rizer’s answer -Theros Sealed- Part2

石村 信太朗


written and interviewed by Atsushi Ito



 もはや前置きは不要だろう。

 前回を読んでもらえばわかるように。

 rizerのシールドへの造詣は極めて深く、適切な質問さえできれば、我々が求める技術を端的に示してくれる。

 それだけのことができる実力がある。

 早速、今回もインタビューしてみよう。

 How do you build? -Theros Sealed- Part2で紹介したこの難解なプールについて、rizerは一体どのような結論を下していたのか。



『いいとこ取り』できるのがミッドレンジの魅力ですね

--「rizerさん、今回もよろしくお願いします」

rizer 「よろしくお願いします」

--「それでは第2回のインタビューについてですが、まず全体のテーマとして『シールドにおけるビートダウン』というのがあって、大きな背景としては、シールドはコンセプト、特に速度をコントロールできるんだ、ということが前回までの話の流れとしてあるわけです」

rizer 「はい」

--「それを踏まえた上で、メインボードの速度というのは、どれくらいに設定するべきなのか?というちょっと漠然とした内容をお聞きしたいのですが。あるいは、一般的にシールドにおいてはミッドレンジを組むのが正解になりやすいというイメージがありますけれども、仮にそれが正しいとすれば何故なんでしょうか?」

rizer 「まず、ビートダウンを組んでしまうと先手後手で強さが変わりすぎる上に除去に弱いというのがあります」

--「シールドではみんな必ず除去を多く採用しているというのはビートを敬遠すべき理由としてよく挙げられるところですが、先手後手の差という点も大きいんですね」

rizer 「また、逆にコントロールになると捌けないパターンが出てくると途端に抵抗力がないという弱点を抱えることになります」

--「確かに、攻めっ気が少なすぎると相手のボムに必ず付き合うことになりますからね」


rizer 「これに対し、先手後手差が少ない上に相手の攻め受けに対応しやすいという、いわば『いいとこ取り』できるのがミッドレンジの魅力ですね」

--「とすると一般論としては、『シールドはミッドレンジを組むべき』であり、何割かはわからないけれども平均値付近にいるいわゆるボリュームゾーンの人々はそうしている現状があると思うのですが。そういった状況にあって、なおシールドのメインからビートダウンを組むというのは、はたしてどういう場合なんでしょうか?」

rizer 「単純な話に落とすと、ミッドレンジ域の生物群が、ビートダウン域の生物群に劣ってしまう場合ですね」

--「ミッドレンジ域というと、4~5マナ域あたりでしょうか。それが2~3マナ域の生物に比べて見劣りするプールの場合である、と」

rizer 「ですね、4~5マナ域の生物が頼りないから、数だけある2マナ域の方がまだ勝ち目があるような場合です」

--「とすると、よくある『カードプールが弱すぎてビートで組むしかない!』みたいなケースも、要素に分解するとそのパターンの一部なわけですか」

rizer 「そうなりますね」



メインでビートダウンを組むのは極力避けてます


--「では例えば、滅茶苦茶強いドラフトデッキみたいなのが組めたとしたら、さすがに4~5マナ域も強くてもメインからビートダウンにしますか?」

rizer 「その場合であっても、前述の先手後手の問題にひっかかる場合はミッドレンジになりますね。ビートダウンは2本目3本目先手の際のサイドプランにした方が良いです」

--「仮に、後手でも強いビートダウンだったらどうでしょう?」

rizer 「それってミッドレンジですよねw」

--「ああ、なるほどw 《稲妻の一撃》8枚とオール3マナ以下とかなら後手でも強いビートダウンと言い張れるかもしれませんが」

rizer 「そこまであっても後手だと弱そうなのがビートダウンの悲しさですね」

--「まあ要するに『強すぎるからメインからビートダウン』は本当に稀で、ミッドレンジが組めないからビートダウン、が通常だと」

rizer 「ですね」

--「rizerさんがシールド組む場合、全体の何割がメインビートになりますか?」

rizer 「環境によりますが、メインでビートダウンを組むのは極力避けてます。ビートで組んだ場合にも『思考停止してるだけじゃないか』とすぐ考えなおして次組み始めるくらいには」

