はじめに
みなさんこんにちは。
先週末はリーグ戦を中心に、大規模なスタンダードの大会が目白押しとなっていました。グルールアドベンチャーへの解答は見つかったのでしょうか?
今回は『ゼンディカーの夜明け』リーグ・ウィークエンドと第17期スタンダード神決定戦、CFB Pro Showdown Novemberの大会結果を振り返っていきます。
先週末の勝ち組は?
まずは先週末の勝ち組デッキを確認していきましょう!
4 《ギャレンブリグ城》
3 《眷者の居留地》
-土地 (23)- 4 《金のガチョウ》
4 《絡みつく花面晶体》
1 《漁る軟泥》
4 《カザンドゥのマンモス》
4 《恋煩いの野獣》
2 《打ち壊すブロントドン》
4 《意地悪な狼》
4 《貪るトロールの王》
1 《巨大猿、コグラ》
-クリーチャー (28)-
2 《鎖巣網のアラクニル》
2 《打ち壊すブロントドン》
2 《原初の力》
2 《強行突破》
2 《怪物の代言者、ビビアン》
1 《巨大猿、コグラ》
1 《精霊龍、ウギン》
-サイドボード (15)-
グルールアドベンチャーが幅を利かすスタンダード環境において、大きな成果をあげたデッキがありました。MPLに所属する行弘 賢選手は『ゼンディカーの夜明け』リーグ・ウィークエンドで緑単フードを使用し、8勝をあげたのです。同デッキはMPLとライバルズを合わせて4名の選手が選択していましたが、使用者全員が7勝以上をあげたデッキであり、リーグウィークエンドにおける勝ち組といっていいでしょう。
緑単フードは食物・トークンを活用することで、アドバンテージを稼いでいくミッドレンジタイプのデッキになります。色の都合上除去呪文は少ないものの手札を増やす手段が多く、採用しているクリーチャーも除去耐性があるので、消耗戦に強いデッキです。クリーチャーによって盤面を支えてから攻めに転じるデッキですが、マナクリーチャーにより素早い展開が可能であり、フィニッシャーは《貪るトロールの王》のようにサイズの優れた攻防一体のクリーチャーであるため、攻めに転じてからはあっという間にゲームエンドとなります。
《恋煩いの野獣》や《意地悪な狼》といったクリーチャーを肉の壁として、相手が攻撃できない盤面を目指していきます。《意地悪な狼》は貴重な除去能力を有しており、《エッジウォールの亭主》や《空飛ぶ思考盗み》といった各デッキのキーカードを落として行きたいところ。その後は食物・トークンさえあれば、無敵のアタッカー/ブロッカーとなってくれます。
現在のスタンダードには《グレートヘンジ》や《エンバレスの宝剣》、《エルズペス、死に打ち勝つ》など多数のエンチャント/アーティファクトが存在しています。《打ち壊すブロントドン》は攻防に長けたクリーチャーであり、メインボードから採用できる対策カードとなっているのです。
《パンくずの道標》で探し出すこともでき、《グレートヘンジ》があれば追加のドローもついてきます。クリーチャーであるため無駄になることはなく、対策カードでありながらほかのカードとシナジーを形成しているのです。
『ゼンディカーの夜明け』リーグ・ウィークエンド
MPL 上位者
勝敗 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
8勝 | 行弘 賢 | 緑単フード |
7勝 | Andrea Mengucci | エスパーヨーリオン |
Jean-Emmanuel Depraz | エスパーヨーリオン | |
Chris Kvartek | 緑単フード | |
Piotr Glogowski | グルールアドベンチャー |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
緑単フードやエスパースタックスのような、対アグロに特化したデッキたちが上位を占めました。前回の『ゼンディカーの夜明け』リーグ・ウィークエンドとは打って変わって、グルールアドベンチャーは狩られる側となってしまったようです。
グルールアドベンチャーで唯一7勝をあげたHareruyaProsのPiotr Glogowski選手は、メインボードに《水晶壊し》を採用しています。ミラーマッチにおける《グレートヘンジ》や増えつつある《アクロス戦争》を見越しての採用でしたが、スタックスや緑単フードにも効果的なカードとなっています。
ライバルズ 上位者
