無敗のスニークショー

Jonathan Anghelescu

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2020/04/19)

みなさん、こんにちは!

4月の第2週は各フォーマットのSuper QualifierがMagic Onlineで開催されました。私は4月8日(木)のLegacy Super Qualifierに愛機であるスニークショーを持ち込み、無敗の11-0を達成することができました。本記事の大会レポートがみなさんにとって学びがあり、楽しいものになれば幸いです。

追究する理想のデッキ

Super Qualifierの数週間前、私はレガシーのデッキ選択に迷っていました。《王冠泥棒、オーコ》《戦慄衆の秘儀術師》禁止以降は環境がオープンになったものの、Magic Onlineの大会では《秘密を掘り下げる者》デッキ(デルバーデッキ)がメタゲームの30%を占めるようになってきていました。

秘密を掘り下げる者意志の力不毛の大地

メイン戦から《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》を大鹿に変身させる選択肢はなくなり、スニークショーにとってデルバーデッキとの相性は改善していましたが、依然としてもっとも難しいマッチアップのひとつです。高速のクロックをフリースペルのカウンターとマナ否定でバックアップする戦法は、3マナのソーサリーや4マナのエンチャントを通そうとするコンボデッキに対して効果てきめんなのです。

禁止改定以降の数週間は、《戦慄衆の秘儀術師》《王冠泥棒、オーコ》がいなかった2019年初頭の旧構成を使用し、良い結果を残せていました。

スニークショー

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しかしデルバー戦略の人気が上昇するとスニークショーに対しての信頼が薄らいでいったため、デルバーが支配するメタゲームに有利に戦えるアーキタイプを探そうと使用デッキを代わる代わるに試しました。

自然の怒りのタイタン、ウーロ石鍛冶の神秘家現実を砕くもの

自分でもデルバーデッキをティムールやスゥルタイといったカラーリングで試し、一定の大会結果を残しました。その他にもSuper Qualifierの数週間前にバント石鍛冶、ミラクル、赤単エルドラージを試しています。どれも強いデッキであり、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《剣を鍬に》を擁するデッキはどれもデルバーデッキへの備えが十分だと感じましたが、スニークショーよりもデルバーデッキに有利に戦えると確信を持てるほどのデッキはありませんでした

また、バントミラクル、ホガーク、赤単ストンピィなどの古くからあるアンチデルバー”戦略に対してスニークショーは有利に試合を運べます。こういった考えから、復活祭でマジックから離れた週末を過ごした後、私は自分がこれまで信じてきたものに回帰することを決心しました。

デッキリスト

デルバー戦略が変わらずの人気を誇っていたため、以前記事で取り扱った《猿人の指導霊》《目くらまし》をメインに入れた構成を再び選択しました。

猿人の指導霊目くらまし
スニークショー

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《実物提示教育》《騙し討ち》のようなコンボ呪文を序盤から通すという点では《呪文貫き》《狼狽の嵐》よりも《目くらまし》のほうが明らかに強力です。そのため、デルバーデッキにもっとも効果的な構成といえばこれになるでしょう。また、この構成は非常に高速かつ能動的であるため、開かれたメタゲームや大型の大会において有効な選択肢となります。

騙し討ち防御の光網

メインは一切アップデートする必要がなく、サイドは比較的定番の構成にしてあります。デルバー戦はサイド後も速度と安定性を損ないたくないですし、メインから上手く戦える構成になっていますので、サイドボーディングは4枚目の《騙し討ち》《防御の光網》を入れ替えるだけです。マナ否定をしてくる相手ですから連続でコンボ呪文を叩きつけられることはほとんどありません。ましてや4マナである《騙し討ち》はそうでしょう(起動コストも含まれば5マナです)。

サイドに不採用となったカードのなかで特筆すべきは《血染めの月》《秘儀の職工》でしょうか。それぞれの枠に代わりに入っているのは《魔術遠眼鏡》《全知》です。

《血染めの月》 vs 《魔術遠眼鏡》

血染めの月魔術遠眼鏡

《魔術遠眼鏡》《血染めの月》と違って完全に行動を封じる可能性はありませんが、《カラカス》のような厄介な土地をシャットアウトするという役割は同様に果たせます。《血染めの月》よりも1マナ軽いことから、2ターン目に唱えてから3ターン目にコンボを始動できたり、コンボと同一のターンに唱えやすくなっています。

また、大会に先駆けて《大いなる創造者、カーン》《神秘の炉》を使ったデッキ(カーンフォージ)が流行っていました。《魔術遠眼鏡》《カーン》を主なターゲットとしながらも、《多用途の鍵》《通電式キー》を指定することでマナ加速を封じて《神秘の炉》のキャストを遅らせたりと、幅広い解答となります。

さらに、《魔術遠眼鏡》《のぞき見》効果はスニークショーにおいて便利で、相手にも恩恵となり得るソーサリーを安全に唱えられるか確認してくれます。

《秘儀の職工》 vs 《全知》

秘儀の職工全知

《秘儀の職工》《封じ込める僧侶》などの対策カードを回避でき、一方的な《実物提示教育》効果を使えるコンボ呪文として評価していました。最近なってその評価を下げた大きな理由は、デス&タックスに《スカイクレイブの亡霊》が3~4枚入るようになったことです。デス&タックスだけでなくミラクルやその他のデッキが《秘儀の職工》を見越して《剣を鍬に》を残してくることもよくあります。ミラーマッチでは相変わらず強力ですが、Super Qualifierではスニークショーと頻繁に当たることはないだろうと予想していました。

《全知》はコンボの始点になりませんが、《秘儀の職工》と似た役割を果たせます。《封じ込める僧侶》を回避でき、デス&タックスやミラーマッチにおいて《実物提示教育》を安全に唱えられるようになるのです。シミックオムニテルやイゼットオムニスニークと当たると、相手の《全知》+《狡猾な願い》に負けてしまう可能性がありますが、先ほども言ったように《実物提示教育》デッキの使用率は低いだろうと考えていました。


残りのサイドカードはよくある構成になっています。《狼狽の嵐》《赤霊破》《紅蓮破》といった追加のカウンター、お馴染みの除去一式である《削剥》《紅蓮地獄》を2枚ずつ。墓地対策には《墓掘りの檻》を2枚選んでいますが、これは主にエルフの《自然の秩序》《緑の太陽の頂点》をどちらも封じ込めるというおまけを期待しているからです。

狼狽の嵐紅蓮地獄墓掘りの檻

《目くらまし》《猿人の指導霊》入りの構成は使い慣れていたので、Super Qualifierの前日にLeagueを1度5-0した時点でデッキ選択は固まりました。6月に開かれる『ストリクスヘイヴン:魔法学院』チャンピオンシップへの招待枠2つを獲得しようと参加したプレイヤーは307名。ここからの大会レポートでは、相手が無防備だったりイージーウィンだった試合は軽めに、面白かった試合はより詳細に解説していきます。

追憶の大会

1回戦:赤黒リアニメイト (後手)

対戦相手は赤黒リアニメイトで1月のLegacy Challengeを優勝したプレイヤー。最近は赤黒リアニメイトと当たることが減りましたが、苦戦し得るマッチアップです。

相手は5枚までマリガンし、私は2枚の《意志の力》を含む強力な7枚をキープしました。

Volcanic Island古えの墳墓渦まく知識定業
実物提示教育意志の力意志の力

相手は1ターン目《思考囲い》から《意志の力》を捨てさせます。私は《思案》をドローし、《Volcanic Island》をセットしてターンエンド。返しのターンに手札破壊を撃たれた場合に2枚目の《意志の力》を隠せるように《渦まく知識》を構えました。

渦まく知識

予想通り、相手は《思考囲い》の2枚目を持っていました。《渦まく知識》で引き込んだのは《定業》《沸騰する小湖》《目くらまし》相手が2枚目の土地を置いていなかったため、《目くらまし》は確定カウンターとして使えるだろうと考えました。そこでライブラリーの一番上に《意志の力》を、その下に《目くらまし》を積み込みます。この順序にしたのは相手が2枚目の土地か《水蓮の花びら》を置いてきた場合に《目くらまし》をフェッチランドでライブラリーの中に混ぜる選択肢を取れるからです。

