Deck Tech: 宮脇猛(愛知)の「青黒フェアリー with 《難題の予見者》」

By Yamasaki Takumi

　青黒フェアリーと言えば高橋優太を思い浮かべる人も多いだろう。

　しかし、この美しい部族に見惚れたプレイヤーは高橋だけではない。

宮脇猛(愛知)。

　このThe Last Sun2018の上位卓で《呪文づまりのスプライト》や《苦花》、《難題の予見者》といった美麗なフェアリーたちと共に戦うプレイヤーの一人だ。

　その盤面には確かにフェアリーの中に紛れて戦う《難題の予見者》の姿がそこにはあった。見慣れないカード選択をしている青黒フェアリーに興味が湧き、デッキについて話を伺った。

フェアリーと共同する者

――「このデッキはどういったデッキなんでしょう？」

宮脇「基本的には普通の青黒フェアリーですね。ハンデスやカウンターで妨害しながら《苦花》やプレインズウォーカーで戦います」

――「いつごろから使っているんですか？」

宮脇「テーロスからマジックに復帰して、最初はスタンダードで遊んでいたんですが、モダンで《苦花》が解禁されてからずっと使ってますね。もともとフェアリーという部族が好きなんです。」

――「《難題の予見者》は珍しいですね。どういった理由で採用されているんでしょうか？」

宮脇「最初に普通の青黒フェアリーを使っていて、気づいたことがありまして。《ヴェンディリオン三人衆》はコンボ相手に強いんですが、タフネスが1で脆く《未練ある魂》などに弱いので感触があまりよくありませんでした。《霧縛りの徒党》も場にフェアリーがいないと使えないのでリスクがあるカードなんです」

――「回していくうちに不満点が見つかったんですね」

宮脇「そこでなにか良いカードはないかと探していて、辿り着いたのが《難題の予見者》なんです」

宮脇「このカードは単体で強く、ハンデスからタフネス4と火力で触りずらい部分もあってフィニッシャーにもなるんですよね。フェアリーって全体的にカードパワーが少し低いんですけど、その隙を埋めてくれる丁度良いカードなんです」

――「なるほど。その強さに気づいてからずっと使っていると」

宮脇「そうですね、今年の8月に開催されたETERNAL WEEKEND Asia 2018で試しに使ってみたら感触が良くて、8-2することができました」

――「凄いですね。ところで無色マナ源として《ウェストヴェイルの修道院》が採用されていますが、このカードの強みはどういったものになるのでしょうか？」

宮脇「《苦花》を使ってると盤面は並ぶんですけど、ライフがキツくなってくるんですよね。なのでトークンを餌に変身させて一気にライフを回復しようという算段です。不意打ちできるんで意外と決まるんですよね。置いていると相手が少し動きづらそうにしてくれるのもメリットです。」

――「メインに1枚だけ採用されている《胆汁病》が渋いですね」

宮脇「スピリットや人間は同名カードが多く、《カマキリの乗り手》なんかをまとめて除去できるんです。マイナス修正なので《無私の霊魂》にも耐性があります。最近流行っている《弧光のフェニックス》デッキにも良い働きをしてくれて、墓地から複数体帰ってきてもまとめて流せちゃいます。」

――「確かに。結構活躍できるカードなんですね」

――「サイドボードにも普段見慣れないカードが入っていますね。《徴用》はどのデッキ相手に入れるんでしょうか？」

宮脇「基本的にはトロン相手にサイドインします。コストは辛いんですが、相手の《解放された者、カーン》など大ぶりのアクションを奪って戦います」

宮脇「同じ様な理由で《龍王シルムガル》も入っていて、ハンデスなどでサポートしてから相手の脅威を奪ってしまおうと。奥義前のプレインズウォーカーを盗ったりと、結構汎用性が高いので気に入ってます。まったくケアされないので、分からん殺し度合いが高いのも良いですね。」

――「それでは最後に、このデッキの魅力を願いします」

宮脇「青黒フェアリーは固定パーツが少なくて、デッキのカスタマイズがしやすいんですよね。なので試したいカードがあればどんどん試せます。是非、自分なりのフェアリーデッキを作ってみてください！」

――「ありがとうございます！」

　独自のチューンナップが施された青黒フェアリーを使いこなす宮脇。

　フェアリーへの愛はデッキをまた一つ新しいものへと昇華させた。少し変わった青黒フェアリー with 《難題の予見者》をお試しあれ。