By Jeremy Dezani
Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2019/05/24)
はじめに
「プレイヤーフォーカス/Player Focus」へようこそ!
「プレイヤーフォーカス」は、世界に名立たるマジックプレイヤーにインタビューする企画です。日本のみなさん、そして世界中に彼らのことを広めていきたいと思っています。毎回違うプレイヤーを紹介しますので、楽しみにしてくださいね!
この度のゲストはクリスティアン・カルカノ/Christian Calcano(@CCalcano)選手です。
クリスティアン・カルカノはアメリカのプロプレイヤーです。グランプリ・ミネアポリス2012、アトランティックシティ2015では優勝を果たし、それ以外にもトップ8が7回、トップ16が3回という経験を持っています。プロツアー『アモンケット』ではトップ8に入賞しました。
インタビュー
プロフィール
氏名:クリスティアン・カルカノ
年齢:30
国籍:アメリカ
生涯プロポイント:331
2018年/2019年のプロレベル:ゴールド/シルバー
マジック以外の趣味
スポーツ観戦が大好きです!
マジックを始めたのはいつ、どのセットでしょうか? また、マジックを知ったきっかけは何でしょうか?
初めてマジックに触れたのは2003年末のことですね。ニューヨークのカードショップで友人に教えてもらいました。最初に参加したプレリリースは『ダークスティール』です。それからというもの、マジックをやめようなんて一度も思わなかったですね。
プロプレイヤーになるまでに、あなたに一番影響与えた有名プレイヤーは誰ですか?
2004年の世界選手権でジュリアン・ナウテン/Julien Nuijtenが優勝したのを目にし、プロツアーで活躍したいという思いが芽生えました。それから私は世界中のグランプリを巡るようになるのですが、それは津村 健志、中村 修平、齋藤 友晴、オリヴィエ・ルーエル/Olivier Ruel、マーティン・ジュザ/Martin Juzaといったプレイヤーの姿に憧れたからです。
これまでの実績
プロツアー・トップ8:1回
グランプリ・トップ8:9回
その他:プロツアー・トップ16が3回、世界選手権2017で11位
好きな日本人選手とその理由
難しい質問ですね。好きな日本人プレイヤーは多いですから。強いて選ぶとすれば津村 健志でしょうか。彼は私にとって英雄の1人ですし、彼の活躍を見るために欠かさずカバレージを見ていたものです。
一番好きなフォーマットとその理由
ドラフトです。ドラフトにはマジックのあらゆる要素が詰まっていますし、カジュアルレベルからプロレベルまで幅広く楽しめます。マジックを深く理解するならドラフト以上に良い方法はないでしょう。
一番好きなデッキ
スタンダード:青黒コントロール(『時のらせん』)
モダン:アブザン(《包囲の搭、ドラン》入り)
レガシー:グリクシスデルバー(《死儀礼のシャーマン》入り)
歴代で最も好きなデッキリスト
私がプロツアーで使ったデッキの中でもお気に入りのひとつ、青黒吸血鬼ですね。オイヴィン・アンデルセン/Oyvind Andersenというプレイヤーと一緒にプロツアー・パリ2011で使用しました。7-3の成績を残しトップ64に入れたのです!
2 《湿地の干潟》
2 《新緑の地下墓地》
4 《忍び寄るタール坑》
4 《闇滑りの岸》
4 《水没した地下墓地》
-土地 (23)- 4 《鼓動の追跡者》
4 《吸血鬼の裂断者》
4 《恐血鬼》
4 《マラキールの門番》
4 《ナントゥーコの影》
3 《ファイレクシアの破棄者》
-クリーチャー (23)-
『灯争大戦』で一番好きなカードは? そのカードが使われそうなデッキは何でしょうか?
間違いなく《戦慄衆の将軍、リリアナ》です!カードパワーも非常に高そうですし、スタンダードのゴルガリに絶対入るでしょうね!
大会を通じて得た最高の経験はなんでしょうか?
個人戦でいうならば、間違いなく世界選手権2017で戦ったことでしょう。世界屈指のプレイヤーと最高の舞台で戦えるなんて、本当にかけがえのない経験でした。
調整チームのメンバーについて教えてください。どのように集り、調整するのでしょうか? また、その中でのベストプレイヤーを1人選ぶならどなたでしょうか?
私が参加している調整チームのメンバーは世界中にいます。主にヨーロッパとアジアですね。まず話し合いの場を設け、本番に向けてオンラインで調整をします。それから本番の数日前には顔を合わせた調整を行います。正直なところ、彼らの中から1人を選ぶなんてことはできませんね。
今年のマジックでの目標を教えてください。どのようなイベントに参加予定ですか?
以下のイベントは確実に参加しようと思っているものです。今年の状況次第ではSCGオープンやMCQにも参加するかもしれませんね。
ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019、GPプロビデンス、SCG CON、ミシックチャンピオンシップ・バルセロナ2019
日本についてはどう思っていますか? また、日本で何をするのが好きですか? 近い将来に来日する予定はありますか?
日本は好きな国のひとつです。外食に行ったり、ゲームセンターで遊んだり、友人とパーティしたりしていますね。次に日本に行く時期はわかりませんが、すぐにでも行きたいぐらいです!
先日、あなたの友人であるアンドレア・メングッチ/Andrea Mengucciが史上最高額の賞金を擁した大会、ミシックインビテーショナルを優勝しましたね。何かこみ上げてくる思いはありましたか? また、マジックの発展、未来はどうなるでしょうか?
アンドレアの優勝は本当に嬉しかったですね。ミシックインビテーショナルはマジックの始まりに過ぎないでしょう。多額の賞金がかかった大会を、本当に多くの観客が見ている。そんな大会がマジックにあったら良いなと常日頃から思ってきましたが、とうとう実現したのです。
アンドレアが優勝したことで、もっと頑張ろう!自分を高めていこう!と思えました。彼をはじめとした友人たちと共に、マジック・プロリーグに参加することが私の願いです。
ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019ではロンドンマリガンが採用されました。印象はいかがでしたか?
今まで議論にあがることが多かったのはモダンへの影響でしたが、私が期待を寄せているのはリミテッドへの影響です。ロンドンマリガンにより安定性が上がれば、「ゲームにならない」なんてことも減りますし、歴史に残るようなゲームも増えるでしょう。採用されるのが待ち遠しいですね!