々の思し召し》
1 《強大化》

-サイドボード(15)-
hareruya


 全体的にこの「大変異シリーズ」は、おまけ能力が強かった印象を受けています。《太陽の勇者、エルズペス》の「トークン」を前にも怯まぬ力強さには、誰もが驚愕。



・1位 《死霧の猛禽》

死霧の猛禽


 【グワシ!】もひとつおまけに【グワシ!】

 トカゲは尻尾を切られてもまた生えてくるらしいですが、こいつは死んでも蘇るトカゲ界の突然変異。


市川 ユウキ「アブザン・大変異」
グランプリ・上海2015 (優勝)

2 《森》
2 《平地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
3 《静寂の神殿》
4 《ラノワールの荒原》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(24)-

4 《棲み家の防御者》
4 《サテュロスの道探し》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《死霧の猛禽》
4 《包囲サイ》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(22)-
4 《思考囲い》
4 《アブザンの魔除け》
2 《英雄の破滅》
2 《命運の核心》
3 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(15)-
3 《アラシンの僧侶》
1 《強迫》
3 《究極の価格》
2 《ドロモカの命令》
3 《悲哀まみれ》
1 《真面目な訪問者、ソリン》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》

-サイドボード(15)-
hareruya


 何度でも蘇る粘り強さ。《棲み家の防御者》との相性の良さ。絵の憎たらしさ。どれをとっても完璧です。《棲み家の防御者》もそうですが、まさか《賛美されし天使》と同等の活躍を見せる「変異」クリーチャーが登場するとは予想だにしていませんでした。数種類の「変異」クリーチャーの対処の仕方は本当に難しいですし、「大変異」の可能性を体現した1枚と言えるでしょう。




 ここで終了したい!もう帰りたい!……ところですが、残念ながらこの世は残酷です。ここからは、恐怖の『どうして選ばなかったこの5枚』です。



■ 『どうして選ばなかったこの5枚』



・5位 《龍王アタルカ》

龍王アタルカ


 君の目は節穴かい?散々《残酷な根本原理》が好きだと豪語しておいて、このカードを見逃すなんてアンビリーバボーだぜ。《精霊龍のるつぼ》《精霊龍の安息地》と相性が良いこともあり、環境次第では《精霊龍、ウギン》以上に頼りになることも。


Ondrej Strasky「緑信心タッチ赤」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 (3位)

10 《森》
1 《山》
4 《樹木茂る山麓》
2 《吹きさらしの荒野》
4 《奔放の神殿》
3 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《爪鳴らしの神秘家》
4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《加護のサテュロス》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
2 《狩猟の統率者、スーラク》
4 《囁きの森の精霊》
4 《龍王アタルカ》

-クリーチャー(32)-
4 《書かれざるものの視認》

-呪文(4)-
4 《ナイレアの信奉者》
4 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
3 《高木の巨人》
3 《歓楽者ゼナゴス》
1 《旅するサテュロス》

-サイドボード(15)-
hareruya


 近代のマナ加速は非常に優秀なので、早ければ4~5ターン目に出ることもあります。その能力により盤面をクリアにするだけでなく、除去されなければ即座にゲームに勝ててしまう打撃力の高さは、さすが「龍王」と言わしめる驚異の性能。



・4位 《アタルカの命令》

アタルカの命令


 プロツアー『タルキール龍紀伝』を制した「赤単」は、このカードのために緑をタッチしていました。


Martin Dang「アタルカレッド」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 (優勝)

10 《山》
1 《森》
4 《樹木茂る山麓》
1 《奔放の神殿》
4 《マナの合流点》

-土地(20)-

4 《鋳造所通りの住人》
4 《僧院の速槍》
3 《鐘突きのズルゴ》
1 《激情のゴブリン》
1 《稲妻の狂戦士》
2 《ゴブリンの熟練扇動者》

-クリーチャー(15)-
4 《乱撃斬》
4 《アタルカの命令》
4 《ドラゴンの餌》
4 《稲妻の一撃》
4 《軍族童の突発》
4 《かき立てる炎》
1 《強大化》

-呪文(25)-
4 《大歓楽の幻霊》
4 《焙り焼き》
2 《ゴブリンの熟練扇動者》
2 《凱旋の間》
1 《ゴブリンの踵裂き》
1 《破壊的な享楽》
1 《洗い流す砂》

-サイドボード(15)-
hareruya


 「じゃあ《アタルカの命令》をキャストして……6点追加で」。練習中に初めてこのカードをキャストされたとき、そのあまりの威力に驚いてしまいました。多少のムラこそありますが、これだけ殺傷能力の高いカードがたったの2マナだなんて、恐ろしい世の中になったもんです。



・3位 《目覚めし処刑者》

目覚めし処刑者


 何度でも蘇る不死身のゾンビ。こいつに潜んでいたトラップは、「全てのゾンビ・クリーチャーを+1/+1する」能力でした。肝心なのはもうひとつの能力である、「墓地に他のクリーチャーさえいなければ、何度でも4マナで再キャストできる」ことでした。


Stefand Gerardis「エスパー・ドラゴン」
グランプリ・パリ2015 (15位)

4 《島》
2 《沼》
4 《汚染された三角州》
4 《陰鬱な僻地》
4 《欺瞞の神殿》
4 《啓蒙の神殿》
2 《コイロスの洞窟》
2 《精霊龍の安息地》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(27)-

