Translated by Kohei Kido & Nobukazu Kato
(掲載日 2020/06/02)
パウパーの世界へようこそ
みなさんごきげんよう。
今日のテーマはパウパーだ。まず知っておいて欲しいことが2つある。
その1. パウパーは奥深いフォーマットである
パウパーについて、「このフォーマットは、本物のMTGをプレイするお金のない人がプレイするフォーマットだ」と言う人がいる。フォーマットに対する敬意もなければ歩み寄ろうともしないのだ。まあ、そういった感覚はわからないでもない。TCGをやるのにカードプールに制限をかけるのは違和感があるだろう。使えるリソースが限られているようにも感じるかもしれないが、それはひとつの見方にすぎない。
パウパーは非常に複雑なフォーマットで、ゲーム中の判断の難しさはレガシーに近いとすら思えるし、レガシーさえも超越しているときすらあるのだ。
その2. ゲームレンジが長い
パウパーには”簡単でお得な動き”なんてなくて、試合はとても長くじりじりと進行する。早く終わる試合を提供するタイプのデッキは十分な強さがない。数か月前にしばらくパウパーをやめていたことがあるが、それはボロス統治者がTier 0のデッキで、ミラーマッチに勝つ一番いい方法が相手を時間切れにすることだったからだ。
もちろん冗談ではないよ。お互いにとどめを刺すのは実質的に不可能で、プレイヤーは続々とクリックやスタック解決、優先権放棄などにかかる時間をできるだけ少なくなるように最適化するほうに向かいつつ、それでも試合を通してゲームについて考え続けなければならなかった。
よりよいゲームプランを持っているほうが有利になるコントロールミラーではなくて、もっと“時間当たりの操作量コンテスト”みたいな感じだった。ズルとかシステムの悪用ではなくて、ただそれ以外に方法がなかったんだ。私の制限時間タイマーが赤くなることはほかのフォーマットでは一度もなかったと思うけど、パウパーではよくあることだった。
そのときやりたいMTGはそういうものではなかったから、しばらく休止することにした。今はメタゲーム的に青いデッキの立ち位置がよくなってまたパウパーを楽しめるようになったけど、それでも試合はかなり長くなることがあって、F6のショートカットキーを使うことは一切許されない。
さて、パウパーのほとんどのデッキは3つの大きなグループに分けることができるから、よく使われるデッキを見ていこう。まずはシンプルなやつからだ。
アグロ
緑単ストンピィ
-土地 (16)- 4 《イラクサの歩哨》
4 《クウィリーオン・レインジャー》
4 《スカルガンの穴潜み》
4 《大霊堂のスカージ》
4 《炎樹族の使者》
4 《巣の侵略者》
2 《リバー・ボア》
2 《野生の雑種犬》
-クリーチャー (28)-
数年前にストンピィで私がとんでもなくいい結果を残していたこともあったけど、今は使うことを勧めないよ。《石角の高官》や《虹色の断片》によるソフトロックに対してあまりにも脆弱すぎるからね。
バーン
わかりやすくてシンプルなデッキだが、それにもかかわらずパウパーで存在感を放っているのがバーンであり、遅いデッキを養分にしている。ゲームプランはドレッジに似ていて、1ゲーム目は相手に弱い手札をキープさせて勝利し(バーン相手に弱い手札というのはよく起こる)、そこからどうにかして続くゲームのどちらかを勝つんだ。いくつか問題を抱えているから、現在のメタゲームでは立ち位置がいいとは思っていない。
《熱錬金術師》はいくつかのマッチアップでとても活躍してくれるが、ほとんどのデッキには軽い除去が採用されているため、ダメージを受けまいと喜んで除去してくるし、場合によっては1マナで除去されてしまい相手が1マナ得することもあるだろう。《ギトゥの溶岩走り》も同じ憂き目にあうが、ダメージを与える可能性は《熱錬金術師》よりもはるかに高い。
このデッキには《稲妻》が足りていない。本当にやりたいことは1マナで3点のダメージを相手に与えることだけなのに、それができる呪文が少なすぎて、デッキの余った枠を《貫かれた心臓の呪い》や《針落とし》、《熱錬金術師》で埋めなければならない。また、《火炎破》を3枚しか入れていないリストを見たこともあるが、《火炎破》こそがこのデッキの存在できる理由になっているから減らすのは大変理解しがたい。
