Translated by Ryosuke Igarashi
(掲載日 2019/07/09)
はじめに
みなさんこんにちは。今回は『モダンホライゾン』をドラフトしていきましょう!
1パック目の8手目までをシミュレーションし、4人のHareruya Prosたちに何をピックするか聞いてみました。
この度の記事に参加してくれた親切なプレイヤーたちを紹介しましょう。
彼らについてもっと詳しく知りたい方はHareruya Prosの選手ページをご覧ください。
プロの中でもどれだけ意見が分かれるのか。要注目です!
1手目
アーネ・ハーシェンビス
このパックには強力なカードが3枚ありますね。《除外》、《マグマの陥没孔》、そして《春花のドルイド》。《除外》は強いものの完成度が高い青のコントロール、というアーキタイプは存在しないためうまく活用することができません。《マグマの陥没孔》も強いものの、言ってしまえばただの基本的な除去です。
《春花のドルイド》はかなり好みで、多くのアーキタイプを成立させる緑のベストコモンですね。というわけで、ここは《春花のドルイド》を選ぼうと思います。
セバスティアン・ポッツォ
《除外》はとてもいいカードだけど、この環境はテンポ重視の環境になっている。《マグマの陥没孔》は素晴らしい除去で、この環境ではとても大事な、巻き返すための2アクションを取ることができるね。
ペトル・ソフーレク
非常に使いやすく、軽いうえにタッチもしやすい除去ですね。
ケルビン・チュウ
非常に弱いパックです。《除外》、《マグマの陥没孔》や《春花のドルイド》から選ぶことになるでしょうが、除去を取っておきたいですね。
2手目
アーネ・ハーシェンビス
目立つカードとしては《鉱石鱗の守護者》、《好奇のタリスマン》や《マグマの陥没孔》辺りでしょうか。受けを広くしておくために、《好奇のタリスマン》をピックしましょう。
セバスティアン・ポッツォ
2枚目がやってきたね。このカードは「探査」コストが必要で、2枚目以降のリターンが少なくなっていくものの、下家に赤のカードを流さないように2枚目をピックしよう。他に取るとしたら《フェアリーの予見者》かな。
ペトル・ソフーレク
1パック目と同じですね。
ケルビン・チュウ
土地を軸にした赤緑でとても強力です。
3手目
アーネ・ハーシェンビス
赤と白のカードが多く、黒のベストコモンである《殺到》もあります。黒緑のドラフトは好きなので、今まで同様に赤を流しつつ《殺到》を取りたいところです。下家に、赤が空いているという明らかなシグナルを送れているといいですね。
《霊体の横滑り》は中堅以上ではあるものの、実質青白の多色カードのように思えます。ここは保守的に、「もしかしたら強力かもしれない」カードより「間違いなく良い」カードを取りたいものですが……間違ってるかもしれませんね。
セバスティアン・ポッツォ
3枚はさすがに多すぎるかもしれないから、別の除去を取っていこう。赤黒は好みのカラーリングだしね。赤の2マナクリーチャーたちや《変わり身ののけ者》も候補だが、後者は青黒での方が輝くね。
ペトル・ソフーレク
ここまで取りすぎない方がいいかもしれません。相性がいいカードの優先度を高くしていきましょう。
ケルビン・チュウ
《殺到》を取るべきかもしれませんが、赤のカードを全てピックしてみたいのです。
4手目
アーネ・ハーシェンビス
このパックには特にいいカードもなく、穴を埋める「丸い」カードが何枚かあるだけですね。今までの流れに沿って、《ムラーサのビヒモス》を取っておきましょう。大体は6マナでトランプルを持った8/8ですし、すでにマナ加速出来るカードを2枚も取っていますからね。
セバスティアン・ポッツォ
非常に悩ましいね。《殺到》と相性が良く、赤い……と通常なら《ゴブリンの戦闘隊》を取るところだろう。しかしこのカードは単体では少々弱く、ゴブリンシナジーもピックが簡単ではないことに気づいたんだ。《ミルカイト》は赤青のカラーリングで非常に優秀なカードで、そのカラーリングなら《マグマの陥没孔》もより輝く。
