Round1: 村栄 龍司(兵庫) vs. 市村 裕二(東京)

晴れる屋メディアチーム

By Yohei Tomizawa

 平成最後の大型イベント、『The Last Sun 2018』の幕が開ける。

 2018年の総決算として2日間かけて最後の王者を決める戦いが行われるわけだが、ここまで至る過程は様々だ。あるものは予選大会を突破し、あるものは“神”という称号により、またあるものはプロポイントにより権利を獲得して、この場にいるのだ。総勢190名のプレイヤーが栄冠をつかむため、これより火花を散らしていく。

 Round1でフィーチャーするのは村栄 龍司と市村 裕二の2人。

 村栄こそ、2018年を象徴するプレイヤーの1人といっていいだろう。プロツアー『ドミナリア』では10位、マジック25周年記念プロツアーでは15位と好成績を残し、二桁のプロポイントを獲得。その後も着実にポイントを加算したことで、ノンレベルから一気にゴールドレベルプロへと駆け上がった。つい先日もRPTQを突破し、快進撃は止まるところを知らない。

 対する市村は息が長いプレイヤーだ。福生市所在のFの集会場というショップにてレガシーを中心にプレイしている。そして対戦相手が村栄 龍司とわかると、

市村「(カバレージ上で姿を見るまで)空想だと思ってたので、まさか実在するとは。」

 と某掲示板にて昔話題になった村栄のネタを出し、一気に和やかな雰囲気となった。

 それでも、その和やかな雰囲気はジャッジコールが入るまで。第1回戦の開始アナウンスが入ると、先ほどまでの笑顔が嘘のように、お互い真剣な顔で7枚のカードを手に取った。

Round1: 村栄 龍司(兵庫) vs. 市村 裕二(東京)

Round1: 村栄 龍司(左) vs. 市村 裕二(右)

Game1

 先手村栄が使用するのは先日RPTQを突破した「赤単ホロウワン」。その勢いは衰えることなく今大会でも発揮される。マリガンした市村へ《燃え立つ調査》をキャストする。

 これにより市村の手から《魔力変》《選択》《騒乱の歓楽者》がポロリと落ち、

村栄「なるほど」

 とデッキを察したようにうなずく。

村栄 龍司(兵庫)

 更に《ゴブリンの知識》を重ねてプレイするが、先にクリーチャーを召喚したのは市村。《氷の中の存在》で時限爆弾を設置する。

 2枚目の《ゴブリンの知識》も不発に終わり、《炎刃の達人》が村栄にとって最初のクリーチャーとなった。

 しかし、ここでも市村が一歩先をいく。2体目の《氷の中の存在》から《炎の斬りつけ》でクロックを除去し、カウントを一つ進める。

ゴブリンの知識

 3枚目となる《ゴブリンの知識》《虚ろな者》を落としてしまうが、《騒乱の歓楽者》を召喚することでクロックを用意しつつ手札をリフレッシュ。

 市村は《魔力変》《思考掃き》を2枚重ねることで、《目覚めた恐怖/Awoken Horror》へと変身を果たし、一気に14点を刻む。《稲妻》と合わさり、村栄のライフは3。

 瀬戸際まで追い詰められた村栄は《信仰無き物あさり》から《通りの悪霊》サイクリングでライフを1まで切り詰め、《虚ろな者》2体と《騒乱の歓楽者》と盤面をかためつつ、クロックを刻む。

 僅かな希望をもちか細い道を辿る村栄だが、それはアンタップを迎えた市村の《稲妻》によって潰えてしまった。

村栄 0-1 市村

Game2

 再び村栄が《燃え立つ調査》をキャストすると、今度こそ《弧光のフェニックス》を落とすことに成功し、更に市村の手からは《血清の幻視》《思考掃き》の軽量ドローを落とす。

 3ターン目には《信仰無き物あさり》で2体目の《弧光のフェニックス》を落としつつ、《癇しゃく》を捨てながら《稲妻の斧》《氷の中の存在》へとキャストし、6点クロックを形成しようと目論む。

 しかし、市村は冷静に《外科的摘出》をプレイし、この6点クロックを除去。不死鳥といえど、追放されては舞い戻ることは叶わない。

 ここから市村が村栄のクリーチャーを市村が丁寧に除去し、《弧光のフェニックス》でクロックをかける。

 村栄も一度は盤面を空にするが、ここで万策尽きてしまい市村がキャントリップを連打し《弧光のフェニックス》2体戻すと、流石にカードを片付けた。

村栄 0-2 市村

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