--「メインボードはミッドレンジ的な組み方をとにかく模索するべきだ、と」

rizer 「ですね、大雑把に殴って勝とうとするよりは、明確な個別カードでの勝ちパターンを探ったほうがいいです」

--「4~5マナ域の重くて強いパーマネント、フィニッシャーまでつなげる形ですか」

rizer 「はい。『そういうカードもあるデッキ』ではなく、『そういうカードを活かせるデッキ』を目指したいですね」

--「『強いパーマネントを活かすデッキ』というのは、効果・機能として具体的にはどういうカードを採用すればいいんでしょうか?」


rizer 「まずは枚数負けや、ビタ止まりしないように、弱い生物を全て抜くところからですかね。4マナ4/5や5マナ5/5の隣に2マナ2/1がいても邪魔なだけですから」

--「容易にダブルブロックされない状況を作る、という感じでしょうか」

rizer 「どちらかといえばダブルブロックされてもいいようにする感じですね。豊富な後続があれば何も問題ないかと」



コントロールを組めるかどうかは、ずばり状況をひっくり返せるカードがあるかどうか

--「なるほど。じゃあこうしてミッドレンジが環境のボリュームであり、王者であることがはっきりしたところで」

rizer 「はい」

--「じゃあみんなミッドレンジ組んでくるならもうコントロールでよくね?という話になるわけですが」

rizer 「ですねー」

--「今度は逆に、メインからコントロールを組むのはどういう場合でしょうか?」

rizer コントロールを組めるかどうかは、ずばり状況をひっくり返せるカードがあるかどうかにかかっているかと。全体除去なり、圧倒的な制圧力の生物なり、不利を覆せるカードがないのなら、ミッドレンジの方が無難ですよね」

--「もしコントロールが組めたら、やはり速度の定義上、ミッドレンジには有利になる、ということでいいんですかね」

rizer 「そうですね。ミッドレンジ相手のサイドプランとして有力なのがコントロールですし」

--「ちなみに、『相手のデッキより一段遅ければ勝つが、二段遅ければ負ける』というのがマジックのデッキ相性と速度との関係を表したものとして個人的にわかりやすくて適切だと思っているんですが、これは正しいでしょうか?」

rizer 「一部の面では真実だと思いますが、シールドではあまり気にしないほうがいい気もします。引く場所によって相手のスピードが変わってしまいやすいので、自分は序盤、中盤、終盤隙がないコースでいかないとどうにも」

--「相手のスピードを勝手に設定すると、見誤りやすいと」

rizer 「ですね。二本目なんか特にそうです」

--「ではメインボードは『ビートダウン× ミッドレンジ◎ コントロール△(組めるなら)』という定式をいただけたところで、次の話題に移りたいと思います」

rizer 「了解しました」



サイドチェンジの基本は、自分の機能不全カードを抜いて、相手の機能不全カードを作るところにあります

--「読者のご要望にお応えして、軽くサイドチェンジにもここで触れておきたいと思うのですが、サイドから色を変えたり5枚以上のカードを入れ替える場合、それは何のためにされることが多いでしょうか?あるいはどういうパターンが考えられるでしょうか?」

rizer サイドチェンジの基本は、自分の機能不全カードを抜いて、相手の機能不全カードを作るところにあります

--「機能不全……ちょっとイメージが掴みにくいですね。例えば先ほど『相手の速度を勝手に設定すると見誤る』という話が出ましたが、それでいうと、『相手の速度の一段下に被せるサイド』は愚策ということになるんでしょうか?」

rizer 「いえ、速度は下げにいきます。ただし、デッキをずらすのではなく、単体のカードをずらすレベルで、ですね」

--「なるほど、あまりずらし過ぎないわけですね」

rizer 「そうですね。相手の一部のカードとの1:1以上交換を狙って、少しタフネスの高い生物を放り込む感じです」

--「トランプだったらジャックにクイーンを被せるみたいな、ピンポイントをイメージするわけですね。それが相手のカードの機能不全を招く、と」


rizer 「はい、『2マナ2/2を2体見たから、3マナ3/2と4マナ4/2は3マナ2/3と4マナ1/4にしておこう』といった具合です。それを重ねることで、相手の安定性を下げて、自分の安定性を上げてしまおうと」

--「サイドから色を変える場合も、そのパターンの応用ということになるんでしょうか。その色のままではこちらのカードが機能不全になりそうだとか、相手を機能不全にするカードがなさそうだから、違う色にしよう!みたいな」

rizer 「そうですね、プロテクションや色対策カードとかの例外はありますが、基本は速度の変更か、あるいはもっと積極的に相手に対するメタデッキを作るための色変更ですね」