ペトル・ソフーレク
赤青コントロールは好みのアーキタイプですね。「探査」は赤白のアグロなんかでは微妙ですが、「サイクリング」との相性はいいですしね。
ケルビン・チュウ
赤緑の土地デッキで優秀なフィニッシャーを務めてくれます。
5手目
アーネ・ハーシェンビス
このパックで強力なカードとしては《独創のタリスマン》と《超現実的決着》でしょうか。今回は即《超現実的決着》を選びますね。タッチも容易で、緑のETB持ちクリーチャーの数々と相性がいいカードです。
セバスティアン・ポッツォ
《超現実的決着》は抜けて強いカードなものの、白赤や白黒というカラーリングは好みではないんだ。すでにこれらの色の除去をピックしているしね。《風呼びのエイヴン》は優秀というわけではなく終盤に回ってくることも多いが、赤青のアグロデッキでは2枚以上ドローする助けになりつつ、マナフラッドした際にはフィニッシャーにもなりうる。「探査」のために墓地を肥やすこともできるね。
ペトル・ソフーレク
赤青コントロールにとって、完璧なカードです。
ケルビン・チュウ
氷雪土地をピックすることができれば、優秀なクリーチャーですね。
6手目
アーネ・ハーシェンビス
選択肢は《霧氷守り》と《第一球層のガルガンチュア》です。《第一球層のガルガンチュア》はいいカードですが、すでに6マナのクリーチャーをピックしていますし、黒よりは緑を使う可能性の方が高いと考えられます。《霧氷守り》をピックしますが、有効活用するには氷雪土地が5枚は欲しいところですね。
セバスティアン・ポッツォ
単体では微妙なものの、《多角ミノタウルス》と組み合わせていい成績を残したことがあるんだ。赤青のアグロデッキを組む際、カギとなるカードじゃないかな。
ペトル・ソフーレク
まだ氷雪土地はピックしていませんが、私にとってはベストカードですね。《冠雪の山》は遅くでも楽にピックできます。
ケルビン・チュウ
氷雪土地があればマナ加速できる、2マナ域のクリーチャーですね。
7手目
アーネ・ハーシェンビス
《凶暴な一振り》も手堅く、アグレッシブで多くのパワー2のクリーチャーを採用したデッキでより輝くカードです。とはいえ、より強力でタッチしやすい《マグマの陥没孔》を取りますね。
セバスティアン・ポッツォ
こんな遅くに《フェアリーの予見者》や《マグマの陥没孔》、そして《凶暴な一振り》が回ってきたね。すでに赤青に決まっているし、マナフラッド(キャントリップが多すぎると起こりやすい)も防ぐことができ、「忍術」を使える可能性もある《フェアリーの予見者》をピックしよう。《マグマの陥没孔》は以前に言った通り、他にいいカードがあれば3枚目は取りたくないものだね。
ペトル・ソフーレク
むむむ、また《マグマの陥没孔》が。でも間違ってないと思いますよ。
ケルビン・チュウ
2/2のクリーチャーと相性が良く、しかも軽い除去ですね。
8手目
アーネ・ハーシェンビス
黒緑をベースとしたデッキで活躍してくれますね。《棘竜巻》や《誘惑の洞窟》とは悩んだものの、《生臭い士官》をピックしましょう。《新月の忍者》は、青黒や赤黒寄りのカードです。
セバスティアン・ポッツォ
特にいいカードもないし、《刃背スリヴァー》も理想の2マナ域ではないが……使えないことはないね。
ペトル・ソフーレク
本当に強い土地ですよ。
ケルビン・チュウ
デッキに入る、上々の2マナ域ですね。
まとめ
まだこの環境も始まったばかり。今回は4人のプレイヤーがピックについてそれぞれ違ったアドバイスをしてくれました。同じカードをピックしているのも面白いものですが、意見が分かれるのも同じく、非常に興味深いものです。彼ら自身も、他3人のピックを見て学びを得ることでしょう。あなたはどのプレイヤーのようなピックをしていましたか?