Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2018/12/03)
はじめに
やぁみんな!
RPTQが間近に迫ってきているね。RPTQのフォーマットはモダンだから、今回はモダンの旬のデッキ、バント・スピリットについて解説していこう。バント・スピリットが使うクリーチャーたちはサイズこそ小さいけど、とてもパワフルでグランプリを制覇してしまうほどの力を持っているんだ!
実際にバント・スピリットは、オンドレイ・ストラスキー/Ondrej Straskyにグランプリ・ストックホルム2018優勝をもたらした。つい最近も、ペイヨン・ジェン/Peiyuan Zhengはバント・スピリットを使い、ドレッジの隆盛を押しのけてグランプリ・アトランタ2018の頂点に輝いたんだ。
1 《島》
1 《森》
1 《繁殖池》
1 《神聖なる泉》
1 《寺院の庭》
3 《霧深い雨林》
2 《溢れかえる岸辺》
2 《吹きさらしの荒野》
3 《地平線の梢》
2 《植物の聖域》
1 《金属海の沿岸》
1 《魂の洞窟》
1 《ムーアランドの憑依地》
-土地 (21)- 4 《貴族の教主》
4 《霊廟の放浪者》
4 《至高の幻影》
3 《幻影の像》
2 《無私の霊魂》
1 《鎖鳴らし》
4 《ドラグスコルの隊長》
4 《呪文捕らえ》
2 《聖トラフトの霊》
-クリーチャー (28)-
3 《石のような静寂》
2 《スレイベンの守護者、サリア》
2 《統一された意思》
2 《ドロモカの命令》
1 《ガドック・ティーグ》
1 《聖トラフトの霊》
1 《軽蔑的な一撃》
-サイドボード (15)-
1 《島》
1 《森》
1 《繁殖池》
1 《神聖なる泉》
1 《寺院の庭》
3 《溢れかえる岸辺》
2 《霧深い雨林》
2 《吹きさらしの荒野》
3 《地平線の梢》
3 《植物の聖域》
1 《魂の洞窟》
1 《ムーアランドの憑依地》
-土地 (21)- 4 《貴族の教主》
4 《霊廟の放浪者》
4 《至高の幻影》
3 《幻影の像》
2 《無私の霊魂》
1 《鎖鳴らし》
4 《ドラグスコルの隊長》
4 《呪文捕らえ》
3 《反射魔道士》
1 《聖トラフトの霊》
-クリーチャー (30)-
2 《スレイベンの守護者、サリア》
2 《秋の騎士》
2 《石のような静寂》
1 《聖トラフトの霊》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《ドロモカの命令》
1 《統一された意思》
1 《崇拝》
1 《トーモッドの墓所》
-サイドボード (15)-
『基本セット2019』で《至高の幻影》が登場してすぐ、ジェレミー・デザーニ/Jeremy Dezaniやパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaもバント・スピリットを使った。僕もグランプリ・アトランタ2018ではバント・スピリットを使って12勝3敗という結果を残すことができた。しかも使っていてとても楽しいデッキだから、どのマッチも本当に面白かったね。
実を言うと、グランプリ・アトランタ2018の翌週にはプロツアー『ラヴニカのギルド』が控えていたから、モダンにあまり時間を使いたくなかったんだ。だから、ストラスキーがグランプリ・ストックホルム2018を優勝したときのリストとほとんど同じもので出場したんだ。
グランプリ・アトランタ2018を優勝したペイヨンは、3枚の《反射魔道士》を入れることで《集合した中隊》や《霊気の薬瓶》、《幻影の像》といったカードをさらにうまく使えるようにしていたね。これは素晴らしいアイディアだと思うよ。《反射魔道士》は、《貴族の教主》のようにスピリットではないけど単体で非常に優秀なクリーチャーだからね。
