プレイヤーズツアーファイナル開始!
いよいよ本日未明から始まったプレイヤーズツアーファイナル。すでに公開されたメタゲームブレイクダウンによると、参加者の約55%が《荒野の再生》を選択している。「本命は揺るがず」までは想定内にしろ、ここまで多いことは予測可能だったのだろうか。
プレイヤーたちのデッキ構成も気になるところだ。極端な話、2回に1回は《荒野の再生》デッキと対戦する計算となり、メインボードから一切の除去呪文の排除、《夜群れの伏兵》をはじめとしたインスタントで仕掛けられるカードが肯定されることになる。果たして、晴れる屋所属選手たちはどのような選択をしたのだろう?
今回は一部の選手に協力してもらい、事前にデッキ選択からメタゲーム予想まで回答いただいた。プレイヤーズツアーファイナルへ挑むプロプレイヤーたちの思考過程やデッキ選択理由をご紹介しよう。
ピオトル・グロゴゥスキ
使用デッキと選んだ経緯を教えてください
1 《平地》
1 《山》
1 《森》
4 《寓話の小道》
4 《ケトリアのトライオーム》
4 《ラウグリンのトライオーム》
4 《寺院の庭》
2 《繁殖池》
2 《神聖なる泉》
2 《踏み鳴らされる地》
2 《ヴァントレス城》
-土地 (29)- 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
1 《厚かましい借り手》
1 《帰還した王、ケンリス》
-クリーチャー (6)-
2 《ドビンの拒否権》
1 《否認》
1 《焦熱の竜火》
3 《神秘の論争》
3 《発展/発破》
3 《荒野の再生》
4 《サメ台風》
3 《時を解す者、テフェリー》
1 《世界を揺るがす者、ニッサ》
-呪文 (25)-
2 《裁きの一撃》
2 《轟音のクラリオン》
2 《陽光の輝き》
1 《幽体の船乗り》
1 《漁る軟泥》
1 《厚かましい借り手》
1 《帰還した王、ケンリス》
1 《ドビンの拒否権》
1 《終局の始まり》
1 《ガラスの棺》
-サイドボード (15)-
グロゴゥスキ「4色再生だ(今回は勝ちたいからジャンドサクリファイスではないんだ、すまない)」
グロゴゥスキ「ティムール再生はいまだにメタゲームの中心にいる。そのため《時を解す者、テフェリー》や《ドビンの拒否権》を採用することは、通常のティムール再生よりも有利になると思っている」
どのようなメタゲームを予想していますか?
グロゴゥスキ「50~60%のティムール再生と様々な形のバント、25~30%程度の様々なアグロ、残りはアゾリウスコントロールやジャンドサクリファイスのようなその他のデッキたちかな」
デッキ内のどのカードに期待してますか?
グロゴゥスキ「《荒野の再生》《成長のらせん》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《時を解す者、テフェリー》だね。どのカードも今のスタンダードを定義する重要なカードだからね」
誰(個人やチームなど)と調整しましたか?
グロゴゥスキ「いつも通りさ。ストリームを通じて、Twitchの視聴者たちと調整したよ」
セバスティアン・ポッツォ
使用デッキと選んだ経緯を教えてください
2 《島》
2 《森》
4 《寓話の小道》
3 《ケトリアのトライオーム》
4 《繁殖池》
4 《神聖なる泉》
4 《寺院の庭》
1 《啓蒙の神殿》
1 《神秘の神殿》
-土地 (27)- 3 《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》
3 《ハイドロイド混成体》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
-クリーチャー (10)-
4 《成長のらせん》
2 《霊気の疾風》
2 《ドビンの拒否権》
3 《エルズペス、死に打ち勝つ》
2 《サメ台風》
4 《時を解す者、テフェリー》
3 《世界を揺るがす者、ニッサ》
-呪文 (23)-
ポッツォ「バントランプを使うよ。これまでも使ってきたし、何といってもデッキパワーは素晴らしい。《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》が加わったことでさらに良くなったね」
どのようなメタゲームを予想していますか?
ポッツォ「ほとんどがティムール再生かその他シミックベースのランプデッキと予想しているよ」
デッキ内のどのカードに期待してますか?
ポッツォ「『基本セット2021』から新しく加わった《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》さ。そのために土地などを削り《選択》のスペースを作っている」
誰(個人やチームなど)と調整しましたか?
