『灯争大戦』シールド徹底分析

Pascal Vieren

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2019/04/22)

はじめに

3月が始まったころ、私はある計画を思いつきました。シールドに関する記事を2つ続けて書こうと思ったのです。最初の記事は、理論的なアプローチによるもの。そして2つ目は、『灯争大戦』にフィーチャーしたものにしようと考えました。その時点では『灯争大戦』に関する情報がほとんどありませんでしたが、名案のように思えたのです。

1つ目の記事は、私が予想していたよりも執筆に苦労する結果となりました。実際のところ、かなりのストレスを感じていたと思います。多大な労力をかけたものの、それがみなさんにとって有益で、価値のある情報になるのかどうかさえも確信できませんでした。ですが、完成した記事へのフィードバックはポジティブなものが圧倒的な割合を占め、多くの方に読んでいただける結果となりました。とても嬉しく、そして誇らしく感じています。

今回の記事では『灯争大戦』に焦点を当てます。このセットは派手で、今までのセットとは全くもって異なる環境となるでしょう。ですが、ぜひとも2つ目の記事を完成させ、プレリリースやマジックフェスト・ロンドンに参加されるみなさんのお力になりたいと思っています。『灯争大戦』を分析するときがやってきたのです!

キーとなるメカニズム

新セットは、新しいメカニズムを何個か導入してくるものです。大抵の場合、そのメカニズムからシールドの環境の速度や、キーとなるものが見えてきます。『灯争大戦』においては、シールドのメタゲームを定義するであろう要素が「動員」プレインズウォーカーの2つとなります。

プレインズウォーカー

従来のセットにおいて、シールドのプレインズウォーカーの立ち位置はとてもわかりやすいものでした。非常に強力であるがゆえに、単体としてゲームプランになり得ることがほとんどだったのです。特にマナコストが重めのプレインズウォーカーは、そのような傾向にありました。平均的な5マナのプレインズウォーカーの性能は、おおよそこのようなものでしたね。

憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス神秘を操る者、ジェイス戦慄衆の将軍、リリアナ

以前のセットのプレインズウォーカーはすべて神話レアだったので、シールドにおいて大きな割合を占める存在ではありませんでした。

しかし、『灯争大戦』ではこの常識が通用しません。プレインズウォーカーがすべてのパックに1枚以上含まれているのです。ですから、シールドのプールには6枚、場合によっては7枚のプレインズウォーカーがいることになります。とても多いですね。

『灯争大戦』のすべてのプレインズウォーカーには常在型能力が備わっています。アンコモンのものは忠誠度マイナスの能力をひとつだけ持ち、レアのものはプラスとマイナスの能力をひとつずつ持ち合わせているデザインです。神話レアのものに関しては、従来のものと同じような設計になっているようですね。

盾魔道士、テヨ野生造り、ジアン・ヤングー

アンコモンのプレインズウォーカーは、そのすべてが使用に値するわけではないですが、採用に値しないものの方が例外的です。具体的には《盾魔道士、テヨ》《野生造り、ジアン・ヤングー》ですね。アンコモンのプレインズウォーカーの大半は、有用な常在型能力や、数枚分のカードアドバンテージを生み出す能力を持っているため、そこそこの評価のものから非常に強いものまで存在しています。

また、アンコモンのプレインズウォーカーのうち10枚は混成マナなので、シールドにおいて採用しやすいものとなっていますね。あらゆるシールドデッキが少なくともプレインズウォーカーを3枚は使うでしょうし、ものよっては5枚から6枚使うこともあるでしょう。この事実がシールドに与える影響は、言葉にできないほどのものがあると思います。