そこで、今回はペイヨンのデッキリストを参考にしながらバント・スピリットを解説しようと思う。ただ、ペイヨンはサイドボードに《石のような静寂》を2枚しか入れてなかったけど、僕は3枚入れておきたい。このカードはトロンやアイアンワークス、《硬化した鱗》親和を筆頭として、モダンの多くのデッキに抜群に効くんだ。だから、3枚目の《石のような静寂》を入れるために《ドロモカの命令》を抜いてはどうかと思う。《秋の騎士》がすでに2枚入っていて、エンチャント対策はできているからね。
モダンではゲームへの影響力が大きいカードをサイドボードに入れておきたいんだ。バント・スピリットは、そういったカードをサイドボードに採用できることも魅力のひとつだね。というわけで、次のモダンの大会に出るとすれば、こんなデッキリストになる。
1 《島》
1 《森》
1 《繁殖池》
1 《神聖なる泉》
1 《寺院の庭》
3 《溢れかえる岸辺》
2 《霧深い雨林》
2 《吹きさらしの荒野》
3 《地平線の梢》
3 《植物の聖域》
1 《魂の洞窟》
1 《ムーアランドの憑依地》
-土地 (21)- 4 《貴族の教主》
4 《霊廟の放浪者》
4 《至高の幻影》
3 《幻影の像》
2 《無私の霊魂》
1 《鎖鳴らし》
4 《ドラグスコルの隊長》
4 《呪文捕らえ》
3 《反射魔道士》
1 《聖トラフトの霊》
-クリーチャー (30)-
3 《石のような静寂》
2 《スレイベンの守護者、サリア》
2 《秋の騎士》
1 《聖トラフトの霊》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《統一された意思》
1 《崇拝》
1 《トーモッドの墓所》
-サイドボード (15)-
バント・スピリットというデッキは、使う側も使われる側も難しいデッキといえる。ダメージレースの計算が非常に複雑で、トップデッキを考えるだけではダメなんだ。《集合した中隊》でどんなクリーチャーが出てくるのかを想定したり、《至高の幻影》のようなロードクリーチャーが除去された場合を考えたり、スピリットクリーチャーを出すことで《霊廟の放浪者》のサイズを上げたりと、ダメージレースをする上で考えることが本当に多い。
だから、普段からこのデッキを使い込んでおくことが重要だ。特にMagic Onlineよりも間や仕草で手札の内容が推測されやすい現実世界においては、バント・スピリットを使いこなせるようになっておくことで、相手に余計な情報を与えないようにすることが大事だね。
バント・スピリットのプレイテクニック
モダンには多種多様なデッキが存在している。その各種マッチアップについて解説する前に、いくつか話しておきたいことがある。一見わかりづらいことだったり、直感的にわからないようなシナジーを話しておきたいんだ。
《幻影の像》と《集合した中隊》の相互作用
《集合した中隊》から《幻影の像》を出す場合、《集合した中隊》から出すもう一方のクリーチャーをその《幻影の像》でコピーすることはできない。すでに戦場にいるクリーチャーしかコピーできないから気をつけてほしい。
《幻影の像》で対戦相手のクリーチャーをコピーすることもある
《幻影の像》は相手のクリーチャーをコピーしてもいい働きをする。コピーしたい相手のクリーチャーの例をあげると、5色人間の《反射魔道士》、トロンの《ワームとぐろエンジン》、マルドゥ・パイロマンサーの《騒乱の歓楽者》なんかだね。こういったクリーチャーがコピーできれば最高だ。
《聖トラフトの霊》の天使トークンにもなれる
《幻影の像》は《聖トラフトの霊》が生成した天使トークンをコピーすることができる(戦闘中に《霊気の薬瓶》で《幻影の像》を出せばよい)。そして、戦闘が終わっても《幻影の像》でコピーした天使トークンを生け贄に捧げる必要はない。
《霊気の薬瓶》を正しく使おう