勝敗 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
9勝 | Luis Scott-Vargas | グルールアドベンチャー |
Matt Sperling | エスパーヨーリオン | |
石村 信太朗 | ティムールランプ | |
8勝 | Emma Handy | エスパーヨーリオン |
Zachary Kiihne | グルールアドベンチャー | |
Lucas Esper Berthoud | グルールアドベンチャー | |
Matthieu Avignon | 緑単フード |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
一方のライバルズでは、ティムールランプや緑単フードが好成績を残していましたが、最多勝にはグルールアドベンチャーも含まれていました。CFB総帥、Luis Scott-Vargas選手はメインボードに《アクロス戦争》、サイドボードでは《打ち壊すブロントドン》(しかも3枚)と徹底してミラーマッチを意識した構成を持ち込みました。デッキパワー自体は高く環境を牽引するデッキであり、サイドボードに《怪物の代言者、ビビアン》や《灰のフェニックス》などを採用することでほかのデッキに対してもガードを下げなかった結果、9勝へと繋がったのです。
メタゲーム
デッキタイプ | MPL | ライバルズ |
---|---|---|
グルールアドベンチャー | 11 | 22 |
ディミーアローグ | 5 | 4 |
エスパースタックス | 3 | 11 |
緑単フード | 2 | 2 |
セレズニアブリンク | 0 | 3 |
マルドゥスタックス | 0 | 2 |
その他 | 3 | 4 |
合計 | 24 | 48 |
MPL/ライバルズともにグルールアドベンチャーが最大母数を占めましたが、2番手がMPLではディミーアローグなのに対してライバルズではエスパースタックスとなっています。グルールアドベンチャー攻略の友として、多彩な除去呪文と《予言された壊滅》によるパーマネント対策を持ち合わすエスパースタックスが最適と考えたプレイヤーが多かったようです。
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エスパースタックス
5 《沼》
1 《島》
4 《寓話の小道》
4 《陽光昇りの小道》
4 《清水の小道》
4 《欺瞞の神殿》
4 《啓蒙の神殿》
2 《静寂の神殿》
-土地 (33)- 4 《スカイクレイブの亡霊》
2 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-クリーチャー (6)-
4 《無情な行動》
3 《取り除き》
3 《絶滅の契機》
4 《エメリアの呼び声》
4 《海の神のお告げ》
2 《メレティス誕生》
4 《エルズペスの悪夢》
4 《予言された壊滅》
4 《エルズペス、死に打ち勝つ》
2 《サメ台風》
4 《精神迷わせの秘本》
1 《悪夢の詩神、アショク》
-呪文 (41)-
Stanislav Cifka選手はエスパースタックスを使用して7勝をあげました。同デッキは《海の神のお告げ》や《黄金の卵》といった手札の減らないパーマネントを並べ、《予言された壊滅》を維持しつつ、相手の戦力を削り取っていくデッキです。単体/全体除去と豊富なドローソースを持ち合わせたコントロールデッキであり、《予言された壊滅》のおかげでグルールアドベンチャーの多彩な攻め手を受けきることが可能となっています。
ただし、3色であるためタップインランドによるテンポロス、《裏切る恵み》によるライフルーズ、除去呪文の最適化など構築面での難しさがありました。Stanislav Cifka選手はどのように解決したのでしょうか。
ドローソースに関しては、固定枠となっていた《裏切る恵み》を排除して《精神迷わせの秘本》へと変更しています。これにより《予言された壊滅》で生け贄に捧げることができず、ライフを失いすぎてしまう心配がありません。《精神迷わせの秘本》は時間こそかかるものの最大で4枚ものカードを引くことができ、状況に応じてドロー/占術を使い分けられるフレキシブルな1枚となっています。マナコストも軽いため序盤の土地事故防止や欲しいカードへアクセスしやすくなっています。
