rizer’s answer -Theros Sealed- Part1

石村 信太朗


written and interviewed by Atsushi Ito



 シールドについて語らせるなら、この男をおいて他にない。

 マジック界広しといえど、ここまで言える人物はそうそういないのではなかろうか。

 例えばドラフトなら、渡辺 雄也(神奈川)や、中村 修平(東京)の名が挙がるかもしれない。

 構築なら、八十岡 翔太(東京)に、浅原 晃(神奈川)といった面々は外せまい。

 しかし、シールドとなると。

 もちろん彼らがプロフェッショナルとして一流のシールド技術を持っていることは前提にしても、このうちの誰かが超一流のシールドマスターとして知られている、というほどではないはずだ。

 だが。

 私が知る限り、日本にはたった一人だけ、そう呼ばれたとしても何ら遜色がない人物がいる。

 その人物の名は、”rizer“。

 Magic Onlineの住人であり、現実世界では石村 信太朗(埼玉)としてプロツアートップ8経験もある実力者だ。

 彼こそ、超一流のシールドマスターと呼ぶにふさわしい。

 何せ、

・MOシールドPTQ、MOCSトップ8経験多数
Magic Online World Championships2010出場
・10月現在、MO PoYリミテッド部門第2位
グランプリ・横浜13トップ8

 といった輝かしい実績を持っている。

 また、rizerの類稀なるリミテッドセンスから導き出されるシールドデッキは、奇抜すぎて誰とも被らないと評判だ。

 その奇抜さこそが、rizerの相対的に優れた勝率を支えるキーポイントなのだとすれば。

 rizerのシールドロジックを解明することは、シールド巧者への一番の近道となるのではないか。



 先日のシールド記事”How do you build? -Theros Sealed- Part1“で私は、『シールドの構築技術の秘密を解き明かしたい』と書いた。

 その割に当該記事では結論を出さず、あくまで正解は読者の想像に委ねる形をとっていた。

 だが、それもそのはずだ。

 “How do you build?”はこの”rizer’s answer”をもって完結するよう、初めから意図されたものだからだ。

 種を明かせば。

 ”How do you build? -Theros Sealed- Part1“で取り扱ったカードプールは、実はrizerの提供によるものだ。

 つまり。

 全ての決定権は、もともとはrizerにある

 だから、rizerの回答を得なければあのカードプールの検討は何も終わらないし、むしろまだ始まってすらいないに等しいのだ。

 今度こそ、始めよう。

 rizerが直面した困難なカードプールをどのように処理したか。その思考過程を『シールド神』とも呼ぶべきrizer自身に語ってもらう

 これほど価値ある記事は他にないだろう。



 ……というわけで、以下ではシールド概論ともいうべきrizerのシールド観についてのインタビューを経て、How do you build? -Theros Sealed- Part1で用いたプールについてのrizerの回答を発表する。

 rizerが下した決断、そしてその理由とは。

 シールド構築技術の秘密。その一端が今、ヴェールを脱ぐ。




シールドでは戦略を構築時、マッチ中ともに自由に設定できる

--「それでは本日はrizerさん、よろしくお願いします」

rizer 「よろしくお願いします」

--「まず始めに伺いたいのは、抽象的な質問で恐縮ですが、『シールドはなぜ難しいのか?』という点についてなんですが……」

rizer 「難しいですか?ドラフトや構築はみんなやりこんでいるのに対して、久しぶりにプレイする人でも差が小さくなるのはシールドだと思います」

--「ええっ。シールドもやりこみゲーなイメージを持ってました」

rizer 「他のフォーマットに比べて練習が少なくていいのでむしろ楽ですよ」

--「うーん。実感がわきませんね」

rizer 「シールドは一般的な技術を身に着けてしまえば、あとは環境に合わせて微調整するだけで済みますから」

--「・・・・・・つまりシールドで勝つためには、『その環境特有のロジック』に精通するよりも、シールドというフォーマット全体に通用するようなシールド一般的な技術、いわば『シールドのセオリー』を身に着ける方が重要、ということでしょうか?」

rizer 「ですね。シールドが難しいのは、『シールドのセオリー』を身に着けていないからだと思います」

--「確かに、初見殺しじゃないですけど、シールドでドラフトみたいなデッキ組んで失敗することはよくありますよね」

rizer 「この環境でも多そうですね。ドラフトと同じ感覚でいくと、『レア出されて負け』が頻発します」

--「ではここで、『シールドのセオリー』の内容として、『ドラフトとの違い』に注目してもらったとして。具体的には、どこが違うと言えるでしょうか?」

rizer 「何といっても、シールドでは戦略を構築時、マッチ中ともに自由に設定できるというのは他にはない点に思えますね」

--「戦略を自由に設定……ですか。そういえばrizerさんはシールドにおいて頻繁にサイドから色変えを行っているイメージがあります」


rizer 「ドラフトが42枚のカードしか使えないのに対し、シールドは倍の84枚のカードを与えられています。なのでその大量のサイドボードもあわせて、速度や勝ち手段などのコンセプトをコントロールできることこそがシールドの醍醐味であり、最も難しい点です」