初手に《霊気の薬瓶》、1マナのクリーチャー3枚、3マナのクリーチャー1枚があったとする。2マナのクリーチャーはいない状態だ。この場合3ターン目にとるべき行動は、まず《霊気の薬瓶》に蓄積カウンターが置かれる前に、起動して1マナのクリーチャーを出し、それから蓄積カウンターを置く。こうすれば、3ターン目に1マナのクリーチャーを出しつつも、4ターン目に3マナのクリーチャーを《霊気の薬瓶》から出すことができるんだ。
ロングゲームでは《霊気の薬瓶》の蓄積カウンターは2つのままにしておこう
ゲーム終盤では、《霊気の薬瓶》の蓄積カウンターを2つのままにしておくと良いパターンが多い。主な理由としては、《霊気の薬瓶》から《幻影の像》を出し、《呪文捕らえ》をコピーできるようにしておきたいからだ。
《ドラグスコルの隊長》を2体並べる時は慎重に
ジャンドやマルドゥ・パイロマンサーといった除去満載のデッキに対しては、《ドラグスコルの隊長》を2体並べればほぼ勝ち確定だ。しかし、1枚目の《ドラグスコルの隊長》を《稲妻》で除去されてしまうと大きなテンポロスになってしまう。そのため、《ドラグスコルの隊長》を出すタイミングを見計らう必要があるんだ。具体的には《霊廟の放浪者》や《無私の霊魂》、《鎖鳴らし》で《ドラグスコルの隊長》を守ったり、あるいは《霊気の薬瓶》から《幻影の像》を出して「隊長コンボ」を成立させにいこう。
《集合した中隊》の弱みを知ろう
バント・スピリットが使う《集合した中隊》は強いんだけど実は残念な側面もあって、「ハズレ」ることがあるんだ。ゲームが拮抗していたり、こちらが不利な状況であれば、ゲームの流れを傾けるために《集合した中隊》を唱えることが多い。これは当たり前の話で、大事なのはここからだ。
もし自分が有利な状況で、《集合した中隊》を唱えても唱えなくてもいいような場合、《集合した中隊》ではなく、単純にスピリットクリーチャーを唱えたほうがいい場面もあるんだ。そうすることで、「ハズレ」て相手に逆転のチャンスを与えるようなことがなくなり、自分の優位を保ったままにできる。
いつ《集合した中隊》を唱えるべきか?
《集合した中隊》でめくれるクリーチャーのパターンをすべて想定しておくことも非常に重要だ(特に《呪文捕らえ》)。とはいえ、メインフェイズに《集合した中隊》を唱えるのもアリだ。なぜかというと、戦闘前にロードクリーチャーを出せばより大きなダメージを叩き込むことができるからだ。5色人間のようなデッキと戦う場合、ダメージレースが肝になってくるからね。特に複数の《霊廟の放浪者》で攻撃しようとしている場合には、戦闘前にロードクリーチャーを出すことで3ターンクロックが2ターンクロックになったりする。
フェッチランドの使い方
バント・スピリットのマナベースはかなり安定しているけど、ライフを払う土地が多く、それが玉にキズになることがある。そのため、相手が何のデッキを使っているかわからない場合、1ターン目はフェッチランドから基本土地を持ってくるようにしよう。ただ、相手が《流刑への道》や《廃墟の地》、《暗殺者の戦利品》を使ってくるデッキの場合は基本土地をサーチしないようにしよう。
マッチアップガイド
じゃあそろそろ各種マッチアップの解説とサイドボーディングについて話していこう。
vs. ドレッジ
1本目はかなり厳しい戦いになる。ドレッジが最初の数ターンで大事故を起こしていない限り、《這い寄る恐怖》とダメージレースをする必要があり、かなり骨が折れることだろう(普通のデッキに比べればドレッジは事故を起こしやすいほうではある)。
《霊廟の放浪者》は《安堵の再会》を使ったドレッジのブン回りを防ぐ意味で重要になってくる。また、インスタントタイミングで《ドラグスコルの隊長》を出す(あるいはソーサリータイミングで2体並べる)ことができれば、《燃焼》の価値を大きく下げることができる。《無私の霊魂》でも同様のことはできるね。
もしドレッジが多いメタゲームを予想するばらば、メインデッキに《悔恨する僧侶》を1枚か2枚入れよう。その場合は《鎖鳴らし》、あるいは《無私の霊魂》を抜いてしまっていいだろう。
