Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2019/01/11)
マジックの新時代
やぁみんな!いつも晴れる屋のコンテンツを見てくれてありがとう!
前回の記事から大分時間が経ってしまったね。あれからどうなったかというと、マジック・プロリーグに参加する32名に入ることができた。これは個人的にもプロプレイヤーとして大きな一歩だし、マジック全体にとっても大きな一歩になった。Magic: The Gathering Arena(以下MTGアリーナ)は、誰も想像しなかったような世界までマジックを導いてくれるに違いない。
eスポーツのチャンネルをチェックしている人なら知っていると思うけど、MTGアリーナが各所で話題になっているんだ。来年ウィザーズが賞金として支払う額もね。時代の寵児になったことで、計り知れない恩恵が生まれ、マジックにもプレイヤーにも還元されるだろう。
MTGアリーナの熱は本当にすごいから、まだMTGアリーナをやったことないなら、自分のマジック生活を見直した方が良い。紙媒体でマジックをやっていると、カードをいっぱい持っていることは大事だよな?上位のランクに入っているアカウントを持ってることもそれと同じぐらい大事だ、といえば事の重大さをわかってくれるかな?
ワールド・マジック・カップ2018
とにもかくにも2019年は楽しみな年になる。でもその前に、去年のことを話しておこう。ワールド・マジック・カップ2018がどうなったかだ。昨シーズン、俺はブラジルでもっともプロポイントを稼いだからワールド・マジック・カップに参加できた。これはとても名誉なことだ。だってブラジルには、ティアゴ・サポリート/Thiago Saporitoやルーカス・ベルサウド/Lucas Berthoud、パウロ・ヴィター・ダモダ・ロサ/Paulo Vita Damo Da Rosaといった強豪がいるんだからね。ブラジルはマジック強豪国だと俺は思っている。ブラジルから3名もマジック・プロリーグに輩出しているけど、これより多いのはアメリカと日本ぐらいじゃないかな。
ワールド・マジック・カップに話を戻そう。実は俺はあまり時間に余裕がなかったし、大会に向けた調整に身を入れることができなかった。知らない人のために言っておくと、俺はショップのオーナーであり、昨シーズンの終わりのころは忙殺されていた。それにマジック・プロリーグの発表があったから、それのことで頭がいっぱいになっていたんだ。ワールド・マジック・カップという大きな大会なのに、こんな態度が決して褒められたものじゃないとはわかってるさ。でも、俺はみんなに嘘をつきたくないし、これらすべてと向き合う必要があったってことを知ってほしかったんだ。
ブラジル代表のチームメイトとデッキ選択
On this photo you can see one of the best trios in the world. The other trio is just Neymar, Messi and Suarez. pic.twitter.com/i11NF7UkkP
— Carlos Jaba Romao (@Jabsmtg) 2018年12月13日
そんななか、俺にとって幸運だったのは、チームメイトが二人とも猛者だったことだ。練習の段階で彼らには全幅の信頼を寄せていたから、彼らが調整で積み上げてきた過程をすべて信じることができた。チームメイトのルーカス・カパロス/Lucas Caparrozとファブリシオ・ロドリゲス/Fabricio Rodriguezは、常軌を逸していると思うぐらいに調整と議論を重ねていたから、俺は彼らのアイディアをいくつか参考にさせてもらった。
ルーカスはブラジルの新たなライジングスターだと俺は思っている。彼はミシック・チャンピョンシップ・クリーブランドの出場権利を持っているし、直近の2つのプロツアーにも参加している。みんなが彼の活躍を耳にする日もそう遠くないだろうね。ファブリシオは、以前までeスポーツのプロであり、今はすべての時間をMTGアリーナのために注いでいる。この2人の名前は覚えておくと良いだろう。
チームメイトの2人は、チームスタンダードで使う最高の3つのデッキを用意してくれた。ゴルガリミッドレンジ、セレズニアトークン、イゼットドレイクだ。この3つのデッキはどれも、多くの相手と上手く戦うことができる。俺も素晴らしいデッキ選択だと思った。欲を言えば、イゼットドレイクとジェスカイコントロールを使いたかったけど、採用するカードが被りすぎていたね。
