Translated by Kohei Kido
(掲載日 2020/12/08)
マジックを愛する友人諸君、ごきげんよう!
私がMagic Online Championship 2019(以下、MOCS)で使用したデッキについて解説する記事の後編へようこそ!前編ではモダンのティムールスケープシフトについてお話ししました。後編はパイオニアです。
パイオニアのメタゲーム
モダンとは異なり、パイオニアのメタゲームは予想がつきやすい環境です。つまり受け身の戦略も取りやすいということになります。メタ外のデッキとはそこまで遭遇しませんし、環境はモダンに輪をかけて《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を中心に回っています。
単純化すればウーロデッキは他のウーロデッキに勝てるようにデッキを重くしていて、非ウーロデッキはその間隙を突くように組まれています。スラムオーラやロータスコンボのように異なる方向性で構築されているデッキも数種類存在していて、その中で最重要なのはThe Spyです。
大会の時点で多かった非ウーロデッキはボロスバーン、緑単信心、The Spyでした。ウーロデッキの側ではスゥルタイ再生が比較的成功しているようでした。
正しいウーロデッキを見抜く
初めから《ウーロ》を使う側になる気でいました。《ウーロ》を使うデッキをしっかり仕上げることができれば、非ウーロデッキの全てに勝てると感じていたからです。メインゲームでボロスバーンや緑単信心が上振れで勝利しても、相手はまだもう1ゲーム勝たなければいけません。デッキ登録の一週間前にMagic Onlineのサブアカウントでスゥルタイ再生を使ってPioneer Challengeのトップ4に入りました。
1 《沼》
1 《森》
4 《寓話の小道》
4 《ゼイゴスのトライオーム》
3 《湿った墓》
1 《草むした墓》
4 《内陸の湾港》
1 《水没した地下墓地》
1 《伐採地の滝》
1 《ロークスワイン城》
1 《ヴァントレス城》
-土地 (25)- 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
-クリーチャー (4)-
この大会自体はいい成績で終えてメタゲーム上の立ち位置も悪くないと感じていたにも関わらず、メインゲームが毎回苦しいゲームになっていると感じていました。これはデッキが正しく調整されていないということを意味しています。ボロスバーンと緑単信心の増加にともなって打ち消し呪文もあまり強いとは言えませんでした。
このデッキで《荒野の再生》が採用されているのは、ティムール型のように《発破》に代表される強力な呪文1つを唱えるためではありません。どちらかというと《ウーロ》を場に出しながら相手のターンに打ち消し呪文を構えられるようにするためなのです。打ち消し呪文が強い環境ではないと感じているなら《荒野の再生》を採用する型ではなくてもいいのかもしれません。
これに気づいた時点で焦りを感じ始めました。スゥルタイ再生を1週間ほど使い続けていて、デッキ調整に使える時間も大部分をモダンに割いていました。
友人のDo0mswitchはローガン・ネトルズ/Logan Nettles(以下、Jaberwocki)のデッキリストをPioneer Showcase Challengeで使って、緑単信心とボロスバーンとの相性はいいと感じたと言っていました。
以前にもそのデッキを使ったことがあって、デッキの背景にある発想は好きだと感じていましたが、カードの一部が適切ではないような印象もありました。自分流にアレンジしたデッキを作ろうとしたこともありましたが、他のウーロデッキに対して微妙に不利に感じて、当時流行りのロータスコンボに対して不利なので途中でやめていました。
でも…現在はそういうメタゲームではありません!《致命的な一押し》を4枚採用しつつ《サテュロスの道探し》で《ウーロ》をサポートできるという要素は、緑単信心とボロスバーンとの相性を改善するのに必要だと感じているものに合致していました。
スゥルタイ昂揚
上でも触れましたが、《致命的な一押し》《思考囲い》《サテュロスの道探し》を4枚フル投入するという発想は好きでしたが、Jaberwockiのデッキリストには好きになれない要素もありました。参考として、当時得られた彼の最新のデッキリストはこういうものでした。彼がMOCSで使用したデッキリストもほぼ同じです。
Jaberwockiのデッキリスト
2 《森》
1 《沼》
