Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2019/09/30)
はじめに
とうとう『エルドレインの王権』の発売まであと数日となりました。新環境のスタンダードを遊びたくて仕方ありませんね!
この時期はローテーション落ちするカードとお別れの時でもあります。《ドミナリアの英雄、テフェリー》、《ゴブリンの鎖回し》、そして複数の環境に渡って何度も目にしてきた吸血鬼たち。従来のローテーションと同じく、今回もワクワクする新カードやデッキが多く登場し、私たちはその活躍を間もなく目撃することになるでしょう。
今回は私が特に使ってみたいと思っているカードを5枚紹介します。それらのカードを使ったデッキリストもご用意しましたので、お楽しみに!
ぜひ使いたいカード5選
《厚かましい借り手》
このカードを初めて見たとき、カードパワーが非常に高いのでスタンダードで重要な地位を占めるクリーチャーになるだろうと思いました。序盤はカードアドバンテージを損なうことなく相手にテンポ差をつけられます。中盤以降も、「出来事」として唱えるか、クリーチャーとして唱えるかを状況に応じて選べる柔軟性を兼ね備えています。
《厚かましい借り手》がピッタリなアーキタイプは、シミックフラッシュではないかと考えています。ローテーションによる影響が小さいため、環境のトップデッキの一角として序盤に人気を博すと予想されるアーキタイプです。
まずは、以下のようなデッキリストから始めてみてはどうでしょうか。
4 《森》
4 《繁殖池》
4 《寓話の小道》
2 《神秘の神殿》
1 《ヴァントレス城》
-土地 (23)- 4 《幽体の船乗り》
4 《塩水生まれの殺し屋》
4 《惑乱スプライト》
4 《僻境生まれの保護者》
4 《厚かましい借り手》
4 《エリマキ神秘家》
4 《夜群れの伏兵》
-クリーチャー (28)-
3 《神秘の論争》
2 《変容するケラトプス》
2 《自然への回帰》
1 《フェアリーの決闘者》
1 《霊気の疾風》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《否認》
1 《過去と未来》
-サイドボード (15)-
《探索する獣》
次の注目カードは、伝説であること以外にはほとんどデメリットがないと思われるクリーチャー、《探索する獣》です!プレインズウォーカーの対処はこのカードが得意とするところでしょう。環境にはとても強力な3マナのプレインズウォーカーが複数いますから、特に先手で真価を発揮するはずです。
《探索する獣》は数多くの能力を有していますが、特に価値が高いと思われるのは「パワーが2以下のクリーチャーによってはブロックされない」能力であると踏んでいます。後々になって相手がチャンプブロックするのを許さないため、《第1管区の勇士》デッキが苦戦すること間違いなしでしょう。攻撃的な本質を持っているので、このカードが最も適合するのはグルールだと思います。私ならこのようなデッキリストから調整を始めることでしょう。
2 《山》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《寓話の小道》
2 《岩だらけの高地》
-土地 (23)- 4 《生皮収集家》
4 《樹皮革のトロール》
4 《楽園のドルイド》
4 《ザル=ターのゴブリン》
4 《グルールの呪文砕き》
3 《探索する獣》
4 《スカルガンのヘルカイト》
-クリーチャー (27)-
《王家の跡継ぎ》
続いては、大いなるポテンシャルを秘め、アグロコントロール型のデッキ向けのカード。《王家の跡継ぎ》です!デッキのコンセプトになり得る3マナのプレインズウォーカーの1枚であり、その能力は多くの用途に使えます。
手札を入れ替える能力は《弧光のフェニックス》のようなカードを捨てる手段となり、《型破りな協力》の能力を誘発させることも可能です。《型破りな協力》はプレインズウォーカーを守るだけでなく、クリーチャーを強化する[+1]能力と合わせて攻撃に転じることもできます。《王家の跡継ぎ》の奥義は、相手のライフを削りきる追加のツールとなるでしょう。本当に使うのが楽しみな1枚であり、手始めにこのようなデッキを組んでみました。
4 《山》
4 《蒸気孔》
3 《寓話の小道》
4 《天啓の神殿》
1 《神秘の聖域》
-土地 (23)- 4 《厚かましい借り手》
4 《谷の商人》
4 《弧光のフェニックス》
-クリーチャー (12)-
4 《覆いを割く者、ナーセット》
2 《アイレンクラッグの紅蓮術師》
2 《否認》
1 《標の稲妻》
1 《火想者の研究》
1 《謎めいた指導者、カズミナ》
-サイドボード (15)-
《嵐拳の聖戦士》
新セットのテーマのひとつは騎士ですから、ローテーションで失われた吸血鬼の穴を埋めそうな騎士デッキがいくつか出てくるのは確実でしょう。なかでも特に強力だと思われる騎士は《嵐拳の聖戦士》です。回避能力を持つ攻撃的なカードですし、ドロー効果の恩恵を先に受けるのは自分です。
さらにアグロデッキが抱えるいくつかの問題点(リソースの枯渇、マナフラッド)を解消し、一種のとどめを刺すカードにもなります。白・黒・赤のいずれにも強力な騎士が多く存在していますから、最初はマルドゥカラーで試すのが自然でしょう。
《王冠泥棒、オーコ》
最後に言及したいのは、コミュニティの多くのプレイヤーが『エルドレインの王権』のなかでベストカードだと信じている《王冠泥棒、オーコ》です!
新セットには騎士以外にも大きなテーマがいくつかあり、そのひとつが食物トークンです。ですから、食物トークンを生成する手段は多く、《金のガチョウ》のマナ能力を複数回使ったり、《王冠泥棒、オーコ》の[+1]能力で3/3のクリーチャーを並べたり、あるいは《森林の勇者》のサイズを上げたりできるようになっています。1ターン目に《金のガチョウ》、2ターン目に《王冠泥棒、オーコ》という動きは今後しばらく見ることになるでしょう。こちらが食物トークンに焦点を当てた試作品です。
1 《島》
4 《お菓子の小屋》
4 《繁殖池》
4 《寓話の小道》
2 《神秘の神殿》
-土地 (23)- 4 《金のガチョウ》
4 《枝葉族のドルイド》
4 《森林の勇者》
3 《ハイドロイド混成体》
4 《発現する浅瀬》
4 《恋煩いの野獣》
4 《意地悪な狼》
2 《茨の騎兵》
-クリーチャー (29)-
2 《変容するケラトプス》
2 《否認》
2 《神秘の論争》
2 《パンくずの道標》
1 《集団強制》
1 《伝承の収集者、タミヨウ》
1 《アーク弓のレインジャー、ビビアン》
-サイドボード (15)-
おわりに
ローテーション後のスタンダードほど構築戦をプレイしたくなるときはありません。プレイヤーズツアー予選のシーズン開幕を間近に控え、これから楽しみなことが多く待ち構えています。私も精一杯戦い、最初の地域プレイヤーズツアー2020の権利を確保したいと思います!
今回ご紹介したデッキを試し楽しんでいただけたら幸いです。もちろん、みなさんのオリジナルデッキを使うのも良いでしょう。新環境が始まったばかりのころはデッキビルダーの活躍の場ですからね!みなさんのご活躍をお祈りしています!
クリスティアン・カルカノ (Twitter)