プレインズウォーカーは、アドバンテージを重ねていきます。戦場に長く生き残るほど、獲得するアドバンテージも大きくなるのです。このプレインズウォーカーの性質は、常在型能力や「増殖」によって、マイナスの能力しか持たないアンコモンのプレインズウォーカーにも共通して言えることになります。シールドのデッキ構築を行う際には、相手のプレインズウォーカーにプレッシャーをかける手段、あるいは自分自身のプレインズウォーカーを守る手段を含めたいところです。クリーチャーの除去が手札にあるものの、相手にプレッシャーをかける術がなく、相手はプレインズウォーカーでアドバンテージを蓄積していく。それこそが典型的な悲劇と言えるでしょう。しかし、同じクリーチャー除去も、こちらがプレインズウォーカーを保持し、アドバンテージを生み出している状況であれば、大きな価値を持つことになります。

「動員」

鮮血の刃先ラゾテプの肉裂き

「動員」はとても奇妙なメカニズムです。テキストを見る限りでは、大半の「動員」カードが大きな価値を持つように思えます。わかりやすくするため、《鮮血の刃先》《ラゾテプの肉裂き》を例にとりましょう。いずれのカードも非常に強く、「軍団クリーチャーをコントロールしていなければ」単体でアドバンテージを生み出します。もし戦場に存在していた6/6の軍団クリーチャーに、+1/+1カウンターを追加で1個か2個載せるだけれあれば、大きく価値を損ないます。このように、すでに戦場に軍団クリーチャーがいる場合には、あらゆる「動員」カードが実質的にオーラのような働きになってしまうのです。

ラゾテプの肉裂き戦慄衆の双子

見方を変えれば、「動員」はブロックに回るプレイヤーに有効に働くメカニズムと言えます。《ラゾテプの肉裂き》《戦慄衆の双子》のようなカードは、軍団クリーチャーがいなければブロッカーを2体も用意できるのです。チャンプブロックは、リミテッドにおいて決して好ましくないことが多いのですが、『灯争大戦』においては事情が変わってくる可能性があります。なぜなら、プレインズウォーカーを守ることができるからです。

「動員」や多くのプレインズウォーカーは小型のトークンを生成するため、盤面は非常にこう着してしまいやすいのではないかと予想しています。プレインズウォーカーにプレッシャーをかけるためには回避能力が大きな価値を持ちますし、ロングゲームになった場合に確実に勝てるカードも重宝します。

分析編

『灯争大戦』のカードはすべて公開されました。私は、全カードに何度か目を通した後、コモンとアンコモンについて深堀りしていくようにしています。というのも、コモンやアンコモンがリミテッドの環境を定義するからです。まずは以下の3つ問題から取り組むと良いでしょう。

これらの質問に答えることで、新セットについて的確な第一印象を掴むことが可能となります。『灯争大戦』のシールドのメタゲームについても同様の手法を適用し、第一印象を掴みに行きましょう。

クリーチャー除去

以下のリストでは、状況を選ぶ除去も含めています。どれだけ条件が厳しいものであれ、リミテッドにおいてはすべての除去を把握しておくことが非常に重要となります。プレイングやサイドボーディングは、相手のデッキに実際に入っていたものを参考にすべきですが、入っていると予想されるカードも考慮すべきなのです。

無神経な放逐法ルーンの執行官カズミナの変成

先述の通り、この環境ではトークンが多用されます。そのため、《無神経な放逐》は通常よりも価値が高いですね。また、《法ルーンの執行官》《カズミナの変成》軍団クリーチャーに対して無力ですから覚えておきましょう。

裏切りの対価

《裏切りの対価》は珍しい効果を持っていると思うかもしれませんが、軍団クリーチャーもプレインズウォーカーも除去できるため、十分に使用に値すると考えています。

『灯争大戦』の除去は非常に強いという印象です。リミテッドにおけるプレインズウォーカーは、従来と比較しても更なる強さを発揮することでしょう。優秀な除去で守ることが容易ですからね。

平均的なクリーチャーのサイズ

クリーチャーの平均的なサイズは、どれだけアグレッシブな環境なのかを理解するのに大いに役立ちます。マナコストも考慮すれば、何ターン目にどれぐらいのサイズのクリーチャーが展開されるのかを予測することが可能なのです。