豊富な単体除去にも注目していきましょう。《黄金の卵》や《屋敷の踊り》を排除して、2マナ以下の除去呪文を9枚採用し、グルールアドベンチャーに対して1対1交換を続けられるようになっています。2マナ以下の除去呪文をしっかり積むことで《恋煩いの野獣》など対処して盤面をコントロールしやすくなり、《エルズペスの悪夢》によってゲームを掌握しやすくなっています。
《エルズペスの悪夢》の返しのターンで《エンバレスの宝剣》や《グレートヘンジ》を着地させないためにも、2マナのインスタント除去呪文を複数とることに意味があるのです。
メインとサイド合わせて4枚の《サメ台風》を採用し、ディミーアローグとコントロールマッチに備えています。通常、スタックス系はソーサリータイミングの呪文が多くディミーアローグには不利ですが、《サメ台風》と豊富なインスタント除去により改善を図っています。
《精霊龍、ウギン》はどんな不利な盤面もひっくり返してくれるミラーマッチにおける最高のカードであり、《エルズペス、死に打ち勝つ》の返しでプレイできるように心がけましょう。間違っても《エルズペス、死に打ち勝つ》の対象にならないようにだけは注意してください。
ティムールランプ
グルールアドベンチャーとそれに強い緑単フードやスタックス系の増加を予測してデッキ選択をしたプレイヤーがいました。石村 信太朗選手は徹底してクリーチャーを排除した呪文特化のティムールランプを持ち込み、見事7勝をあげました。
《耕作》などのマナ加速呪文でマナを増やし、いち早く《発生の根本原理》への到達を目指していきます。《移動経路》は特徴的な1枚であり、キャストできればほぼ5ターン目の《発生の根本原理》が確定します。
通常ランプデッキは序盤の大半をマナ加速に費やすため、ノーガードになってしまいアグロデッキに押し込まれがちです。しかし、このデッキは呪文/土地の両面カード(以下、スペルランド)を採用することで、マナソースを減らさずに干渉手段を手に入れているのです。《ジュワー島の撹乱》はその最たるカードであり、2ターン目以降も守りの要となり、《発生の根本原理》までの繋ぎとなってくれています。
《火の予言》《乱動への突入》はドローを進めながら盤面に触ることができるため、ランプデッキと相性がいい干渉手段となります。土地の引き過ぎ/引かなすぎ、またはフィニッシャーを引き込むのに一役買ってくれるのです。
サイドボードはディミーアローグとラクドスエスケープ対策が目立ちます。《垣間見た自由》《アゴナスの雄牛》は見慣れた「脱出」カードですが、《運命の神、クローティス》にも注目しましょう。
このカードは毎ターンいずれかの墓地からカードを追放しつつ、ボーナスを得ることができます。どこの墓地から追放しようともボーナスが得られるのです。《耕作》や《豆の木の巨人》とマナ域が被りますが、このカード自身がランプカードでもあるため、戦略に齟齬をきたしません。戦略沿った対策カードであり、さらに破壊不能があるため除去することは困難を極めます。《死の飢えのタイタン、クロクサ》さえ追放してしまえば、ラクドス戦の主導権は握ったも同然といえますね。
第17期スタンダード神決定戦
順位 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
神 | 江原 洸太 | ラクドスサクリファイス |
優勝 | コヤマ レンタロウ | ディミーアローグ |
準優勝 | 金井 匠馬 | ラクドスエスケープ |
トップ4 | 細川 侑也 | エスパースタックス |
トップ4 | 宇都宮 巧 | ディミーアローグ |
トップ8 | 中村 和博 | グルールアドベンチャー |
トップ8 | 萩原 行祐 | 赤単アグロ |
トップ8 | 高橋 一平 | グルールフード |
トップ8 | ナカツカ ショウタ | グルールアドベンチャー |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
参加者69名で開催された第17期スタンダード神挑戦者決定戦はディミーアローグを使用したコヤマ レンタロウ選手が制しました。トップ8には満遍なくデッキが散らばっており、環境の多様性を物語っています。
