スタンダード情報局 vol.25 -ウギンの魔力-

晴れる屋メディアチーム

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はじめに

みなさんこんにちは。

グルールアドベンチャー一強環境は去り、緑単フードやスタックスといった相性のいいデッキが生まれ、徐々にメタゲームが回り始めています。そのためスタンダードに最強デッキはなく、メタゲームを予測して最適なデッキを選ばなければなりません。

今回はCFB Clash Qualifier 4の大会結果を振り返っていきます。

先週末の勝ち組は?

まずは先週末の勝ち組デッキを確認していきましょう!

メタゲームの中心に位置しているため、ほかのデッキから対策されているはずですが、グルールアドベンチャーは一定の成績を残し続けています。CFB Clash Qualifier 4 – Flight 2で初日全勝を果たしたJovaras Komza選手のデッキをみていきましょう。

義賊探索する獣

これまで半固定枠となっていた2マナ3点火力《焦熱の竜火》《火の予言》の姿はメインボードになく、代わりに《義賊》《探索する獣》を足してライフを詰める前のめりな構築となっています。《義賊》は序盤のダメージ源となることは当然として、アドバンテージ源にもなる可能性があり、非クリーチャーマッチではいつ引いても嬉しい1枚といえるでしょう。

アゴナスの雄牛

メインボードの《アゴナスの雄牛》はメタゲームの変化を感じる1枚といえるカードでしょう。スタックスなどのコントロールに対してリソース勝負で負けないように《グレートヘンジ》と合わせて採用されています。除去呪文が多いデッキに対して強い1枚であり、「脱出」すれば《無情な行動》1枚では除去されません

灰のフェニックス

サイドボードにはコントロール戦への追加クリーチャーとして《灰のフェニックス》が採用されています。速攻に「脱出」と遅いデッキに対して欲しい要件をすべて兼ね備えており、マナソースも多いデッキであるため中盤以降はパンプアップ効果も無視できません。

CFB Clash Qualifier 4

順位 プレイヤー名 デッキタイプ
優勝 Maurycy Flisykowski ビッグラクドス
準優勝 Lukas Dusek ディミーアローグ
トップ4 Nicolas King マルドゥスタックス
トップ4 Javier Vargas ディミーアコントロール
トップ8 cftsoc ティムールランプ
トップ8 Mattia Rizzi 緑単フード
トップ8 Cole Cunningham エスパースタックス
トップ8 Kenton Stalder 緑単アグロ

(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)

参加者481名で開催されたCFB Clash Qualifier 4はビッグラクドスを使用したMaurycy Flisykowski選手の優勝となりました。トップ8にグルールアドベンチャーが存在せず、最近では珍しい大会結果となりました。

Nicolas King選手のマルドゥスタックスはグルールアドベンチャーをメタりつつも、一歩進んだ構築となっています。インスタントの単体除去呪文を抜き、空いたスペースに《精神迷わせの秘本》《裏切る恵み》を合わせて8枚採用していることからも、ミラーマッチなどの遅いゲームを想定していることがわかります。

精霊龍、ウギン

極めつけはメインボードの《精霊龍、ウギン》の存在でしょう。スタックス同型を睨んだこのカードは一方的に完成されつつある盤面を無へと帰し《エルズペス、死に打ち勝つ》よって使い回すことも可能となっているのです。

メタゲーム

デッキタイプ 1日目 2日目
グルールアドベンチャー 121 66
エスパースタックス 90 36
ティムールランプ 41 12
緑単アグロ 38 26
ディミーアローグ 32 21
ディミーアコントロール 22 12
赤単アグロ 15 8
その他 122 50
合計 481 231

トップ8には残らなかったものの、グルールアドベンチャーは安定した選択肢といえるでしょう。選択者の半数以上が2日目へと進出しています。

群れのシャンブラー空飛ぶ思考盗み

逆に初日苦境に立たされたのはエスパースタックスとティムールランプです。グルールアドベンチャーとそれへの対抗馬に強いデッキですが、今回は狩られる側となってしまいました。除去過多のデッキや重いソーサリータイミングでしか動けないデッキを狙った、緑単アグロやディミーアローグにいいようにカモにされてしまったのです。緑単アグロとディミーアローグの選択者のほとんどが2日目へ進出することになりました。