当然ですが、ある程度の一般化をする必要があります。今回で言えば、「動員」を持つクリーチャーは、そのパワーとタフネスに「動員」の数値を加えています。戦場に出た場合にパワーとタフネスに修正が加わるクリーチャーも同様の処理を行っています。

上記の表は各クリーチャーのパワーとタフネスを平均しただけですが、多くの情報を読み取ることができます。

中盤以降のマナの使い道

中盤以降のマナの使い道というのは、ゲームの進行とともにマナを使用し続けられる手段を指します。マナが必要な起動型能力であったり、追加のカードを獲得してマナの使い道を確保するのが一般的な形です。以下のリストには、マナが必要な起動型能力を持ったカードのすべてを表示しているわけではないので、ご注意ください。ゲームの終盤になって、ぜひとも使用したい能力を持っているものだけを扱っています。

青を除けば、中盤以降のマナの使い道となるカードは非常に限られていることがわかります。特定のデッキタイプでしか機能しないようなカードも多く含めても、この数にしかなりません。つまり、マナの使い道がなければ、過度のマナフラッドが致命的になり得るのです。裏を返せば、中盤以降のマナの使い道となるカードは、構築の段階から高めの評価を付ける必要があると言えるでしょう。

マナ基盤を整えるカード

マナ基盤を整えるカードが環境に多いかどうかを知っておくと、シールド戦において他のプレイヤーが何色のデッキをプレイすることが多いのかを予想しやすくなります。

『ラヴニカの献身』や『ラヴニカのギルド』のように、ほとんど無理なくタッチができるのであれば、ほぼ間違いなくタッチすべきでしょう。反対に、タッチするためにマナ基盤が弱くなってしまったり、弱いカードを採用しなくてはならないのであれば、タッチしないことをおすすめします。

野生造り、ジアン・ヤングー力線をうろつくものプリズマイト
マナ晶洞石火想者の器新たな地平

ご覧の通り、非常に数が限られています。それだけでなく、《野生造り、ジアン・ヤングー》《力線をうろつくもの》《プリズマイト》はマナ基盤を支えるカードとして頼りにしたくありません。また、中盤以降のマナの使い道が豊富にないのであれば、《マナ晶洞石》《火想者の器》《新たな地平》といったカードも価値を損ないます。クリーチャーの平均的なサイズの項で見たように、このセットにおいてはマナ加速する意味もないと考えられます。

これで前述の3つの問題を解決しました。平均的なシールドプールがどのようなものになるのか、以前よりも鮮明に見えるようになったはずです。さらに言えば、相手がどんなデッキを使ってくるのかもわかるようになりましたね。

デッキ構築編

各色の特徴

『灯争大戦』は、色の役割が古典的なものへと回帰しています。

神聖なる矢チャンドラの螺旋炎オブ・ニクシリスの残虐
タミヨウの天啓開花の巨体

たとえば、白と赤は中盤以降のマナの使い道となるカードがほどんどありません。長期戦には向かないということですね。除去の質も悪くはないものの、状況を選びがちなものとなっています。

黒は除去も中盤以降のマナの使い道も十分な量が揃っています。クリーチャーのサイズが若干心許ないですが、「動員」によって埋め合わせできるでしょう。青は中盤以降のマナの使い道が群を抜いて多いですが、除去とクリーチャーの質が劣っています。緑も原点へ回帰していて、もっともクリーチャーのサイズが大きく、マナ基盤を整えることを得意としています。ただ、中盤以降のマナの使い道や除去がほとんど存在しません。

全カードリストを分析した結果、シールドにおいては黒がもっとも人気の色になるのではないかと予想しています。したがって、黒がしてくるすべてのことに対処できるようなデッキにしておく必要がありますね。

また、プレインズウォーカーにプレッシャーをかける手段を必ず持っておきましょう。ただし、戦闘で2/2のクリーチャーを倒せないような小型のクリーチャーは、あまり役に立たなさそうです。このクリーチャーに求める条件は、面白いジレンマを発生させます。プレインズウォーカーにプレッシャーをかけられる序盤のクリーチャーが欲しいものの、それらは急速に価値を損なってしまうのです。