そのほかの火力呪文だと、《欠片の飛来》はまさに我々が求めていることをしてくれるが、土地をコストにするのは苦しい。《火炎の裂け目》は個人的に好きな選択肢であるし、2マナで4点のダメージは優秀でありライフレースで負ける可能性も低くなるが、これが許されるのはほかのすべてのカードが弱いからでしかない。
マッチアップに関してはエルフだけにすごく有利だが、そもそもエルフはあまり環境に多いデッキではない。
結論としてはバーンを使うのはやめたほうがいい。大会で多く見かけるのは知っているけど、量が質を意味しているわけではなくて、ボロスのミラーマッチを1リーグやったあとには一試合が一時間より短く終わるデッキならなんでもいいから使いたくなるんだ。相手にしたときにどうプレイすべきかは知っておく必要があるし、相手のサイドボードの選択肢も頭に入れておいたほうがいい。
バーンと対戦していると面白いことがあって、厳格な呪文の序列が存在しているのだ。例えば相手が1ターン目に《稲妻の連鎖》を自分に撃ってきたら、相手の手札には《溶岩の撃ち込み》も《裂け目の稲妻》もないという意味で、こういうふうにカードを候補から外していくことで相手の手札に関する比較的正確な情報が得られる。
親和
「親和」デッキを組むに当たって、よく起こる2つの問題を解決しないといけない。それは、軽量のアーティファクトカウントとマナ基盤の安定だ。この2つをクリアしないとデッキは一歩も動かない。《テラリオン》や《航海士のコンパス》、《彩色の宝球》を使う構築もあるが、《航海士のコンパス》をデッキトップから引いたときのことを考えるだけでも辛い。上記のリストに関しては潤滑剤とメタに合わせた《払拭》といったカードの配分のバランスが好きだ。
このデッキの勝ち筋は主に2つだ。
《マイアの処罰者》/《甲殻の鍛冶工》/《歯車襲いの海蛇》のなかからどれでもいいから2体を早く出そう。2体で攻撃し始めれば試合は終わらせられるようになる。「親和」に対する悪夢のような除去として《殺し》があるけど、これを使うデッキはひとつしかなくてほかのものについてはこちらのクリーチャーは除去の範囲外(《稲妻》《残響する衰微》《苦悶のねじれ》)にあるか、相手の条件が整わないといけない(《雪崩し》、《感電破》)。
《エイトグ》と《投げ飛ばし》/《ティムールの激闘》の組み合わせもある。《エイトグ》はパウパー界の《死の影》だ。《死の影》が土地のセットや手札破壊といった基本的な動きをするうちに野獣になるように、《エイトグ》は必要なくなった潤滑剤のアーティファクトや《彩色の宝球》を消費してブロッカーを突破できる。たとえ試合を終わらせる呪文を自分が持っていなかったとしても相手から見たら攻撃を通すのはリスクがとても高い。ボロスを除けば、パウパーのフォーマットにブロックするという要素は少なくて、真にそのためにいるクリーチャーは《ボーラスの占い師》くらいだ。
サイドボードに軽い対策カードの選択肢がたくさんあることも考えると、アグロがやりたいときに選択肢になるデッキは「親和」くらいだ。
コントロール
2つ目のグループはコントロールだ。ボロス統治者が王者だったころ、コントロール戦略は苦境にあった。あらゆる呪文が打ち消しに値するものであり、それがあまりにも大きなアドバンテージだったのだ。しかし、《神秘の聖域》の登場によってコントロール戦略が力を取り戻し、ミッドレンジは《悲劇的教訓》を得ることとなった。
青単フェアリー
2 《神秘の聖域》
-土地 (18)- 4 《秘密を掘り下げる者》
4 《フェアリーの悪党》
2 《フェアリーの予見者》
4 《呪文づまりのスプライト》
2 《ボーラスの占い師》
4 《深き刻の忍者》
-クリーチャー (20)-
一般的なコントロールと比べ、青単フェアリーは安定してクロックを用意できるようになっている。しかしその反面、難点もある。