vs. ドレッジ
サイドボード後はまったく展開が変わってくる。対策カードを1枚でも引ければゲームに勝てるんだ。とはいえ、相手も対策カードを除去できるようにサイドボーディングしてくるので、対策カードを引けるまでマリガンをするのはやめよう。
逆に言うと、相手はそういったサイドボーディングをせざるを得ないので、デッキの速度は若干落ちるんだ。だから、対策カードを引けなくても、いいドローができていれば普通に勝ててしまうパターンもある。
vs. 5色人間
この対戦はダメージレースがすべてなので、ダイスロールで勝てるかどうかが大きな分かれ目になる。《霊気の薬瓶》はどちらのプレイヤーにとっても2つの意味で非常に重要だ。まず、《霊気の薬瓶》があれば手札の消費スピードは約2倍になるため、展開を有利に運ぶことができる。次に、《霊気の薬瓶》を使えば、相手は《呪文捕らえ》を、こちらは《翻弄する魔道士》をくぐり抜けてクリーチャーを出すことができるようになる。
総じてみれば、バント・スピリットが有利だと思う。こちらは飛行持ちで攻撃し続けることができるけど、相手はそんなに有利な攻撃ができない。バント・スピリットはロードクリーチャーをたくさんデッキに入れているから、戦闘を1回か2回すれば速やかに相手を倒すことができるんだ。ゲームの途中で《教区の勇者》を《貴族の教主》でチャンプブロックすることはあるかもしれないけどね。
5色人間のベストカードは《教区の勇者》と《サリアの副官》だ。(《サリアの副官》が場にいれば《幻影の像》もベストカードに入るね)。逆に言うとそういったカードが引けていなければ、5色人間は有利な攻撃ができない。
vs. 5色人間
サイドボードを入れ替える枚数は相手のほうが多いだろう。《イゼットの静電術師》、場合によっては《四肢切断》や《はらわた撃ち》も入ってくる。とはいえ、各カードがそんなにたくさん採用されているわけではないよ。
vs. トロン
トロンは1本目は相性が悪く、サイドボードに大きく改善されるマッチアップだ。しかし、全体としてみれば相性がいいとは言えない。
《忘却石》や《精霊龍、ウギン》を絶えず警戒しておくことは難しいから、ときにはリスクを負ってでもクリーチャーを全部展開して、《忘却石》と《精霊龍、ウギン》以外の場合には勝てるようにしておこう。とはいえ、《忘却石》であれば《呪文捕らえ》や《無私の霊魂》で対処することができるね。
vs. トロン
サイドボード後に先手ならば、多少アグレッシブにマリガンしてもいい。2ターン目に《石のような静寂》や《スレイベンの守護者、サリア》を出せれば、後手のときよりはるかに大きな役割を果たしてくれるからね。
vs. バント・スピリット
ミラーマッチでは盤面がこう着することが多い。どちらのプレイヤーもロードクリーチャーを失いたくないからね。そのような状況で勝敗を分けるパターンは、主に下記の3つだ。
ミラーマッチでも《集合した中隊》は強力だけど、《呪文捕らえ》や《霊廟の放浪者》がいるから解決させるのは困難だ。だから《集合した中隊》を過信してはいけない。また、ミラーマッチだと《流刑への道》を《反射魔道士》に入れ替えてしまったことが裏目になる。《ドラグスコルの隊長》をインスタントタイミングで除去できることはとても重要だからね。できれば《反射魔道士》の能力は相手の《幻影の像》に使うようにしよう(《ドラグスコルの隊長》がすでに場にいたら無理だけどね)。
vs. バント・スピリット
In
相手のリストに《崇拝》がないと確信があるのなら、《秋の騎士》を入れずに《聖トラフトの霊》のままでもいいだろう。確信が持てない限りは《崇拝》を警戒して《秋の騎士》をサイドインすべきだが、《霊気の薬瓶》のためだけにこいつをサイドインしようとは思わない。
vs. 青白/ジェスカイ・コントロール
