By Wataru Otsuka
2日間のイベントも終わりが見えようとしている。あるプレイヤーはすでに決勝進出を決め、IDを選択しているのだ。
しかしここに座った2人はもう後がない。すでに3敗。あと2ラウンド、負けた瞬間決勝への望みは絶たれる。
石井 泰介。「マンモスさん」の愛称で知られ、『グランプリ・北九州09』での優勝、『グランプリ・静岡17秋』TOP4と実績も十分だ。
対する小栗 寛樹もまたレガシー強豪の1人。今日は“秘密兵器”を持ち込み、決勝ラウンドへ挑む。
Game1
ゲームは1ターン目から動いた。
先攻、小栗が繰り出したのは《ニヴメイガスの精霊》!石井も思わずテキストを確認する。
石井はいぶかしげな顔をしながらも、小栗の《思案》に《呪文貫き》を撃ったところ、《狼狽の嵐》が!
これは通さざるを得ない石井。そして小栗は余ったストーム分を《ニヴメイガスの精霊》の餌にして、一気に5/5に成長させる。
石井「そういうことか」
石井のライフが10となったところで《ニヴメイガスの精霊》のアタック。石井がこれ通すと《稲妻》、続いて自分の稲妻に《目くらまし》、それを食べて7/7になり。ちょうど10点!
というところで石井が待ったをかけ、《狡猾な願い》。しかしこれにも《狼狽の嵐》が突き刺さる。
石井に猶予を与えない《ニヴメイガスの精霊》が、小栗に勝利をもたらした。
石井 0-1 小栗
Game2
石井の1ターン目は《真髄の針》。先ほど上手くやられてしまった《ニヴメイガスの精霊》を指定する。小栗は《秘密を掘り下げる者》でスタート。
石井は続いて《漸増爆弾》でクリーチャーの展開を牽制しにかかる。
しかし石井は手札に《全知》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》を抱えるが、《実物提示教育》が来ない。
小栗は《秘密を掘り下げる者》を変身させつつドロースペルを重ね、手札を整えていく。
いつ《漸増爆弾》を使うか。石井は悩みつつもライフを7まで減らしたが、これ以上は……と次のアタックで《漸増爆弾》を起動。
クロックがなくなった小栗、追加のクリーチャーが出るかと思いきや、静観を続け、そのままお互いのドローゴーが続く。
引き当てた石井の《実物提示教育》は《紅蓮破》、《裂け目の突破》は《水流破》とライフは攻められないものの、コンボはなかなか通らない石井。小栗もカウンターは持っているが、ゲームを決めるクリーチャーを引けない。カウンターが尽きるのが先が、石井のライフを減らすのが先か。
先に勝利に近づいたのは、《若き紅蓮術士》を引き当てた小栗だった。
そしてなんとか《実物提示教育》を引きたい石井のドローステップに、小栗の無慈悲な《外科的摘出》が。対応して《渦まく知識》。勝ち手段はこれしかない。これだけは抜かれるわけにはいかない。
最後の希望の、《渦まく知識》……しかし、デッキは答えてくれず。勝ち手段を失った石井は、堂々と対戦相手を讃えた。
石井 0-2 小栗