青単フェアリーほど難しく、ミスが許されないデッキはない。研ぎ澄まされたスキルと対戦相手のデッキへの理解が求められる。しかし、すべてのマナを有効に使い、リスク(2種のリスクがある。打ち消すか打ち消しを温存するか、マナを構えるかタップアウトするか)を評価できれば、十分なプレッシャーをかけながら、相手の脅威から距離を置けるだろう。
イゼットコントロール
2 《冠雪の山》
4 《進化する未開地》
3 《神秘の聖域》
3 《灰のやせ地》
-土地 (21)- 4 《ボーラスの占い師》
4 《呪文づまりのスプライト》
4 《深き刻の忍者》
-クリーチャー (12)-
赤を足すことで、青が抱える2つの大きな問題を解消することができる。
私見では、イゼットコントロールのほうがミスを許されやすく、一度不利な状況に陥っても立ち直ることができる。こちらはよりコントロールに寄せた構築で、クリーチャーは12体しかいない。ただ、そのどれもが一級品だ(私は《秘密を掘り下げる者》以外の1マナ域が好きになれない)。《深き刻の忍者》は、《ボーラスの占い師》と《呪文づまりのスプライト》を再利用させてくれる。
今現在、イゼットコントロールはMagic Onlineでもっとも人気のデッキであり、あらゆるレベルの大会において優れた選択となるだろう。
ディミーアコントロール
先日のパウパーチャレンジでトップ4に入賞したため、ここでは私のリストを紹介する。このデッキは打ち消し呪文と軽量で強力な呪文(1マナ3/2飛行、1マナ5/5、0マナ除去)で固められている。除去の構成は個人の好みによるだろう。個人的に《苦悶のねじれ》は好きになれない。《ギルドパクトの守護者》を対処できる唯一のカードであるが、このカードを使うデッキはそもそもの相性がよくないからだ。諦めるべき存在といえるかもしれない。
《息詰まる噴煙》は騙されたと思って使ってみたが、有効な場面は多く、最悪でも「サイクリング」できるものであった。《殺し》は単体でも素晴らしいが、《黒薔薇の棘》と組み合わさればゲームを決定づけるカードとなる。「統治者」となり、返しのターンで王位を奪わせなければ、勝利への大きな足がかりとなるのだ。
サイドボードの《嵐縛りの霊》には疑問が残っている。ミラーマッチで有効なのは間違いないが、実際にサイドインしたい状況に巡り合ったことがない。《虚無の呪文爆弾》と《大祖始の遺産》のどちらを選ぶかはもうひとつの議論の的だ。たいていは《大祖始の遺産》をタップするだけで事足りるのは理解しているが、墓地全体を追放しなくてはいけない場合に自分自身も被害を受けてしまう点が好きになれない。
それからもうひとつ。あらゆるコントロールデッキに言えるアドバイスをおくろう。《渦まく知識》を決して過小評価してはいけない。レガシーのときと同じぐらい有効なカードだ。アンタップインするフェッチランドはないが、占術や土地サーチは十二分にあり、不要牌をライブラリーの奥へとしまえるようになっている。
ミッドレンジ
そのほかのフォーマットと同様に、パウパーのミッドレンジは中盤戦で強い脅威、汎用性の高いカード、マナ加速を用いている。人気の低いものから高いものまで見ていくことにしよう。
エルフ
-土地 (14)- 4 《樺の知識のレインジャー》
4 《Fyndhorn Elves》
4 《クウィリーオン・レインジャー》
3 《エルフの神秘家》
2 《ラノワールのエルフ》
2 《イラクサの歩哨》
4 《ティタニアの僧侶》
3 《エルフの先兵》
3 《幸運を祈る者》
4 《森林守りのエルフ》
3 《リス・アラナの狩りの達人》
-クリーチャー (36)-
3 《上機嫌の破壊》
2 《蜘蛛糸の鎧》
1 《本質の管理人》
1 《フェアリーの忌み者》
1 《嵐の乗り切り》
1 《活力の覆い》
1 《過酷な命の糧》
1 《大祖始の遺産》
1 《ヴィリジアンの長弓》
-サイドボード (15)-
《ガイアの揺籃の地》の効果を使えるからこそ、このデッキはプレイアブルになっている。しかし、本物の《ガイアの揺籃の地》とは違い、《ティタニアの僧侶》は1ターン生き残らなけらばならない。生き残っていれば、爆発的な動きができることだろう。