《思考囲い》を唱えたことで相手の手札は残り3枚。マナソース+《暗黒の儀式》+《納墓》+リアニメイト呪文という一連のコンボを行うことができない枚数です。仮に4枚以上あった状況であれば、《意志の力》《目くらまし》も隠さないという選択があり得ました。カウンター1枚を《思考囲い》で抜かれてしまいますが、来るコンボに備えることができます。

カウンターを2枚ともライブラリートップに戻したことで、《納墓》《信仰無き物あさり》(あるいは自身を対象にとった《思考囲い》《陰謀団式療法》)でクリーチャーを墓地に送りこまれる隙が生まれますが、先々のリアニメイト呪文に対してカウンターを2枚構えられることになるため、ここはリスクを取るべきだと判断しました。

信仰無き物あさり

また、《実物提示教育》が手札にあるので、おそらく《信仰無き物あさり》が唱えられたとしても打ち消さなかったはずです。むしろ《信仰無き物あさり》《実物提示教育》で相手のファッティを展開させてしまうリスクを軽減させてくれるものであり、《実物提示教育》を唱えやすくしてくれます(その効果で《動く死体》を展開されてしまうおそれはありますが)。結局、相手は2枚目の《思考囲い》《思案》を抜き、ターンを返しました。

《定業》を唱えると、めくれたのは積み込んでおいた《目くらまし》《グリセルブランド》。どちらも占術で上に置き、《目くらまし》を手札に、《グリセルブランド》をトップに置きました。これで次のターンに《実物提示教育》から《グリセルブランド》という動きがとれることになります。リアニメイトに対して無鉄砲に《実物提示教育》を唱えるのは他の選択肢がないというときまでしないほうが好ましいですが、仮に《グリセルブランド》同士が対峙することになっても力押しできることはよくあります。

相手はすでに8枚中2枚のハンデスを消費していますが、《グリセルブランド》を捨てさせられてリアニメイトされるのは最悪のパターンですから、リアニメイトに対しては《グリセルブランド》を手札に抱えておくのは望ましくありません

古えの墳墓

私は《沸騰する小湖》をセットしてターンを渡しました。しかし《古えの墳墓》を出すべきだったとすぐに気づきます。《古えの墳墓》を置くと、次のターンに《実物提示教育》《グリセルブランド》を出して14枚ドローし、2枚目の無色2マナ土地をセットできれば《騙し討ち》から《エムラクール》(あるいは《実物提示教育》から《騙し討ち》)というコンボの可能性を高められました。

返しのターンに相手は特に何もせず、再びターンがやってきます。

ドローは積み込んでおいた《グリセルブランド》。相手の動きが芳しくないことを踏まえ、《古えの墳墓》を置いてから《実物提示教育》というリスクあるプレイはとらず、 ここは《定業》《騙し討ち》を探しに行くことにしました。もし前のターンに《古えの墳墓》を置いていたら、このターンで《実物提示教育》で仕掛けにいったはずです。

《定業》に対応して相手は《納墓》を唱えます。これには《Volcanic Island》を手札に戻して《目くらまし》でカウンターすることにしました。これにより《意志の力》のピッチコストに充てる青のカードを失ううえに、再び盤面のマナを減らしてしまうことになります。マナの減少は《実物提示教育》から《グリセルブランド》を出す場合、あるいは《定業》から《騙し討ち》を見つけた場合に響きます。

ですが、墓地にファッティを置かせるべきではないと判断しました。こう判断した主な根拠は《実物提示教育》から《動く死体》を出されると釣りあげられてしまう可能性があるからですが、赤黒リアニメイトには常にコンボパーツ2枚が必要な状況を突き付けておくのが好ましいという理由もありました。《納墓》を打ち消し、残る負け筋は《暴露》からリアニメイト呪文です。

動く死体

《定業》を解決させ、《エムラクール》2枚を占術でライブラリーボトムに送ります。《裏切り者の都》を引き、これで手札は土地3枚・《実物提示教育》《意志の力》《グリセルブランド》。青のカードが多かった数ターン前と比べるとだいぶ弱い手札です。追加で土地を置くことはできませんが、ここで《実物提示教育》のキャストに踏み切りました。《実物提示教育》《意志の力》にとって最後のピッチコストですが、このカウンターを使わされるようではジリ貧になり、ライブラリートップに身を委ねることになります

グリセルブランドグリセルブランド

予想通り、相手は《グリセルブランド》を持っていました。通常この構図になった場合、《グリセルブランド》の効果を起動しません。ここから《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》を見つけて《騙し討ち》コンボを決められる可能性は限りなく低いですし、コンボパーツに加えて相手のターンに備えるカウンターが必要であることを考えれば、相手のターンと返しのターンを手札7枚に絞られた状態で迎えるのは好ましくないからです。

相手はターンを迎えると《グリセルブランド》の能力を2回起動し、ライフを1まで落とします。《Badlands》を置いてから《暴露》をプレイし、序盤に《思考囲い》で確認していた《意志の力》を捨てさせます。この時点でライブラリーに残っているカウンターは《意志の力》2枚と《目くらまし》3枚。《グリセルブランド》が戦闘で相撃ちになって7点を回復し合う前に、私も能力を起動して14枚ドローします。運に恵まれ、そのなかには《水蓮の花びら》2枚、《実物提示教育》《騙し討ち》《エムラクール》《意志の力》《目くらまし》などのカードが含まれていました。

その後相手は《暗黒の儀式》をキャスト。私はこれに《意志の力》を合わせます。《水蓮の花びら》《金属モックス》を持っていれば《暗黒の儀式》を唱える前にプレイしていたはずであり、ハンデスからリアニメイトという後続の展開を防ぐために確信を持ってマナ加速を封じに行きました。

再び《暗黒の儀式》が唱えられますが、これには《目くらまし》を使い、返しのターンに《騙し討ち》から《エムラクール》で勝利をものにしました。

対 赤黒リアニメイト(2ゲーム目)

Out

定業 定業 定業 定業
グリセルブランド
騙し討ち

In

狼狽の嵐 狼狽の嵐
全知 全知
墓掘りの檻 墓掘りの檻

Legacy Challenge優勝時のリストには《灰燼の乗り手》が入っていなかったため、《実物提示教育》から《全知》のルートを残すことに迷いはありませんでした。《定業》《狼狽の嵐》《渦まく知識》を構え続けたい試合展開では必要性が下がります。

再び相手はダブルマリガンし、私はカウンターを2枚含む手札をキープします。

沸騰する小湖沸騰する小湖古えの墳墓
引き裂かれし永劫、エムラクール思案目くらまし意志の力

またもや相手は《思考囲い》から入るスタートで、《意志の力》をハンデスされます。対する私は《溢れかえる岸辺》を引くと、《沸騰する小湖》から《Volcanic Island》をサーチし《思案》をキャスト。めくれたのは《島》《水蓮の花びら》《実物提示教育》

もしこのゲームをやり直せるとしたら、おそらくシャッフルしないでしょう。《水蓮の花びら》を引いて、《実物提示教育》をトップに置きます。この選択は裏目に出る展開がさまざまに考えられるハイリスクなプレイですが、相手が手札に《グリセルブランド》を持っておらず、《目くらまし》を突破できるコンボルートでない場合にはハイリターンとなります。《水蓮の花びら》があれば、相手ターンに《目くらまし》を唱えながらも、返しのターンで《古えの墳墓》と合わせて《実物提示教育》を唱えられます。

しかし、当時の私は十分にこの視点を考えておらず、《実物提示教育》から《エムラクール》を出す”だけ”では危険だと判断しました。結局《思案》でめくれた3枚をシャッフルすると、《汚染された三角州》を引くに終わりました。これで手札は土地4枚、《エムラクール》《目くらまし》です。

相手は《信仰無き物あさり》をキャスト。先述したとおり、これはカウンターせずに《実物提示教育》で相手の大型クリーチャーを出される可能性を下げに行くべきところです。残念ながらこのときの私はそうせず、まだ《目くらまし》が使えるうちに使っておこうと判断。繰り返すようですが、今思えば《信仰無き物あさり》は通すべきでした。《目くらまし》で使えるマナを減らしてしまうと、《実物提示教育》《騙し討ち》を引いたときに困ります(前述の理由も合わせれば二重の意味で《信仰無き物あさり》は通すべきです)。

立て続けに土地を3枚引くと、相手が《死体発掘》《グリセルブランド》を釣りあげ、私は投了しました。

対 赤黒リアニメイト(3ゲーム目)

