浅原×津村「努力か、才能か。」

浅原 晃

浅原 晃


とある、大阪の焼き肉(※1)屋にて

1.食べれません

AA 「お疲れさまやん」

コガモ 「お疲れさまです」

AA 「森田君(※2)のお勧めで来たんだけど、おいしい焼き肉屋だね。仕事の関係で関西に来ていて、ちょうど都合が付いてよかった」

コガモ 「ですね、森田さん隣りにいますけど」
 
森田 「ゴニョゴニョ」

AA 「まあ、見えざる尺の都合上ゴニョゴニョ言っているだけの扱いになると思う。そういえば、最近、量は食べられるようになったの?昔、ラーメン二郎で野菜の層が突破できずに吐いてたことあったよね」

コガモ 「いやいや、昔よりはかなり食べられるようになりましたよ」

AA 「起きない食べない動かないの津村と言えば古淵では有名だったけど(笑)」

コガモ 「大学生活のお陰で僕もいろいろと成長してますよ!」

AA 「なるほど、俺のイメージではコガモはまだ高校生くらいなんだけど、良く考えるとみんな年取ったなぁて思う」

コガモ 「マジック続けていると時間の流れが早いですね(笑)」

AA 「それじゃ、適当にマジックの話でもしますか」

コガモ 「そうですね」

森田 「ゴニョゴニョ」

2.才能と努力

AA 「ということで、今回の企画の議題は『才能と努力』っていう、若干漠然としたテーマにしようかなと。才能と努力の関係っていうのは、マジックに関わらずどのジャンルでも一緒だと思うけど、なんとなく掘り下げつつ、強くなるためにどう考えたらいいかっていうのに繋がればなぁと」

コガモ 「適当にマジックの話って割にはなんか難しい話ですね(笑) 単純ですけど、努力無くして成功は無いってことだと思います。自分も才能があったというよりも、Player of the Yearを取れた年はマジックをそれこそ死ぬほどしていたっていうのが大きいですし」

AA 「コガモは練習や努力型だよね。」

コガモ 「そうですね、練習大事で話終わってしまいそうですが(笑)」

AA 「それは困る。とりあえず、とっかかり的にこの人は才能あるなって人でも挙げてみてよ(笑)」

コガモ 「えっと、僕は、ヤソさんとかっちん(※3)、ルーキー(※4)とかブッティ(※5)は才能あるなと思います。ブッティは当然というか目標とするプレイヤーですし、ヤソさんやかっちん、ルーキーは見ていてすごいなと思うことが多いです」

AA 「なるほど、その中では、俺はモリカツが強烈な印象はあるね。プレイングとか何やっているのかわからないことも多いし、ただ、デッキ構築に関しては努力型なのかなモリカツは」

コガモ 「かっちんはすごいマジック好きですよ。大会前に集中して練習するときはやばいです」

AA 「デッキがとてつもない勢いで変わっていくよね、いつも(笑)世界選手権06のモリカツのデッキは、まさに努力型って感じのデッキだと思う。」

コガモ 「デュエルして気付いたことをどんどん取り込んでいくって感じですね」




Katsuhiro Mori
2006 Worlds (Top8)

1《島》
4《アダーカー荒原》
4《神聖なる泉》
4《ウルザの塔》
4《ウルザの鉱山》
4《ウルザの魔力炉》
1《アカデミーの廃墟》
1《ウルザの工廠》

-土地(23)-

2《ザルファーの魔道士、テフェリー》
2《トリスケラバス》

-クリーチャー(4)-
4《アゾリウスの印鑑》
1《入念な考慮》
1《徴用》
4《強迫的な研究》
3《ディミーアの印鑑》
2《信仰の足枷》
2《マナ漏出》
1《神秘の指導》
4《差し戻し》
2《呪文の噴出》
2《呪文嵌め》
2《熟慮》
2《連絡》
3《神の怒り》

-呪文(33)-
3《併合》
2《赤の防御円》
1《吸収するウェルク》
1《信仰の足枷》
3《道化の王笏》
1《霊魂放逐》
1《塵への帰結》
1《呪文嵌め》
1《計略縛り》
1《神の怒り》

-サイドボード(15)-
hareruya



AA 「その辺はやっぱ経験重視なのかなって思う。これ、個人的な区分なんだけど、デッキ構築って大きく分けて論理重視と経験重視のプレイヤーが居て、経験重視のプレイヤーってデッキレシピが綺麗な形じゃなくて、具体的には1枚差しとかすごい多い。逆に論理重視の人は、結局シナジーとかを重視して4枚のカードが多い綺麗なレシピとかになりがちな気がする。どっちがいいってわけじゃないんだけど方向性の違いっていうのはあるよね。」