トップ8デッキリストはこちら

ビッグラクドス

ラクドスといえば《死の飢えのタイタン、クロクサ》の「脱出」をメインに据えたエスケープや《初子さらい》+《村の儀式》でクリーチャー戦に強いサクリファイスが有名ですが、このデッキは《精霊龍、ウギン》をゴールとした重量級ミッドレンジとなっています。

除去呪文でゲーム展開をスローダウンさせ、《真面目な身代わり》《アイレンクラッグの妙技》を使用して早いターンに《精霊龍、ウギン》をキャストしてボードコントロール、ひいてはゲームの掌握を目指します。

精神迷わせの秘本アゴナスの雄牛

8マナと比較的重いゴールへと到達するためにリソースを稼ぐカードが採用されています。《精神迷わせの秘本》は最近のミッドレンジやコントロールでよく見るカードであり、いつでも起動できるためインスタントの除去呪文と相性がよく、さらに占術orドローと状況に応じた使い方ができるのが魅力です。

《アゴナスの雄牛》も手札が枯渇しがちなこのデッキに適したカードであり、一気に3枚のカードを引くことができます。ディミーアローグ対策と同時に、「脱出」を活かして消耗戦でも活躍してくれる1枚となっています。

アイレンクラッグの妙技

このデッキの特徴といえるのが、高速《精霊龍、ウギン》であり、それを可能にしているのがこの《アイレンクラッグの妙技》になります。最速5ターン目に降臨する《精霊龍、ウギン》は奇襲性が高いだけではなく、そのままゲームの主導権も握ってしまいます。

デメリットもあるカードですが、そもそも《精霊龍、ウギン》のキャストを助ける専用カードです。それでも手札に余ってしまった場合は《這い回るやせ地》を育てるマナに当てましょう。

白単コントロール

CFB Clash Qualifier 4 Flight 29-0を達成したなかに一風変わった《精霊龍、ウギン》デッキがありました。さきほどのビッグラクドスと同様に《精霊龍、ウギン》を頂点にしたデッキですが、こちらのデッキは白単色となっているのです。

エルズペス、死に打ち勝つ

このデッキの最大の特徴は《精霊龍、ウギン》ゲーを制する《エルズペス、死に打ち勝つ》の存在でしょう。ミッドレンジに対して必殺の働きをするカードですが、こと《精霊龍、ウギン》への対処手段としても優秀です。相手の《エルズペス、死に打ち勝つ》で戦場へと戻されないように、元から絶っていきましょう。もちろんパーマネント対策としても優秀であり、《スカイクレイブの亡霊》と合わせて相手の戦場を根こそぎにしてくれます。

軍団の天使

ドローソースの少ないこのデッキにおいて、アドバンテージをもたらす手段となっているのが《真面目な身代わり》《軍団の天使》の2枚。ここでは《軍団の天使》に注目していきます。

《戦隊の鷹》のようなカードですが、違いはサーチ先がメインボードではなくサイドボードとなる点です。そのため枠の割き方に注目すべきカードですが、このデッキではメインボードは1枚のみに留めてあります。中盤戦以降の使用を想定していますが、消耗戦におけるその効果は絶大。パワーも4と高く、あっという間にゲームに終止符を打つカードです。

オンドゥの転置エメリアの呼び声這い回るやせ地

《精霊龍、ウギン》のために土地総数がある程度必要になりますが、土地ばかり引いてしまっては困りもの。単色のためマナベースに余裕があり、その問題を解消すべく呪文/土地の両面カード(以下、スペルランド)と無色土地が可能な限り採用されています。

《オンドゥの転置》《エメリアの呼び声》は土地でありながら、必要数(8枚)以降は呪文としても使えるため、ドローソースの少ないコントロール向きのカードといっていいでしょう。《オンドゥの転置》はあまり見かけないカードですが、スタックスに対しては《精霊龍、ウギン》のように機能するミッドレンジ~コントロール相手へのリセットスペルとなります。