3 《寓話の小道》
2 《ゼイゴスのトライオーム》
2 《繁殖池》
2 《草むした墓》
2 《湿った墓》
4 《花盛りの湿地》
2 《清水の小道》
1 《内陸の湾港》
1 《森林の墓地》
-土地 (24)- 4 《サテュロスの道探し》
3 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2 《残忍な騎士》
2 《不屈の追跡者》
1 《半真実の神託者、アトリス》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
-クリーチャー (17)-
私のデッキリスト
これがMOCSで登録したデッキリストです。
2 《森》
1 《沼》
3 《寓話の小道》
2 《ゼイゴスのトライオーム》
2 《繁殖池》
2 《草むした墓》
2 《湿った墓》
4 《花盛りの湿地》
2 《清水の小道》
1 《内陸の湾港》
1 《森林の墓地》
-土地 (24)- 4 《残忍な剥ぎ取り》
4 《サテュロスの道探し》
1 《脳蛆》
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
1 《残忍な騎士》
1 《不屈の追跡者》
1 《貪欲なチュパカブラ》
1 《約束された終末、エムラクール》
-クリーチャー (17)-
カード解説
カードとその枚数について軽く説明させてください。
土地
Jaberwockiのデッキリストをコピー&ペースト。
4枚採用確定のカード
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》4枚《サテュロスの道探し》4枚
この2種類のカードはスゥルタイ昂揚では定番のカードでこのアーキタイプを使う理由でもあります。他のカードは4枚から数を減らすこともありえるでしょう。この2種類は例外です。この2種類は4枚入れなければいけません。以上。
「昂揚」シナジー
《残忍な剥ぎ取り》4枚
これがデッキに加えた一番大きな変更点です。デッキには序盤から相手にプレッシャーをかける手段が必要だと感じていました。このカードはデッキにぴったりです。すぐに4/4に成長してくれて、相手に戦闘ダメージを与えるたびにおまけで《ウーロ》が墓地に落ちる可能性もあります。大当たりの《ウーロ》をめくることができなくても、デッキトップをいい具合に調節してくれます。
《ウルヴェンワルド横断》3枚
このカードは大量に入っていなくてもいいと感じました。引きすぎてしまうとデッキの動きが悪くなります。3枚で十分だと思いました。
《サメ台風》2枚《脳蛆》1枚
《サメ台風》は3枚も要らないと思いましたが、一方でデッキに3枚はエンチャントが欲しいとも感じていました。コンボデッキのゲームプランを崩すカードが足りないと感じていて、《脳蛆》はその穴を埋めてくれます。そうは言ったものの、ロータスコンボが減少しているので代わりに《クルフィックスの狩猟者》を1枚入れてもいいかもしれません。とはいえメインデッキかサイドボードに《脳蛆》を1枚入れておきたいという認識自体には変わりがないです。
《魂標ランタン》3枚
《魂標ランタン》をメインデッキに入れられることがこのデッキを使う理由のひとつでもありました。ウーロデッキに対して強く、The Spyに対しては格別です。メインゲームでゲーム開始時の手札にあれば勝利します。それくらい簡単に勝てます。
《最後の望み、リリアナ》2枚
《残忍な剥ぎ取り》をデッキに足す以上は全カード・タイプをデッキに含めたいです。プレインズウォーカーもデッキに入れるべきだということです。[-2]の忠誠度能力が魅力的なので《最後の望み、リリアナ》にすることにしました。墓地に落とした《約束された終末、エムラクール》を手札に戻す動きはとても強力だとデッキ調整の過程で気づきました。
《約束された終末、エムラクール》1枚
Jaberwockiのリストに足りないと感じていたカードです。コントロールデッキやコンボデッキに対する切り札になります。対戦相手を1ターンの間コントロールできれば、ゲームは完全にこちらのペースになります。
その他
《思考囲い》4枚《致命的な一押し》4枚
説明は不要でしょう。
《暗殺者の戦利品》1枚
3枚目の《害悪な掌握》をサイドボードに入れたかったのですが、入れる枠がありませんでした。《暗殺者の戦利品》は《害悪な掌握》の代わりになるカードでありながらメインデッキに入れられるカードだったため、もともとメインに入っていた《無情な行動》と入れ替えました。