エルフはクリーチャーを並べるデッキの強みと弱みをほぼすべて持っている。全体除去やキーとなるクリーチャーへの除去に弱いが、介入されなければアドバンテージは指数関数的に伸びていき、数ターンで相手をカードの海に溺れさせることができる。イゼットコントロールやボロスと同等のデッキパワーはないだろうが、この2つのデッキや一定のアグロに対して有効なプランを有しているため、メインデッキに《蜘蛛糸の鎧》を適正な枚数で採用できれば、ある程度の結果を示してくれることだろう。
エルフに対する基本的な対抗策は3つある。
全体除去
特に厄介なのが全体除去(《電謀》《息詰まる噴煙》《クラーク族のシャーマン》)であり、ケアがしづらい。これらの全体除去には《蜘蛛糸の鎧》がもっとも有効である。2ターン目に《森林守りのエルフ》を展開することで、この問題を多少は和らげられる。
戦闘ダメージ軽減
戦闘ダメージ軽減効果(《石角の高官》《一瞬の平和》)の裏をかけるのは《過酷な命の糧》だ(《暴徒の正義》を採用するプレイヤーもいるが、赤マナが出る状況なら《樺の知識のレインジャー》がいることになる。白マナと黒マナが出るか心配する必要はない)。また、マナが余っている状況ならば《ヴィリジアンの長弓》の装備を繰り返すことでも対抗できる。
《軍旗の旗手》
《軍旗の旗手》は見た目以上に嫌らしいカードだ。ゲームプランで重要な存在である《クウィリーオン・レインジャー》や《森林守りのエルフ》の能力を妨害されてしまう。《ヴィリジアンの長弓》の準備を整えておこう。
黒単
1 《魔女の小屋》
2 《やせた原野》
2 《ボジューカの沼》
-土地 (22)- 3 《クォムバッジの魔女》
4 《騒がしいネズミ》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼》
1 《墓所のネズミ》
2 《黒薔薇の棘》
4 《アスフォデルの灰色商人》
1 《大牙の衆の忍び》
-クリーチャー (19)-
《アスフォデルの灰色商人》が初収録されたときはスタンダードに衝撃が走ったが、あれからパウパーでも黒単の核となっている。それよりも前から《堕落》に比重を置いた黒単はあったかもしれないが、《アスフォデルの灰色商人》はデッキパワーを一段階引き上げた。従来から「信心」を稼げるデッキであり、土壌が整っていたのだ。
(私自身のデッキであるディミーアコントロールを除き)記事内でサンプルとして掲載しているリストには修正を加えていないが、この黒単の《クォムバッジの魔女》が3枚である点は引っかかる。たとえばタフネス1が多い環境と予想するなら4枚にするべきだろうし、もしそうでない環境ならば「信心」を供給するだけの1/3のバニラクリーチャーを3枚入れるのは過剰だろう。
大量の除去と《黒薔薇の棘》の相性のよさは特筆すべきものである。黒単は親和などと極めて有利に戦えるだけでなく、使い方をマスターするのも難しくない。ただ、メインに使うデッキとしてはおすすめしない。
アゾリウスブリンク
まずお断りしておこう。このデッキは《時間の亀裂》を使ったかつてのテンポラルストームとは違う。あそこまで殺傷能力は高くない。正直なところ私はこのデッキのエキスパートではないが、《賢者街の住人》によるライブラリーアウトを狙うときは、《亡骸のぬかるみ》を「明滅」できるようにするなどの下準備を行っておこう。一度目のライブラリーを削る能力が解決される前に除去されたらたまったものではない。
どちらかといえば《賢者街の住人》は第2の勝ち筋で、第1の勝ち筋は古き良き《熟考漂い》4枚のビートダウンだろう。「明滅」システムが動き始めれば《熟考漂い》を見つけるのはそう難しくない。
私がひいきにしているのはディミーアコントロールとエルフだが、Tier 1を構成しているのはイゼットコントロールと以下の2つだと思っている。
トロン
モダンで通用するメカニズムを試さない手はない。ゲームプランはアゾリウスブリンクに似ているが、トロンのほうがマナコストの重い呪文を採用できるだけでなく、マナ加速手段が《陽景学院の使い魔》でなく土地であるため破壊されづらい。パウパーはモダンよりも環境の速度が遅いため、《予言のプリズム》をセットしてウルザランドの最後の1枚を探しにいく猶予がある。