Out

猿人の指導霊 猿人の指導霊

In

魔術遠眼鏡 魔術遠眼鏡

先手では《別館の大長》への対抗策として《猿人の指導霊》の必要性が下がります。《魔術遠眼鏡》は自分自身の《グリセルブランド》も封じてしまいますが、《潮吹きの暴君》《灰燼の乗り手》といったファッティを廃した《グリセルブランド》偏重型の構成には効果的です。

また、対リアニメイトのサイド後では理想的なコンボルートが《騙し討ち》から《エムラクール》、あるいは《実物提示教育》から《全知》/《エムラクール》となります。とはいえ、このサイドボーディングを毎回行うかは怪しいところです。この試合に関しては正しいと感じていました。

3ゲーム目、お互いに7枚の手札をキープすると、相手は手札から《別館の大長》を公開します。

島溢れかえる岸辺古えの墳墓古えの墳墓
引き裂かれし永劫、エムラクール思案墓掘りの檻

《古えの墳墓》をセットし、《別館の大長》による追加コストを支払いながら《墓掘りの檻》を唱えます。

相手は《Badlands》をフェッチランドからサーチし、《納墓》をキャスト。これには介入できません。ここで《グリセルブランド》が墓地に送られたため、《墓掘りの檻》への解答である《悪ふざけ》《納墓》のサーチ対象として採用していない、あるいはすでに《墓掘りの檻》を破壊できるカードを握っていると考えられました(相手の最新のリストには《摩耗/損耗》が4枚採用されています)。

摩耗+損耗

私は《汚染された三角州》をドローすると、セットした《島》から《思案》《騙し討ち》2枚と《目くらまし》がめくれます。ここはシャッフルせず、《目くらまし》をドローしました。次のターン、相手は《思考囲い》によって《目くらまし》を抜き、《新緑の地下墓地》を置いてターンを返します。

《騙し討ち》を引きますが、《溢れかえる岸辺》を置くだけでターンエンド。《騙し討ち》を出してしまうと、《摩耗/損耗》を「融合」で撃たれ場合に《墓掘りの檻》のついでに破壊され、悲惨な状態になり得ます。仮に相手がハンデスをもう1枚持っていたとしても、おそらく《騙し討ち》を抜いてくるはずですが、先ほどの《思案》で2枚目の《騙し討ち》を積んであります。エンドフェイズに相手は《Badlands》をサーチし、ターンを迎えます。

死体発掘グリセルブランド

《湿地の干潟》をセットしてから《暗黒の儀式》を唱えると、《摩耗/損耗》《墓掘りの檻》へと放たれ、《死体発掘》によって《グリセルブランド》が戦場へ。相手のライフは16もあり、14枚ドローすれば再びリアニメイトによって《別館の大長》を出したり、ハンデスで残る2枚の呪文を射抜いたりできる状態。この時点で敗北を確信しました。

《グリセルブランド》の能力が一度起動され、《暴露》がキャストされると、予想通り捨てられたのは《騙し討ち》。しかしありがたいことに相手はもう7枚引くことを選択しませんでした。おそらく《ヴェンディリオン三人衆》を出してから《グリセルブランド》にバウンス呪文が撃たれたり、《狡猾な願い》から《突然のショック》が撃たれたりと、細い負け筋を辿ってしまうことを嫌ったのでしょう。私歓喜しながら《騙し討ち》を引き、マッチに決着をつけました。

通算成績:1-0 (ゲーム単位:2-1)

2回戦:赤単ストンピィ (後手)

Volcanic Island汚染された三角州グリセルブランド引き裂かれし永劫、エムラクール
定業実物提示教育実物提示教育

相手はワンマリガン、こちらは少々平凡な7枚をキープ。とはいえ、相手がわからない状態であれば喜んでキープできる部類の手札ではあります。コンボパーツが揃っている、マナソースがある、キャントリップでマナ加速を探しに行くこともできる。悪くないでしょう。

相手の初動は《古えの墳墓》から《虚空の杯》。対する私は《意志の力》を引き、《汚染された三角州》をセットしてターンを終了させます。フェッチランドを置いたのは、相手がエルドラージストンピィであれば《不毛の大地》をケアでき、《血染めの月》ストンピィだった場合は《島》をサーチできるためです。

虚空の杯月の大魔術師

相手は《山》を置き、《月の大魔術師》を戦場へ。対応して私はフェッチランドから《島》をサーチし、《月の大魔術師》を解決させます。返しのターン、私は《騙し討ち》を引き込み、そのままエンド。

《鎚の山道、髑髏砕き》のセットから《ゴブリンの熟練扇動者》が唱えられると、これには《定業》をコストに《意志の力》《月の大魔術師》の攻撃によってライフは16になり、ターンが返ってきます。しかしここで引いたのは無駄牌である《渦まく知識》。何のアクションもとることができません。

炎渦の部隊

相手の手札から《猿人の指導霊》が追放され《炎渦の部隊》が戦場に加わると、私のライフは10まで落ち込みます。相手は《炎渦の部隊》《月の大魔術師》を追放することを選択しませんでした。

私は待望の3マナ目である《裏切り者の都》 を引き当て《実物提示教育》から《グリセルブランド》の展開に成功。相手はもはや無用の《血染めの月》を設置し、2枚目の《実物提示教育》から《エムラクール》が出ると投了を宣言しました。

対 赤単ストンピィ

Out

目くらまし 目くらまし 目くらまし 目くらまし

In

削剥 削剥
紅蓮地獄 紅蓮地獄

《反逆の先導者、チャンドラ》が入っている構成であれば、《定業》2枚の枠に《魔術遠眼鏡》を2枚入れることが考えられます。《虚空の杯》デッキに対しては《定業》をサイドアウトしたいところですが、《目くらまし》よりはマシです。《目くらまし》《猿人の指導霊》で追加のマナ要求を払われると目も当てられません。また、このマッチアップは速度勝負になりますから、《目くらまし》のピッチコストによってマナを減少させるのは望ましくありません。

両者とも7枚をキープしましたが、私の手札は文句なしの内容ではありませんでした。

沸騰する小湖渦まく知識思案定業
削剥紅蓮地獄意志の力

コンボパーツが1枚もない手札は常に疑わしいものですが、《紅蓮地獄》《削剥》によって高速のクリーチャー展開に備えられること、《意志の力》でどんなものも弾けることを考えれば、ギリギリキープできる内容でした。

相手は《金属モックス》《ハンウィアー守備隊》を「刻印」し、《月の大魔術師》を展開する滑り出し。《意志の力》を温存しておきたかったので、ここは通すことにしました。ただ、キャントリップのための青マナを解放するには2枚目のマナソースを引いて《削剥》《紅蓮地獄》を撃たなくてはなりません

私のドローフェイズは《騙し討ち》《沸騰する小湖》を置いてターン終了。

ゴブリンの熟練扇動者

相手は《鎚の山道、髑髏砕き》をセットして《ゴブリンの熟練扇動者》をキャストします。ゴブリントークンと《月の大魔術師》の攻撃でライフは17へ。

ここで私は《Volcanic Island》を引き当て、《紅蓮地獄》で戦場を一掃します。次のターンに相手はもう一体の《ゴブリンの熟練扇動者》を唱え、私はこれを解決させました。ゴブリントークンのトークンに殴られて、ライフは16。

《島》を引いた私はこれをセットし、《思案》を唱えます。確認したのは《霧深い雨林》《実物提示教育》《思案》。コンボ呪文はすでに《騙し討ち》があったので、ここはシャッフルを選択し、《裏切り者の都》を引きました。相手のメインフェイズに《ゴブリンの熟練扇動者》《削剥》で除去するため、ここはターンを返します。《騙し討ち》で展開するクリーチャーを探し当てるまで時間を稼ぐ狙いです。

軍勢の戦親分

相手は《軍勢の戦親分》を唱えますが、私はライフを15にしながら《渦まく知識》をコストに《意志の力》で対応します。《削剥》を唱えるには《沸騰する小湖》を起動する必要があったため、《渦まく知識》《定業》よりも評価が低い状態でした。《軍勢の戦親分》をカウンターしないという選択肢もあり得たと思いますが、これ以上クロックを追加させたくありません。1点払って《沸騰する小湖》から《Volcanic Island》をサーチし、《削剥》《ゴブリンの熟練扇動者》へ。ゴブリントークンの攻撃でライフは13になります。

