Hareruya Prosと一緒にドラフトしよう! ~『ラヴニカの献身』編Part1~

Jeremy Dezani

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2019/05/01)

みなさんこんにちは!

今回は、今現在MTGアリーナのランク戦でプレイできる『ラヴニカの献身』でドラフトをしていこうと思います。

1パック目の8手目までをシミュレーションし、Hareruya Prosたちに何をピックするか聞いてきました。

この度の記事に参加してくれた親切なプレイヤーたちを紹介しましょう。

Drafting with Hareruya Pros

彼らについてもっと詳しく知りたい方はHareruya Prosの選手ページをご覧ください。

今回の記事の見どころは、彼らが同じカードを選択するのかどうかです。

ドラフト

1手目

強撃/脅威舞台照らし聖堂の鐘憑き門の巨像組織の伝書使
珊瑚の猛士大ムンクルス血に飢えた影奇怪な死瓦礫帯の世捨て人
石のような強さ鋭射手の斉射アゾリウスの騎士判事小走りワニグルールのギルド門

グレゴリー・オレンジ

門の巨像

とてもサイズの大きいクリーチャーですし、有効活用するにはそこまで多くのギルド門を必要としません。

マルシオ・カルヴァリョ

門の巨像

《強撃/脅威》《門の巨像》の2択だね。《門の巨像》はアーティファクトで色を選ばないし、『ラヴニカの献身』のベストアンコモンだと思うから、俺はこいつを選ぶかな。

ケルヴィン・チュウ

奇怪な死

環境内で屈指の除去呪文です。この環境でオルゾフが好きだから、というのもありますね。

アーネ・ハーシェンビス

門の巨像

とても強いパックですね。《強撃/脅威》《舞台照らし》《聖堂の鐘憑き》《門の巨像》《奇怪な死》。どれも初手として申し分がありません。個人的には、《舞台照らし》《聖堂の鐘憑き》《奇怪な死》は、《強撃/脅威》《門の巨像》よりワンランク下のカードだと思います。

《強撃》はラクドス、シミック、グルールの3つのギルドで使用できる、インスタントタイミングの《狂気の一咬み》であり、受けが広いため、安全な初手ピックです。しかし、最終的に十分な数のギルド門をピックできた場合には、《強撃/脅威》よりも《門の巨像》に軍配が上がります。

ギルド門デッキは『ラヴニカの献身』ドラフトにおいてとても強力ですから、僕は《門の巨像》の方を取りたい気持ちが強いですね。《強撃/脅威》をピックする人がいてもおかしくないですが、僕は《門の巨像》をピックし、このカードを軸にしたデッキを構築したいと思います。

2手目

債務の聖職者渦巻く激流ごみ引きずり拘引者の熱情護民官の重鎮
賢者街の学者スライム縛り珊瑚の猛士地底街のゴミあさり瓦礫帯の世捨て人
アゾリウスの騎士判事瓦礫の投げ手シミックのロケットオルゾフのギルド門

グレゴリー・オレンジ

債務の聖職者

《債務の聖職者》は多大なるアドバンテージを生み出しますからね。

マルシオ・カルヴァリョ

債務の聖職者

《債務の聖職者》《アゾリウスの騎士判事》かで迷うね。《アゾリウスの騎士判事》の方が若干強いと思うけど、《債務の聖職者》であればオルゾフでもアゾリウスでも使えるから、受けを広く保っておける。

ケルヴィン・チュウ

債務の聖職者

対戦相手が2体のスピリットトークンを与えたくないと考えれば、《債務の聖職者》は地上からの攻撃を防いでくれます。また、《最後の支払い》の生け贄のコストとしてもありがたい1枚ですね。

アーネ・ハーシェンビス

オルゾフのギルド門

先ほどのパックに比べると、大分見劣りしますね。選択肢は《債務の聖職者》《オルゾフのギルド門》です。オルゾフはとても強いギルドであり、《債務の聖職者》も同様に強力です。ですが、初手が《門の巨像》であることを考えると、できるだけ早い段階から可能な限り多くのギルド門をピックし、卓での自分の立場を確たるものにしておきたいと思います。

3手目

ザル=ターのゴブリンエリマキ神秘家公判への移送精神純化ラクドスのラッパ吹き
焦印瓦礫帯の世捨て人破壊獣欲深いスラルラクドスのロケット
成長のらせんエアロムンクルスオルゾフのギルド門

グレゴリー・オレンジ

エリマキ神秘家

すでに白のカードをピックしているので、《欲深いスラル》ではなく《エリマキ神秘家》を取るのはおかしいかもしれませんが、《エリマキ神秘家》が好きすぎるんですよね。

マルシオ・カルヴァリョ

欲深いスラル

オルゾフのベストコモンの1枚だ。ただ、忘れてはいけないのは《オルゾフのギルド門》を2枚も流してしまったことと、《門の巨像》をピックしていることだね。だから慎重に判断する必要があるけど、まだ1パック目だ。

ケルヴィン・チュウ

欲深いスラル

オルゾフにとって非常に優秀なフィニッシャーです。

アーネ・ハーシェンビス

欲深いスラル

緑のアンコモンのいずれかをピックする人もいると思いますが、僕は《欲深いスラル》がパックに入っていて大満足です。緑を含むギルドが特別好きな人間ではないので、可能な限り避けることにしています。飛行を持つ《包囲サイ》が流れてきたのですから、今のままの方向性で良さそうです。最終的な狙い目としては、エスパー、マルドゥ、ジェスカイタッチ黒、それからもちろんオルゾフも視野に入りますね。

