By Yohei Tomizawa
気が付けば時刻はもう17時。そして190人いた参加者も、8人を残すのみとなった。平成最後の大型イベントThe Last Sun 2018もいよいよ準々決勝に差し掛かり、予選ラウンドを勝ち抜いてきたタフなプレイヤー同士の対戦が行われる。
まずは今一番勢いがあるチームであろうOnogamesより増門 健太。先日のグランプリ・静岡2018(スタンダード)トップ8の棚橋 雅康、前日に開催されたThe Finals 2018で見事優勝を果たした渡邊 崇憲。彼らが所属しているのがOnogamesであり、増門もその一員である。
対するは5連勝で見事決勝進出を決めた山下 善旗。オールラウンドプレイヤーはクリーチャー主体のミッドレンジデッキを手にここまで勝ち進んできた。北陸在住のため、レガシーの練習場所にはしっかりとMaples杯とクレジットされている。
予選ラウンド2位通過の山下が選択したのは“レガシー”。これにより増門の「青黒リアニメイト」と山下の「デス&タックス」のマッチアップがスタートする。
Game1
両者マリガンを宣言すると、山下の《霊気の薬瓶》で準々決勝が開始した。
だが、増門の動きはその遥か上をいった。《暗黒の儀式》から《納墓》、そして《再活性》。
1ターン目にして降臨する《グリセルブランド》が7枚のカードをもたらし、ディスカードステップに《潮吹きの暴君》を捨てると、増門の長い1ターン目が終わる。
このデーモンを山下は除去できず、続く増門のドローが《死体発掘》だったことで、さらに盤面に《潮吹きの暴君》が追加される。
山下は打開策を求めんと《護衛募集員》を唱えるが、そこへ撃ち込まれるのは《グリセルブランド》で引き込んでいた《意志の力》。
増門 1-0 山下
決勝ラウンドからはデッキリストが公開になっており、サイドボード中に確認することができる。何が投入され抜かれるのか互いに想像し、その上で自身のプランを決めていく。
Game2
再び、増門の「リアニメイト」が火を噴く。山下が置いた《カラカス》を考慮し、《思考囲い》で《グリセルブランド》ではなく《墓所のタイタン》を落とすと、《水蓮の花びら》から《死体発掘》! 今度は1ターン目にして10点クロックを用意する。
だが、山下とて対策がない手札をキープするわけがない。《墓所のタイタン》へ《剣を鍬に》をキャストすると、2ターン目には《スレイベンの守護者、サリア》で増門の動きを縛りにかかる。
先ほどのオールインによりほとんどのリソースが枯渇してしまい、増門は《スレイベンの守護者、サリア》と《リシャーダの港》によって動きを封じられてしまう。《封じ込める僧侶》こそ《意志の力》で切り伏せるが、《護衛募集員》と《ちらつき鬼火》のタッグには対抗手段を持たない。
《聖域の僧院長》、そして《石鍛冶の神秘家》が召喚されると、《梅澤の十手》をまとって上空から《ちらつき鬼火》が襲い掛かる。
この状況を打開できるカードはなく、増門は悔しそうにつぶやく。
増門「《グリセルブランド》、、、釣るべきだったな。」
増門 1-1 山下
Game3
増門待望の先手。それは山下が《意志の力》を持たず、マナがないことには干渉手段が乏しいためだ。だからこそ、極上の手札を求めて増門はダブルマリガンする。Onogamesの仲間が見守る中、5枚の手札をキープすると《思考囲い》により開始する。
相手の出鼻を挫くはずの《思考囲い》。しかしそこには、絶望が広がっていた。
その手札にあった《安らかなる眠り》を落としてなお残されたこの対策カードの嵐。これを乗り越えるには増門はさらなる《思考囲い》を引き込むか、手札から《墓所のタイタン》を用意するしかない。
しかし山下はトップデッキした《スレイベンの守護者、サリア》で2点クロックを開始。2度目の《思考囲い》によりあっという間に増門のライフは10点を切ってしまう。
わずか2点。その2点で十分なのだ。増門は墓地も使えず、手札もない。ここにきてダブルマリガンが重くのしかかる。打開策を求めるも、残された時間はほとんどない。
祈りは通じず、《スレイベンの守護者、サリア》前に増門は膝を屈した。
増門 1-2 山下