--「ちなみに、メタデッキを作る場合、『見たカード』のみメタりますか?それとも、『見てないけど入ってそうなカード』もメタりますか?」

rizer 「『見てないけど入ってそうなカード』もですね。特に1セットonlyの今なんかはそうです」

--「確かにテーロス×6だと、『緑だったら《ネシアンのアスプ》くらい入ってるだろ』とか考えますもんね。ところで、相手のメタデッキを作るということは、構築時間中はあまりサイドプランを作ったりしないということですかね?アドリブメインで」

rizer 「いやメタデッキとはいってもコントロールかミッドレンジかを弄る感じなので、基礎となる形に、青白、赤黒、緑系とかで大ざっぱに分類したそれらの分類別に分けたサイドを突っ込んで微調整とかは、既に構築時間中にしちゃってますね」



青>緑=白>赤=黒、ではないでしょうか

--「そろそろ各論に入っていきたいところですが、まず前提として、先ほど総論の方で『メインボードはビートダウン× ミッドレンジ◎ コントロール△』の定式を立てていただいたわけですけれども、それは『授与』により先手9:1のテーロス環境であっても変わることはないんですか?」

rizer 「テーロス環境においてもミッドレンジがベストであることに変わりはありませんね。ただ他の2つについては、『ビートダウン△ コントロール×』と若干変化してはいます」

--「それは重要な指摘ですね。やはり『授与』を捌くのはこの環境の除去の質では不可能だから、ですか?」

rizer 「ですね、『授与』も『英雄的』も『怪物化』もレアも捌く……そんなん無理じゃーい、という話です」

--「では基本的にはこのカードプールでも最強のミッドレンジの構築を目指すとして。その前にもう1点、この環境でミッドレンジの構築を目指す場合、各色のメインボード選択率・出現率にはやはり格差が生じますか?よく『この環境のシールドは青・黒・緑だ』なんて言われますが」

rizer 青>緑=白>赤=黒、ではないでしょうか?」

--「白が意外に高いんですね」

rizer 「『英雄的』はバグですからね。人数は少なくても上にくるので」

--「確かに、ビート△になってる以上は、普通の環境とは違うと。普通の環境なら上がってくるはずの除去&アドバンテージカラー黒の評価が落ちているわけですね」

rizer 「もはやビートの全てが白ですね。それに対し、黒はレアに始まってレアに終わってますからね。黒デッキは黒レア2枚は絶対入ってます」



優秀な2マナ域は多ければ多いほど安定性が増します

--「ではようやくこのカードプールの話になりますが、プールを並べたときにまず白を見て『ああわかってたけどビートは無理だな』からスタートする感じですかね」

rizer 「はい」

--「では次にミッドレンジ狙いで、『各色の4~5マナ域』を見てみる感じになるんでしょうか」

rizer 「ストレートにいくと、《航海の終わり》《海神の復讐》を組み込めるデッキ探しをいきなり始める感じなんですが」

--「そこからですかw まあでもそれらを活かせるのは4~5マナ域のパワフルな生物ですよね」

rizer 「そうですね」

--「ここまでで概ねメインカラーとしては『白× 黒×』になりそうですが」

rizer 「Yes! 黒ぽーい」

--「で、まあ緑は4~5マナ域の要請からして概ね確定になりそうですね」

rizer 「いえ、まだ青赤がありますね

--「あ、そういえばそうですね。となると、ここからは青赤、緑青、緑赤という、ミッドレンジどうしの色選択になるわけですが。この場合、決め手はどこにあるんでしょうか?前回までの流れで言えば、やはり『コンセプトの合致』、ですかね」

rizer 「ですね」

--「攻撃的な赤の生物とスペルに対し、青は生物がとにかく少なくて、ミッドレンジとしても必要生物数を確保できてなさそうなのが気にかかります」

rizer 「赤を主軸に据えるとそうですね」

--「青ベースにすると《魔心のキマイラ》スペルコンみたいになりますか。《炎語りの達人》と合わせてクロックパーミッションみたいなイメージかもしれません」

rizer 「5マナ圏までの時間稼ぎや、すれ違い殴り合いプランとしてはなかなか赤やりおりますからね」

--「しかし、これではコンセプトは合致してないんでしょうか?」

rizer 「合致してると思いますよ。主なサイドプランの1つは青赤でしたから」

--「ですが、rizerさんが実際に組まれたのはこちらのデッキだったわけですよね」




「rizer’s answer」

6 《森》
5 《島》
2 《山》
2 《沼》
1 《神秘の神殿》
1 《未知の岸》

-土地(17)-

2 《旅するサテュロス》
1 《悪意の幻霊》
2 《乳白色の一角獣》
1 《魔心のキマイラ》
1 《海の神、タッサ》
1 《荒野の収穫者》
1 《海檻の怪物》
1 《ファリカの癒し人》
1 《記憶の壁》
1 《ネシアンのアスプ》
2 《地平の識者》
1 《巨体の狐》