--「ああ、なるほど。今まで『よくわからないけどシールドって難しい』って思ってたんですけど、そこが難しかったんですね」

rizer 「はい」

--「それにしても、84枚のカードの束から指向性を持った23枚を抽出してあげるというのは、なんだか彫刻家みたいなイメージですね」

rizer 「確かにコンセプトを決めてデッキを組む作業は彫刻っぽい気もしますね」

--「そのプールが一番輝く形を掘り出してあげるんだ、みたいな?」

rizer 「詩的でいいですね」



コンセプトの一致によってメインカラーを決定します

--「さて、ここからは具体的なシールドデッキ構築の手順についての話になりますが。いざ84枚を広げてさあデッキ構築というとき、『メインカラーの決定』はどのような要素に基づいて行われると思いますか?」

rizer 「当然の話ですが、使用に値するカードの枚数が多いこと……ですね」

--「なるほど、まあ22~23枚埋めなきゃいけないわけですからね」

rizer 「ですね、メインカラーの大量の肉にサブカラーの骨を埋め込む感じで。そして第二の条件として単体で勝ちに繋がるまたは2枚以上の働きが期待できる、所謂強いカードの枚数が多いことや、二色目との相性がいいことが挙げられます」

--「《太陽の勇者、エルズペス》が2枚あったら、他がどんなゴミでも白をなんとか使おうとしますからね」

rizer 「平地4枚ペス2枚とかありそうですね」

--「では、もし枚数の足りない一色ないし二色が切れたとして。いずれも13枚くらいのカードがある三色のうちから二色を選ぶ際には、何が基準となりますか?」

rizer 「漠然とした話になりますが、相性、あるいはコンセプトの一致によってメインカラーを決定します」

--「コンセプトの一致……ですか。例えば、どういったコンセプトの一致の仕方が考えられるでしょうか?」


rizer 「生物は少ないが生物をどけるのが得意そうな青と、生物はいるが生物をどけられない緑で『補完』のし合いや、生物みんな飛んでる黒と、やはり生物みんな飛んでる青で『強化』し合う、とかですね」

--「レアのある赤とレアのある黒で、『イージーウィン』みたいな?」

rizer 「わかりやすいですね」

--「よく22~24枚目あたりでうんうん唸るシチュエーションがシールドでは見られるので、その辺の決定基準は何か、ということについてはどうでしょう?」

rizer 「はじかれるのは勝ちパターンに嵌らないカード、または事故の要因になるカードあたりなので、それも『コンセプトの一致』で片がつきますね」

--「ああ、事故の要因になるカードはなるほどですね」

rizer 「シールドは事故ゲーですからね・・・・・・」



二色の時点で勝ちきれるかどうか、ですね

--「rizerさんといえば、あくまでイメージですが、少なくとも平均より多くのカードをタッチすると思うんですよね。その必要性というか、『これはタッチした方が良いだろう』という判断は何を根拠にしているんですか?」

rizer 二色の時点で勝ちきれるデッキかどうか、ですね」

--「『勝ちきれるデッキ』かどうか、ですか。その『二色で勝ちきれる』という判断は、概ね経験則だと思うんですが、大体全体のどれくらいの割合が『二色で勝ちきれる』プールになりますか?」

rizer 「環境にもよりますが、メインを二色で組んだ方が良いデッキは5~7割くらいですかね」

--「あれ、意外に保守的ですね」

rizer 「サイド後に他の色が必要になるだけで、メインは安定コースが鉄板ですね。それにタッチするにしても、マナベースに余裕が有る時の積極的タッチが大半で、デッキパワーが不足している際の消極的タッチはあまりやらないです」

--「失礼ですが、rizerさんはマナベース7:6:4とかでどんどこ回すものと思ってました・・・・・・w」


rizer 「占術土地があったら即タッチの検討に入るのであながち間違ってはいないですねw 青黒に《ネシアンのアスプ》とか、赤黒に《神聖なる評決》とかよく入れてます。あとはこの環境だと<帰化>系は極力2枚はデッキに入れたいので、いつもよりタッチが多い気がします」