決勝戦で苦手とするラクドスエスケープを倒して勢いに乗るコヤマ選手。神・江原 洸太が選択したデッキもラクドスサクリファイスと非常に似通ったデッキであり、初戦を制したことで神の座が動くかと思われました。しかし、神・江原が再三《死の飢えのタイタン、クロクサ》を「脱出」させ、相性差を存分に見せつけ、3度目の防衛に成功したのです。
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ディミーアローグ
3 《沼》
3 《寓話の小道》
4 《ゼイゴスのトライオーム》
4 《清水の小道》
4 《欺瞞の神殿》
1 《ヴァントレス城》
-土地 (25)- 4 《盗賊ギルドの処罰者》
4 《空飛ぶ思考盗み》
2 《厚かましい借り手》
2 《老いたる者、ガドウィック》
2 《トリックスター、ザレス・サン》
-クリーチャー (14)-
2 《塵へのしがみつき》
4 《湖での水難》
2 《取り除き》
2 《本質の散乱》
2 《無情な行動》
1 《ジュワー島の撹乱》
1 《神秘の論争》
3 《物語への没入》
2 《サメ台風》
-呪文 (21)-
『ゼンディカーの夜明け』リーグ・ウィークエンド(10月)の際に、Stanislav Cifka選手らチェコ勢が使用したことで有名になったディミーアローグ、通称チェコローグ。ほかのディミーアローグとの違いは《マーフォークの風泥棒》などの軽いならず者を入れずに《トリックスター、ザレス・サン》を採用している点にあります。さらに《サメ台風》という妨害されにくい勝ち筋と攻撃をサポートする《老いたる者、ガドウィック》を追加したことで、中盤以降も息切れしにくくなっています。
《サメ台風》によりミラーマッチに特化した構築はこれまでにもありましたが、さらに《トリックスター、ザレス・サン》を採用することでグルールアドベンチャーやスタックス、ランプなどマナコストの重いのパーマネントを採用しているデッキにも強くなっています。《厚かましい借り手》はあるもののならず者自体は10枚とそれほど多くないため、戦闘中にプレイするよりも瞬速を活かして相手のターンエンドにキャストして、空の盤面から強襲することが多そうです。
ほとんどの試合で1度攻撃が通ればゲームを決めてしまいますが、2度目の攻撃を通す必要がある場合もあります。このデッキにはその点にも工夫が見られます。
《老いたる者、ガドウィック》はカードアドバンテージばかりに目がいきがちですが、このデッキとかみ合う能力を有しています。「青の呪文を唱えるたびに対戦相手のパーマネントをタップできる」ため、《トリックスター、ザレス・サン》の攻撃が通りやすくなっています。《トリックスター、ザレス・サン》の攻撃をいかに通すかを考えて構築されているのです。
CFB Pro Showdown November
順位 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
優勝 | Jan-Moritz Merkel | マルドゥスタックス |
準優勝 | Noriyuki Mori | オボシュランプ |
トップ4 | Darwin Fuenzalida | アブザンスタックス |
トップ4 | Lydia Aldrich | エスパースタックス |
トップ8 | guiyote | グルールアドベンチャー |
トップ8 | Pedro Almeida | ラクドスエスケープ |
トップ8 | 浦瀬 亮佑 | ティムールランプ |
トップ8 | Alonso Astroza Tagle | グルールアドベンチャー |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
参加者170名で開催されたCFB Pro Showdown Novemberはマルドゥスタックスを使用したJan-Moritz Merkel選手の優勝となりました。オルゾフを基調として《鍛冶の神のお告げ》をタッチしてアグロデッキに強い構成となっており、3マナ以上のクリーチャーを含めたパーマネントに対しては《払拭の光》で対応しています。
トップ8にスタック系が3名、ランプが2名とグルールアドベンチャー以降のメタゲームを見据えたデッキたちも結果を残しました。Darwin Fuenzalida選手が使用したアブザンスタックスはセレズニアブリンクに、追加のドローソースとして《裏切る恵み》、除去として《エルズペスの悪夢》を採用したデッキです。長引いた際には《奇妙な根本原理》が勝負を決めてくれます。