4手目

塔の防衛教団のギルド魔道士公判への移送第10管区の古参兵速足ウツボ
死の歓楽炎樹族の蛮人瓦礫読み根の罠評議会のグリフィン
ヴィズコーパの吸血鬼シミックのギルド門

グレゴリー・オレンジ

シミックのギルド門

《門の巨像》のマナコストが軽くなりますし、マナ拘束の厳しい《エリマキ神秘家》のために役立つ1枚です。

マルシオ・カルヴァリョ

評議会のグリフィン

全体として弱いパックだから、見るべき点もあまりないね。

ケルヴィン・チュウ

死の歓楽

オルゾフはただでは死なないクリーチャーで満載ですから、《評議会のグリフィン》よりも《死の歓楽》で墓地からクリーチャーを回収する動きを優先させました。

アーネ・ハーシェンビス

評議会のグリフィン

悩ましいパックがきました。《教団のギルド魔道士》を取って、選択肢を広くしておくことも考えられます。現時点では、《ヴィズコーパの吸血鬼》《死の歓楽》よりも《評議会のグリフィン》の方が欲しいですね。僕は《評議会のグリフィン》を選択しましたが、《教団のギルド魔道士》の方が結果的に良かったとしても驚きはありません。

5手目

死の嘲り孵化/不和略式判決フェアリーの決闘者拘引者の忠告
野生のマーカ燃えさかる炎トカゲ体の混種スフィンクスの眼識ラクドスの人足
ラクドスのギルド門

グレゴリー・オレンジ

拘引者の忠告

このバウンス呪文は以前から好きですが、《フェアリーの決闘者》の可能性も考えました。

マルシオ・カルヴァリョ

略式判決

《ラクドスのギルド門》と僅差だと思うけど、1パック目だから色を固めることを優先させた。

ケルヴィン・チュウ

略式判決

大半のクリーチャーを対処できる優秀な除去です。

アーネ・ハーシェンビス

略式判決

これは明瞭かつ即決のピックです。シミックやアゾリウスが空いていそうですね。

6手目

荒野の再生再発生黄昏の豹第10管区の古参兵精神純化
大ムンクルス槍播き反逆の行動マンモスグモアゾリウスのギルド門

グレゴリー・オレンジ

アゾリウスのギルド門

《門の巨像》と相性が良いですし、《債務の聖職者》も使えるかもしれません。

マルシオ・カルヴァリョ

アゾリウスのギルド門

ほぼ迷うことなくギルド門をピックだ。他の選択肢としては《黄昏の豹》があるけど、ギルド門とは比較にならないね。

ケルヴィン・チュウ

アゾリウスのギルド門

必要に迫られれば、青をタッチできます。

アーネ・ハーシェンビス

アゾリウスのギルド門

6手目で《アゾリウスのギルド門》が流れてくるのは素晴らしい兆候です。完成度の高い青白タッチ黒、あるいは白黒タッチ青のコントロールに向けて良いポジション取りができていそうです。

7手目

協約のペガサスハズダーの士官しつこい請願者燃えさかる炎トカゲ体の混種
トカゲ体の混種評議会のグリフィン垂木の悪魔小走りワニ

グレゴリー・オレンジ

トカゲ体の混種

2ターン目に出しても、6ターン目に出しても強いカードです。これ以上望むものはないですよね。

マルシオ・カルヴァリョ

評議会のグリフィン

俺のドラフトしている色で良いカードはあまりない。《評議会のグリフィン》はどんな時でも手堅い1枚だ。特別良いっていうわけでもないけどね。

ケルヴィン・チュウ

評議会のグリフィン

良質なフィニッシャーであり、占術1も大きな価値を持ちます。

アーネ・ハーシェンビス

協約のペガサス

《評議会のグリフィン》よりも《協約のペガサス》を優先させたのは、エスパーカラーには強力な4マナ域が多く揃っているからです。対して《協約のペガサス》はエスパーにとって良質な2マナ域の1枚となります。

8手目

拘引者の熱情可能性の揺らぎ奈落への放逐摩損炎樹族の蛮人
斧折りの獣ラクドスの人足シミックのロケット

グレゴリー・オレンジ

斧折りの獣

できれば入れたくないようなカードしかありませんね。一番使う可能性が高そうなのは、《可能性の揺らぎ》《斧折りの獣》《シミックのロケット》です。

マルシオ・カルヴァリョ

奈落への放逐

悪くない除去だ。オルゾフであれば絶対1枚は欲しいね。

ケルヴィン・チュウ

奈落への放逐

相手のデッキにサイズの大きいクリーチャーがいれば、サイドインする可能性があります。

アーネ・ハーシェンビス

奈落への放逐

通常は1枚だけ採用するカードですが、時折2枚目を使うこともあります。

まとめ

『ラヴニカの献身』ドラフトは、どのギルドが好きかによって方向性が大きく変わるでしょう。ただ、好みがあっても、それに固執する必要性はありません。今回ご覧いただいた通り、プロたちは非常に似通ったピックをしました。これは明らかに、彼らがギルドの好みではなく、強さを基準に評価しているからです。

ジェレミー・デザーニ

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Jeremy Dezani 2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。 プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は14回にも上り、優勝3回、準優勝4回を記録している。 海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。 Jeremy Dezaniの記事はこちら