--「え、2枚ですか!1枚は入るだろう、というのが個人的感覚でしたが、2枚あったら2枚入るんですね」

rizer 「そうですね。『授与』に対処した後に『神』や『神器』が降臨したらゲームが終わってしまうので・・・・・・」



やはり『授与』のインパクトが大きいです

--「では次に、これは普段からシールドを嗜むプレイヤーにとっても重要な関心事と思いますが、先手デッキか後手デッキか、それを決める基準はどこにあるんでしょうか?」

rizer 「一番簡単なラインだと、ライフで勝負するかしないか、ですよね。次が防御的な3マナ以下の枚数で、例外が全体除去がある場合とかですかね」

--「コンバット回数に価値を見出すかどうか、が焦点になっているんでしょうか。それでは具体的に、テーロス環境は先手デッキ後手デッキが何対何くらいでしょうか?M14やDGR環境のシールドと比較して、大雑把なイメージで構いません」



rizer 「適当で申し訳ないですが、テーロスが9:1、M14が6:4、DGRは5:5くらいという感じです」

--「うわっ、とても極端ですね。テーロス環境がほとんど先手デッキになってしまうのは、やはり『授与』が原因にあるんでしょうか?」

rizer 「そうですね、やはり『授与』のインパクトが大きいです。『英雄的』もありますがそっちは当たったらほとんど事故みたいなものなので。あとは守備用カードのイマイチさ、というのもあります」

--「確かに、除去が5マナとか6マナばっかりで重いですよね」

rizer ブロックで潰せない生物は基本的に除去でもどうにもできないのがこの環境です。緑以外はブロッカーいないですからね・・・・・・」

--「なるほど・・・・・・他にこの環境の特徴というか、留意点みたいなものってありますか?」

rizer 「そんな感じに一般的な除去が役に立たないがゆえに、接死と飛行除去、《帰化》系スペルなどの限定除去の重要性が高いことや、別環境さながらの攻め力を見せつける『英雄的』と、一色だけまともに戦闘してくる緑を、構築時から意識する必要があること、などがあります」

--「限定除去の重要性に、『英雄的』と緑を意識すること、ですか・・・・・・テーロスシールドって奥深いですね」

rizer 「他に、『授与』『占術』やアンコモン以上のアドバンテージエンジンがあるので、カードアドバンテージをこそこそ稼ぐ系のカードの価値が相対的に低くなっていることも挙げられますね」

--「そういえば《タッサの褒賞》とかシールドでも全然デッキに入らないようなイメージです」

rizer 「この環境だと《タッサの褒賞》《骨読み》は少しかわいそうな感じですね」



白黒が外れるのは、どう勝つかの部分

--「ではここからはいよいよrizer先生によるシールド構築、実践編(カードプールは【こちら】)に入るわけですが」

rizer 「はい、よろしくお願いします」

--「まずメインカラーを決めるところから、でしょうか?」

rizer 「そうですね。最初に、既に話にあがった『有用なカードの枚数』の問題で、緑は流石にメインで使う気にはならないですね。白がもう少し弱ければ5色っぽいんですけど・・・・・・」

--「《ナイレアの存在》ですか。1回目から『テーロス環境は5色』とか言われなくてよかったですw それで、次はどの色を?」

rizer 「次に、青も生物がいないのでとりあえずどかしておく感じになります」

--「そうすると、白、赤、黒が残るわけですね」

rizer 「ですね。ここからは白黒、赤白、赤黒の比較検討になりますが、結論からいうと赤白をベースにしました」

--「小室さんと同じ赤白ですか。個人的にはぱっと見で結構白黒でも良さそうなプールですが……《ファリカの療法》2枚あるし《エイスリオスの学者》も2枚いて、黒マナいっぱい出た方が気持ちが良い気もするし、《エレボスの鞭》もムチムチですし」

rizer 「ムチムチですね」

--「なのにあえてこのカードプールを赤白ベースにする決め手は、やはり先ほどの話に合わせると、『コンセプトの合致』ということになるんでしょうか。そうだとすれば、白黒のコンセプトのどこがダメで、赤白のどこが合致しているんでしょうか?」

rizer 「白黒が外れるのは、どう勝つかの部分でですね」

--「どう勝つか……《エイスリオスの学者》がチューチュー吸うか、《太陽の勇者、エルズペス》ぶんぶーんで勝てるんじゃないんですか?」

rizer 《エイスリオスの学者》が最後までチューチューしきるには打点が足りず、ペスを守るにも生物が細すぎるのが難点です。それに生物も赤白の場合ほど『英雄的』してくれないんですよね」