トロンは打ち消し呪文に弱いように思えるが、実際はそこまで弱くない。トロンに刺さるのは《対抗呪文》《剥奪》といった確定カウンターだけであり、基本的に《魔力の乱れ》《呪文づまりのスプライト》といった打ち消しは通用しないのだ。これまでの経験から言えば、ベテランのコントロールプレイヤーはベテランのトロンプレイヤーにやや有利であるが、大きな差はないだろう。
そして環境最強の称号を有しているのはボロスだ。このデッキには2つの構築方法がある。
ボロス
《金切るときの声》アグロ型
5 《山》
1 《冠雪の平地》
4 《ボロスの駐屯地》
4 《風に削られた岩山》
1 《灰のやせ地》
-土地 (21)- 4 《スレイベンの検査官》
4 《道の探求者》
4 《戦隊の鷹》
2 《宮殿の歩哨》
2 《ギルドパクトの守護者》
-クリーチャー (16)-
この型のアドバンテージ獲得手段のひとつは《信仰無き物あさり》を筆頭とした「フラッシュバック」呪文である。基本的なプランは《道の探求者》で序盤にライフを削り、その後は慎重に鳥クリーチャーたちを並べていき、相手にプレッシャーをかけていく。慎重に動くとは言え、《電謀》《息詰まる噴煙》がヒットしないように対策を入れるべきだし、《残響する真実》《残響する衰微》で大損害を受けないためには対象となったクリーチャーを自ら除去する必要がある。
この構成のほうがトロンと戦いやすいが、ボロスはどの構成であってもトロンには非常に不利だ。そこでおすすめしたいのが次のタイプのボロスだ。
《きらめく鷹》/《コーの空漁師》キャントリップ型
3 《ボロスの駐屯地》
3 《古えの居住地》
3 《大焼炉》
2 《ボジューカの沼》
2 《忘れられた洞窟》
2 《隔離されたステップ》
2 《光輝の泉》
-土地 (21)- 4 《きらめく鷹》
4 《スレイベンの検査官》
4 《コーの空漁師》
2 《宮殿の歩哨》
2 《ギルドパクトの守護者》
-クリーチャー (16)-
4 《稲妻》
1 《電謀》
2 《虹色の断片》
1 《墓の刈り取り》
2 《未達への旅》
1 《忘却の輪》
4 《予言のプリズム》
2 《錬金術師の薬瓶》
2 《黄金の卵》
-呪文 (23)-
2 《ゴリラのシャーマン》
2 《軍旗の旗手》
1 《クラーク族のシャーマン》
1 《孤独な宣教師》
1 《電謀》
1 《痕跡消し》
1 《悪ふざけ》
1 《オーラの破れ目》
1 《大祖始の遺産》
-サイドボード (15)-
こちらのアドバンテージ源は、キャントリップ付きの2マナのアーティファクトと戦場に出たときにパーマネントを戻すクリーチャーのシナジーだ。先ほどと違って《道の探求者》に依存していないため、私としてはこちらの構成のほうが高評価である。
動き始めるまでに時間を要するが、8枚の火力呪文と2枚の《虹色の断片》があれば生き延びられることだろう。1つ目のアグロ型は《道の探求者》や対処されなかった《金切るときの声》で相手をビートダウンしていく可能性があるが、キャントリップ型にはそれがない。ロングゲームを最初から覚悟し、辛抱強くゲームを進めよう。
ある程度の期間はキャントリップ型を使っていたが、私からおくれるアドバイスはひとつしかない。やむなく使う場面を除いて火力呪文を温存しておくことだ。相手に《稲妻》《感電破》の連打の可能性をケアさせることで非常に戦いづらくさせよう。
このデッキを使ううえで本当に大切なのは戦術だ。基本的に手札に戻すアーティファクトの選択に悩む必要はないが、ゲームの進め方は理解しなければならない。これは言語化が難しい部分であるが、このデッキを使ってみれば(特にミラーマッチをしてみれば)すぐに言いたいことがわかるはずだ。
パウパーの構図
記事の締めくくりに、パウパーの一般的なTier 1の相関図を示しておこう。トロンはボロスに、ボロスはコントロールに、コントロールはトロンに強く、そのほかのデッキはこの強固な三すくみを崩そうと狙っている。
さて、今回の記事もお楽しみいただけただろうか。みなさんのお役に立てれば幸いだ。
ではオンラインで会おう。
ドミトリー・ブタコフ (Twitter)