ヒストリック情報局 vol.3 -ヤシャーン。をプロデュース-

晴れる屋メディアチーム

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出張版情報局、再び!

みなさんこんにちは。

『ゼンディカーの夜明け』が発売されて以来、新カードは各フォーマットで採用され、環境に変化をもたらしています。特に、呪文/土地の両面カード(以下、スペルランド)はスタンダードからレガシーまで幅広く使われ、既存デッキの強化、さらには新しいコンセプトのデッキをも生み出しました。

アガディームの覚醒創造の座、オムナス

新たなデッキが生まれたのはヒストリックも同様です。《創造の座、オムナス》はスタンダードにとどまらず、活躍の場をヒストリックまで広げ、ミッドレンジのキークリーチャーとして確固たる地位を築いています。スタンダードの構造そのままに、《成長のらせん》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を筆頭とした、相性の良いカードが多数存在していることも大きいでしょう。

さて、今回は目の前に迫ったシーズンの最終戦、2020年シーズン・グランドファイナルを前に、ヒストリックにおける『ゼンディカーの夜明け』の影響をみていきたいと思います。

『ゼンディカーの夜明け』加入後のヒストリック

上流階級のゴブリン、マクサス波乱の悪魔戦慄衆の秘儀術師自然の怒りのタイタン、ウーロ

前哨戦となった2020ミシックインビテーショナルでは、ゴブリンを中心にサクリファイス系、《戦慄衆の秘儀術師》デッキ、スゥルタイミッドレンジが活躍していました。

『ゼンディカーの夜明け』の導入を経て、メタゲームはどのように変化したのでしょうか?ここでは早くも公開となった、シーズン・グランドファイナルでの使用デッキを中心にご紹介していきます

4色オムナス

やはりヒストリックでも、このカードを抜きには語れないでしょう。

創造の座、オムナス

Hareruya Prosのピオトル・グロゴゥスキ/Piotr Glogowski選手が選択したのは、スタンダードで絶賛活躍中の《創造の座、オムナス》であり、ヒストリックでも強い存在感を示しています。それもそのはず、《成長のらせん》《探検》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》と考えうる限り最高の相棒たちに恵まれているため、これまで以上に高速展開、そして多重「上陸」が可能となっているのです。

水蓮のコブラ探検成長のらせん

2マナのランプスペルが10枚あるため、ほぼ確実に3ターン目に4マナを用意することができます。《オムナス》着地後は、《ウーロ》《僻境への脱出》でリソースを稼ぎながら、《発生の根本原理》を目指していきます。基本的な戦略は《ウーロ》使用できたときのスタンダードの4色オムナスと大差はなく、個々のカードたちがアップグレードされているのです。

バーラ・ゲドの復活

このスペルランドは比較的珍しく、興味深い選択といえます。土地総数を31枚として、5ターン目以降も土地を伸ばし続けたいという明確な意志を感じます。また、《発生の根本原理》を2枚へと減らしていることからも、重いカードを減らしミッドレンジ帯のカードで勝負し、状況に応じて《バーラ・ゲドの復活》で必要なカードを拾うほうが隙も少なく動きやすいと判断したようです。

《新生化》コンボ

ヒストリックへもたらした衝撃が1番強いのは、《海門の嵐呼び》でしょう。マイケル・ジェイコブ/Michael Jacob選手は《海門の嵐呼び》と《新生化》を使った新コンボを持ち込むことを決めています。わずか4マナと2枚のカードさえあれば完成するコンボは、そのターン中に20点を削りきる攻撃力を秘めています。

このコンボの優れているところは必要パーツが2枚と少ない点と、コンボが成功すればそのターン中に勝利できるため、防御カードとして《否定の契約》を採用できる点にあります。インスタントタイミングでコンボを阻害するには最低でも2枚以上の干渉手段が必要になるのです。

海門の嵐呼び新生化

コンボ手順を説明しますと、《海門の嵐呼び》を召喚して自身を追加コストとして《新生化》をキャストします。《海門の嵐呼び》の誘発型能力により追加コストを支払った状態の《新生化》がコピーされスタックへと積まれます(コピーA)。

二重詠唱の魔道士玻璃池のミミック

コピーAを解決して3マナのクリーチャーから《二重詠唱の魔道士》を戦場に出します《二重詠唱の魔道士》の誘発型能力により《新生化》のコピーをスタックに詰みます(コピーB)。この手順をライブラリーに眠る《二重詠唱の魔道士》の分だけ繰り返します。次は《玻璃池のミミック》を選択し、《二重詠唱の魔道士》のコピーとして戦場に出すことで、これまでと同様に《新生化》をコピーし続けます。

タクタクの瓦礫砦戦闘の祝賀者

最後のコピーを解決して《タクタクの瓦礫砦》を、オリジナルを解決して《戦闘の祝賀者》を持って来ることで、コンボは完成。クリーチャーすべてに速攻が付加されるため、攻撃可能となります!