ドローフェイズに《猿人の指導霊》を引き当てた後、《定業》を唱えると《グリセルブランド》の姿を見つけます。《グリセルブランド》の能力を一度起動すると、その効果で引いた《水蓮の花びら》《エムラクール》によって瞬く間に勝負を決めました。

通算成績:2-0 (ゲーム単位:4-1)

3回戦:ティムールデルバー (後手)

ダブルマリガンの相手に対し、私はこの強力な7枚をキープします。

霧深い雨林古えの墳墓猿人の指導霊引き裂かれし永劫、エムラクール
渦まく知識実物提示教育意志の力

先行の相手は《汚染された三角州》をセット。私は《渦まく知識》を引き、《霧深い雨林》を置いてターン終了。相手のメインフェイズに《汚染された三角州》が起動されたため、《もみ消し》に引っかからないように対応して《霧深い雨林》を切り、《島》をサーチします。

森の知恵

対する相手は《Volcanic Island》のサーチから《Tropical Island》を追加して《森の知恵》をキャスト。対応して唱えた《渦まく知識》からは《水蓮の花びら》2枚と《騙し討ち》が。《水蓮の花びら》《騙し討ち》をライブラリーに戻し、《森の知恵》の着地を許します。

私は《水蓮の花びら》を置き、《古えの墳墓》をセットしてから《実物提示教育》。相手の手札から《否定の力》が飛び出しますが、これには《意志の力》で応戦し、《実物提示教育》が解決されます。《不毛の大地》では「引き裂かれし永劫」の相手になりません。ゲーム2へ向かいます。

対 ティムールデルバー

Out

騙し討ち

In

防御の光網

相手はワンマリガン、私はこの7枚をキープします。

Volcanic Island定業目くらまし目くらまし
意志の力騙し討ち防御の光網

《不毛の大地》に弱い手札ですが、コンボパーツ・マストカウンターである《防御の光網》・キャントリップ・3枚のカウンターが揃っており、キープするには十分な内容でした。

相手は《Volcanic Island》をターンエンド。こちらは《古えの墳墓》を引き、セットした《Volcanic Island》から《定業》を唱えると《グリセルブランド》《沸騰する小湖》がめくれます。どちらもトップに置き、《沸騰する小湖》をドロー。

防御の光網

相手は《Tropical Island》を置いて何もせずに終了。《グリセルブランド》を引いた私は《古えの墳墓》を置いて《防御の光網》の解決を狙います。相手はマナを払って《目くらまし》を唱えてきたので、私は追加要求のマナを《Volcanic Island》で支払。さらに《Volcanic Island》を戻して《目くらまし》が連打してきたため、私も《Volcanic Island》をコストに《目くらまし》で対抗すると、《防御の光網》の着地を成功させます。

しかし返しのターン、《渦まく知識》から《不毛の大地》を見つけられると、《古えの墳墓》が割られ、こちらの場には《防御の光網》しかない寂しい盤面になります。

私は《目くらまし》を引き、《沸騰する小湖》を置いてターンを渡します。《防御の光網》が置かれているので、《もみ消し》を回避するためにこの場でフェッチランドを起動する必要はありません。相手も《沸騰する小湖》を置くのみでターンを終えます。

《意志の力》を引いた私は《Volcanic Island》をセット。相手は自分のアップキープに《Tropical Island》を起動後に《秘密を掘り下げる者》をキャストし、《溢れかえる岸辺》を置いてターンエンド。《古えの墳墓》を引き込むと、私は《沸騰する小湖》から《Volcanic Island》をサーチし、《騙し討ち》を叩きつけます。相手は2マナしか使えない状態であり《防御の光網》の追加マナを支払えないため、これは打ち消されません。

騙し討ち

《秘密を掘り下げる者》《目くらまし》で変身しますが、《目くらまし》《溢れかえる岸辺》から《Volcanic Island》をサーチすることでライブラリーの奥へ。《昆虫の逸脱者》の攻撃によってライフを12まで落すと、《真の名の宿敵》が戦線に参加します。

《意志の力》を引いた後、《騙し討ち》を起動して《グリセルブランド》を展開、その能力を起動するとライフは5に。マナソースとキャントリップがあったため、《エムラクール》を探しに向かいます。見つからなかったものの、代わりに見つけ出したのはもう一体の《グリセルブランド》《霧深い雨林》を起動してライフは4になりました。

《水蓮の花びら》2枚と《猿人の指導霊》1枚があったため、《騙し討ち》が対処されそうになった場合でも《防御の光網》の追加マナを支払いながら《意志の力》をキャストできる状態にあります。もっとも、その《意志の力》を打ち消すカウンターを相手を持ってそうではありましたが。

《グリセルブランド》の攻撃によって相手のライフは11へ、絆魂によって自分のライフは11まで回復。手札上限を超えていたため、《意志の力》《目くらまし》をディスカードしました。

古えの遺恨

相手はメインフェイズに《防御の光網》を壊そうと《古えの遺恨》を放ちますが、これによって私の全カウンター呪文が自由の身になりました。《騙し討ち》から飛び出てくる《グリセルブランド》を嫌い、《昆虫の逸脱者》は攻撃に参加させず《真の名の宿敵》のみで攻撃してきます。これでライフは8。

《騙し討ち》を引くと、私はまず《渦まく知識》を唱えます。相手の起きている土地が《Volcanic Island》しかなく、《防御の光網》《古えの遺恨》で破壊したことからも、《エムラクール》を探しに行こうとキャントリップを唱えれば《赤霊破》系を使ってくれるだろうと思われました。その予想通り、《渦まく知識》《紅蓮破》が当てられ、私はこれを解決させます。

相手がタップアウトしたため、これで《もみ消し》《稲妻》を使われる可能性はありません 。安心して《騙し討ち》を起動し、《グリセルブランド》を戦場に展開、能力を起動するとライフは残り1。ようやく《エムラクール》を見つけ、マッチに勝利しました。

通算成績:3-0 (ゲーム単位:6-1)

4回戦:スゥルタイミッドレンジ (先手)

お互いに7枚をキープ。こちらの手札は赤マナとファッティがいないものの、及第点の手札です。

島島裏切り者の都
思案定業意志の力騙し討ち

対戦相手は1ターン目に《Underground Sea》を置き、2ターン目に《Tropical Island》から《悪意の大梟》を唱えます。こちらは度重なるキャントリップから待望の《グリセルブランド》と赤マナを見つけ出し、4ターン目には《騙し討ち》をキャスト。あちらも《渦まく知識》を2連打しますが、《意志の力》《否定の力》を見つけることができませんでした。仮に見つけ出していたとしても、私も《意志の力》を放てる用意はできていましたけどね。2ゲーム目へ移ります。

対 スゥルタイミッドレンジ

Out

猿人の指導霊 猿人の指導霊
グリセルブランド
定業

In

狼狽の嵐 狼狽の嵐
紅蓮破
赤霊破

お互いにワンマリガン。《裏切り者の都》を下に送り、この微妙な手札をキープします。

Volcanic Island古えの墳墓紅蓮破
渦まく知識思案定業

先ほども言いましたが、スニークショーにおいてコンボパーツ0枚の手札は決して理想的な内容ではありません。ただ、手札破壊を持っているミッドレンジやコントロールとの試合であればキャントリップ多めの手札は問題ないでしょう。

蓋を開けてみれば、相手のクロックは2ターン目の《氷牙のコアトル》のみ。たっぷりとある時間があるなかでキャントリップを唱え、《エムラクール》《実物提示教育》《騙し討ち》のコンボ呪文2枚を見つけ出します。《紅蓮破》にバックアップされた《実物提示教育》を打ち消そうと、相手は《意志の力》《狼狽の嵐》を消費。後続の《騙し討ち》へのカウンターの用意はなく、次のターンに《エムラクール》に敗北していきました。

通算成績:4-0 (ゲーム単位:8-1)

5回戦:スゥルタイ《エルフの開墾者》 (先手)

お互いにマリガンなしでキープ。

島沸騰する小湖猿人の指導霊渦まく知識
目くらまし意志の力水蓮の花びら

これもキープ基準ギリギリのものですが、《もみ消し》《目くらまし》を使ったデッキを好んでいる相手であったことから、マナ加速2枚と《意志の力》《目くらまし》がある手札は悪くないと考えました。

