強大なクリーチャーのマナコストを分割払いできる「変異」に、ターンとマナをかけてクリーチャーを育成できる「長久」……
『タルキール覇王譚』のキーワード能力の中でもリミテッドで特に活躍する両者だが、いずれもかなりマナ食い虫な能力だ。
特に3ターン目に「変異」クリーチャーを出せるかどうかはかなり勝敗に密接に関わっていると思われる。
となれば。
土地が2枚で詰まるよりは……と、通常より気持ち多めに土地を18枚にしたくなるのが人情というものだろう。
しかし、土地を引きすぎればそれはそれで簡単に物量に押し負けてしまう。
スクリューのリスクとフラッドのリスク。
『リミテッドの土地は基本的に17枚』というのが暗黙の了解ではあるが。
『タルキール覇王譚』リミテッドという特殊な環境においては、その常識ははたして覆されうるものなのだろうか?
合宿メンバーであるプロプレイヤーの何人かに軽くインタビューしてみた。
渡辺 雄也の意見
渡辺 「17。この環境はマナフラッドにとにかく救いがない。だから《グドゥルの嫌悪者》や《沸血の導師》のようなフラッドをケアできるカードを積んだデッキが強いね。マナフラッドをいかにケアするかが環境の課題だと思うよ」
市川 ユウキの意見
市川 「よほど『変異』や『長久』ばっかでマナを使い切る見込みがない限り17ですね。フラッドは本当に厳しい。土地2で詰まることももちろんありますけど、結局同じくらいフラッドのリスクも怖いですからね」
八十岡 翔太の意見
八十岡 「8割~9割は17だね。18にするならマナの使い道になるカードか、ルーターみたいなカードが必要。フラッドするとすぐに負けるので、18にするよりは『戦旗』を入れるかな」
と、いうわけで。
他のメンバーにも聞いてみたが、これまた意外にも、プロの意見はほとんど全員が17を主張していた。
『変異』や『長久』で普段より多くのマナを要求するように見えるが、それ以上にこの環境はフラッドを回避する術に乏しいというのが共通見解のようだ。
とはいえ、プレイヤーの数だけセオリーはある。
日本の他のドラフトコミュニティや海外ではまた違った結論が出ているかもしれない。
プロの意見は参考にとどめ、是非実際にドラフトしてみて自分だけのセオリーを見つけ出して欲しい。