これらのデッキとの相性は良いと思うけど、かなり相性がいいとまではいかないかな。青白コントロールよりもジェスカイ・コントロールの方が優秀な除去を使ってくるけど、青白コントロールも不意に《終末》を「奇跡」で唱えてくるので、そうなるとスピリットはまさに終末状態になる。全体除去を想定して、どれだけのクリーチャーを展開するのかが本当に大事だから、青白コントロールとの対戦は1番腕が試されると言ってもいいだろう。
確かに「あまりゲームを長引かせたくないからクリーチャーを出したい。でも《終末》で負けてしまう展開にもしたくない」というジレンマはある。でもときには《終末》を恐れずにクリーチャーを展開することも大事だ。相手が《終末》を唱えられなければ勝てるんだからね。
vs. 青白/ジェスカイ・コントロール
あまり頻繁に起こる状況ではないけど、実際にそうなったときに知っておいたほうがいいことがあるから教えておこう。
あなたは《集合した中隊》を唱え、相手はそれを打ち消そうとしたとする(ここでは《謎めいた命令》だと仮定しよう)。もし《霊気の薬瓶》の蓄積カウンターが3つで、手札に《呪文捕らえ》がいる場合、《呪文捕らえ》で自分の《集合した中隊》を追放した方がいい。そして相手の《謎めいた命令》は立ち消えさせるんだ。こうすることで、相手が《終末》を唱えてきたときに《集合した中隊》をバックアップとして用意しておくことができる。《呪文捕らえ》で自分の呪文を追放したい場面はこれぐらいだと思うね。
vs. アイアンワークス
1本目は《呪文捕らえ》を引けていないと厳しい。逆にいうと、《呪文捕らえ》を引けていれば大体勝てると思う。サイドボード後は負ける方が難しいぐらいだ。
vs. アイアンワークス
意外かもしれないが《流刑への道》は2枚ともサイドアウトしない。理由としては、相手が《練達飛行機械職人、サイ》をサイドインしてくる可能性があるからだ(《練達飛行機械職人、サイ》は確かにいいカードだけど、1枚で勝てるカードではないね)。
それに《流刑への道》を《屑鉄さらい》に撃ち込めば、相手は《屑鉄さらい》を生け贄に捧げざるを得なくなる。そうすれば、相手が墓地から大量にカードを回収し始めることなく、コンボを止めることができることもあるんだ。だから優先権を得たらすぐに《流刑への道》を《屑鉄さらい》に撃つようにしよう!
vs. バーン
今までの経験上では、バーンとの相性は若干悪いという印象だ。でも、負けるだろうなと思ったゲームを何度もものにしてきた経験もある。勝敗を分けるのは、ダイスロールに勝てるかどうか、ライフを払う必要がない土地を引けているかどうかだ。
個人的にとても良いなと思ったゲームプランは、《幻影の像》で《大歓楽の幻霊》をコピーすること。《霊気の薬瓶》や《集合した中隊》があれば、相手の方が《大歓楽の幻霊》でダメージを食らう機会が多くなる。だから《霊気の薬瓶》や《集合した中隊》を使っていればそのゲームには勝てるはずだ。
vs. バーン
vs. ホロウワン
vs. ホロウワン
先手の場合は《秋の騎士》ではなく《スレイベンの守護者、サリア》を入れて攻めに回ろう。
ホロウワンと一口に言ってもさまざまなバリエーションがある。だから、対峙するリスト次第で「ホロウワンには余裕で勝てる」と思うこともあれば「ホロウワンにはまず勝てない」と思うこともあるだろう。バント・スピリットはデッキが安定しているから、相手の強い引きに対応できることがあるし、もちろんブン回りに対応できずに負けることもある。だから相性は互角ぐらいだと思うよ。ホロウワン相手にサイドアウトすべきカードについては、正直そんなに自信がない。
《幻影の像》は1ターン目や2ターン目に出てくる《虚ろな者》や《グルマグのアンコウ》をコピーできるため、1枚は残そう。《ドラグスコルの隊長》を抜いていいのかと思う人もいるだろうけど、《稲妻》で除去されるのは嫌だし、《幻影の像》を抜くのであればあまり強く運用できなくなってしまうからね。もしかしたら《秋の騎士》は1枚もいらないかもしれない。また、《恐血鬼》や《炎跡のフェニックス》をサイドアウトしてくる可能性が高いから、《呪文捕らえ》をサイドアウトしても問題ないかもしれない。同様に《霊気の薬瓶》も、ホロウワン相手には遅すぎることもあるので、抜く候補になる。
