予選ウィークエンドで使うべきデッキ

Marcio Carvalho

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2021/10/29)

はじめに

やぁ、みんな。マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoだ。

今週末はMTGアリーナにまた予選ウィークエンドがやってくる。そこで今日はヒストリックのメタゲームを分析し、自分が参加するなら候補になる3つのデッキを紹介しよう。

ジャンドサクリファイス

最初に紹介するデッキはジャンドサクリファイスだ。

ジャンドサクリファイス

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ずっとメタゲームに存在しているデッキだけど、今もなお勝てるデッキであり続けているのはすごいことだね。デッキエンジンはとても強く、コントロールと長期戦もできれば、アグロを滅殺することもできる。何枚かカードをピックアップしてみよう。

貪欲なるリス

《貪欲なるリス》《魔女のかまど》《大釜の使い魔》のコンボでサイズを上げていくシナジーカードであり、キャットオーブンコンボを紛れもない悪夢へと変貌させる。それに加えて、ドローエンジンの機能も備わっている。確かにちょっと悠長な効果ではあるけど、《パンくずの道標》が引けないときには重宝する。狙い通りのゲーム運びができる可能性を飛躍的に高め、安定性に一役買ってくれるカードだ。

フェイに呪われた王、コルヴォルド古き神々への拘束思考囲い

《フェイに呪われた王、コルヴォルド》はその時々で採用されないこともあったが、今は不動の王として立場を確保しているように思う。《古き神々への拘束》は幅広いパーマネントを触れる万能除去でありながら、マナ加速できる。

このデッキで好印象なのは《思考囲い》を4枚採用していることだ。あらゆるフォーマットで強力なカードであり、それはヒストリックも例外ではない。続いては、サイドボードの新戦力を見ていこう。

辺境地の罠外し墓地の侵入者スランの医師、ヨーグモス

変身できる《辺境地の罠外し》《再利用の賢者》の枠を奪った。《墓地の侵入者》は優秀なクロックであり、ライフを吸収しながら厄介な《弧光のフェニックス》を追放してくれる。

《スランの医師、ヨーグモス》はアグロとの相性をさらに良くするために採用されている(「プロテクション(人間)」も無視できないボーナスだ)。

このデッキを使うに当たって、ひとつだけ注意点がある。一度も使った経験がないのなら、ぶっつけ本番で使うべきではない。身につけなくてはいけない細かなテクニックがたくさんあり、それを知らないと最初は何度もゲームを落としかねない(あるいは時間切れを起こしてしまうかもしれない)。

イゼットフェニックス

2つ目のデッキは、ほかのフォーマットでも人気であるイゼットフェニックスだ。

イゼットフェニックス

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Red Bull Untapped 2021 日本大会のトップ8に入賞したリストだ。少し回してみたけど、その強さに驚かされた。一般的なイゼットフェニックスよりもやや速度は遅くなっているものの、圧倒的な安定感と終盤戦での強さがある。

ドラゴンの怒りの媒介者くすぶる卵アゴナスの雄牛

クリーチャー枠の新戦力である《ドラゴンの怒りの媒介者》《くすぶる卵》はカードパワーが高く、《弧光のフェニックス》が見つからなくても勝てることさえある。《アゴナスの雄牛》は消耗戦において比類なき存在だ。

大魔導師の魔除け邪悪な熱気

《大魔導師の魔除け》は中盤戦に豊富な選択肢を用意してくれるカードであり、相手の妨害をしたり、求めているカードを探してドローできる。1マナの《英雄の破滅》である《邪悪な熱気》も鮮烈な印象を残したカードだ。こんなに強いならいつでも使いたいぐらいだね!

イゼットフェニックスみたいなデッキが好みなら、今週末はこのデッキがひとつの良い選択肢になると思う。

ジェスカイオパス

最後に解説する形にはなったけど、みんなが大好きなコントロールデッキを紹介しよう。古き良きジェスカイオパスだ!(そんなに古くもないけどね)

ジェスカイオパス

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正直に言うけど、ジェスカイの最高のリストを提示するのは難しい。選択肢が多いがゆえに、大会を席巻する構成にもなり得るし、間違った選択をすればただただ悲惨な結果に終わることもあり得る。

マグマ・オパスミジックスの熟達

だけど、このデッキの強さは疑いようがない!《マグマ・オパス》《ミジックスの熟達》のコンボは、昔のマジックにあったパワーカードたちに負けないほどの強さを持っている。

ドミナリアの英雄、テフェリーポータブル・ホール稲妻のらせん

今さら解説するまでもないけど《ドミナリアの英雄、テフェリー》は史上最高のプレインズウォーカーの1人だ。相手が手に負えないゲーム展開に持ち込み、あっさりとゲームエンドまで導いてくれる。

除去は効率的なものが揃っていて、《ポータブル・ホール》などを選択すればジャンドサクリファイスへの対策をとることができる。《稲妻のらせん》は4枚採られることが一般的であるものの、このリストは《裁きの一撃》2枚と散らすことで《フェイに呪われた王、コルヴォルド》やオーラデッキへのガードを上げている

ドビンの拒否権ギデオンの介入魂標ランタン

サイドボードにはコントロール向けのカードが多く採用されている。ピン挿しのカードを増やし、あらゆるマッチアップに備えて調整できるようにしている。

おわりに

今回紹介した3つのデッキはどれも甲乙つけがたい強さを持っている。だから自分に合うと思えるデッキを選ぶことをおすすめするよ。

晴れる屋で記事を書く機会はこれが最後になる。素晴らしいチームの一員に加われるチャンスを与えてくれた晴れる屋には感謝をしたいし、これまで記事を読んでくれた読者のみんなにもありがとうと言いたい!

みんなが良いトップデッキをできることを祈って。

マルシオ・カルヴァリョ (Twitter)

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Marcio Carvalho ポルトガル出身のプレイヤーで、Hareruya Latinの一員。 優れた技能と環境分析能力の高さからリミテッドフォーマットのスペシャリストとして知られており、2015-2016シーズンには "ドラフトマスター" の称号を獲得した。 Magic Onlineで287枚もの《掴み掛かる水流》をピックした逸話はあまりにも有名で、どんな環境であれ研究を怠ることなく日々研鑽を詰んでいる。 Marcio Carvalhoの記事はこちら