--「対象にとれる呪文が少なく、せっかくの白のアグロ生物が持ち腐れだと」

rizer 「頼みの綱の《死の国のケルベロス》《太陽の勇者、エルズペス》ですら、このプールの白黒だとサポートカードに欠けていて、相手の強力カードに競り負ける可能性が高いですね」

--「なるほど、当然神話レアなどの強力カードは対戦相手も使ってくるわけですからね」

rizer 《エレボスの鞭》に至っては打点の低さが災いしてただのライフゲインカードです。ダメージレースができるデッキか、またはライフを取り戻すことに価値があるデッキにとっての強力レアですから、白黒だとうまく生かせないですね」


rizer 「赤白タッチ黒」

7 《平地》
6 《山》
3 《沼》

-土地(16)-

2 《恩寵の重装歩兵》
1 《希望の幻霊》
1 《乗騎ペガサス》
1 《悪意の幻霊》
1 《密集軍の指揮者》
2 《エイスリオスの学者》
2 《槍先のオリアード》
1 《天馬の乗り手》
1 《モーギスの狂信者》
1 《エレボスの使者》
1 《燃えさし呑み》
1 《死の国のケルベロス》

-クリーチャー(15)-
1 《タイタンの力》
1 《パーフォロスの激怒》
1 《鞭の一振り》
1 《ドラゴンのマントル》
1 《ヘリオッドの選抜》
1 《ヘリオッドの試練》
2 《旅行者の護符》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(9)-
-サイドボード(0)-
hareruya






--「それでこのような赤白になったと」

rizer 「ですね」

--「赤白とはいったものの、黒を目いっぱいタッチしてることもあって、赤いカードはあまり使っていないですよね。このへんのカード選択、特に《モーギスの狂信者》が『信心』も少ないのに入っている点と、デッキに相性の良さそうな《統率の取れた突撃》が入っていない点についてはいかがでしょうか。後者なんて、《恩寵の重装歩兵》《密集軍の指揮者》《天馬の乗り手》があるのに入らないなんて、普通は考えられないと思うのですが」

rizer 「コンセプトについて散々語っておきながら、このデッキはグッドスタッフの形態をとっているわけなのですが、《モーギスの狂信者》はその役割の多さで採用した感じですね。1つは、1/4というサイズでは止まらない生物との交換材料として。2つ目としては、『授与』の対象として、最後に、トップデッキした時にただの戦闘役プラスワンの能力を買って。いわば追加の生きている除去ですね」

--「なるほど、『授与』の対象としては頭でっかちの方がインパクトが大きいですしね。《統率の取れた突撃》の不採用についてはどうでしょう」

rizer 「『英雄的』の生物で殴りきる必要がないので抜けた感じですね」



赤白純正二色よりはできれば他の形がいい

--「タッチ黒の部分に話を移しますと、これは赤白二色だけだと勝ちきれない、という判断なわけですよね。環境初めての小室さんに組んでもらったところ、とても素直に赤白ビートを組んでくれたわけですが、rizerさんの判断の根拠は、言語化するとすればどこにあるんでしょうか」

rizer 赤白二色はサイド後に回したほうがよさそうという部分もあるのですが、メインは中核部分の薄さですね。殴りきれる確実性に欠けていると判断しました」

--「なるほど、これくらいパーツが揃っていても殴りきれなさそうだと」

rizer 「はい、もっとそれっぽいことを言うのなら、『そこそこ殴りきれるだろうけど、そこそこ殴りきれずに負けるだろう』と判断しました」

--「ドラフトデッキだとするとかなり強い部類っぽいんですけどね。いや、ちょっと生物が不安かな・・・・・・」


rizer ドラフトデッキでも若干足りていない部類に入りませんか?3マナ圏、プロテクション、二枚目以上の試練、《稲妻の一撃》。おっしゃるとおりに生物も若干不安が残ります」

--「その『足りてなさ』が祟って、相手にいわば『速度のコントロール』を受けてしまうだろう、と」

rizer 「まさにそのとおりですね。この程度のデッキなら青や緑、ことによると2マナ除去を有した赤や黒で捌けなくもないといったところです。その弱点に長期戦に弱いという欠点が加わった結果、赤白純正二色よりはできれば他の形がいいという結論が出た次第です」

