令和レガシーシリーズ MOパンダ×深海の破滅、ジャイルーダ

晴れる屋メディアチーム

MTG 3.0

マジックには様々なフォーマットがあるが、パワー9という高いハードルがあるヴィンテージを抜きにすればレガシーが最もカードプールが広く、コンボデッキにおけるキルターンが早いことに間違いない。ANTや《実物提示教育》からの《引き裂かれし永劫、エムラクール》のように(実質的)1ターンキル可能なデッキが存在している。これらのデッキは速度で勝りながらも、当然ながら意識され対策されることでレガシー界の秩序は保たれていた。

ライオンの瞳のダイアモンドグリセルブランド

近年のカードパワーの上昇を考慮すれば、レガシー界が変化する兆しはあった。しかし、長きに渡り洗練されたデッキたちは、構造ではなくその細部を強化することで次のステージへとのぼり詰めていくだけだった。あくまでも固有のデッキであり続ける強化に留まる程度だったのだ。そう、『イコリア:巨獣の棲処』が発売されるまでは。

2020年4月18日。忘れもしない発売日翌日、我々は1匹のパンダの手によって固定化されたマジック世界外より侵略をうけることとなった。

いち早く《深海の破滅、ジャイルーダ》の脅威に気づき、実装直後から使い続けた結果たどり着いた境地。MOパンダこと鈴池 史康は、レガシー神の称号だけでは飽き足らず、まさに新世界の神となりつつあったのだ!

新カードと既存環境の融合、固定観念をいともたやすく打破し環境に一石を投じた鈴池に、すでに自身の代名詞ともいえる《深海の破滅、ジャイルーダ》について語っていただいた。

世はまさに大相棒時代

まずは、『イコリア:巨獣の棲処』導入前後でレガシーはどのような変化があったのだろうか

自然の怒りのタイタン、ウーロ

『イコリア:巨獣の棲処』導入前は大ミッドレンジ時代でした。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》4枚が標準装備となり、リソース勝負で不利なデルバー系は駆逐され、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を使ったミッドレンジと物ともしないコンボの闘いとなっていました。神決定戦では《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を無視できて、かつ自身で使えるアルーレンを選択しました。

深海の破滅、ジャイルーダ黎明起こし、ザーダ夢の巣のルールス

その後『イコリア:巨獣の棲処』が入ったことで、トップ8の内4人が「相棒」をするほどの環境へと激変しました。《深海の破滅、ジャイルーダ》コンボ、ザーダサルベイジャーなど高速コンボが増えた結果、コンボに強いルールスデルバーが流行っています。どのデッキも「相棒」を採用しているため、世はまさに大相棒時代です。

一見するとデメリットも強く見える「相棒」だが、環境を揺るがすほど強力なのだろうか

「相棒」の強さはレガシーというフォーマットと密接に関係しています《意志の力》に代表されるピッチスペルや1対1交換の除去が多いレガシーにとって、「相棒」の有無でリソース量が全く変わってしまいます。

レガシーというフォーマットの特性上、カード1枚の価値が高く、プラスで加わる1枚のカードが不確定ではなく確定であり、なおかつデッキの中核を担うほど強力である。各々の「相棒」のテキストを除けば、再現性の高さと8枚目の手札の2つが特に問題なのかと思います。

マナさえ揃えればコンボがスタートできるのは魅力

では、本題へと入ろう。新たな1ターンキルデッキ《深海の破滅、ジャイルーダ》の強さとは何なのか?

このデッキの強さは2つ、マリガン耐性と速度です。通常コンボデッキでは複数枚のキーカードが必要となるため、マリガンの判断も難しく引きムラが発生する場合もあります。対してこのデッキはコンボパーツの《深海の破滅、ジャイルーダ》は「相棒」に確保できているため、必要となるのはマナのみです。端的に言えばキルターンを上げる《ライオンの瞳のダイアモンド》を求めてある程度マリガンができます。

ライオンの瞳のダイアモンドライオンの瞳のダイアモンド深海の破滅、ジャイルーダ

速度に関しては、このデッキだけではなくザーダサルベイジャーもそうですが、《ライオンの瞳のダイアモンド》を使うことで高速展開が可能となっています。《ライオンの瞳のダイアモンド》は手札を捨てなくてはいけませんが、「相棒」は手札にはいないため関係ありません。このデッキにおいては4枚採用できる《Black Lotus》です。仮に5回マリガンしたとしても、《ライオンの瞳のダイアモンド》が2枚あれば1ターン目に《深海の破滅、ジャイルーダ》が着地できます。

《深海の破滅、ジャイルーダ》に興味をもったきっかけはとあるツイートでした。

見かけたデッキリストが気になり使ってみたところ好感触だったため、レガシーに明るい友人たちと構築を煮詰めました。実際に後手1キルをした際に技術介入の余地がなく《死の国からの脱出》より酷く感じたため、デッキ自体が本当に強いんだなと改めて認識できました。

コンボデッキ特有の弱点

特定のカードを必要とするからこそ干渉手段に弱いコンボデッキだが、《深海の破滅、ジャイルーダ》はどのように克服したのか?