《残忍な騎士》1枚《貪欲なチュパカブラ》1枚
《残忍な騎士》2枚の方がよかったのかもしれませんが、《大歓楽の幻霊》を除去できるカードを《ウルヴェンワルド横断》でサーチしたいという状況で《残忍な騎士》の「出来事」で除去するとかなりダメージを受けてしまいます。除去すると同時に2/2のクリーチャーが場に出るのも無意味ではありません。
《不屈の追跡者》1枚
デッキからカードをもう1枚抜かなければいけなくなったので、それは《不屈の追跡者》になりました。コントロールデッキやコンボデッキに対して強いカードですが、アグロデッキには強くありません。速いデッキが多いメタゲームを想定していたので、1枚にまで減らすことにしました。
《ヴリンの神童、ジェイス》0枚
《ヴリンの神童、ジェイス》を入れるか《残忍な剥ぎ取り》を入れるかの2択でした。序盤から相手にプレッシャーをかけることの方が重要だと思ったので0枚です。
《神秘の論争》0枚
青のデッキが減っていると感じていたのでこのカードは抜きました。
サイドボード
《再利用の賢者》1枚
ボロスバーンに対する強力なサイドボードカードです。相手のメインデッキで脅威となる2大巨頭の《大歓楽の幻霊》と《乱動する渦》に対処できます。サイドボードにもう1枚増やしたっていいくらいです。
《突然の衰微》2枚
このカードも増やすことに抵抗はありません。上記のボロスバーンの2つの脅威に加えて《夢の巣のルールス》にも対処できますからね。《時を解す者、テフェリー》にも使えるカードですが、スゥルタイ昂揚はスゥルタイ再生ほど《テフェリー》を苦手としていません。
《血の長の渇き》1枚《見栄え損ない》1枚
サイドボード後に追加できる1マナの除去を入れる枠です。両カードともメリットとデメリットがあると感じていたので散らすことにしました。ソーサリーなのは明らかなデメリットですが、「昂揚」達成には役立つ要素です。これらのカードをサイドインする試合では《思考囲い》をサイドアウトすることが多いですからね。
《屍呆症》2枚
コンボデッキに対するカードの枠です。The Spyとロータスコンボの両方に対してとても効果的です。
《否認》1枚《軽蔑的な一撃》1枚
《思考囲い》を使って相手のゲームプランを崩す計画を支えるためには、確定カウンターもいくつか採用する必要がありました。この2種類のカードもメリットとデメリットがあるので、相手にとって立ち回りにくくするために散らしました。たとえば《否認》を2枚入れると相手は《空を放浪するもの、ヨーリオン》や《ニヴ=ミゼット再誕》を打ち消される心配がないという情報を得てしまいます。この枠で使うカードとして3番目の候補は《物語の終わり》でした。
《害悪な掌握》2枚
緑単信心に対する最良の対策カードです。理想を言えば3枚入れたかったのですが枠が足りませんでした。
《絶滅の契機》1枚
スラムオーラに対する対策カードでしたが、それ以外のデッキに対しても戦場にクリーチャーをたくさん並べにくくする効果があります。
《ハイドロイド混成体》1枚《ゲトの裏切り者、カリタス》1枚《概念泥棒》1枚
墓地に依存せずにバリューを生みだせるクリーチャーが必要だと感じていました。《長老ガーガロス》や2枚目の《不屈の追跡者》も候補として考えていました。
サイドボードガイド
スゥルタイ再生
対 スゥルタイ再生
サイドボードの《夜群れの伏兵》には気をつけてください。《魂標ランタン》か《寓話の小道》を戦場に置いて《致命的な一押し》で対処できるようにしましょう。
相性を改善するには
このマッチアップで最優秀選手は《概念泥棒》です。戦場に残っている間、相手はゲームを前に進められませんから出し方を間違えないようにしましょう。《概念泥棒》を増やしてもいいですが、《不屈の追跡者》もまた重要な役割を演じます。
The Spy
対 The Spy
《ハイドロイド混成体》や《ゲトの裏切り者、カリタス》のような平凡なカードをサイドから足すくらいなら《致命的な一押し》をデッキに残した方がいいと思います。2マナのマナクリーチャーを除去できることは少なくないです。《魂標ランタン》か《屍呆症》を唱えると相手はコンボを諦めてビートダウンを狙ってくる場合があって、それを止める効果的な手段でもあります。相手がサイドボード後に《タッサの神託者》を利用して勝利しようとする試みを防ぐのにもいいカードです。相手のデッキにはまだ《世界棘のワーム》が残っていますから「信心」が0だと勝利できません。
《屍呆症》もとてもいいカードなのですが、使いこなすのが難しいカードです。以前は《世界棘のワーム》を指定してその場で勝利することを狙っていたのですが、現在は考えを変えて《這い寄る恐怖》が正解だと思っています。