アグレッシブなデッキは避けよう

『灯争大戦』においては、以下の理由から、攻撃的なデッキの立ち位置が非常に悪いと考えています。

強力なアンコモンのプレインズウォーカー

最近のセットでもそうだったように、多色のカードは単色のものよりも強力なものとなっています。シールドにおいては、多色カードがデッキに使用する色のヒントとなりますね。

デッキを考える際には、混成マナのプレインズウォーカーを別枠で管理しておきましょう。以下に挙げたアンコモンの混成マナプレインズウォーカーは、シールドにおいて非常に強そうですし、混成マナのいずれかの色をデッキに組み込む大きな動機となることでしょう。

死者の災厄、ケイヤ石の嵐、ナヒリ
混沌の船長、アングラス群集の威光、ヴラスカ

上記のものは白か黒で唱えられるものとなっています。白と黒は除去の枚数がもっとも多い色でもありますね。気をつけていただきたいのは、上記のプレインズウォーカーのなかに青で唱えらるものがない点です。青を含む混成マナのプレインズウォーカーは、正しいデッキで使えば妥当なカードとなるかもしれませんが、いずれにしても必ず採用するようなカードではありません。

はぐれ影魔道士、ダブリエル夢を引き裂く者、アショク

個別に解説しておきたいアンコモンのプレインズウォーカーが2枚あります。《はぐれ影魔道士、ダブリエル》《夢を引き裂く者、アショク》です。いずれも無価値になることもあれば、勝利をもたらすものにもなり得ます。

《はぐれ影魔道士、ダブリエル》には最悪のシナリオと最高のシナリオが考えられます。最高のシナリオは、相手の手札を3枚捨てさせた上で、ライフを追い詰めるというもの。最悪のシナリオは、劣勢の状況でトップデッキした場合です。

《夢を引き裂く者、アショク》さらに極端になります。採用するのであれば、このカードで勝つことをゲームプランにする必要があるのです。デッキを構築するときも同様に考える必要があります。私が思い描くような環境になるとすれば、どちらのプレインズウォーカーも採用する可能性があるでしょう。

土地の枚数

『灯争大戦』のシールドデッキの大半は、追加のマナ源を採用することなく、いつも通りの土地17枚の構成になるのではないと考えています。中盤以降のマナの使い道がないのであれば、追加のマナ源を採用するべきではありません。デッキの色は純正の2色、場合によっては少しだけタッチする可能性があります。

《帰化》のようなカードをメインデッキに入れるべきか

自然への回帰

このセットには有用なアーティファクトやエンチャントがほとんどないため、《自然への回帰》のようなカードをメインデッキに入れるのはやめましょう。

プレイ編

連帯放浪者
ラゾテプの板金死者の災厄、ケイヤ

先ほどから再三お伝えしていますが、プレインズウォーカーはプレイングに大きな変化を与えます。戦略的な判断をするに当たって彼らが重要な要素になるだけでなく、常在型能力も兼ね備えています。その常在型能力に期待されて採用されるプレインズウォーカーもいれば、フレイバーテキストのような能力を持つものもいます。しかし、これらの効果に役割がないものは存在しません。

たとえば、相手が《放浪者》をコントロールしている状況で《連帯》を唱えるようなことがあってはならないのです。《死者の災厄、ケイヤ》の常在型能力が単なる文字列だと思い込んでいると、《ラゾテプの板金》の使いどころを間違えてしまうかもしれません。

負傷者の手当て

《負傷者の手当て》は、黒のデッキを使うときも、使われるときもプレイに大きく影響する1枚だと考えています。呪禁に関連したカードを採用していないのであれば、《死者の災厄、ケイヤ》の常在型能力は何の意味も持ちません。《負傷者の手当て》で再利用されるぐらいならば、《死者の災厄、ケイヤ》は盤面に放置した方が良いでしょう。しかし、相手が青白のデッキを使っているのであれば、「増殖」によって《死者の災厄、ケイヤ》の忠誠度を増加させる手段を豊富に持っている可能性があります。そのような場合には、折を見て退場させておくのがベストな行動となるでしょう。