俺はイゼットドレイクを使うことになった。デッキリストは、ワールド・マジック・カップの前週に開催されたStarCityGames.com Invitationalを優勝したものと同じものだ。最高のデッキリストだと思ったし、俺もイゼットフェニックスよりもイゼットドレイクが使いたかったんだ。今の環境では《潜水》が本当に強いからね。クリーチャーを守れるし、環境の除去は2マナから4マナぐらいであることが多いから、1マナでそれを無力化できるのはテンポ的にも優れているんだ。
あと、メインデッキに《パルン、ニヴ=ミゼット》を採用しているのも良いね。《パルン、ニヴ=ミゼット》がゲームを支配するところ、みんなは見たことあるかな?俺もその活躍ぶりに惚れ込んだね!このデッキは1本目のゲームに関しては環境でも最強だと思う。苦手なのは、盤面をクリーチャーで埋め尽くすようなデッキだけだよ。
個人の成績
蓋を開けてみると、ゴルガリミッドレンジがサイドボードに採用している、イゼットドレイク対策のカードへの弱さが露呈してしまった。《疫病造り師》は、イゼットドレイクが採用しているどのカードでも止めることができないから、太刀打ちできないほど厄介なカードだ。また、調整不足が原因で、イゼットフェニックスとのゲームで大失態をしてしまった。そもそものゲームプランがまったく間違っていて、相手のドレイクをブロックするために自分のドレイクを守りに回すべきだった。結果的に俺は相手のドレイクにライフを大きく削られてしまい、複数枚の《ショック》で直接ライフを狙われて負けることになってしまったんだ。
ここでの教訓は、調整は必須だということ。環境のあらゆるデッキに対し、どういうプランを使うのかを事前に知っておくべきだ。実際にゲームが始まってからプランを考えるのは、現実的ではない。この大失態のせいで2日目に進出できず、俺は少し自分に腹を立ててしまった。なぜもっと調整に時間を使わなかったんだと、自分を責めたんだ。
イゼットドレイクのアップデート
俺がこのデッキリストにアップデートを加えるとすれば、メインデッキに2種類のカードを入れる。まずは、《イゼット副長、ラル》だ。こいつがいればゴルガリミッドレンジやミラーマッチで有利に戦える。そして2枚目は、《つぶやく神秘家》。この2種類のカードを入れるために枠をあけなくちゃいけないけど、俺ならメインデッキの《奇怪なドレイク》と《標の稲妻》を1枚ずつ抜くかな。デッキに採用しているカードのマナコストが少し重くなってしまうけど、このデッキならまったく問題ないはずだ。
ブラジル代表の成績
最終的に俺たちは、最終ラウンドを引き分けで終えてしまい、2日目に進出できなかった。ルーカスは勝ち、俺は青赤ドレイクに負け。セレズニアトークンを使うファブリシオはボロス相手に引き分けてしまった。ファブリシオの対戦は、1本目も2本目もとても長引いてしまい、両者がクリーチャーを大量に並べるまでゲームの勝敗がつかなかったんだ。こういった戦闘は30を超える数のクリーチャーが関わってくるから、尋常じゃないぐらい時間がかかってしまうわけだ。
確かにフラストレーションが溜まる展開もあったけど、チームとして素晴らしい時間を過ごせたと思う。旅も良かったし、リラックスしていた。だからバルセロナの観光も楽しむことができた。たとえ大会の結果が芳しくなくても、ヨーロッパには観光スポットがいっぱいあるし、マジックで世界を回る魅力はこういうところにあると思う。確かに大会に集中しなくちゃいけないけど、旅を楽しく、仲間と楽しく過ごすことも大切なんだ。
MTGアリーナでもイゼットドレイクを使おう
イゼットドレイクだけど、MTGアリーナでランクを上げたい人にもおすすめできると思う。ランクマッチは1本勝負だから、《焦熱の連続砲撃》のような本来ならサイドボードのカードをメインデッキに入れておくと良いかもね。ボロスやセレズニアとの相性を改善できるし、相手もまさかメインデッキに《焦熱の連続砲撃》が入っているなんて思ってないだろう。もちろん環境にはコントロールデッキもいるし、ミラーマッチも想定されるから、採用枚数を多くし過ぎてもいけない。でも、1枚とか2枚ぐらいであれば問題ないだろうし、役に立つ場面ではとても頼りになると思うよ。
新時代を共に歩もう
ぜひ俺のTwitterもフォローして欲しい。アカウントは@Jabsmtgだ。MTGアリーナの配信もすぐに始める予定だから、そこでみんなに会えることを楽しみにしているよ。
配信は英語でもポルトガル語でもやる予定で、どちらの言語を使う人でも楽しんでもらえるようにする。ポルトガル語で配信する必要性は高いと感じている。ブラジルのプレイヤーは、こういったコンテンツを必要としているからね。それに、俺たちの愛するマジックが新時代を迎えるんだから、彼らにもこの時代の流れに乗って欲しいんだ。
今回もお付き合いいただきありがとう!ではまた会おう!