草の根から世界選手権2019へ
セバスティアン・ポッツォ/Sebastian Pozzoは2016-2017シーズンに構築戦において目覚ましい活躍をみせ、「スタンダード・マスター」の称号を獲得し、アルゼンチン人として初めての世界選手権出場を決めたプレイヤーである。その慧眼をして「南米チームの機関室」とも呼ばれ、同郷であり盟友のルイス・サルヴァット/Luis Salvattoとプロマジックの一線で戦い続けている。
だが、戦績こそ安定しているものの個人タイトルはなく、何よりもプロツアーにおけるトップ8入賞こそ、彼が渇望していたものに違いない。苦しく長いシーズンが続こうとも、ひた向きに研鑽を積み、プロシーンへと挑戦し続けた。彼の中に宿る不屈の闘志は力強く燃え続けるよりも、南米特有の陽気に、それでいて粘り強く燃え続けた。迎えた今シーズン、その努力はついに実を結んだ。2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)において、悲願のトップ8入賞を果たしたのだ!
2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)でも2日目進出を果たすなど、安定した成績により獲得ミシック・ポイントにおける「挑戦者」の上位4名に入り、マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2019出場を決めた。
あなたの願いが叶うころ
――ミシックチャンピオンシップリッチモンド19では念願のトップ8入賞という結果になりましたが、そこまでの道のりは長く険しいものだったかと思います。あなたにとってどのような意味をもちましたか?
「僕にとっては本当に、本当に特別な意味をもつことになった大会だったね。これまでプロツアートップ8入賞を目標に、ずっと挑戦してきたから。ミシックチャンピオンシップが事実上最後のプロツアーだったから、目標を達成できて本当に嬉しいよ!達成と同時に、次へのスタートを意味しているよ」
敗北を糧に
――思うような結果が出なかったときに、どのようにモチベーションを維持し続けるのですか?
「結果がついてこない時こそ、成長できるチャンスなんだ。結果ばかりに気を取られてしまうと、気分が落ち込みモチベーションの維持は難しくなってしまう」
「視点を変えて、自分自身に改善できるチャンスがきたと思うことだね。足りない点に気がつくわけだから、そこへしっかりと集中すればいいだけさ」
三位一体
――Twitterでダンス動画を見た気がします。真剣なプロと陽気なアルゼンチン人。どちらが本当の姿ですか?
「はは、両方自分自身さ。僕は踊ることで精神と肉体の一体化できるんだ。競技の世界では特にマジックは精神面を使うが、重要な場面では精神と肉体が分断されて、正しい判断が下せないこともあるんだ」
「単にいいプレイをする、体力をつけるだけではなく、しっかりと精神と肉体を一体化することで、僕自身は競技の世界とうまく向き合うことができるんだ」
競技の世界
――今後も競技マジックの世界へ挑戦するプレイヤーは増え、あなたを目標とするプレイヤーは多いと思います。目的を達成するために先ずは何を目指すべきなのでしょうか?
「最初から大きな目標をたてすぎないことかな。勝ちにこだわりすぎないことも大切だね」
「もし君が競技マジックの世界へと足を踏み入れるなら、まずは競技としてのマジックを楽しみ、また、マジックからさまざまなことを学び、成長する自分自身を楽しむことさ。誰もが最初から偉大なプレイヤーではないんだ。失敗は成長のチャンスと前向きに捉えて、一歩ずつ取り組んでほしい」
次の目標
――また今シーズンよりライバルズリーグが始まり、その初期メンバーとなりました。先人として、意気込みをお願いします。
「ゴールがあることは大切だけど、そこに囚われすぎてはいけない。何が起きても柔軟に対応できるようにしたいからね」
「MPLを目標に、ガントレットへの参加権利を目指しライバルズでトップ12に入りたい。もしだめでもライバルズを継続したいね」
2度目のトップ8
初日のドラフトで0-2と不安なスタートをきりながらも、セバスティアン・ポッツォは勝ち星を積み重ねた。どんな逆境でも彼の闘志は萎えることなく前だけを見据え、ベストなプレイを続けた。結果としてトップ8入賞を果たす。
栄光の日曜日をかけた試合、対戦相手は優勝候補のセス・マンフィールド/Seth Manfieldだった。
手に汗握る赤単アグロ同士のミラーマッチは、セスに軍配があがった。
I'm finally out of #MTGWorlds, I'm super happy with my result and overall play. I have a ton of room for improvement and that's amazing! What a great game! Thanks everyone for the support. Tomorrow I will be rooting for @KbolMagic to finally hold a well deserved trophy.
— Sebastián Pozzo (@sebastianpozzo) February 16, 2020
遂に僕の世界選手権は終わった。この結果にはとても満足しているよ。足らない点も見つかったし、改めてマジックの素晴らしさを知ったよ。サポートしてくれたみんなに感謝を。明日はマルシオが優勝できるように、全力で応援するよ
ポッツォの挑戦は土曜日で終了となったが、その結果は世界選手権トップ8と堂々としたものだった。そのうえでまだ足らない点があると謙虚に述べていた。
HareruyaProsの不屈の闘志は常に天を見据え、急ぎすぎず一歩ずつ、それでいて立ち止まらずに歩を進めている。我々はライバルズリーグで、さらなるポッツォの飛躍を見ることになるだろう。