相手は1~2ターン目を《Tropical Island》《不毛の大地》を置くだけでターンを返してきます。この様子から相手は《もみ消し》と数枚のカウンターを握っているか、私がコンボに向かった場合にカウンターが《目くらまし》に引っかからないように《タルモゴイフ》のようなクロックを出してこなかったのだろうと推測しました。

もみ消し

3ターン目を迎えると、相手はようやく《森の知恵》で動き始めます。この動きから相手の状況が良くないことを察し《渦まく知識》から《騙し討ち》とキャントリップ2枚を発見。自分のアップキープにフェッチランドを起動しようとすると《目くらまし》が合わせられますが、《目くらまし》でこれを打ち消します。手札にクリーチャーはいない状態でしたが《騙し討ち》をプレイし、相手の《意志の力》に対して《意志の力》返しによって着地に成功させます。

2枚ある《Volcanic Island》のうちの1枚を《不毛の大地》で割ると、《壌土からの生命》によってその《不毛の大地》を回収し、残る赤マナまでも潰されます。幸い、私の手札にはまだ《猿人の指導霊》が残っており、返しのターンの《思案》から《エムラクール》を見つけると、《騙し討ち》から繰り出された《エムラクール》の前に相手は投了を宣言しました。

対 スゥルタイ《エルフの開墾者》

Out

グリセルブランド
騙し討ち

In

狼狽の嵐 狼狽の嵐

相手のデッキがスゥルタイデルバーやテンポデッキに類するものだと認識していたため、黒を含まないテンポデッキにサイドインする《防御の光網》ではなく、手札破壊・カウンター・《もみ消し》を意識して《狼狽の嵐》をサイドインしました。

再び互いに7枚をキープし、私は良い手札が来ました。

Volcanic Island溢れかえる岸辺沸騰する小湖古えの墳墓
グリセルブランド実物提示教育騙し討ち

《不毛の大地》《もみ消し》のセットに弱い手札ですが、これは明確なキープです。

相手は最初の2ターンを《沸騰する小湖》《カラカス》を置くのみ。《カラカス》が置かれたことで3枚目の土地がないだろうと睨みました。《渦まく知識》《水蓮の花びら》を引きつつ、私も序盤2ターンはフェッチランドを並べてターンエンド。3ターン目に相手がフェッチランドを起動したので、対応して《渦まく知識》を唱えると《目くらまし》2枚とキャントリップが見つかります。

ここで私は《もみ消し》の存在を考えてフェッチランドを起動しないことを選択しますが、これは2枚目の青マナが置かれた場合はそれを使ってほしいと考えたからです。そうすれば次のターンに《実物提示教育》を通すための《目くらまし》2枚が機能します。相手はフェッチランドから《Tropical Island》を持ってくると《思案》をキャストし、シャッフルすることなく《Tropical Island》をもう1枚置いてターンを返してきました。《渦まく知識》で戻した《Volcanic Island》はフェッチランドでシャッフルせず、このターンに《実物提示教育》を、次のターンに《騙し討ち》を唱えられるようにします。

カラカス

相手が2枚目の土地として《カラカス》を置いており、厄介になる土地ではありますが、《騙し討ち》があるおかげで突破できる予感はありました。《渦まく知識》を唱えた後にフェッチランドに対して《もみ消し》が飛んできますが、残りのマナソースは安全に展開されます。相手は《タルモゴイフ》を展開したことで《Tropical Island》1枚しか構えていなかったので、私は《実物提示教育》から《騙し討ち》のプランに踏み切ります。

活性の力

《意志の力》に対して《目くらまし》を2枚合わせ、《実物提示教育》が解決。《騙し討ち》を起動すると《活性の力》が対応して手札から唱えられますが、《騙し討ち》をもう一度起動して《グリセルブランド》を戦場に出し、ドロー効果で《エムラクール》とその他強力なカードを引き込みます。《活性の力》《騙し討ち》が破壊されますが、スタックには最初に起動しておいた《騙し討ち》の効果が残っています。《エムラクール》《グリセルブランド》と並びたち、マッチに勝利しました。

通算成績:5-0 (ゲーム単位:10-1)

6回戦:バントミラクル (先手)

6枚をキープした相手に対し、私はオールインの7枚をキープします。

Volcanic Island引き裂かれし永劫、エムラクール定業定業
実物提示教育水蓮の花びら水蓮の花びら

1ターン目《実物提示教育》ができる手札ですが、《定業》を唱えるという選択肢もあります。ただ、ターンを渡してしまうと《不毛の大地》や手札破壊などの多様な妨害に引っかかるようになってしまうでしょう。そこで私は1ターン目から《実物提示教育》を叩きつけることにしました。しかしこれは《自然の怒りのタイタン、ウーロ》をコストにした《否定の力》に阻まれます。

覆いを割く者、ナーセット

相手が序盤のターンをキャントリップに費やしている隙に私はマナベースを整えなおすことに成功します。3ターン目に相手はタップアウトして《覆いを割く者、ナーセット》。私の手札には《騙し討ち》《エムラクール》《目くらまし》に加え、自分のターンに《騙し討ち》のキャストコストと起動コストを払えるだけのマナがありました。

そこで《覆いを割く者、ナーセット》は通すことを選択します。その能力で見つかったのは《渦まく知識》。相手の手札はこれで4枚になり《否定の力》は1枚消費されている。自分のターンに《騙し討ち》を唱える覚悟ができました。

意志の力

《渦まく知識》を追放して投げられた《意志の力》には《目くらまし》を合わせますが、なんと相手から3枚目の《意志の力》が!こういうことも時にはあります。もう一度コンボチャンスを作ることはできず、数ターン後に《精神を刻む者、ジェイス》《否定の力》を回収する《神秘の聖域》を前に投了を宣言しました。

対 バントミラクル

Out

猿人の指導霊 猿人の指導霊
騙し討ち
水蓮の花びら

In

狼狽の嵐 狼狽の嵐
紅蓮地獄
赤霊破

《封じ込める僧侶》対策として《削剥》《全知》をサイドインする意見もあると思いますが、最近のバントミラクルはヘイトベアー枠に《エーテル宣誓会の法学者》《翻弄する魔道士》を優先させています。《防御の光網》もサイドイン候補でしょうが、このカードは基本的に青赤のフェアデッキ用だと認識しています。

相手はダブルマリガンをし、私は遅めの7枚をキープします。

Volcanic Islandグリセルブランド引き裂かれし永劫、エムラクール
思案定業紅蓮破意志の力

キャントリップが2枚もありましたが、なんと2枚目のマナソースが見つかったのは6ターン目。相手も6ターン目に《時を解す者、テフェリー》を唱えるまで《花の絨毯》しか唱えてこなかったのは不幸中の幸いでした。《時を解す者、テフェリー》には《紅蓮破》、それには《対抗呪文》、さらに私が《狼狽の嵐》とカウンター合戦に打ち勝ちます。

7ターン目にようやく3枚目のマナソースを見つけると、1ターン目の《思案》で手札に加えておいた《実物提示教育》を唱えられるようになりました。相手は《意志の力》を唱えますが手札は0枚になり、これを《意志の力》でカウンターすると《グリセルブランド》でゲームに勝利し、マッチは3戦目にもつれ込みます。

3ゲーム目、お互いに6枚をキープ。なかなか良い手札をキープし、《水蓮の花びら》をボトムに送ります。

Volcanic Island裏切り者の都引き裂かれし永劫、エムラクール
思案実物提示教育水蓮の花びら

この手札は1ターン目からコンボにオールインしないほうが良いでしょう。《意志の力》《否定の力》でカウンターされたり、《実物提示教育》から土地を置かれて《時を解す者、テフェリー》を出されれば、その場でほぼ負けが確定します。そのため、ここは《思案》を唱えることにしました。《グリセルブランド》《実物提示教育》が見つかり、これらは《実物提示教育》を連打するうえで良いカードです。

今回は相手の手札に1枚もピッチカウンターがなく、1枚目の《実物提示教育》が2ターン目に解決され、《グリセルブランド》が戦場に着地します。返しのターンに《議会の採決》が唱えられますが、《グリセルブランド》の効果を一度起動すると《意志の力》《騙し討ち》が手札に加わり、私のターンでの勝利が確約されました。