ポッツォ「トラルフ・セヴラン/Thoralf Severin、アーネ・ハーシェンビス/Arne Huschenbeth、ファブリツィオ・アンテリ/Fabrizo Anteriと調整し、さらに大会に参加しないマティアス・レヴェラット/Matias Leverattoとルイス・サルヴァット/Luis Salvattoも調整を手伝ってくれたよ」
林 眞右
使用デッキと選んだ経緯を教えてください
2 《島》
2 《森》
4 《寓話の小道》
4 《繁殖池》
4 《寺院の庭》
3 《神聖なる泉》
2 《啓蒙の神殿》
2 《神秘の神殿》
2 《豊潤の神殿》
1 《ヴァントレス城》
-土地 (28)- 2 《ハイドロイド混成体》
3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2 《厚かましい借り手》
-クリーチャー (7)-
2 《霊気の疾風》
2 《ドビンの拒否権》
2 《空の粉砕》
3 《エルズペス、死に打ち勝つ》
4 《サメ台風》
4 《時を解す者、テフェリー》
4 《世界を揺るがす者、ニッサ》
-呪文 (25)-
林「バントランプフラッシュです。特定の相手のみ、サイド後はバントフラッシュとして戦える構成にしています」
林「打ち消し呪文が多いデッキに対しては、相手のターンエンドに使える《夜群れの伏兵》《終局の始まり》《サメ台風》でプレッシャーをかけ、本命の《時を解す者、テフェリー》や《世界を揺るがす者、ニッサ》を着地できるように考えました」
林「それを可能にしたのが《ドビンの拒否権》です。攻め合いには向いてないカウンターですが、守りとして最強のカウンターです。その強みを活かし相手のターンエンドに使えるカードを多く採用することで、《荒野の再生》に対する絶対防御と隙のないクロックを手に入れ、勝率を劇的に上げることに成功しました」
林「最後に《世界を揺るがす者、ニッサ》を使いたかったのもあります。これまでお世話になったカードですし、4枚にしています」
どのようなメタゲームを予想していますか?
林「再生 vs それ以外。《荒野の再生》が絶対王者なのは間違いないです。」
デッキ内のどのカードに期待してますか?
林「相手のターンで仕掛けられる《サメ台風》と本命の《世界を揺るがす者、ニッサ》《時を解す者、テフェリー》の3枚です」
誰(個人やチームなど)と調整しましたか?
林「MTGアリーナを使い1人で調整しました」
平山 怜
使用デッキと選んだ経緯を教えてください
2 《森》
1 《山》
3 《寓話の小道》
4 《ケトリアのトライオーム》
4 《繁殖池》
4 《蒸気孔》
4 《踏み鳴らされる地》
3 《ヴァントレス城》
2 《爆発域》
-土地 (29)- 2 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
-クリーチャー (2)-
平山「ティムール再生です。プレイヤーズツアー権利を得たマジックフェストオンライン、そしてプレイヤーズツアー・オンライン本戦でもお世話になったデッキですね。『基本セット2021』リリース後も環境が大きく変わることはなかったので、引き続き使います」
どのようなメタゲームを予想していますか?
平山「ティムール再生が最多で次点がバント、この2つで大部分を占めると予想しています。」
デッキ内のどのカードに期待してますか?
平山「《成長のらせん》がを毎回初手に欲しいですね。《荒野の再生》、バントランプが大多数を占めると予想したのでメインボードはこの2つに大きく寄せ、ほかのアグロデッキはサイド後に勝負します」
誰(個人やチームなど)と調整しましたか?
平山「主にHareruya Hopesの増田 勝仁さんと斎藤 徹さんの3人で調整しました。Discordを使ってデッキ構成を話し合ったり、うまいプレイヤーの配信を見てプレイについて議論しました。それに加え、普段一緒にマジックを楽しんでいる仲間や瀧村 和幸さんからも意見をもらいました」
おわりに
不思議なことに4人の選択したデッキは本命の《荒野の再生》デッキと対抗馬のバントランプに綺麗に割れた。直近で活躍が目立った白単や緑単アグロに対してはサイドボードからの対応にとどめ、メインボードは極力中盤以降のゲームを想定したカードばかり。プレイヤーズツアーファイナルはここ1カ月のスタンダードのメタゲームと変わらず、《成長のらせん》を起点としたコントロールゲームとなる予想からだ。
数字の上でいえば、公開されたメタゲームは予想通りに違いはない。だが、事実は小説よりも奇なり。ここにきて新鋭のエスパーミッドレンジが生まれたように、大会結果までは誰にもわからない。それこそありふれたデッキにもシークレットテクが隠されているかもしれないのだから、全デッキリストは要チェックだろう。
明日未明(7月27日1:00~)からプレイヤーズツアーファイナル 2日目が始まる。ぜひともその目でHareruya Pros/Hareruya Hopesの活躍と大会の結末を見届けていただきたい。