--「なるほど。では次に黒のタッチカードのチョイスについてですが、《死の国のケルベロス》だけならまあ100人中100人がタッチを考えると思うんですよね。そこにさらに黒の『授与』2枚、まあこれはまだわかるにしても、《鞭の一振り》まで入れるのは、どこに『必要性』があるんでしょうか?rizerさん《沈黙の職工》とか好きそうじゃないですか。そっちじゃダメなんですか?」

rizer 《沈黙の職工》さんは対赤用にサイドで待機していていただくとしましてw  《鞭の一振り》はピンポイントで《ネシアンのアスプ》《先見のキマイラ》用ですね」

--「《ネシアンのアスプ》についてはよく言われますね。この《鞭の一振り》《ネシアンのアスプ》をシャクるためにある、と」

rizer 「あとは『英雄的』生物やレアをラッキーで交換できるといいな、といったところです。それにこれがあると《エイスリオスの学者》を気軽にブロックに回せたりもするので喜んで入れはしますね。もしこれが赤か白のカードなら、赤白の時にも4点火力より優先して入れたかったカードです。必要なのは殴りながら使えるこちらですからね」

--「インスタントであることに価値がある、と」

rizer 「ダメージではなくマイナス修正であるがゆえに、タフネス5以上に殴りかかれることも、ですね。《エイスリオスの学者》のためにある程度ライフは削っておきたいので、殴りきる必要はないけれども殴れるターンは多いほうがありがたい、というわけです」

--「これだけタッチしているとなると、マナベース的にはどうなんでしょう?7:6:3に《旅行者の護符》2枚ですが、これは適正枚数とれている感じですかね」

rizer 「とれていると思いますよ。序盤に必要なマナシンボルも少ないですしね。2ターン目まで白さえ出れば、あとは枚数あるだけでいいですからね」

--「現時点での考えで、構築ミスしたなーと思うところはありますか?」

rizer 《イロアスの神官》を入れた方が良かったかもしれませんが、それ以外では特にこれといったものは無いと思います。ぶっちゃけメインは戦えさえすればいいんやーなところもあるので・・・・・・言ってはいけないことな気がしますが」



《エイスリオスの学者》をプッシュしておいてあげてください

--「一応確認ですが、このデッキはまあ先手ですよね。マナソース18枚ありますし、ダメージで勝つプランを採っているし」

rizer 「先手ですね。一応後手も意識はしていますが」

--「後手を意識した部分というのはどのへんでしょうか?」

rizer 「しばらく殴らずに盤面作ってても勝つことはできるってだけですね。後半戦も一応戦えるよ程度の」

--「白赤ベースにしては確かにありがたい部分ですね。あとは最後になりますが、何か付け加えて述べておきたいことはありますか?」


rizer 「では、《エイスリオスの学者》をプッシュしておいてあげてください!」

--「引いたら必ず使いたいくらい強いですよねあいつ」

rizer 「ですね、こいつのための黒でおまけのケロちゃん(《死の国のケルベロス》)みたいな感じですから」

--「それでは今回はこれで終了となります。お疲れ様でした」

rizer 「お疲れ様です」

--「次回はプールだけを見た最適だけでなく、『環境のボリュームゾーンが組んできそうな形を意識すること』をテーマに、より深い内容に突っ込んでいきたいなと考えております。というところで、次回もよろしくお願いします。ありがとうございました」

rizer 「ありがとうござました」





 いかがだっただろうか。

 無論、『rizerの回答こそが唯一無二の正解だ』などと言うつもりは毛頭ない。

 rizerは『シールド神』ではあるが、それでも人間である。

 だから、rizerへの『信心』が高めな人は好意的に解釈すればいいし、そうでない人は己のやり方に取り込めるところは取り込んで、自分なりの理解を深めてほしい。

 ただ、いずれにせよ”How do you build? -Theros Sealed- Part1“では不十分だと感じた人がいたならば。

 そういった人々の不満は、全部ではないにせよ、このインタビューで確実に解消されたものと考えている。

 さて、次回は”How do you build? -Theros Sealed- Part2″をお届けするつもりだ。

 どんな強力なゲストがrizerの用意したプールに立ち向かうのか。

 楽しみに待っていて欲しい。

 See you!











 さらに。

 ここでお知らせがある。

 11/8(木)までの2週間、晴れる屋トーナメントセンターでは何と。

 今回の記事で題材となったシールドプールの店内貸し出しを行っている。

 これであなたが考えたデッキの一人回しが、いや対戦だって可能だ。

 友達と一緒に借りて、どのような構築が良いか議論するのもオススメだ。

 「テーロスシールドの練習がしたい」「実物のカードを並べて考えてみたい」「作ったデッキを実際に回してみたい」といった方は。

 トーナメントセンターにご来店の際、大会受付カウンターにてスタッフにお気軽にお尋ねください。