通算成績:6-0 (ゲーム単位12-2)

7回戦:エルフ (先手)

相手はダブルマリガン。私はかなり強めの7枚をキープします。

島沸騰する小湖渦まく知識渦まく知識
実物提示教育意志の力水蓮の花びら

《イラクサの歩哨》《遺産のドルイド》では2ターン目の《エムラクール》に勝てません。

対 エルフ

Out

目くらまし 目くらまし 目くらまし 目くらまし

In

紅蓮地獄 紅蓮地獄
墓掘りの檻 墓掘りの檻

先ほどと同様、相手は5枚、私は7枚でゲームを開始します。

沸騰する小湖引き裂かれし永劫、エムラクール渦まく知識思案
定業実物提示教育騙し討ち

相手は高速のスタートを切ります。《イラクサの歩哨》から《ガイアの揺籃の地》《遺産のドルイド》、(X)=1の《緑の太陽の頂点》《渦まく知識》《意志の力》と2枚目の土地を見つけ出し、《アロサウルス飼い》が戦場に出ないように《緑の太陽の頂点》《意志の力》でカウンターします。

アロサウルス飼い

私は《汚染された三角州》を2枚目の土地としてセットしてターン終了。相手は手札を空にしながら《クウィリーオン・レインジャー》《ワイアウッドの共生虫》を戦場へ。ターン終了時の《渦まく知識》は待望だった3枚目の土地と《グリセルブランド》を掘り起こし、《実物提示教育》を介してこれを戦場に出します。

《垣間見る自然》がトップデッキされると《グリセルブランド》の能力を起動し《意志の力》を発見してカウンターしますが、これによって残りライフは3。全クリーチャーを突撃させ、《ワイアウッドの共生虫》の能力で《グリセルブランド》の絆魂を”無効化”されたとしてもギリギリ生き残るライフです。返しのターンに《実物提示教育》から《騙し討ち》を展開し、《エムラクール》によって勝利を手にしました。

通算成績:7-0 (ゲーム単位:14-2)

8回戦:ティムールデルバー (先手)

相手は7枚キープしますが、私はワンマリガンして《意志の力》をボトムに送ります。

島汚染された三角州グリセルブランド
騙し討ち水蓮の花びら水蓮の花びら

お互いに1ターン目はフェッチランドを置くスタート。2ターン目のドローはフェッチランドで、《島》を置いてターンを返します。相手は《不毛の大地》をセットしてタップアウトしながら《森の知恵》

ここで私はこれしかないというベストカード、《目くらまし》を引き当てます。3枚目の土地、2枚の《水蓮の花びら》を置いて《騙し討ち》をキャスト。飛んできた《否定の力》には《目くらまし》で対抗し、《騙し討ち》が着地。《グリセルブランド》がとどめを刺します。

対 ティムールデルバー

Out

騙し討ち

In

防御の光網

2ゲーム目はお互いにマリガンなしで始まります。

Volcanic Island沸騰する小湖古えの墳墓グリセルブランド
渦まく知識目くらまし水蓮の花びら

相手は《Volcanic Island》をセットして《思案》を撃つと、シャッフルせずにターンを終了。《思案》を引いたため、《沸騰する小湖》から《島》をサーチしてキャストします。上から順に《実物提示教育》《実物提示教育》《島》を積み込み、《実物提示教育》を手札に。相手がタップアウトしたり1マナしか構えていない状態なら奇襲を狙える準備が整いました。

しかし、相手は2枚目の《Volcanic Island》を置くのみでターンを返してきたため、2枚目の《実物提示教育》を引いた私は《Volcanic Island》をセットしますがコンボには向かいません。相手の《不毛の大地》が置かれると、その起動効果が《Volcanic Island》へ差し向けられます。私は《島》を引き、セットしてゴー。相手は《霧深い雨林》から《Tropical Island》を持ってくると、《タルモゴイフ》をキャストしますが、これで相手は《Volcanic Island》のみが立っている状態になります。

タルモゴイフ

コンボを始動できるよう、《タルモゴイフ》のキャストに対応して《渦まく知識》《思案》《グリセルブランド》《Volcanic Island》がめくれます。《グリセルブランド》の上に《Volcanic Island》が積まれるように戻し、この土地を次のターンにドロー。《古えの墳墓》《水蓮の花びら》を置き、《実物提示教育》を放ちます。

相手の手札が5枚あったので絶対に《意志の力》を撃たれるだろうと覚悟していましたが、驚きと同時に喜ばしいことに、なんとそのまま解決され《グリセルブランド》が戦場に出ます。相手も数ターン粘りますが、「脱出」した《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《覆いを割く者、ナーセット》には2枚の《目くらまし》が着地を許しません。この時点で手札には《意志の力》とピッチコストとなるカードがあり、再び「脱出」しようとする《自然の怒りのタイタン、ウーロ》にも《意志の力》を当て、ライフを8以上にさせません。続くターンに《グリセルブランド》の攻撃でフィニッシュしました。

通算成績:8-0 (ゲーム単位16-2)

9回戦:シミックオムニテル (後手)

すでにトップ8入りを確定させていたため、比較的落ち着いた心持ちで臨み、後手で緩めの手札をキープしました。相手はワンマリガンでキープします。

汚染された三角州汚染された三角州沸騰する小湖古えの墳墓
思案騙し討ち水蓮の花びら

相手は《Tropical Island》から《定業》を唱え、2枚とも占術で下へ。ドローフェイズに《騙し討ち》を引き、《思案》で確認したのは《目くらまし》《グリセルブランド》《実物提示教育》《グリセルブランド》をドローし、《目くらまし》の下に《実物提示教育》を積み込みます。相手は続く2ターンをキャントリップに充てるばかりで、私も土地を置くのみでターンを終えていきます。

こちらの3ターン目、2マナ浮いている状態で《実物提示教育》をキャスト。相手は《夏の帳》で対応し、これは通さざるを得ません。《実物提示教育》が解決され、私は《騙し討ち》を、相手は《全知》を戦場に並べます。幸い、相手の手札に《狡猾な願い》はなく、《グリセルブランド》《エムラクール》を引き込んでゲームエンドになりました。

対 シミックオムニテル

Out

実物提示教育 実物提示教育 実物提示教育 実物提示教育

In

狼狽の嵐 狼狽の嵐
紅蓮破
赤霊破

互いにワンマリガンしますが、私の手札は微妙な内容。《汚染された三角州》を下に送ります。

島霧深い雨林意志の力
騙し討ち水蓮の花びら水蓮の花びら

開始6ターン目までマナソースと《紅蓮破》しか引けず、結局《夏の帳》《意志の力》《実物提示教育》を通され、《全知》から《狡猾な願い》でやられました。

3ゲーム目、相手は6枚をキープし、私はこのそこそこな手札をキープします。

Volcanic Island霧深い雨林引き裂かれし永劫、エムラクール
渦まく知識思案目くらまし水蓮の花びら

1ターン目、《思案》でめくれたのは《グリセルブランド》《騙し討ち》《赤霊破》で、《グリセルブランド》をドローします。オムニテル戦略に対しては《グリセルブランド》が手札にあれば勝てる自信があります《氷牙のコアトル》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》のビートダウンを除けば、相手は勝つために《実物提示教育》(ときには《Eureka》)を通さなくてはいけないのが通常です。

《グリセルブランド》に対して《全知》が置かれたとしても、置いた時点で《エムラクール》を持っていなければ、《グリセルブランド》の大量ドローによって《狡猾な願い》やキャントリップを打ち消すカウンターを引けるでしょう。《赤霊破》《紅蓮破》はこの状況で特に有効で、《夏の帳》に引っかかることなく《狡猾な願い》やキャントリップに対応して《全知》を割れます。

紅蓮破全知

相手は序盤をキャントリップに費やし、私は3ターン目に1マナ浮いた状態で《騙し討ち》をキャストします。《意志の力》に対して《赤霊破》を合わせ、《騙し討ち》が着地。タップアウトしてターンを渡すことになりますが、《目くらまし》と2枚のファッティがいる手札です。相手は《Elvish Spirit Guide》を追放して《実物提示教育》の解決を狙いますが、《目くらまし》でこれを打ち消すと、返しに《騙し討ち》によってマッチを勝利ました。