-クリーチャー(15)-
2 《稲妻の一撃》
1 《マグマの噴流》
1 《航海の終わり》
1 《捕海》
1 《パーフォロスの激怒》
1 《海神の復讐》
1 《ナイレアの存在》

-呪文(8)-
-サイドボード(0)-
hareruya





--「このメインボード緑青タッチ赤黒の判断は、主に何が決め手なんでしょうか?」

rizer 「安定性です」

--「安定性。確かに青赤だと攻撃的なカードが多く先手後手差がある上にちょっとマナ域が広がってますね。対して《旅するサテュロス》は先手後手を問わない最強の2マナムーブですし」

rizer 「ですね、優秀な2マナ域は多ければ多いほど安定性が増します

--「ちなみにどういうときに青赤にしますか?」

rizer 「マナクリが生き残らない場合が一番わかりやすいですね。対赤黒のとき、あとはプレインズウォーカー相手にも青赤にするパターンはあると思います。先手で殴らなきゃいけない場合は青赤ですね」



正しく組んでいれば9勝1敗も狙えるデッキになりました

--「各論の最初に聞きそびれましたが、このカードプールは100点満点だと何点くらいありますか?」

rizer 85点くらいですかね。そこらのデッキだったら一蹴クラスです」

--「ちなみに何のときに使用したプールで、成績はどれくらいだったんでしょうか?」

rizer 「MOでテーロスのリリースイベントのシールドで4戦全勝でしたね」

--「さすがですね」

rizer 「でも実はこれ、ひどい構築ミスしてるんですよね」

--「え?そうなんですか?」

rizer 「はい。ちゃんと組むとこうなります」



「rizer’s answer -true-」

6 《森》
4 《島》
4 《山》
1 《沼》
1 《神秘の神殿》
1 《未知の岸》

-土地(17)-

2 《旅するサテュロス》
2 《乳白色の一角獣》
1 《魔心のキマイラ》
1 《海の神、タッサ》
1 《荒野の収穫者》
1 《海檻の怪物》
1 《ファリカの癒し人》
2 《記憶の壁》
1 《ネシアンのアスプ》
2 《地平の識者》
1 《巨体の狐》

-クリーチャー(15)-
2 《稲妻の一撃》
1 《マグマの噴流》
1 《神々との融和》
1 《航海の終わり》
1 《捕海》
1 《パーフォロスの激怒》
1 《海神の復讐》
1 《ナイレアの存在》

-呪文(9)-
-サイドボード(0)-
happymtg.com





--「《沼》1枚と《悪意の幻霊》抜いて《神々との融和》《記憶の壁》の2枚目ですか。それに《島》《山》のバランスも調整されてますね」

rizer 「先に紹介したのは6勝4敗レベルのデッキですが、このように正しく組んでいれば9勝1敗も狙えるデッキになりました

--「これだけでそんなに変わるものでしょうか?」

rizer 「変えた部分引くと負けますからね。真面目な話でも、長丁場だとそこが原因で1ゲームは間違いなく、おそらく2ゲーム落とすと思いますよ」

--「じゃあ4-0は少しツイていたんですね」

rizer 「引かなければ勝てる、を地でいきましたねw」

--「デッキ枚数が41枚なんですが、これは合ってるんですか?」

rizer 「合ってます。《神々との融和》で掘りますし、《海の神、タッサ》でデッキ全部使えるので弾は増やした方が良いです。他に強いカードが有れば42~3枚くらいまでは増やしたい感じでした」

--「なるほど。さすがというか、そこまではなかなか思いつきませんね」



一番の問題は、『上手くいけば1枚で殴り勝てる生物』が足りないところですね

--「サイドプランの話をすると、青赤以外のサイドプランとしてはどのようなものがありますか?」

rizer 「赤を薄くor全抜きして黒やや濃く白も投入というプランと、 半ギレ赤緑ビート、ブチギレ赤黒ビートあたりですかね。ビートは登場頻度少なそうですが」

--「黒と白ですか。前回イチオシだった《エイスリオスの学者》目当てでしょうか」

rizer 「白は主に《灰燼の乗り手》目当てですね。青黒緑系でぶつかったなら決定力が足りないので奴の出番になります。青黒相手ならワンチャン《伏魔殿のピュクシス》も……」

