By Yohei Tomizawa
さて、本日の回戦数が折り返しを迎えたところで、フォーマットもレガシーへと変更する。これよりレガシー民の本領発揮といったとこだろうか。
このラウンドでフィーチャーするのは「プロツアーやグランプリで最近よく対戦するんだよ」という行弘 賢と坪内 友哉の2人。
押しも押されぬプラチナレベルプロ、行弘 賢。彼の戦績を上げればキリがないが、今シーズンに入ってから既に『グランプリ・名古屋2018』優勝し、先日開催された『ワールド・マジック・カップ2018』では森山・難波の若い2人を牽引し、見事ベスト8まで勝ち進んでいる。また、来年から始まる「マジック・プロリーグ」の初期メンバー32名にも選ばれ、名実ともに日本のトッププロと言って過言ではないだろう。
その行弘と軽快なトークを続けるのは坪内 友哉。こちらも『グランプリ・神戸2017』トップ8入賞、『プロツアーイクサラン』では10位と素晴らしい結果を残しているシルバーレベルプロだ。
何よりも坪内が所属する愛知のチーム「えぬきる」は、元々はレガシーを主軸に活動してきたというのだ。このラウンドが始まることを誰よりも心待ちにしていたことだろう。
これより『The Last Sun 2018』、レガシーラウンドの幕が開く。
Game1
後手の坪内が《沸騰する小湖》から《島》をフェッチすると、行弘はほっと胸をなでおろした。「赤単プリズンでなくてよかった」と。
互いに《思案》を打ち合う序盤戦、先に仕掛けたのは坪内だ。3ターン目に《水蓮の花びら》をキャスト。
《Volcanic Island》を見て「デルバー」系のデッキを想像していた行弘は「そっちかー」と、思わず。「奇跡」を使用する行弘的には当たりたくない「スニークショー」だ。
この《水蓮の花びら》が解決したことを見届けると、坪内はセット《古えの墳墓》から《実物提示教育》。《呪文貫き》はケアされ、解決策は《意志の力》しかない。
行弘の手に《意志の力》は、ない。
それでも《実物提示教育》を打ち消さないことには敗北必死となってしまうため、探しにいくしかない。先ずは《呪文貫き》で坪内のマナをすべて寝かせ、《予報》をキャストし、確認済みの《剣を鍬に》を落とす。この2ドローに全てをかけたのだ。
そして、行弘がキャストしたのは《意志の力》!坪内の手に《意志の力》はなく、ここは行弘に軍配が上がる。
だが、坪内も負けてはいない。休む暇を与えず二の矢として《騙し討ち》をキャストする。
行弘は再度トップした《意志の力》で応える。これには坪内も思わず「しびれますねえ。」と一言。
打ち消せたものの、この代償は大きく行弘の手札は僅か2枚。土地も3枚しかなく、3度目の仕掛けよりも早くビートダウンを完遂しようとタップアウトで《僧院の導師》を召喚する。
坪内の《渦まく知識》によりあわや3度目のコンボ達成かと思われたが、流石に手が切れたのか、大人しくエンド。そう、生き延びたのだ。
《瞬唱の魔道士》から《思案》でトークンを生成しつつ、《相殺》の種も仕込む。行弘はアタックを宣言し、度重なった《古えの墳墓》のダメージと合わさり、坪内のライフは10に。
フェッチランドでライブラリーをリフレッシュしすると、坪内のドローは《騙し討ち》!これさえ通ればまだ、勝負はわからない。最後の勝負と《水蓮の花びら》でマナを増やした後に、キャストする。
行弘の手からは3枚目となる《意志の力》。
坪内 0-1 行弘
Game2
互いに《渦まく知識》とフェッチランドを組み合わせ、手札の質を高めていく序盤戦、先ずアクションを起こしたのは先手の坪内だ。《僧院の導師》対策にと《渋面の溶岩使い》を召喚する。
キャントリップスペルと固定砲台により坪内有利と思われたが、なんと坪内の土地が2枚でストップ。《定業》で3枚目までたどり着くも、そこからいくら掘り進めようが伸びない。完全にマナスクリューとなってしまう。
行弘は連打される軽量ドローは意に介さず、淡々とドローを進め、攻め時を見定める。
そして坪内が4枚目の土地を探して2枚のドロースペルをキャストしたエンドに、満を持して《瞬唱の魔道士》を召喚する。墓地に見えるは《渦まく知識》だ。坪内はこれに《紅蓮破》で応じ、行弘は手札から《渦まく知識》をキャストし整える。
タップアウトした坪内に、行弘が突き付けたのは《僧院の導師》。《渋面の溶岩使い》もなんのそのといった感じで召喚すると、そのままターンを返す。
スクリュー状態の坪内を介錯するように現れた《僧院の導師》に対し、自身のターンで《渋面の溶岩使い》を起動するが、行弘は《紅蓮破》を対象に《外科的摘出》をプレイ。《削剥》も《対抗呪文》し、結果的に行弘の場にはトークンが2体生まれ、坪内は手札から《紅蓮破》を奪われてしまう。
何よりも痛手なのはこれにより坪内の手札が公開となってしまったことだ。《ゴブリンの熟練扇動者》、《引き裂かれし永劫、エムラクール》、《実物提示教育》、《騙し討ち》、《ヴェンディリオン三人衆》と能動的なものばかりだと判明してしまう。
安全確認が済み、行弘は《先触れ》で今度はライブラリーを検閲し、《議会の採決》で《渋面の溶岩使い》を対処する。果敢により膨れ上がったクロックは10点となり、坪内に残されたターンは1ターンとなってしまう。
坪内はドローするが、それは土地ではない。例え《実物提示教育》で《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出したとしても、横からすり抜けたトークンと果敢が合わされば致死ダメージとなってしまう。
悩みに悩んで、最良の選択肢であろうと《ヴェンディリオン三人衆》を召喚する。
突き刺さる《紅蓮破》。そう、全ては行弘の掌の上。
坪内 0-2 行弘