By Yohei Tomizawa
Round14開始時点で10勝3敗。泣いても笑っても、ここを勝つことでしか先に進むことはできない。所謂バブルマッチでの対戦がこれより行われる。
レガシーを中心にプレイする小栗 寛樹は「テゼレッター」の愛好家が集まる“テゼレットグループライン”にて活発に意見交換をしてきた。ただし、モダンとの兼ね合いから今回は使用を見送り、持ち込んだのは「青赤デルバー」となっている。
山下 善旗はプロツアーを目指す競技プレイヤーであり、どのフォーマットも万遍なくプレイする。普段はファミコンランド小松店で大会に参加し、ほかのプレイヤーたちと切磋琢磨しているとのことだ。
バブルの最終戦にもかかわらず山下に余裕が感じられるのは、2敗で迎えた本日の初戦を寝坊により落としてしまったからかもしれない。背水の陣で挑むというより、負けても寝坊した自分が悪いと吹っ切れた。その余裕が、ここまで後押ししてきたのかもしれない。
決勝ラウンド進出をかけた戦いの、火蓋が切られた。
Round14: 山下 善旗(石川) vs. 小栗 寛樹(岐阜)
Game1
先手の山下は《魂の洞窟》で人間を指定するとサモン《ルーンの母》。小栗は《Volcanic Island》から《秘密を掘り下げる者》で応じる。
《剣を鍬に》は《意志の力》と譲らず、厄介な《魂の洞窟》を小栗は《不毛の大地》割る。続けるのは《ニヴメイガスの精霊》。
小栗 寛樹
現状クロックこそ止まらないものの、来るべき時に備え山下は《リシャーダの港》で小栗の動きを封じていく。
動きを封じられる前にと小栗は《リシャーダの港》の起動にスタックして《渦まく知識》を唱え、すぐさま《昆虫の逸脱者へと変身し、上空からの早期決着を目論む。
この3点クロックは山下のライフを13まで削るが、2枚目の《剣を鍬に》の餌食となってしまう。
クロックを排除すると今度は《不毛の大地》連打し、《リシャーダの港》を起動することで小栗の動きを徹底して封じ込める。二の矢である《ニヴメイガスの精霊》も《宮殿の看守》で除去され、ドローエンジンまで作られてしまう。
余剰ドローによってもたらされた《不毛の大地》が容赦なく《Volcanic Island》を割り、ダメ押しと《スレイベンの守護者、サリア》が場に出ると、小栗はサイドボードへと手を伸ばした。
山下 1-0 小栗
Game2
《不毛の大地》をケアして《汚染された三角州》から《島》をフェッチすると、小栗は《秘密を掘り下げる者》。続くターンに《粉々》で《霊気の薬瓶》を割るが、タップアウトの代償としてクロックを除去されてしまう。
《ルーンの母》は《削剥》、《石鍛冶の神秘家》は《目くらまし》と1対1の交換は続くが、小栗が《渦まく知識》をキャストするに至っては、一歩リードのように思えた。
山下 善旗
しかし山下の《石鍛冶の神秘家》は無事解決され、伝説の装備品《梅澤の十手》を導く。この《梅澤の十手》のバックアップの元ダメージレースがスタートすれば、山下の優位は不動のものとなる。
小栗の手にカウンターこそないが、パーマネント対処手段は豊富にある。《削剥》で見事に除去。
それでも、小栗ができたのはここまでだった。カウンターを持たないため《ちらつき鬼火》の着地を許し、《石鍛冶の神秘家》をブリンクすることで、攻防一体の《殴打頭蓋》をサーチされてしまう。
小栗も《渋面の溶岩使い》を召喚するが、どうしても一手遅く《殴打頭蓋》による4点クロックがスタート。その4点クロックを《リシャーダの港》でサポートすれば、山下の勝利は揺るがないものとなった。
山下 2-0 小栗