コガモ 「かっちんはあるカードを何枚入れるかってのを実戦での感触から判断しているんだと思います。僕も経験でデッキを考えていくのは好きですけど。まずは、勝ったレシピをコピーして使ってみて、気になった点を変えていったり、新しいカードを加えて試してみたりって形ですね。使ってみないことには分からないことや理解できないことって結構あるから、そのデッキが強いことよりも、どうして強いのかっていうのを理解するのが重要だと思います。ただ1枚差しは好きじゃないです(笑)」

AA 「コガモはさっそく俺の区分から外れてる(笑)。何か、ばんじゅん(※6)を発端としてツイッターでそういう論議があったね」

コガモ 「最終的にしっかりと決まった動きや対応ができるデッキになるのがいいと思うので、除去なら除去にしろ、環境に合わせたカードを4枚取るっていうのが好みです。プレイングとの兼ね合いもあるんでしょうね、かっちんと同じデッキを使っても、動かし方とかは全然違ったりするので」

AA 「練習や調整の時間っていうのが努力に当たると思うんだけど、結局、その成果がどういった形で現れるかってのは才能というか本人の個性が大きく出るんじゃないかな。その差異が一つのポイントではあると思うけど」

コガモ 「僕はその辺はいろいろな人の話を聞いて調整するようにしています。自分1人ではどうにもならないと思っていますから。もちろん、人の話を聞いて納得できることもあれば出来ないこともありますけど、それを話し合うことで、どっちにしても成長できると思っています」

AA 「それはすごい分かる、てか大澤君(※7)も同じような感じで成長していったから」

コガモ 「あと、僕はデッキを1から作れるタイプではないので、デッキを作れる人に助けて貰ってきたお蔭で今のマジックをやれている自分があると思っています。正直、デッキを1から作れる人はすごい尊敬しますね。デッキを作るってことに関しては才能は本当にあるなぁと。自分が直接プレイしたデッキでは無いですけど、PT神戸の時に黒田さんが使った、ローリーさんが作った赤単とかは、まさに天才が作ったデッキって感じがします。めちゃくちゃ構成奇麗ですよね。」



Masashiro Kuroda「Anan Go Deck」
2003 PT Kobe (Winner)

16《山》
4《ちらつき蛾の生息地》
4《ダークスティールの城塞》

-土地(24)-

4《真面目な身代わり》
4《弧炎撒き》

-クリーチャー(8)-
4《とげの稲妻》
4《減衰のマトリックス》
4《爆破》
4《静電気の稲妻》
4《火の玉》
4《溶鉱炉の脈動》
4《爆片破》

-呪文(28)-
4《残響する破滅》
3《炉のドラゴン》
4《溶鉄の雨》
2《衝動のタリスマン》
2《耽溺のタリスマン》

-サイドボード(15)-
hareruya



AA 「デッキを作るって才能は俺が思うにクソデッキを愛せる才能だけどね(笑)。俺はデッキを作ること自体が好きだし、良くわからないデッキでデュエルして頑張って勝つのも好きだから。1からのデッキ構築なんて、たくさん作ってその中に極まれに当たりがあるってくらいで、これは格さんやローリーさんでも多分同じなんじゃないかな。この場合は好きっていうこと自体が才能なのかもね。最近、俺が作ったエクテンのデッキなんて、《絵描きの召使い》で黒指定して、《饗宴と飢餓の剣》付けたら通り放題ってデッキをMOで作ったら、付けた途端に《饗宴と飢餓の剣》自体のプロテクション黒で《饗宴と飢餓の剣》が外れた(笑)」

コガモ 「なんですか、それ(笑)」

AA 「デッキ構築なんてそんなもんだよ(笑)。大事なのはどれだけたくさんのガラクタを楽しく作れるかってこと」

3.才能は共有されるべき

AA 「結局、才能って結局は数値で優位があるような一括りで考えられるようなもんじゃないよねーとは思うんだけど。例えば、マジックってゲームの中でも、スタンダード、リミテッド、デッキ構築、プレイング、とかデッキタイプならビートダウンは得意だけど、コントロールは苦手とかもあるし。適性っていうのかな」

コガモ 「そうですね、広い意味でなら、努力っていうのはプレイヤー同士が才能を補いあうってことでもあると思います。その点では、日本人はちょっと閉鎖的かなって感じますね。情報を隠すっていうのを徹底してやるっていうこともありましたし、どちらかと言えばコミュニケーションの問題でもありますし。自分が得をするために情報をオープンにして、話しあっていくって形があまり出来上がってないんじゃないかなって」