少し曖昧なアドバイスになってしまっているかもしれないけど、あまり対戦した経験がないんだ、ごめんね。
vs. ジャンド
vs. ジャンド
ジャンドとの対戦はちょっと厄介だ。ジャンドは妨害手段が豊富だし、《タルモゴイフ》や《血編み髪のエルフ》で大きなプレッシャーをかけてくる。《集合した中隊》はジャンド相手にはベストカードだ。《コジレックの審問》で手札から落とされることもないし、カードアドバンテージとテンポを得て優位に立つ可能性があるカードだからね。さっきも話したけど、《ドラグスコルの隊長》を2体並べれば、相手はほぼ勝てなくなる。
vs. マルドゥ・パイロマンサー
vs. マルドゥ・パイロマンサー
若干有利なマッチアップだと思う。相手のクリーチャーはあまりプレッシャーをかけてこないし、《未練ある魂》のトークンもチャンプブロックしかできない。だから、相手としてはこちらの脅威をほぼ全滅させつつ、《騒乱の歓楽者》のカードアドバンテージで勝つ必要があるから手こずるはずだよ。
vs. 《硬化した鱗》親和
vs. 《硬化した鱗》親和
つらいマッチアップだけど、サイドボード後は相性が大きく改善される。相手のデッキに「接合」クリーチャーはいるけど《安らかなる眠り》を入れるほどではないし、そこまでしてサイドアウトしたいカードもあまりないね。
《幻影の像》は《歩行バリスタ》に弱いけど、《歩行バリスタ》のサイズが大きくなってしまっていたらどっちにしろ敗色濃厚だ。それに《幻影の像》がいれば、《歩行バリスタ》が出てくる前に《ドラグスコルの隊長》を2体並べられる可能性が高まる。
vs. 呪禁オーラ
vs. 呪禁オーラ
2枚の《流刑への道》と1枚の《反射魔道士》はサイドボード後も残す。なぜかというと、呪禁オーラは呪禁クリーチャーがいない手札をキープして、《コーの精霊の踊り手》や《ドライアドの東屋》にオールインしてくることがあるからだ。相手の初手が強すぎる場合はどっちにしても勝てないだろうから、相手の手札に呪禁クリーチャーがいないパターンで勝ちを逃さないため、個人的にはサイド後も除去を残しておく方が好きだね。
おわりに
モダンには本当にいろいろなデッキがいるけど、本日のマッチアップガイドでは主要デッキの多くを網羅できたんじゃないかと思う。
サイドボードに入っているカードも、どの相手に使うべきかわかりやすい対策カードばかりだから、何をサイドインすればいいかで迷うことはほとんどないと思う。逆に何を抜くかが難しいことはあるね。確かに抜くカードがわかりやすいマッチアップもある。僕はどうしても何を抜けばいいのかわからない場合、抜く候補となっているカードから1枚ずつ抜くようにしている。デッキに採用している枚数が多いほど効果を発揮するカードでない限りは、この方法をとってもそんなに大きく間違うことはないからね。
今回の解説はどうだっただろうか。ぜひ活かしてもらえればと思う。みんなのRPTQでの武運を祈っているよ!
この記事内で掲載されたカード
Sebastian Pozzo 2016-2017シーズンの「スタンダード・マスター」を獲得し、アルゼンチン人として初めての世界選手権出場を決めたゴールドレベル・プロプレイヤー。 その称号の通り、構築フォーマットを得意とし、特に優れたデッキを選択する慧眼を持つ。プロツアー『破滅の刻』でも大本命の『ラムナプレッド』を使用して、見事に『スタンダード・マスター』となった。 チームメイトでもあり同じアルゼンチンを代表するプレイヤーでもあるLuis Salvattoと共に、Hareruya Prosに加入。
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