通算成績:9-0 (ゲーム単位:18-3)

準々決勝:カーンフォージ

お互いにマリガンなしでゲームを開始します。

Volcanic Island溢れかえる岸辺古えの墳墓裏切り者の都
猿人の指導霊実物提示教育実物提示教育

相手の使用デッキはわかりませんでしたが、最近はバントミラクルを使っているようでした。もしカーンフォージだとわかっていたとすれば、このハンドをキープするか長考したことでしょう。《神秘の炉》《大いなる創造者、カーン》の高速展開に対して一切打ち消しを持っていないからです。マナ加速を絡めてファッティ展開呪文を2連打できる手札は、仮に数ターン内にファッティが見つからなかったとしても、ほとんどのデッキに対して悪くない内容です。

厳かなモノリス通電式キー大いなる創造者、カーン

残念ながら、相手は1ターン目に《厳かなモノリス》《通電式キー》から《大いなる創造者、カーン》を展開。《ライオンの瞳のダイアモンド》をサイドボードから手札に加えてターンを渡してきます。《思案》を唱えると、めくれたのは《グリセルブランド》《エムラクール》《意志の力》。ここから勝てるとすれば、相手が《大いなる創造者、カーン》《罠の橋》を手札に加えない展開、あるいは《罠の橋》をサーチ・キャストし《意志の力》でカウンターする展開しかありません。

どんな能動的なアクションをとられても良いように《意志の力》をドローし、《グリセルブランド》をトップに置くことにしました。相手は《罠の橋》をサーチしますが、賢明にもそれを唱えることはしませんでした。メインデッキに《罠の橋》を突破する手段はないため、敗北が確定です。

対 カーンフォージ

Out

目くらまし 目くらまし 目くらまし 目くらまし

In

削剥 削剥
魔術遠眼鏡 魔術遠眼鏡

アーティファクトによるマナ加速が豊富にあるデッキですから、《目くらまし》はあまり好きになれません。高速スタートを妨害できるパターンもありますし、赤単ストンピィ戦のように《猿人の指導霊》で無効化される未来に怯えることもありませんが、土地を戻すことによる1ターンのズレは速度がカギを握るマッチアップでは避けたいことです。

相手は6枚を、私は喜んでこの7枚をキープします。

溢れかえる岸辺引き裂かれし永劫、エムラクール渦まく知識実物提示教育
意志の力騙し討ち水蓮の花びら

《溢れかえる岸辺》をセットするのみでターン終了。私のリストには《呪文貫き》がないですし、相手は《虚空の杯》《三なる宝球》《アメジストのとげ》のようなマナ課税効果を持っていませんから、急加速できない手札だと勘違いさせるために《水蓮の花びら》を手札に抱えておくことにしました。

相手の初動は《古えの墳墓》から《厳かなモノリス》。これは通しますが、そのマナを使って唱えられた《防御の光網》には対応して《溢れかえる岸辺》を起動、《Volcanic Island》をサーチして《渦まく知識》をキャストします。めくれた《定業》《水蓮の花びら》《古えの墳墓》ほぼ完璧な3枚でした。

引き裂かれし永劫、エムラクール

《防御の光網》の着地を許し、ターンが返ってくると対戦相手を「滅殺」。数ターンかけて盤面の再構築を図りますが、私の手札には安全弁である《意志の力》があり、さらに《魔術遠眼鏡》によって《多用途の鍵》2枚を機能不全にすることで《神秘の炉》《大いなる創造者、カーン》を唱えるマナを捻出できない状態にさせました。数ターン後にキャントリップで《エムラクール》を見つけ出し、決着を3戦目までもつれ込ませます。

ダブルマリガンの相手に対し、私は再び強力な7枚を引き当てます。

沸騰する小湖渦まく知識思案実物提示教育
意志の力水蓮の花びら水蓮の花びら

1ターン目、《古えの墳墓》から《厳かなモノリス》、そこから《通電式キー》《催眠の宝珠》を唱えてきた相手は一気に残り手札が1枚になる動きを見せます。《意志の力》《厳かなモノリス》に当てたり、《永劫のこだま》を墓地に落し得る《催眠の宝珠》を重要な呪文だと捉える可能性はあったと思います。ですが、相手のマナ加速手段はごまんとありますし、《意志の力》はゲームの決め手となる《大いなる創造者、カーン》《神秘の炉》のために温存したいと考えました。

催眠の宝珠永劫のこだま

私は《猿人の指導霊》を引いたため、もしファッティが見つかれば1ターン目から《実物提示教育》をキャストできる手札になりました。しかし《思案》で思うカードが見つからず、シャッフルして3枚目の《水蓮の花びら》をドローします。《催眠の宝珠》《永劫のこだま》プランの現実味を増すため、ターン終了前に《水蓮の花びら》を3枚とも置くことにしました。マナをあらかじめ潤沢にしておくことで《永劫のこだま》後に好ましい状況を作り出すためです。

《催眠の宝珠》によってライブラリーを削った後、相手は《ライオンの瞳のダイアモンド》《厳かなモノリス》を唱えます。《厳かなモノリス》は相手のライブラリーを削りきり、何度か《永劫のこだま》を唱える可能性を生むため《意志の力》を使わざるを得ません。《渦まく知識》をピッチコストに充てると、これで手札は《猿人の指導霊》《実物提示教育》のみに。

《渦まく知識》《意志の力》よりも前に唱える可能性はあったと思います。《催眠の宝珠》がトップに積み込んだ不要牌を1枚切削してくれますしね。ただ、《渦まく知識》で青のカードが見つからずに《実物提示教育》をピッチコストに充てるリスクを負いたくないと判断しました。《騙し討ち》《催眠の宝珠》で切削されると、私は《削剥》を引き込み、少し考え込みます。相手の手札は0枚。盤面は以下のようになっていました。

準々決勝

《削剥》をキャストするのは確定していましたが、まず相手の《催眠の宝珠》で何が墓地に落ちるか見てから判断することにしました。そして切削されたのは《大いなる創造者、カーン》《神秘の炉》《永劫のこだま》が落ちなかったので、ターンの進行を許しました。《通電式キー》《厳かなモノリス》がアンタップしようとしてきたため、ここで《厳かなモノリス》《削剥》をキャスト《大いなる創造者、カーン》を出させないようにします。

ターンが返ってきて《溢れかえる岸辺》を引き、そのまま置いてターンを終了。再び《永劫のこだま》は切削されることなく、相手は《防御の光網》《水蓮の花びら》を設置してきます。この動きからさっきのターンにプレイしようとしたのは《防御の光網》であり、《水蓮の花びら》がトップデッキしたものだろうとわかりました。

ドローフェイズで《思案》を引くと、それによって《エムラクール》が見つかります。これでコンボの時間になりますが、相手が《永劫のこだま》を切削しないか、切削されたとしても《大いなる創造者、カーン》+《罠の橋》を唱えるマナが見つからないことを期待しなくてはなりません。現状ではドローフェイズに《大いなる創造者、カーン》をトップデッキされたとしても、《大いなる創造者、カーン》+《罠の橋》を唱えるには1マナ足りない状況です。幸い、相手は《永劫のこだま》を墓地に落すことができず、投了を宣言しました。

これで準々決勝を勝利したため、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』チャンピオンシップの権利まであと1勝。この試合は接戦でした!今思えば、《催眠の宝珠》《意志の力》で打ち消すべきだったかもしれないと感じます。《永劫のこだま》を墓地に落とすチャンスをだいぶ与えてしまいましたからね。とはいえ、あのときはまだ《ライオンの瞳のダイアモンド》が戦場になかったですし、先ほど解説したように《意志の力》はフィニッシャーにとっておきたかったので、あのときの判断を支持したいと思います。

通算成績:10-0 (ゲーム単位:20-4)

準決勝:スゥルタイ《エルフの開墾者》 (後手)

両者とも7枚をキープ。ただ、《もみ消し》デッキに対して後手では少々怖い手札です。

沸騰する小湖古えの墳墓猿人の指導霊
目くらまし目くらまし実物提示教育意志の力

予想通りというべきか、1~2ターン目に《Underground Sea》から《もみ消し》を撃たれ、《不毛の大地》を起動される展開になっていきます。《実物提示教育》《渦まく知識》しか引けなかったため、わかっていても土地を置かなくてはいけませんでした。