相手は《ナルコメーバ》をサイドアウトすることが多いので、《這い寄る恐怖》を指定すると相手はコンボで勝利できなくなります。《致命的な一押し》や《暗殺者の戦利品》のような《タッサの神託者》に対処する手段さえ持っていれば勝利は目前です。
少し混乱しそうですね。もう少し詳しく説明させてください。
The Spyが《ナルコメーバ》をデッキに入れる理由は
- 1)《銀打ちのグール》がなくても《秘蔵の縫合体》が場に出るようにしたい場合。
- 2) 相手のターンの終わりではなく自分のターンの終わりに《秘蔵の縫合体》を確実に場に出したい場合。これによってたとえば相手が次のドロー・ステップに引いた墓地対策カードを避けられます。全体除去を持たないデッキに対して有効です。
- 緑単信心が一番いい例で、相手が《大いなる創造者、カーン》を出してサイドボードから《トーモッドの墓所》を持ってこられる前のターンにThe Spyがコンボを起動できる状況が発生し得ます。このような状況下では相手のターンの終わりではなく自分のターンの終わりに《秘蔵の縫合体》を場に出したいのです。墓地に存在していると相手のターンにまだ墓地対策で対処される可能性が残ってしまいますからね。
さてここからが難しいところです。
相手は《絶滅の契機》を警戒しているので《ナルコメーバ》をサイドアウトすることが多いです。相手のターンのメインフェイズに《秘蔵の縫合体》がすでに場に出てしまっていると大惨事になるからです。これによって相手のコンボを《這い寄る恐怖》に対する《屍呆症》で止めることが可能となります。《這い寄る恐怖》がなければ《銀打ちのグール》が誘発せず、そのため《ナルコメーバ》もサイドボードで眠っているなら《秘蔵の縫合体》も誘発しません。
私の経験上、《這い寄る恐怖》による12点ドレインと《銀打ちのグール》抜きでは、《憑依された死体》から出てくる《秘蔵の縫合体》に対処するのは簡単です。速度が遅すぎますからね。ですから《世界棘のワーム》ではなく《這い寄る恐怖》を指定するべきではないかと考えています。
そうなると相手は《タッサの神託者》で勝利する第2プランに移らなければいけませんが、そうなると《致命的な一押し》が役立ちます。相手はまだデッキに《世界棘のワーム》が残っているので、相手は《致命的な一押し》を使われても《タッサの神託者》で勝利できるようにするには、青への「信心」が0でも勝利できる状況となるデッキ枚数0枚になるまで2ターン待つ必要があります。
これを全てふまえた上で、相手が《タッサの神託者》をサイドボードに入れていない、もしくはサイドインしていないと知っているなら《世界棘のワーム》を指定して簡単に勝利できます。
相性を改善するには
《魂標ランタン》や《屍呆症》の枚数を増やせば相性はさらに良くなるはずですが、現状のままでもすでに十分相性はいいはずです。《影の評決》もとても役立つカードで他のマッチアップでも使えます。
ボロスバーン
対 ボロスバーン
このマッチアップに関する重要なアドバイスは《大歓楽の幻霊》には気をつけた方がいいということです。1ターン目に相手が出したクリーチャーの攻撃を受けてから、相手が出した《大歓楽の幻霊》を2ターン目の終わりに除去した方がいいこともあります。
《乱動する渦》と《夢の巣のルールス》が相手にとってロングゲームを戦う手段となっているので、それを念頭において対処できるカードを温存してプレイしましょう。ときにはクリーチャーから受けるダメージが多少増えても温存することがあります。
相性を改善するには
《再利用の賢者》や1マナの除去、《ゲトの裏切り者、カリタス》《長老ガーガロス》を増やせば相性は改善されます。《最後の望み、リリアナ》や《魂標ランタン》のようなそこまで役に立つわけでもないカードがサイドボード後もデッキに残っているので、上記のカードを増やせばサイドインする枠はあるはずです。対策カードをサイドボードに増やすなら、サイドボーディング後のデッキ内のカード・タイプのバランスには気を配ってください。
緑単信心
対 緑単信心
自分が戦場の優位を固める前に相手がプレインズウォーカーを出せないように、相手の1マナのマナクリーチャーを除去することがとても重要です。1枚だけ採用している《血の長の渇き》は緑単信心を相手にしたときに強みを発揮します。序盤のクリーチャーを除去しながらプレインズウォーカーにも対処できますからね。
相性を改善するには