AA 「ここは、カジュアルな話では全くないけど、去年の世界選手権前に日本人が勝てなくなったって話ではそういう意見も出ていたね。そういや、前回ヤソともちょっと話題になったけどCFBとかはしっかりしているのかな?」

コガモ 「あそこのチームはお互いが才能を認め合った集団だと思います。PV(※8)が忙しくて、まったくマジックが出来てなかったってときにも、PVがPTでトップ8に入れたことがあったんですけど、それは、他のプレイヤーのサポートがしっかりあったからだと思うんですよね。結局、調整する人同士で探り合っていてもしょうがないんですよ、一緒に調整するって決めたら、自分の持っているものを全部出さないと意味がない。それがプロの中でうまくいってなかったっていうのがそのときの不調の原因だったと思います」

AA 「才能を強い弱いじゃなくて、個性って解釈すれば、共有することによっていいものが出来るはずだし、何より自分のプレイヤーとしての伸びしろを増やせるはずだからね。勝利そのものよりも、結果的に自分に無いものをどんどん学んでいくってことが一番重要だとは思う」

コガモ 「正直、努力ってやっただけ、跳ね返ってくるものでは無いとも思うんです。努力しても勝てない、どんだけ練習しても、事故だけで負けてしまうことはマジックではありますし。ただ、そのときちゃんと『ついてなかった』って言えるくらい練習することは出来るから、それを目指すだけだとは思うんですよね。ついてないって言えるのは本当に全てをやりきった人だけなので。ただ、悔いのないように練習するのは難しいし、それこそ、自分1人の力では無理なので、いろいろな人と積極的にマジックをしていくべきだと思います。何よりその方が楽しいですしね。」

AA 「練習方法としてはどんなのが一番いいと思う?」

コガモ 「そこはやっぱり実戦だと思います。大会に出てみるのが一番です。結局は練習だけだと負けたときの悔しさというのを味わえないので、真剣勝負で負けたら、その悔しさとかをバネにしてやる気を出せます、何にしても、感情を伴った方が絶対いいです」

AA 「プロツアーの後とか、すごいテンション上がるからね。いつも、次はもっとしっかりやるぞって思うしね」

コガモ 「ですね。あの感覚はすごい好きです」

AA 「やる気でるときの感覚は俺も好き(笑)」

4.次の、ヴァーサスッッ!!は?


AA 「まあ、結局は才能はいろいろあるから、練習大事ってことで」

コガモ 「最初に言ったまとめと一緒じゃないですか(笑)」

AA 「練習の方法論てことかな」

コガモ 「そうですね。強くなりたいと思うなら、ただプレイするだけじゃなく、強くなる方法を考えて練習するべきだと思います」

AA 「そういや、ついでだから言っておくけど、コガモってマジックに対するスタンスが、真っ直ぐ勝利に向いてないっていうか、自分の中の価値のある勝利にしか向いてないっていうのかな、そういうところあるよね。マジックのルール以上に自分に殉じているっていうか、正直、そういう部分に憧れるところはある。本当は誰もが最初はそうなんだろうけど、勝つことにこだわりっていくと、そういう部分って結構無くなっちゃうもんだし。偏見だけどなかしゅーとかそういうの無さそう(笑)」

コガモ 「自分で好きなようにやっているだけですよ(笑)。あと、ナックさん(※9)は外人の友達多くて、家に呼んだりして交流していますし、そういう所はすごい尊敬してます。マジックについてはノーコメントで(笑)」

AA 「そうだね(笑)」

AA 「それじゃ、今回はこの辺にしておこうか、次の対談者紹介だけど、コムロさんとバンジュンどっちにする?」

コガモ 「ナベ君でお願いします」

AA 「了解」

森田 「ゴニョゴニョ」



※1 とある東三国の焼き肉屋:おいしい。
※2 森田雅彦:タオルさんなどの愛称で親しまれる。
※3 森勝洋:モリカツ、かっちん。世界王者。
※4 大礒正嗣:ルーキオブザイヤーに輝いたときからルーキーと呼ばれるように。
※5 カイ・ブッティ:かつて最強と言われたプレイヤー。たまにカムバックしてPTトップ8に入っている。
※6 坂東潤一朗:ツイッターでのマジック論議の火付け役。
※7 大澤拓也:Happymtgでリミテッド記事を執筆中。
※8 パウロ:現在プレイングが世界一上手いとも言われるブラジルのプレイヤー。
※9 中村修平:何故かナックさんと呼ばれるように。