3 《龍王オジュタイ》
2 《漂う死、シルムガル》

-クリーチャー(5)-
2 《思考囲い》
4 《シルムガルの嘲笑》
3 《予期》
3 《胆汁病》
1 《究極の価格》
3 《忌呪の発動》
3 《英雄の破滅》
2 《解消》
2 《命運の核心》
4 《時を越えた探索》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文(28)-
2 《目覚めし処刑者》
2 《龍王シルムガル》
2 《思考囲い》
2 《悲哀まみれ》
2 《龍王の大権》
1 《胆汁病》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《否認》
1 《究極の価格》
1 《忌呪の発動》

-サイドボード(15)-
hareruya


 というわけで、最近では「青黒コントロール」や「エスパー・ドラゴン」のサイドボードカードとして活躍していますね。【友晴さんはかなり早い段階からこの使い方を実行していた】ので、改めてすごいプレイヤーだと思い知らされました。



・2位 《コラガンの命令》

コラガンの命令


 このご時世に《粉砕》なんて選ぶわけないYO-!《ドロモカの命令》を見習っておくれYO-!と、散々ばかにしてしまいましたが、《粉砕》能力も含めて、非常に優秀なカードでした。


市川 ユウキ「ジャンド」
第3期モダン神決定戦

2 《沼》
1 《森》
1 《血の墓所》
1 《草むした墓》
1 《踏み鳴らされる地》
4 《新緑の地下墓地》
3 《血染めのぬかるみ》
2 《樹木茂る山麓》
4 《黒割れの崖》
4 《怒り狂う山峡》
1 《地盤の際》

-土地(24)-

4 《闇の腹心》
4 《タルモゴイフ》
2 《漁る軟泥》
3 《大爆発の魔道士》

-クリーチャー(13)-
4 《稲妻》
4 《コジレックの審問》
2 《思考囲い》
3 《突然の衰微》
2 《終止》
2 《コラガンの命令》
1 《大渦の脈動》
4 《ヴェールのリリアナ》
1 《紅蓮の達人チャンドラ》

-呪文(23)-
3 《部族養い》
2 《血染めの月》
2 《魂の裏切りの夜》
1 《台所の嫌がらせ屋》
1 《強迫》
1 《思考囲い》
1 《古えの遺恨》
1 《ゴルガリの魔除け》
1 《ジャンドの魔除け》
1 《粉砕の嵐》
1 《光と影の剣》

-サイドボード(15)-
hareruya


 回収するクリーチャーが強く、強力な「アーティファクト」に遭遇する機会の多いモダン環境では、おそらく今回の「命令シリーズ」の中で最高の1枚ですね。みなさんもぜひ、《秘密を掘り下げる者》を殺しながら《タルモゴイフ》を回収してみてください!



・1位 《氷瀑の執政》

氷瀑の執政


 …歴史は繰り返す。……ばかは死ぬまで治らない。私は《地下牢の霊》から何も学んでなかったと証明されました。


八十岡 翔太「青黒ドラゴンコントロール」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 (準優勝)

6 《島》
3 《沼》
4 《汚染された三角州》
4 《陰鬱な僻地》
4 《欺瞞の神殿》
2 《華やかな宮殿》
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
1 《精霊龍の安息地》

-土地(26)-

3 《氷瀑の執政》
2 《龍王シルムガル》
1 《漂う死、シルムガル》

-クリーチャー(6)-
2 《思考囲い》
4 《シルムガルの嘲笑》
2 《胆汁病》
2 《究極の価格》
3 《英雄の破滅》
2 《解消》
2 《忌呪の発動》
3 《命運の核心》
3 《ジェイスの創意》
1 《残忍な切断》
3 《時を越えた探索》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文(28)-
3 《強迫》
3 《悲哀まみれ》
2 《層雲の踊り手》
2 《軽蔑的な一撃》
1 《胆汁病》
1 《否認》
1 《究極の価格》
1 《悪性の疫病》
1 《龍王の大権》

-サイドボード(15)-
hareruya


 『闇の隆盛』には、こいつに非常によく似た《地下牢の霊》というクリーチャーがいました。

地下牢の霊

 このカードも発売当初は評価が低かったと記憶しておりますが、【Jon Finkelたちが使用してプロツアーでトップ8に入ったり】【なべ君が使用してグランプリを優勝】すると評価は一変。あっという間にスタンダードを牽引する存在となりました。

 《氷瀑の執政》を見たときにすぐに《地下牢の霊》を思い出しましたが、「当時とはクリーチャーのスペックが違うし、今度こそ間違いない。きっと使われない!」と高を括っていました。はい、完全なる節穴です。

 戦場にいる限りクリーチャーをタップしておくクリーチャーは強い。今度こそ胸に刻みつけて生きていきたいと思います。



■ 終わりに


 本編は以上です。【20選】1位と2位に選んだ《卓絶のナーセット》《揺るぎないサルカン》さんがあまり使われていないのが悲しいですが、スタンダードやモダンで徐々に見かける機会が増えてきているので、日の目を浴びるのもそんなに遠い将来ではないと思います。

卓絶のナーセット揺るぎないサルカン

 みなさんもぜひ、自分のお気に入りのカードを見つけて、20選を選んでみてくださいね!

 それでは、また次回の記事でお会いしましょう。