《害悪な掌握》を増やしましょう!《見栄え損ない》を《血の長の渇き》にすることによって少しだけ相性を改善することも可能です。
スラムオーラ
対 スラムオーラ
相手のクリーチャーに単体除去で全て対処することを目指します。相手が戦場を整えることに成功してしまったら《ウーロ》や《約束された終末、エムラクール》を出すといいでしょう。意外なことに《概念泥棒》も活躍する試合です。相手がリソース勝負する手段として《上級建設官、スラム》と《憎しみの幻霊》が存在していますからね。
相性を改善するには
《絶滅の契機》はとても強力ですが、《魂の粉砕》も強力なカードとして挙げられるでしょう。《魂の粉砕》は追加の《害悪な掌握》の代わりのカードとして緑単信心にも通用するカードです。サイドボード後は相手の《浄光の使徒》がかなり厄介なので《魂の粉砕》は選択肢になるでしょうね。
黒単アグロ
対 黒単アグロ
相手のクリーチャーを除去して《魂標ランタン》で墓地から追放する動きがこのマッチアップで勝つカギです。だから《魂標ランタン》は戦場に出たときの誘発能力が有効活用できる状況になるまで手札で温存しましょう。
相性を改善するには
《影の評決》と《肉儀場の叫び》はとても効果的です。だからBolov0やmahzinha_linda(編集注:両名ともMagic Online上のパイオニアで黒単アグロを愛用しているプレイヤー)と頻繁に対戦していると感じたらサイドボードに足しておきましょう。
5色ニヴ
対 5色ニヴ
自分が《屍呆症》を使う前に相手が《ニヴ=ミゼット再誕》を唱えてしまうことの阻止を狙います。《思考囲い》か《軽蔑的な一撃》、あるいは相手の《白日の下に》を《否認》することで妨害すべきです。《屍呆症》で《ニヴ=ミゼット再誕》を全て抜いてしまえばかなり戦いやすくなります。《約束された終末、エムラクール》を出せばこちらの方が相手の動きの強さを上回っていくことも可能です。
相性を改善するには
《軽蔑的な一撃》の枚数を増やせばすばらしい働きをするでしょう。
ジェスカイルーカ
対 ジェスカイルーカ
《異形化》と《銅纏いののけ者、ルーカ》の忠誠度を[-2]する能力のためにインスタントタイミングで使える除去は手札に持っておきたいです。上記の理由に加えて《テフェリー》《覆いを割く者、ナーセット》《安らかなる眠り》が存在しているので《突然の衰微》をサイドインします。
《屍呆症》は《裏切りの工作員》を用いるこのデッキに対して有効です。《裏切りの工作員》をデッキから抜き去ることができれば、相手のデッキには大量の不要牌が生まれますからね。相手が《虚空の選別者》をサイドインしていても《ウルヴェンワルド横断》から《残忍な騎士》を持ってきて除去できますし、《ウーロ》を利用して勝つこともできます。
相性を改善するには
バリューがあるクリーチャーのうち、戦場に出たときに能力が誘発するクリーチャー、あるいは《不屈の追跡者》のようにそれに相当する能力を持つクリーチャーが役立つマッチアップです。打ち消し呪文も役に立つでしょう。
エスパーコントロール
対 エスパーコントロール
相性を改善するには
ジェスカイルーカと同様です。バリューがあるクリーチャーと打ち消し呪文が役立ちます!
ロータスコンボ
対 ロータスコンボ
相手が《遵法長、バラル》を使用するタイプのロータスコンボなら《致命的な一押し》を何枚か残して、代わりに《最後の望み、リリアナ》や《サメ台風》を抜く枚数を増やしていいです。《暗殺者の戦利品》で《睡蓮の原野》を破壊することはできませんが、《演劇の舞台》は破壊できます。
相手が《睡蓮の原野》を場に出す前に《屍呆症》が唱えられればその時点で勝ちです。相手がすでに《睡蓮の原野》を場に出しているなら《屍呆症》では《願いのフェイ》を指定することが多いです。でも《思考囲い》で相手の手札を見て得た情報で臨機応変に判断することが重要になります。《残忍な騎士》は《精霊龍、ウギン》や《パルン、ニヴ=ミゼット》に対する解答としてデッキに残します。
相性を改善するには
相性がいい相手ではありませんが、《屍呆症》に加えて《減衰球》をサイドボードに入れることで相手のゲームプランを崩す手段を増やすことは可能です。
おわりに
これで前後編にわたったMOCS 2019 finalsのデッキガイドは終わりです。楽しい大会でした!読者のみなさんもこの記事を楽しんで、自分のために活かしてくれればうれしいです!
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ゴンサロ・ピント(Twitter)