《意志の力》《もみ消し》に使いますが、これはありがたいことに無事解決。《島》を持ってきて《渦まく知識》を放ちます。《グリセルブランド》《渦まく知識》《定業》を引き、《グリセルブランド》を上に《渦まく知識》をその下に積み込みます。相手の戦場に《不毛の大地》が出ているため、《古えの墳墓》をプレイすることができずにターンを終了。相手は2つ目のマナソースがないのかと思い込んだかもしれませんが、実際には《猿人の指導霊》を含めて4マナ使える状態です。

古えの墳墓猿人の指導霊

相手の《思案》はシャッフルを選択し、3枚目の土地が置かれなかったため、カウンター偏重の手札であることが感じ取れました。しかし、次のターンに《古えの墳墓》を置いて《実物提示教育》を唱える覚悟でいました。現時点で《古えの墳墓》《不毛の大地》の犠牲になるのはそんなに悪いことではありません。あと1マナ分あれば2枚目の《実物提示教育》が撃つことができ、2枚のキャントリップがあればマナソースはおおむね見つかります。また、《不毛の大地》を消費させれば手札の《目くらまし》が将来的なカウンター合戦で有効牌になるでしょう。

《実物提示教育》《もみ消し》コストの《否定の力》にカウンターされます。続く相手のターン、《思案》を唱えるとシャッフルすることなく、《Tropical Island》から《エルフの開墾者》を展開。《不毛の大地》《古えの墳墓》を割ってターンを返してきます。

エルフの開墾者

私は引いてきた《渦まく知識》を唱えると、《猿人の指導霊》《水蓮の花びら》《実物提示教育》を掘り当てます。相手の手札は3枚であり、《意志の力》/《否定の力》を2発撃つことはできません。そこで《定業》を上に《実物提示教育》を下にしてライブラリートップに戻し、《水蓮の花びら》+2枚の《猿人の指導霊》《実物提示教育》をキャストします。

カウンターされることなく、こちらは《グリセルブランド》を、相手は《森の知恵》を戦場に展開。《エルフの開墾者》の能力はタップ状態で土地をサーチするため、《カラカス》をこのターンに起動することはできません。しかし《グリセルブランド》のドローは大ハズレで、相手に1ターンの猶予を与えてしまいます。

しかし次のターンに《実物提示教育》から設置した《騙し討ち》《エムラクール》も戦場に追加。相手のライフはもう5であり、《カラカス》で2体の内1体をバウンスしたところで生き残ることはできません。サイドボードへ向かいます。

対 スゥルタイ《エルフの開墾者》

Out

グリセルブランド
騙し討ち

In

狼狽の嵐 狼狽の嵐

《カラカス》がメインの妨害手段なのであれば、上記とは異なるサイドボーディングをしていたことでしょう。しかし、根っこはスゥルタイカラーのテンポデッキという印象でしたから、5回戦のプランを継続することにしました。

お互いにマリガンなし。再び《もみ消し》が恐ろしい手札ではありますが、このハンドを送り返すわけにはいきません。

汚染された三角州猿人の指導霊渦まく知識定業
実物提示教育意志の力意志の力

《Underground Sea》を置いてターンが渡ってくると、私は《定業》を唱え、《汚染された三角州》を置いてターン終了。もし2枚目のフェッチランドが引けていれば、おそらく待つところでしょうが、キャントリップを唱えたかったので相手のアップキープに《汚染された三角州》を起動することに決めました(相手のターンにマナを使わせられますし、《否定の力》をピッチスペルで唱えられなくなります)。

もみ消し

またもや《もみ消し》が飛んできたため、《意志の力》を再び使わせられます。フェアなデッキ同士の戦いであれば、おそらく《意志の力》のコストに《意志の力》を使い、カードアドバンテージを失い過ぎないようにしたでしょう。しかし、今回はコンボを決めるターンのカウンター合戦に備えて2枚目の《意志の力》は残したいと考え、《渦まく知識》をコストに充てました。

ここで相手も《思案》をコストに《意志の力》《もみ消し》をカウンターするには2枚目の《意志の力》《定業》を消費せざるを得ません。フェッチランドの起動型能力は解決されましたが、もはや手札は機能しないほど深刻な被害を負っています。相手は《Tropical Island》から《エルフの開墾者》を出しますが、私のキャントリップは《カラカス》を乗り越えるものを見つけ出せず。マッチの勝敗は、勝ったほうが全てを勝ち取る3戦目へと続きます。

3戦目はお互いに7枚をキープ。1~2ゲーム目より断然良い手札がやってきました。

島裏切り者の都引き裂かれし永劫、エムラクール
渦まく知識定業目くらまし意志の力

今回は《もみ消し》への耐性があります。先手ですし、初手にフェッチランドがありません。《思案》を唱えると完璧な2枚、《実物提示教育》《意志の力》が見つかり、《意志の力》を手札に加えます。相手は1ターン目に《エルフの開墾者》を唱えますが、これは打ち消しません。《カラカス》はアンタップインしませんし、「滅殺」されるほうが先でしょう。

《実物提示教育》を引くと、《裏切り者の都》からその《実物提示教育》をキャスト。解決され、《エムラクール》に対抗して出されたのは《Underground Sea》《カラカス》を自然とドローされていなければ、ここから考えられるひとつの負け筋は「滅殺」の誘発に《もみ消し》を撃たれることです。ターンを渡す段階で《意志の力》2枚を構えていたため、万全だろうと感じていました。

カラカス輪作

土地を置く前に相手は《思案》をキャストしてきたので、これで《もみ消し》+ 《エルフの開墾者》の能力起動のプランはなくなりました。《カラカス》を探されるおそれがあるため、この《思案》《渦まく知識》をコストにした《意志の力》で消します。続いて《Tropical Island》から《輪作》が唱えられますが、これも《意志の力》で弾き、手札が空になります。

《エルフの開墾者》はアンタップ状態であり、手札にカードが3枚あったため、《Elvish Spirit Guide》2枚と《もみ消し》のような細い線が考えられる負け筋ですが、おそらくあり得ないでしょう。

Elvish Spirit Guide

私はドローフェイズに引いた《定業》《もみ消し》に対抗する《目くらまし》を探しに行きます。しかし見つけられず、予想通り「滅殺」は《もみ消し》によって無効に。《カラカス》を引き当てる猶予が1ターン伸びますが、なんとかその事態を避けることができました。こうして『ストリクスヘイヴン:魔法学院』チャンピオンシップの出場権利を獲得しました!

通算成績:11-0 (ゲーム単位:22-5)


長い一日でしたが、今回の勝利は本当に嬉しかったですね。もう片方の準決勝はまだ1ゲーム目で、優勝と準優勝では賞品が同じでしたので、デジタル・イベント・コーディネーターにMagic Onlineを閉じて寝ても良いか確認。親切にもその許可は降りました。

追求する未来

大会を振り返ってみると、一日を通して間違いなく引きが強く、シングルエリミネーションをはじめとして手に汗握る接戦を勝てていました。大きな大会でこれほどの成功を収めるには運が必要なのでしょう。そうとはいえ、デルバーの脅威があるなかで権利を獲得できたのは格別に嬉しいことです。もっとも、想定したよりも若干対戦した回数は少なかったですけどね(予想の30%ではなく実際は18%)。

今後は引き続き別のアーキタイプに触れていき、さまざまな戦略を試そうと思っています。ただ、今のところスニークショーはこの75枚で大満足です。『ストリクスヘイヴン:魔法学院』チャンピオンシップには今からワクワク・ドキドキが止まりません。レガシーはお気に入りのフォーマットではありますが、ほかのフォーマットを研究することや《エムラクール》《グリセルブランド》のマナコストを踏み倒す以外のスキルを磨くのはいつだって楽しいことです。

グリセルブランド引き裂かれし永劫、エムラクール

みなさんがこの記事を楽しんでくれたことを願って。またお会いしましょう!

ヨナタン・アンゲレスク (Twitter)

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Jonathan Anghelescu マジックオンラインでJPA93として知られているヨナタン・アンゲレス。スニークショーの名手で、数多のレガシープレイヤーが彼に注目している。MOCS 2015で準優勝、グランプリ・サンタクララ2018でトップ4という成績を収めているレガシーマスターだ。 Jonathan Anghelescuの記事はこちら