--「そのカード北山さんもすごい気にかけてましたね」

rizer 「シールドだとたまに出番きますね」

--「ちなみに北山さんは青緑ベースではなく赤緑ベースの多色を組まれていたんですが、赤緑ベースだとダメだと判断した理由はなんでしょうか?赤緑タッチ《海神の復讐》で別にいいんじゃね的な雰囲気もしますが」

rizer 「一番の問題は、《海檻の怪物》《ネシアンのアスプ》《形見持ちのゴルゴン》のような、『上手くいけば1枚で殴り勝てる生物』が足りないところですね」

--「『うまくいけば1枚で殴り勝てる生物』……総論のところで出てきましたね。それを活かす形を作った方が良い、と。《ネシアンのアスプ》《巨体の狐》はその条件を満たしていますが、それだけでは足りない、ということでしょうか?」

rizer 「相手もそれくらい持ってますからね。むしろそれくらいどころか、相手から見たら『その程度かちょろいぜ』レベルかと。緑同キャラでなくても《神聖なる評決》1枚で捌ける感じですから」

--「雑魚クリーチャーに《残忍な発動》ついたら『そのまま殴り勝てる生物』になったりしませんか?」

rizer 《死呻きの略奪者》についてバウンスされなければ殴り勝てると思いますが、それ以外は相手も当然のようにやってくることなので、引きゲーぶん回りゲーの運ゲーに飛び込むだけかと」

--「所詮同じ条件、同じ土俵でしかなく、『勝てる』という差が生まれないということですね」

rizer 「ですね」



強い生物はどれも『試練』ついても強いです

--「ひととおりこのプールについての感想を述べてもらったところで、最後におまけの質問になりますが、『試練』についてはどうなんでしょう?この環境特有のクソゲー発生装置ですが」

rizer 「べーやーですね。ビート組んじゃいけない理由の大きなところです」

--「rizerさんでもさすがに『試練』は使う、と」


rizer 「使いますね。まあミッドレンジでも強いですから。当たり前ですが、強い生物はどれも『試練』ついても強いです

--「逆に、『試練』が入らないのはどういうパターンでしょうか?」

rizer 「2マナ以下の殴れる生物の枚数が少なかったり、コンセプトからずれていたり、おまけの能力が嬉しくなかったりな場合ですかね」

--「今回の4色だとどの色の『試練』が仮にあったとしても入らなさそうですもんね」

rizer 「ですね、仮にどれかの『試練』があってもデッキを変えたりもしませんね」

--「……さて。それでは今回はこのへんにしておきましょうか」

rizer 「はい」

--「第2回まででシールドの技術の中でもかなりの範囲の話題に触れられたと思うので、次回のテーマは今のところ特に定まっていないのですが……」

rizer 「では、最後なので総合演習的な感じになりますかね」

--「ですかね。では、長時間お付き合いいただきありがとうございました」

rizer 「お疲れ様でした」





 いかがだっただろうか。

 例によって、rizerの回答が絶対というわけではない。

 だが、その超豊富な経験に裏打ちされたシールド理論には、耳を傾けて損はないはずである。

 さて、次回は”How do you build? -Theros Sealed- Part3″をお届けするつもりだ。

 ここまでの2つのプールで必要な問題意識はかなり共有・整理できたと思う。

 あとは理解を実践に移すのみだ。

 それでは、また次回。

 See you!





 さらに。

 ここでお知らせがある。

 11月30日までの間、晴れる屋トーナメントセンターでは何と。

 今回の記事で題材となったシールドプールの店内貸し出しを行っている。

 さらに、第1回のシールドプールの店内貸し出しも、好評につき11月いっぱいまで延長することとなった。

 これであなたが考えたデッキの一人回しが、いや第1回と今回のデッキの対戦だって可能だ。

 友達と一緒に借りて、どのような構築が良いか議論するのもオススメだ。

 「テーロスシールドの練習がしたい」「実物のカードを並べて考えてみたい」「作ったデッキを実際に回してみたい」といった方は。

 トーナメントセンターにご来店の際、大会受付カウンターにてスタッフにお気軽にお尋ねください。