週刊 統率者戦デッキを作る 予算構築のススメ
みなさんこんにちは。統率者戦が大好きないってつです。
今日も《真実の解体者、コジレック》のコントロールを取られては《家路》で取り返しています。
つい先日《船殻破り》が禁止推奨カードに指定される珍事がありました。これがきっかけでウィザーズとは別の組織がルールの改定を行っていると知って驚いた人もいるでしょう。
統率者戦はカジュアルなフォーマット。禁止カードをコミュニティごとに自由に決めたり、追加のルールを考えてもいいのです。「禁止”推奨”カード」とはそういうことです。
逆に、コミュニティのみんなが「これは強すぎる」「これはつまらない」と思ったら、コミュニティ内の禁止カードを増やしたっていいのです。
僕自身、ガチ(勝つためならどんな手段を使ってもいい)な統率者もカジュアル(無限コンボなし、殴り合いで勝負を決しよう、など)な統率者も楽しんでいます。しかしカジュアル/ガチというのは明確な線引きが難しく、少しずつコミュニティ全体のデッキパワーがあがっていってしまうという傾向があります。誰かが《魔力の墓所》を手に入れたら、それが前兆です。みんなで買えば怖くない。
しかし全員が全員《魔力の墓所》を買うことはできません。当然です。競技的なゲームはスタンダードやモダンで楽しみたい、統率者はカジュアルに楽しみたい、という人もたくさんいます。
そこで、今回は僕がおすすめしたい統率者戦の変則ルールをご紹介します。それは「予算構築戦」です!
統率者戦がはらむ二つの問題
このブロックは読まなくても大丈夫です。
強いデッキは高い?
統率者戦には強力で希少、それゆえに高額というカードがたくさんあります。あるプロ選手は言いました。強いデッキを組みたければ強いカードを使え、と。
デッキについて助言を求められたときには、「弱いカード」ではなく「強いカード」を使うようにアドバイスしています。冗談のように聞こえるかもしれませんが、私がデッキを構築する際に最重要視している点です。
Allen Wu『デッキ構築のコツ ~”強いカード”を使おう~』より
カードゲームの常ではありますが、強力なカード、強力なデッキは多くの人が求めるため、それだけ値が張ってしまいます。
統率者戦は100種類のカードの構築ですから、その傾向がより強いかもしれません。もちろん、デッキパワーとデッキ総額が比例するわけではありませんが、より強力なデッキを、となれば必然……。
そして、すべての人がフェッチランドとデュアルランドをすべてそろえられるわけでは決してありません。そろえる必要もありません。統率者戦は決して「貧乏人お断り」フォーマットではありません。
ガチとカジュアルは線引きが困難
統率者戦はデッキパワーがより近いデッキどうしで戦った方が楽しいゲームです。統率者戦のコミュニティが広がりを見せると同時に、デッキのレベルを評価する様々な尺度が生まれました。その「レベル」の申告によってテーブルのデッキレベルを合わせようという努力が行われてきました。よりよいゲーム、体験のためです。
しかし明確な線引きが可能な評価方法はいまだに確立していません。統率者でランク付けする方法も、「希少なカード」が採用されているかどうかでランク付ける方法も、究極的な解決方法ではないのです。
この二つの問題を一度に解決するカジュアルなルールが予算構築です。
予算構築とは
読んで字のごとく、デッキ構築の予算をプレーヤーでそろえる統率者戦が「予算構築」です。
「30ドル構築」「50ドル構築」「5000円構築」「10000円構築」など、コミュニティで事前に予算上限を決めて構築します。
僕自身は遊んだことがありませんが、「単価10ドル以上のカードは使えない、10ドル構築」なるものもあるそうです。楽しそう。
マジックの長い歴史の中で生まれた超ハイパワーなカードが使えることが統率者戦の魅力の一つです。しかし、それがすべてではありません。強力なテンポアドバンテージで圧倒的な盤面を作ったり、サーチ呪文を駆使して高速にコンボを走らせる楽しさは多くの人が知るところですが、いつもと違う制限の中でより強力、より面白いデッキ構築を目指すのもまた非常に面白いものです。
資産差や経験差によるデッキパワー差が軽減されますし、全員が同じ制限のなかで勝負するため、無限コンボでの決着でもより納得感があるでしょう。
- 2021/05/13
- 週刊 統率者戦デッキを作る「お手頃価格!サーチカード特集」
- いってつ
過去にも安価なサーチカードをご紹介したことがりました。今後、カードアーカイブでも安価で強力なカードやコンボをご紹介する予定です。お楽しみに!
日々カードの価格は変動しますし、ショップによっても差があります。普段遊んでいるショップの通販価格や、「Wisdom Guild」の最安値など、価格の確認方法をあらかじめ決めておきましょう。
みんなで示し合わせた上限を設けておくことで誰も「清水の舞台から飛ぶ」思いをしなくて済みます。「自宅にあるカードだけで組もうね!約束だよ!」でも結構なのですが、そこは、こう、好きなカードで勝ちたいと思うのがカードゲーマーならね、新しいカードが欲しいと思うのもカードゲーマーじゃないですか。
ゲームの模様
さて、予算構築のゲームの様子はどんなものなのでしょうか。
当然、30ドルと10000円ではクオリティが大きく異なりますし、コミュニティの思想によっても雰囲気は変わると思いますが――意外にもゲームがダレることは少なく、軽快で楽しい雰囲気のゲームが多い印象です。
予算の都合上、妨害置物や強力な打ち消しを採用する余裕がなく、みんながまっすぐに勝利を目指して走るため、和気あいあいと楽しめるのでしょう。
以前ご紹介した《執拗なネズミ》デッキも予算構築で組んだものでした。
まとめ。で、どんなデッキ作る?
3人を殴り倒すかコンボを目指すか。
統率者戦は自由なフォーマットだと何度も何度もお伝えしてきました。
しかしそのあまりに奔放な世界に飲み込まれて、自分のやりたいゲームを見失ってしまう人もいるでしょう。そんなあなたにおすすめですよ。予算構築。
仲間内で、みんなで統率者戦を始めようと思っているあなたたちにもおすすめです。いきなり無理して《沼》に飛び込む必要はありません。まずは足湯でお楽しみください。
それではみなさん、また統率者戦のテーブルでお会いしましょう!
カードアーカイブの更新もお楽しみに!
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