複数のプレインズウォーカーと対峙するのは容易なことではありません。攻撃対象はどうするのか、相手はどうやってブロックしてくるのか。これらを理解するのは骨が折れることでしょう。特に環境初期であれば、大勢のプレインズウォーカーを使う、あるいは使われる状況に慣れていませんから、誰しもが最善の選択ができないのは想像に難くありませんね。戦闘のひとつひとつを丁寧に行うようにしましょう。そのプレイをした場合に相手がどうやってブロックしてくるのかを考えるのです。そしてその戦闘の結果はどうなるでしょうか?特に目新しいプレインズウォーカーであれば、本当に除去するだけの価値があるのかどうかを問う必要があります。

『灯争大戦』のシールドにおいては、先手を取ることをおすすめします。プレインズウォーカー同士の戦いで優位を取るもっとも簡単な方法は、プレインズウォーカーを先に展開することです。生存するターンが増えるほど、より多くのアドバンテージをもたらしてくれますからね。

サイドボーディング編

前回の記事をご覧になった方はご存知だと思いますが、シールドではサイドボーディングが非常に重要なスキルだと私は考えています。

眩光破ダブリエルの影忘造反者潰し

自分のカードプールに何があるのかを把握しておくことは必須です。《眩光破》《ダブリエルの影忘》《造反者潰し》という3種のコモンを例にとってみます。いずれも2対1交換ができる可能性を持っていますが、必ずデッキに採用するようなものでもありません。選択肢を並べ、そのカードが有用になる場面を考えてみてください。そして対戦はどのような展開になるのか想像するのです。

大抵のシールド環境では、先手か後手かをあまり気にしません。どちらもメリットがあるからです。好みがあるとしても、断固としたほどのものはないのです。しかし『灯争大戦』においては、相手が3ターン目、4ターン目にプレインズウォーカーを展開し、こちらが何らプレッシャーをかける術がないと、勝ちが見込めなくなります。後手のときは序盤の脅威をサイドインすることが正しい場合もあるでしょうね。相手が1ゲーム目に大量のプレインズウォーカーを出してきたのなら尚更です。

まとめ

対戦相手のプレイにも目を凝らすことが大切です。相手は過度にプレインズウォーカーを守るような傾向を見せたでしょうか?こちらのプレインズウォーカーに対して、全クリーチャーで常に攻撃してきたでしょうか?新しいカード、新しいメカニズムを扱うのは、学習曲線を描くものです。ぜひとも相手の傾向を糧にしましょう。

今回の記事で新たな発見をしていただけたのなら幸いです。情報を余すことなく利用し、プレイヤーとしてステップアップしていって下さいね。

ぜひみなさんも『灯争大戦』を楽しみましょう!

パスカル・フィーレン

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Pascal Vieren パスカルはベルギー出身のゴールド・レベル・プロで、2018-2019シーズン開幕前にジェイコブ・ナグロ、そして同郷のブランコ・ネランクとともにHareruya HopesからHareruya Prosへと昇格した。 グランプリ・ハノーファー2009でのトップ8、歴代最強と謳われたベルギーチームで成し遂げたワールド・マジック・カップ2016での準優勝など華やかな経歴を持つプレイヤーだが、なんといっても彼の活躍を印象付けた大会はプロツアー『イクサランの相克』であろう。 兄のピーター・フィーレンが組み上げたマスターピース・青赤パイロマンサーを手に快進撃を続けたパスカルは、12勝0敗4分と無敗で予選ラウンドを通過。優勝を勝ち取るまでにはいたらなかったものの、見事に3位入賞を果たしシーズン半ばにしてゴールド・レベルを確定させたのだ。 Pascal Vierenの記事はこちら