このデッキはメインから相手の干渉手段にもある程度耐性があります。「相棒」によって《深海の破滅、ジャイルーダ》は常に安全に確保されているため、《思考囲い》で捨てられることはありません。次に《意志の力》に代表される打ち消しですが、メインから《魂の洞窟》があるため《深海の破滅、ジャイルーダ》を安全に着地させることが可能です。

厳かなモノリス古えの墳墓金属モックス

相手がこちらの序盤のコンボスタートを妨害するには《ライオンの瞳のダイアモンド》を対処するしかないのです。ですが《ライオンの瞳のダイアモンド》以外にも《厳かなモノリス》《古えの墳墓》があるため、平均すると3ターンで決着がつきますね。相手がその全てを対処するのは難しいと思いますので。

だが、完全無欠のデッキなどは存在しない。いくつかの致命的なカードがあることを教えてくれた

罠の橋虚空の杯Karakas剣を鍬に

実は《罠の橋》《虚空の杯》などパーマネントでの対抗手段が弱点です。《罠の橋》が出された場合には《深海の破滅、ジャイルーダ》をコピーし続けライブラリーアウトで決着をつける必要がありますし、《虚空の杯》は速度が売りのこのデッキにとっては致命的で、大幅に減速することになります。

相手が《深海の破滅、ジャイルーダ》とわかれば、デッキによっては《カラカス》がキープ基準にもなり得ますね。また、《深海の破滅、ジャイルーダ》が着地しても、コピーする前に《剣を鍬に》で対処されてしまうと不発に終わってしまいます。

予期の力線

そこで《予期の力線》の採用です。これによりインスタントタイミングで動けるようになるため、後手であっても相手の《虚空の杯》《カラカス》が場に出るよりも早く、かつ安全に《深海の破滅、ジャイルーダ》を着地させることが可能となります。《防御の光網》は単体除去と打ち消しを同時に対策できるため入っています。

すでに想定されるメタカードは対策済だが、今後はミラーマッチの増加も懸念される。どのように差をつけるのだろうか

応じ返し

ミラーマッチも増加すると思うのでサイドボードも考えてあります。サイド後は《深海の破滅、ジャイルーダ》を抜き、《応じ返し》を入れます。相手が先に仕掛けた場合、誘発型能力にスタックして《応じ返し》をキャストすることでコピーを防ぎます。自分のデッキから《深海の破滅、ジャイルーダ》を抜くのは、相手が先に動いた際の当たり牌を減らすことでループ自体を強制終了させる狙いです。

ほかにも《精神壊しの罠》を乗り越えるために《撹乱する群れ》を検討したり、パーマネント対策に《活性の力》を採用できないかとクローン系を《前駆ミミック》に変更したりとまだまだ選択の余地があります。全てを対処することは不可能なので、サイドボードは少しずつ歪んでいくと思います。

ベストレシピ

最後にもし今週末レガシー神決定戦が開催されるとしたら、《深海の破滅、ジャイルーダ》はどのようなデッキレシピで参加するべきか聞いてみた

サプラーツォの岩礁虚空の杯

青マナ2つ確保が難しかったため、マナベースを改善しました《サプラーツォの岩礁》を採用することで、加速しつつ青マナを確保できます。サイドボードには《紅蓮破》《剣を鍬に》用に《虚空の杯》を採用しています。

禁止改定などがなければ、《深海の破滅、ジャイルーダ》はこのままレガシーの一角として存在し続けるでしょうね。


突如としてレガシー界に出現した《深海の破滅、ジャイルーダ》。鈴池が語ってくれたようにゲームの再現性が高い8枚目の手札である「相棒」は、今後もレガシー界の破壊神となるのだろうか?

《深海の破滅、ジャイルーダ》の動向はもとより、《黎明起こし、ザーダ》《夢の巣のルールス》といったほかの「相棒」たちへも目を光らせ続けなければならないようだ。

また、今回インタビューに強力してくれた鈴池 史康(Twitter / Twitch)の手による《深海の破滅、ジャイルーダ》デッキのプレイガイドも公開となっているため、そちらも是非楽しんでいただきたい。

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