メタゲーム
デッキタイプ | 使用者数 |
---|---|
グルールアドベンチャー | 68 |
ディミーアローグ | 17 |
ラクドス系 | 13 |
エスパースタックス | 11 |
ジェスカイコントロール | 5 |
ジャンドサクリファイス | 4 |
アブザンスタックス | 4 |
ティムールランプ | 4 |
その他 | 44 |
合計 | 170 |
グルールアドベンチャーを筆頭にディミーアローグ、ラクドス系と見慣れたメタゲームとなっています。4番手以降はグルールアドベンチャーを狙ったエスパースタックスなどのコントロールやミッドレンジが続いています。
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オボシュランプ
3 《島》
2 《山》
2 《寓話の小道》
4 《ケトリアのトライオーム》
4 《岩山被りの小道》
4 《河川滑りの小道》
3 《神秘の神殿》
1 《天啓の神殿》
-土地 (27)- 4 《エッジウォールの亭主》
4 《砕骨の巨人》
4 《厚かましい借り手》
4 《恋煩いの野獣》
4 《峰の恐怖》
4 《豆の木の巨人》
-クリーチャー (24)-
ランプデッキといえば《耕作》などのマナ加速呪文や《ラノワールの幻想家》といったマナクリーチャーを連打して使えるマナを増やすことで、相手よりも重く強力なカードでゲームを掌握するデッキです。しかし、このオボシュランプはこれまでの純粋なランプデッキとは一線を画したデッキとなっています。何を隠そう、このデッキは《獲物貫き、オボシュ》を「相棒」にすることで、ランプデッキの顔ともいえるカードが採用されていません。《精霊龍、ウギン》レスランプなのです!
代わりに、「出来事」クリーチャーを採用することでデッキ全体としてのボードコントロール力を上げ、クリーチャー戦に強くなっています。ランプとアドベンチャーのハイブリッドのようなデッキであり、フィニッシャーには《発生の根本原理》が据えられています。ミッドレンジ寄りのデッキながら《発生の根本原理》の入った興味深い構成となっています。
久しくその姿を見ていなかった《獲物貫き、オボシュ》ですが、ランプデッキに採用されて環境へと戻ってきました。《峰の恐怖》と組み合わせて致死ダメージを狙うもよし、横並びになったクリーチャーのダメージ増強もよし。状況を選びますがフィニッシャーとなっています。
ランプ特有の1枚で勝つような展開は少ないものの干渉手段が多いため、アグロデッキに一方的に押し切られるような展開はありません。サイズの優れたクリーチャーを並べることで戦場を膠着させたあと、《獲物貫き、オボシュ》を着地させ勝負を決めましょう。「2倍のダメージを与える」効果はプレイヤーに通ってこそ、真価を発揮します。攻撃にうつるときは《獲物貫き、オボシュ》に先駆けて《厚かましい借り手》などの飛行クリーチャーを用意しておきましょう。
直近の大会結果
11月1日から11月8日までの大会結果(最低参加人数16人以上)になります。週はじめはグルールアドベンチャーとラクドス系が上位を占めていましたが、日がたつにつれラクドス系に代わってスタックス系が伸びてきます。特に顕著だったのはCFB Pro Showdown Novemberであり、トップ4の内3名がスタックス使用者という結果となりました。
墓地を第2の手札として消耗戦に強いラクドス系でしたが、パーマネントと《空を放浪するもの、ヨーリオン》による爆発的なアドバンテージ源を持ち、《エルズペスの悪夢》というキラーカードがあるスタックス系にとって食われる形となってしまいました。
グルールアドベンチャーはデッキパワーが高いため安定して上位に食い込んでいますが、今後も対策の手が緩むことはないでしょう。今後はグルールアドベンチャーとそれをメタったデッキ双方に相性のいいデッキの出番となります。ランプデッキの天下となるのでしょうか?
おわりに
変化を見せつつも、グルールアドベンチャー中心のメタゲームに変わりはないようです。クリーチャー以外のダメージソースと、アドバンテージ獲得手段を持ち合わせたロングゲームも戦える攻め手の途切れないデッキだからこそでしょう。
グルールアドベンチャーと今週の勝ち組であった緑単フードを同時に攻略するデッキは現れるのでしょうか。次回もスタンダードの情報をお届けしたいと思います。