絡みつく花面晶体ヴァラクートの覚醒

Michael Jacob選手はコンボと相性の良い2種類のスペルランドを採用しています。《絡みつく花面晶体》はコンボに必要なマナを揃えてくれて、3ターンキルを実現してくれます。《ヴァラクートの覚醒》はデッキから特定のカードをサーチするコンボが持つ弱点、手札に来てしまったカードを再びデッキへと戻し、コピー先を確保してくれます。土地でありながらコンボを補助する縁の下の力持ちとなります。

願いのフェイ予見のスフィンクス

2枚と比較的少ない枚数のコンボですが、手札に来なければどうにもなりません。このデッキでは《願いのフェイ》を採用し、《新生化》を1枚サイドボードへ移すことで、水増しに成功しています。コンボパーツが揃っている場合は《否定の契約》《神秘の論争》といった妨害呪文にもなれるフレキシブルなカードです。

《予見のスフィンクス》はジェスカイファイアーズでよく見た1枚ですが、初手にありさえすれば3枚占術できる優れもの。タイミングは限られますが、0マナで呪文を1枚唱えていることになり、特定のカードを必要とするコンボデッキにマッチしたカードといえますね。

大いなる玻璃紡ぎ、綺羅

相手の干渉手段に対する防御呪文も多数用意されています。コンボが始動しても《タクタクの瓦礫砦》が除去されてしまった場合、速攻を付与できず攻撃に向かうことができません。そこで《新生化》からサーチ可能な防御手段として《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》が採用されています。

単体除去の多いスゥルタイミッドレンジに対しては、最後のコピーで《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》をサーチして一旦クリーチャーすべてに除去耐性を付与し、次にオリジナルを解決して《タクタクの瓦礫砦》をサーチするようにしましょう。

4色ターボピッグ

ミシックインビテーショナルを制したセス・マンフィールド/Seth Manfield選手が使用したスゥルタイミッドレンジ。それに1色足したデッキが、ルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargas選手をはじめとした殿堂プレイヤーたちが選択した4色ミッドレンジです。スゥルタイミッドレンジと同じくランプスペルから打ち消し/除去呪文を組み合わせてゲームコントロールを目指していきますが、今回の目玉は“ピッグ”こと《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》となっています。

鎮まらぬ大地、ヤシャーン

戦場に出たときに2枚の基本地形を届けてくれる育ち過ぎた“ピッグ”は、《創造の座、オムナス》に引けをとらないスタッツを誇り、攻防の要となりますが、このカードで真に注目すべきはその下に記されている一文です。

「プレイヤーは、呪文を唱えたり能力を起動したりするために、ライフを支払うことも土地でないパーマネントを生け贄に捧げることもできない。」

サクリファイス系の戦略を否定する強力な能力を有しており、《ボーラスの城塞》はライフを犠牲に展開こそできるものの、フィニッシュブローである起動型能力は封じられてしまいます《スカークの探鉱者》の起動型能力さえも使用不能となるため、ゴブリンが誇るフィニッシャー《上流階級のゴブリン、マクサス》への道はかなり遠のいてしまうのです。サイドボードを含め4枚採用されていることからも、両デッキを強く意識していることがわかりますね。

サメ台風覆いを割く者、ナーセット虚空の力線

残るサイドボードもきっちりと役割が分かれており、ミッドレンジ~コントロールマッチと《戦慄衆の秘儀術師》などの墓地活用デッキへ割いているようです。

ジャンドサクリファイス

最後にご紹介するのは2020プレイヤーズツアーファイナルを制したクリストフ・プリンツ/Kristof Prinz選手が選択したジャンドサクリファイスになります。公式カバレージに先駆けて、スポンサーであるcardmarketより、シーズン・グランドファイナルのデッキ選択(注:リンク先は英語)に関する記事が発表されています。