《這い回るやせ地》はコントロール戦でのフィニッシャーとなるカードであり、特に対スタックスやブリンク系に相性のいいカードです。比較的早いデッキが多いため、序盤から円滑に動く必要あり《廃墟の地》がデッキから抜けている点と、《取り除き》よりも広く対象のとれる《無情な行動》が主力除去になっている点がこのカードを後押ししています

緑単アグロ

スタックスのようなエンチャント/アーティファクト(以下、置物)を軸としたコントロールデッキが増えたことで、置物の対処に特化したアグロデッキが増えています。緑単アグロは2日目への進出率も高く、トップ16に複数名が入賞していました。デッキの根幹にあるのは除去耐性と置物対策の2点です。

群れのシャンブラー

《群れのシャンブラー》は小粒ながら単体除去に対する耐性を持ち、しかも+1/+1カウンターが載っているクリーチャーすべてに付与してくれます。スタックス系の除去呪文が《ガラスの棺》などから《無情な行動》《取り除き》へと変わったことで、活躍の機会が生まれました。《石とぐろの海蛇》《漁る軟泥》は言わずもがな、《グレートヘンジ》さえあればあらゆるクリーチャーが後続を残せるようになるのです。

生成された昆虫・トークンは1/1ですが、《水晶壊し》《原初の力》など打点をあげるカードが多数あるため、戦場にクリーチャーを残すことに意味があります

水晶壊し打ち壊すブロントドン

緑の置物対策の定番《水晶壊し》に加えて、《打ち壊すブロントドン》までも採用されており、メインボードから7枚もの置物対策がとられています。特に《打ち壊すブロントドン》は定番であった《ガラクの先触れ》《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》に代わる1枚であり、スタックス系や緑単フード、《エンバレスの宝剣》などへの意識の高さがうかがえます。

直近の大会結果

直近の大会結果

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11月9日から11月15日までの大会結果(最低参加人数8人以上)になります。グルールアドベンチャーの入賞率は高く、CFB Clash Qualifier 4を除くすべての大会でトップ8入りしています。後を追うようにスタックス系も増加しており、いたちごっこはしばらく続くことになりそうです。

精霊龍、ウギン獲物貫き、オボシュ

スタックス系の増加によりそれらに強いデッキたちも数を増やしています。ランプ系は最たる例であり、パーマネントを並べる相手に対して《精霊龍、ウギン》によって上からかぶせるように盤面掌握していきます。また、ランプデッキの派生形《獲物貫き、オボシュ》を「相棒」にしたオボシュランプも増加しています。時間をかけ少しずつ有利な場を築いていくスタックスに対して、マナ加速から《発生の根本原理》による多面展開を目指し、対処の追い付かないほど脅威を並べ押し切りを狙います。

水晶壊し

置物対策の充実さなら緑単アグロに勝るデッキはないでしょう。《水晶壊し》《打ち壊すブロントドン》をメインボードから採用しているため、スタックス有利な場を形成しにくくなっています。《屋敷の踊り》《漁る軟泥》によって対策されてしまうため、非常に厄介な相手といえるでしょう。

空飛ぶ思考盗み

重いソーサリータイミングでしか動けないデッキが増えれば瞬速を活かしたこのデッキの出番です。一時期はラクドス系の増加によって数を減らしていたディミーアローグですが、スタックスやランプが増えれば存在価値もでてきます。重いパーマネント重視のデッキが相手なら《トリックスター、ザレス・サン》を採用すべきでしょう。

ラクドスエスケープの入賞者は1週間を通じて、わずかに3名。現在のメタゲームでは厳しい立ち位置となってしまったようです。

おわりに

季節のように移り変わるメタゲームに立ち向かうため、最適なデッキを選んでいかなければなりません。予測を立てるならばスタックスに強い緑単アグロやディミーアローグが増えそうですが、どうなるのでしょうか。

今週末にはMagic LATAM Challengeが控えていますね。次回はそれらの情報をお届けしたいと思います。

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