MTGアリーナから世界選手権2019へ
マティアス・レヴェラット/Matias Leverattoはアルゼンチン出身のベテランプレイヤー。かつては栄光を目指し同郷のルイス・サルヴァット/Luis Salvattoやセバスティアン・ポッツォ/Sebastian Pozzoらとプロツアーを連戦していたものの、生活の変化とともに2012年マジック業界から身を引くことになる。だが、MTGアリーナが導入されると一度は消えたはずの熱意がふつふつと蘇り、不死鳥のごとく再びプロシーンへと復帰する。
ミシックチャンピオンシップ予選を立て続けに突破し、ラスベガスの地で行われた2019ミシックチャンピオンシップⅢ(MTGアリーナ)に参加、シミックネクサスを手に世界屈指のプレイヤーたちを次々と倒していく。決勝戦ではブラッド・ネルソン/Brad Nelsonと対戦し絶体絶命の窮地に立たされるが、《運命のきずな》をトップデッキし逆転、見事優勝をつかみ取った。
2019ミシックチャンピオンシップⅢ覇者として、マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2019へと参戦する。
アリーナフェニックス
――一度マジックを引退しながらも、なぜ、再び競技の世界へ戻ろうと決心されたのですか?
「以前マジックを辞めたのは決して競技の世界を諦めたからではなく、生活の変化から時間を使うことが難しくなったからなんだ。だけどある日、友達がMTGアリーナを勧めてくれた。それが、すべてのはじまりだったね」
「自分のライフスタイルに合わせてプレイできることは、俺自身がまさに求めていたことだった。ミシックランクまで一直線だったよ。そして気がついたら、また、このゲームにハマってしまったというわけさ。何よりも、かつて自分が追い求めていた”結果”もついてきた。MTGアリーナが俺をマジックに引き戻してくれたって言っても過言ではないね」
千里の道も一歩から
――私生活の変化で引退するプレイヤーはいます。アリーナが導入されたとはいえ、カムバックするのは並大抵のことではありません。具体的にはどのような練習から始めたのでしょうか?
「難しく考えなくていい。ひたすら楽しいと思うことを継続していくことさ」
「例えばサイドボード術を向上することで、各マッチアップでのカードの役割をしっかり理解するってことかな。勝利だけを追い求めて、流行にのってデッキをコロコロと変えてしまうと、デッキ自体の理解できていないまま進んでしまうからね」
一人二役
――学生生活を続けながら、ミシックチャンピオンシップの権利獲得(その後の優勝)は素晴らしいと思います。時間の確保など両立するうえで何か工夫したことはありましたか?
「めっちゃ大変さ(笑)一度大会で権利とか勝ち取ると、やはり頭の中はそのことでいっぱいになっていく。今も昔も変わらずにね」
「けれども昔とは違って、今は色々と自分をコントロールしていける。自分がやるべきことへ一つずつ集中するんだ。先の予定をしっかり組んで、学業はこれをやる、プレイテストはこれをやるってね」
叶った夢
――今シーズンからライバルズリーグ入りとなりますね。これからの意気込みを教えてもらえますか。
「素晴らしい気持ちだよ。昔プレイしていた頃からの夢だからね!そして辞めたときはこの夢は叶わないものだったと思っていたからね。とりあえず最低でもしっかりと1年間戦って、ライバルズリーグに残り続けることだな」
「ルイス・サルヴァットとセバスティアン・ポッツォが次々と結果を出していたから、俺も何か成し遂げたい、一緒に同じ経験をしたいと思ったんだ。だからこの経験は貴重だし、2人には感謝している」
《いつまでも共に》
――ルイス・サルヴァットやセバスティアン・ポッツォととても仲良しに見えますね。
「2人は俺が昔マジックしてた頃からの同じチームメートだったんだ。だから俺らの友情は年季が入ってるぜ!」
――今でも3人揃って練習などするのでしょうか?「いつもイベントなどのためには互いに情報を共有して、共に準備するんだ。また、共通の友人が複数いるからプライベートも一緒に楽しんでるぜ😊」
Next Level Arena Phoenix
――あなたの活躍を見て、マジックから遠ざかった人の中から復帰を試みる人が出てくるかと思います。彼らにメッセージをお願いします。
「自分も多くのプレイヤーからその様な話を聞くんだが、何かを成し遂げたときは、例えようのない素晴らしい気持ちになるよ。世界には素晴らしいプレイヤーでありながら、それを披露できるチャンスに巡り合っていないプレイヤーが多くいると思っている」
「そんな方に俺からアドバイスできるなら、まずは諦めないこと。次に日々の練習や改善点に対して、しっかり集中すること。何より大切なのはその道程をしっかりと楽しむこと!」
「結果はそのうちついてくる。結果にこだわりすぎないように、そして結果が出ないことにイライラしないこと。マジックは自分で制御できないことが多く存在するゲームだ。制御できないことにこだわるのは良くないよ」
《幕切れ》
Dead at #MTGWorlds
— Levunga (@levunga) February 15, 2020
Played two times against monoR :/
Close one against @sebastianpozzo
Tilted and played poorly against @Mengu09
Amazing experience though.
Need to improve a lot.
Thanks everyone for the support 🥰
俺の世界選手権は終わってしまった。相性の悪い赤単に2回当たり、しかもポッツォとメングッチだった。
それでもこの大会に参加できたことは素晴らしい経験であり、改善すべきこともわかった。サポートしてくれたみんな、ありがとう
残念ながら、マティアス・レヴェラットは初日敗退という結果に終わってしまった。世界から集まった16人で勝ち抜くのは、並大抵のことではないのだ。例えミシックチャンピオンシップ覇者であっても、だ。
だが、マティアス・レヴェラットにとって、これははじまりに過ぎない。一度競技マジックを退きながら、MTGアリーナでカムバックした彼のことだ。今回の敗北を糧に成長した彼の姿を、我々はきっとライバルズリーグで見ることになるだろう。