湧き出る源、ジェガンサボーラスの城塞

ミシックインビテーショナルを振り返るに、ジャンドサクリファイスと呼ばれるデッキは3種類に分類されます。1つ目は3マナ以下の攻撃的なクリーチャーを中心に《集合した中隊》でバックアップする構築である《湧き出る源、ジェガンサ》タイプ。2つ目はマナクリーチャーによる高速《ボーラスの城塞》から《血の芸術家》《波乱の悪魔》で勝負する《ボーラスの城塞》タイプ。

集合した中隊

これら2つのデッキには《集合した中隊》が採用されていますが、このカードを使用するためにはデッキ内のクリーチャー数を25枚前後にする必要があり、さらに遅いデッキに対抗するために手札破壊が必要なジャンドサクリファイスにとっては、スロットの捻出にも苦慮するところでした。

大釜の使い魔魔女のかまどパンくずの道標

そして3つ目は今回クリストフ・プリンツ選手が使用する、かつてのスタンダードをにぎわせた《大釜の使い魔》+《魔女のかまど》+《パンくずの道標》エンジンを採用した、オーソドックスタイプ。《集合した中隊》を切ることで《フェイに呪われた王、コルヴォルド》が採用可能となり、空いたスペースには《思考囲い》《初子さらい》といった干渉手段をとることに成功しています。

悪ふざけの名人、ランクル

サイドボードには自分よりも遅いデッキを想定して《ボーラスの城塞》、クリーチャーベースのデッキに対する各種除去呪文、墓地対策が採用されています。《悪ふざけの名人、ランクル》は興味深い1枚であり、4色オムナスのような除去呪文の乏しいミッドレンジに対しての選択とのことでした。

鎮まらぬ大地、ヤシャーン

ただし、新鋭《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》には気をつけなければならないでしょう。このアーキタイプ自体かなり意識されており、カードの大半が機能不全に陥ってしまいます。セレズニアカラーを含んだ相手に対しては、サイドボードから単体除去を入れることを忘れてはいけませんよ!

今週末は2020年シーズン・グランドファイナル

ここまでヒストリックのデッキを紹介してきましたが、ここからはシーズン・グランドファイナルについてご紹介していきたいと思います。

日本時間の10月10日午前1時に開始される同大会は3日制となっており、参加できるのは2つのオンライントーナメントを勝ち抜いた、わずか32名。名実ともに今シーズンの最強プレイヤーを決める戦いといえるでしょう。

大会形式ですが、予選ラウンドは2日制となっており両日ともにスイス式ラウンドでスタンダードとヒストリックを3回戦ずつ行い、8勝したプレイヤーは自動的に決勝ラウンドへ進出となります。

全12回戦終了時点で、8勝したプレイヤーを除いて最終順位を算出し、合計8名による決勝ラウンドが開催されることになります。決勝ラウンドはダブルエリミネーション方式で行われ、優勝者を決定します。

公式カバレージはこちら

日本語放送も予定されており、次のリンクより視聴可能となっています:Twitch/YouTube

現在のスタンダード環境について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

出場するHareruya Pros/Hareruya Hopes

晴れる屋からは6名のプレイヤーが出場します。ラクドス《戦慄衆の秘儀術師》を手にミシックインビテーショナルで見事3位に入賞したルイス・サルヴァット選手をはじめ、同じくトップ8入賞の「先生」ことグジェゴジュ・コヴァルスキ選手、プレイヤーズツアーファイナルでトップ8入賞を果たしたアレン・ウー選手と殿堂ラファエル・レヴィ選手。

さらにMPL所属の人気配信者、ピオトル・グロゴゥスキ選手と、唯一のHareruya Hopesとして挑むトニ・ラミス・パスクアル選手の6名となっています。特に、トニ・ラミス・パスクアル選手は直近のオンライン大会でも上位に食い込むなど好調を維持しています。ぜひとも応援お願いします!

おわりに

いよいよ今週末へと迫ったシーズン・グランドファイナル。トッププレイヤーたちの競演を、手に汗握る戦いを観戦しましょう!!

繰り返しになりますが、大会日程は予選ラウンドは10月10~11日、決勝ラウンドは12日となっています。いずれもTwitch/YouTubeで日本時間深夜1時から開催されます。

Hareuya Pros/Hareruya Hopesからも多数のプレイヤーが参加しますので、ぜひ応援のほどをよろしくお願いします!!

この記事内で掲載されたカード

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