By Wataru Otsuka
190人が年末の太陽を目指し2日間を戦って、たった8名のみが残された。
――ついにここまでやってきた。The Last Sun2018決勝ラウンド。ここではその一卓、渡邉 公平と長谷川 裕の対戦をお送りする。
モダンでは青赤フェニックス、レガシーでは青赤デルバーとイゼット尽くしの渡邉に対し、モダンはタイタンシフト、レガシーはエスパー石鍛冶を操る長谷川。この決勝ラウンドはお互いのデッキリストを確認し、スイスラウンドの順位が高い方がモダンかレガシーか、どちらで戦うかを選ぶことができる。
フォーマットの決定権がある渡邉はじっくりと長谷川のデッキを確認し、スイスラウンドを全勝しているモダンを選択した。
先手渡邉、即キープ。長谷川も7枚をキープし、他のテーブルの準備を待つ。お互いに緊張しているのか、何か落ち着かない様子だ。何気ない会話を交わしつつも、普段とは違うものを感じ取れる。やがて……
ヘッドジャッジ「なにぶんかかっているものが大きいので、観戦する皆様は表情などが相手の方に伝わらないようご配慮お願いいたします」
いつもよりも仰々しいヘッドジャッジのアナウンスが、ゲーム開始のゴングを鳴らした。
Game1
まずは長谷川の《明日への探索》、続けて長谷川は《カルニの心臓の探検》で土地を伸ばす準備を進める。
渡邉は《氷の中の存在》。3ターン目に《魔力変》、宣言(青)(青)から《思考掃き》。続けて《選択》。そして《血清の幻視》によってすぐさま恐怖が顔を出す!
ともすれば長谷川はゲームを急ぐ必要に迫られる。ひとまず「待機」が明けた《明日への探索》を解決し、さらに《桜族の長老》を立たせて《氷の中の存在》の攻撃を受け止める体勢に。
次から次へ土地を伸ばす長谷川を前に、渡邉もまた刻一刻と時限爆弾の針が進んでいることを意識せざるを得ない。《炎の斬りつけ》で《桜族の長老》を露払いし、《氷の中の存在》で攻勢を仕掛ける。その強烈な一撃は長谷川のライフを削りきるには至らないまでも、十分すぎるほどに重いものだった。
だが、返すターンにはクエストを満了した《カルニの心臓の探検》を生贄に捧げ、長谷川の土地はセットランドを含め8枚。
そして……
渡邉 0-1 長谷川
渡邉「初手見た時勝ったと思ったんだけどな~(笑)」
お互いベストな動きをしたが、《カルニの心臓の探検》を挟んだ長谷川が一歩早かった。
Game2
再び先手の渡邉。「微妙!」と言いながらもキープを宣言し、《蒸気孔》から《思考掃き》スタート。長谷川は安定の1ターン目《明日への探索》だ。
渡邉は続くターン《高山の月》で《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を指定。対する長谷川は《減衰球》と、サイドカードでけん制し合う。
次のターンで渡邉は《氷の中の存在》を出し、「待機」が明けた長谷川の《明日への探索》は《白鳥の歌》でカウンター。さらに2体目の《氷の中の存在》を追加し、長谷川はこれを《強情なベイロス》で迎え撃つ格好となった。
これに対して渡邉は終了ステップに《思考掃き》、メインで《魔力変》。さらに《減衰球》の上から《魔力変》を3マナ払って、1体目を変身させる。
《強情なベイロス》と白鳥がバウンスされると、もう間に合わないと判断したのか、長谷川は次のドローを確認してすぐに片づけた。
渡邉 1-1 長谷川
Game3
後手の渡邉、大きく息を吐き、気合も入れ直して《血清の幻視》。長谷川は2ターン目の《桜族の長老》でスタートだ。
渡邉はまたしても《氷の中の存在》。だがこれを長谷川は《炎の斬りつけ》でしのぐ。
渡邉は《僧院の速槍》とスペルを連打し《弧光のフェニックス》で長谷川を追い込む。
次のターン、渡邉は勝負に出た。《思考掃き》2連打、そして《信仰無き物あさり》。墓地から2体の《弧光のフェニックス》が蘇る。さあ、次はラストターン。
長谷川は7マナ揃うが、手札には勝ち手段がない。残された希望は《大祖始の遺産》。
最後のドローで引いたのは……
またしても。
渡邉 1-2 長谷川