By Wataru Otsuka

　日本人初のプロツアーチャンピオン。その強さはいまだに折り紙つきだ。大阪からはるばる遠征し、『The Last Sun2018』の栄冠に挑む。

　対する金川もワールド・マジック・カップ2014日本代表経験もあり、海外グランプリへも精力的に参加している強豪だ。

　年末の太陽を目指す男たちの戦いに黒田はトロン、金川は青赤フェニックスを持ち込んだ。果たしてこの第2ラウンドを制すのはどちらになるのか？

Round2: 黒田 正城(大阪府) vs. 金川 俊哉(山梨県)

Game1

　先手の金川は土地4の手札を渋々キープする。対する黒田は《ウルザの魔力炉》から《探検の地図》からスタートし、続く2ターン目にもウルザランドをセットして3ターン目には3種類揃う盤面に。

　金川はここまで動かなかったが、《信仰無き物あさり》によって《弧光のフェニックス》を捨て、《選択》と《稲妻》によって《弧光のフェニックス》が蘇りアタック。

　しかしトロンが揃った黒田は《世界を壊すもの》で土地を破壊しながら《弧光のフェニックス》を止める。金川は《信仰無き物あさり》で解答を探すが、到達持ちの《世界を壊すもの》で攻撃できず。

　黒田は更に《ワームとぐろエンジン》を追加。続くターンに黒田は2体で攻撃し金川のライフを2とすると、《歩行バリスタ》がとどめを刺した。

黒田1-0金川

Game2

　2ゲーム目はお互い7枚キープ。金川の手札は土地1枚だが、しかし十分ドローソースが揃っている。まずは《信仰無き物あさり》で早速《弧光のフェニックス》を捨てつつ手札を整える。

　対する黒田も最高の初動を切るべく、《ウルザの魔力炉》から《探検の地図》。しかし金川はこの《探検の地図》に《削剥》。そして《魔力変》→《血清の幻視》→《思考掃き》で墓地の《弧光のフェニックス》を2体蘇らせ、黒田を襲う。

　動き出した金川をけん制するためにも早めに3枚目のウルザランドを揃えたい。続くターンも金川の《弧光のフェニックス》にライフは削られていくものの、黒田も遅れて3種類のウルザランドを揃えた！《忘却石》を構えターン終了。

黒田 正城(大阪府)

　金川《血清の幻視》からの《信仰無き物あさり》。3枚目の《弧光のフェニックス》と《氷の中の存在》を墓地へ。最後に2マナを――《軽蔑的な一撃》を構えターン終了。

　《スラーグ牙》でライフを確保したい黒田だったが、これに《軽蔑的な一撃》が突き刺さる。

　そして金川のターン、構えていた《忘却石》を《削剥》！ 対応して黒田は《自然の要求》を自分の《忘却石》に打ち、ライフを安全圏に戻したかと思われた。

　しかし、金川の手札には《稲妻》2枚。墓地の《弧光のフェニックス》3枚と合わせて15点を叩きだし、黒田のライフを閃光のごとく削り切った。

黒田1-1金川

Game3

　このマッチで初めて先攻となる黒田は《ウルザの魔力炉》からスタートし、またも3ターン目に3種類のウルザランドが揃う。

　金川も3ターン目に《弧光のフェニックス》を2体を蘇らせてライフを削るが、返すターンには8マナがある黒田。《弧光のフェニックス》2体をどう料理するのか。手札には《ワームとぐろエンジン》、《忘却石》。じっくりと悩んだ末に《忘却石》を選択。

　だが、金川のターンに《魔力変》から《削剥》！ 黒田に《忘却石》の起動を強い、《信仰無き物あさり》によってフェニックスを再び蘇らせる。

　だが、厳しい状況の黒田が引き寄せたのは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》！！ 間に合ったか、一気に《弧光のフェニックス》を場外へ。

　黒田のライフは残り5。金川は《氷の中の存在》を出すが、ライブラリーを数えてウラモグの攻撃は受ける覚悟だ。

　しかし黒田も氷の中に封印された「恐怖」の変身に対応する術はない。変身しないことを祈りながら、盤面に《ワームとぐろエンジン》を追加し《絶え間ない飢餓、ウラモグ》でアタック。金川のライブラリーは残り数枚となり、勝機は《氷の中の存在》しかない。

　黒田のエンドに《思考掃き》。そしてメインに入り、《信仰無き物あさり》。このドローで手札に《信仰無き物あさり》と《選択》を引き当てた！！

　2度目の《信仰無き物あさり》を唱え――

　……というところで、金川はハッと、追放領域と墓地にある土地を突然数え始める。そして金川はフェッチを切ってみると――

　「あれ‥‥《山》がない？」

金川 俊哉(山梨県)

　金川の土地はタップされた《蒸気孔》が2枚と、《島》、そして今生贄に捧げた《沸騰する小湖》の4枚。

　《信仰無き物あさり》が、打てない。それは呪文は3つ目で止まってしまい、《氷の中の存在》が解凍できないことを意味していた。

　……だがこれは年末の魔物の仕業か。金川は2枚目の《蒸気孔》から赤マナを生み出したはずなのに、マナはないと思い込んでしまった。つまり2回目の《信仰無き物あさり》は、唱えることができたはずなのだ。

　勝利を手に取ろうとした瞬間、魔物の悪戯によって金川の手から、白星が零れ落ちた。

黒田2-1金川