最強 統率者 決定戦 カバレージ【コマンダーサミット】

いってつ

コマンダーサミット最強統率者決定戦カバレージ

11/03、晴れる屋トーナメントセンター東京で最強統率者決定戦が開催されました。

サイドイベントでありながら80名の参加者が集まる注目の催しとなりました。その模様をいってつがリポートします。

イベント概要

最強統率者決定戦(以下、決定戦)は定員80名、以下のようなルールで行われました。

第一ゲーム、準決勝は制限時間50分。制限時間がきた時点で現在のターンを0ターン目として、その時点でゲームに参加しているプレイヤーの人数ぶんの追加ターンを行う。追加ターンが終了しても決着しなかった場合はライフの最も多いプレイヤーの勝利とする。決勝戦は時間制限なし。

第一ゲームは16テーブル、準決勝は4テーブルで行われる。第一ゲームでは、参加者が65人以上の場合は5人での対戦、63人以下の場合は3人での対戦が発生する。

ルール適用度は「一般」。デッキリスト提出は任意。

賞品として、TOP4入賞者全員に「晴れる屋ポイント10,000pt」、優勝者に《波止場の恐喝者》英語版1枚。

結果として定員である80名が参加受け付けを行い、第一ゲームはすべてのテーブルが5人での対戦となりました。

環境感

タッサの神託者汚れた契約隠遁ドルイド

《タッサの神託者》の登場以来、この一枚をいかにうまく使うか・止めるかというトピックが統率者戦を支配しました。しかしながら、おそらくこのカードが統率者戦で禁止されることはないでしょう。《タッサの神託者》コンボ(以下、オラクルコンボ)を成立させる手段は無数にあり、プレイパターンを固着させているわけではありません。オラクルコンボにいかに介入するかという研究も日々行われています。

吸血の教示者悪魔の教示者むかつき深淵への覗き込み

《タッサの神託者》の青に黒を加えたデッキでは《Demonic Consultation》《汚れた契約》というお手軽セルフLO手段が利用できるだけでなく、豊富な万能サーチ、そして《むかつき》を使うことができます。

《むかつき》を解決することができれば大量のリソースを獲得できます。《むかつき》を搭載したデッキではカードのマナ総量平均が2を切ることが多く、1.5を切ることも珍しくはありません。《むかつき》1枚から30枚の手札を手に入れることもあります。それだけのリソースが獲得できたなら《魔力の墓所》《モックス・ダイアモンド》などの「設置したターンから行動数が増やせるマナアーティファクト」、コンボパーツやサーチカードを獲得でき、そのまま勝利に向かうことが可能となります。

騒々しい写本、コーディロフガフフの息子、ログラクフ

《むかつき》を唱えることを勝利手段に据えたデッキとしては《騒々しい写本、コーディ》デッキが大きな話題になっています。今年8月に開催されたcEDHトーナメント「The Tier1 Con」で優勝したのも《騒々しい写本、コーディ》を統率者に据えたデッキ。《騒々しい写本、コーディ》の能力を起動してマナ総量1のスペルを唱えることで《不敬な教示者》を確実に唱えることができ、《むかつき》をサーチすることが可能。「統率領域に《むかつき》を置いている」とまで言われています。

0マナの共闘統率者である《ロフガフフの息子、ログラクフ》に黒もしくは青黒の共闘を加えたデッキも隆盛。《弱者選別》《モックス・アンバー》を非常に強力に使えるだけでなく、《激情の後見》《偏向はたき》といった統率者ピッチスペルも使いやすくなります。

軍団のまとめ役、ウィノータ弁論の幻霊月の大魔術師

これに対抗して一気に存在感を強めたのは《軍団のまとめ役、ウィノータ》を統率者に据えたスタックスデッキです。白は《法の定め》《弁論の幻霊》など1ターンの間に唱える呪文の数を制限するスタックスカードを擁し、コンボデッキを強く牽制することができます。従来のスタックスデッキでは「決着ターンをずらすことはできるがミッドレンジデッキにいいところを持っていかれる」という評価が大勢でしたが、《軍団のまとめ役、ウィノータ》デッキではスタックスクリーチャーから新たなスタックスクリーチャーが次々展開され、積極的な戦闘によって戦闘ダメージでの勝利を目指せるのです。

鋭い目の航海士、マルコム厚顔の無法者、マグダ眷者の神童、キナン

一方、スタックスで減速しにくいクリーチャーコンボでの勝利を目指すミッドレンジデッキも盛り上がりを見せています。「スタックスデッキはいつかミッドレンジデッキにスタックスを除去されて負ける」と言われていますが、スタックスをすり抜けて勝利する方法も模索されているわけです。

例えば《鋭い目の航海士、マルコム》《光り角の海賊》のクリーチャー二枚コンボや、《厚顔の無法者、マグダ》と多相アーティファクトクリーチャーから《前兆の時計》をサーチ、ライブラリー内のドラゴンとアーティファクトをすべて戦場に出してしまうコンボです。クリーチャーの能力でフィニッシュするため、スタックスに引っ掛からないだけでなく、打ち消されにくいのもメリットです。

【総括】

《むかつき》などを用いて高速に決着を狙う「ターボ型」が《宝石の睡蓮》《ロフガフフの息子、ログラクフ》の獲得で隆盛。そんななか《騒々しい写本、コーディ》はセンセーショナルに登場。

◇ターボ型に強気に立ち回れる「スタックス」の研究が進む。高速にスタックスクリーチャーを展開し積極的にライフを削る《軍団のまとめ役、ウィノータ》が結果を出し始める。

◇ターボとスタックスの争いの漁夫の利を取れるミッドレンジも変革を迫られている。スタックスの影響が少ないクリーチャーでのコンボデッキが注目されている。

当日参加していたプレイヤーにも環境感について質問してみました。

参加者の声

決定戦の参加者のみなさんに様々なトピックでインタビューを行いました。ご協力いただいた参加者の皆さん、ありがとうございます。

《むかつき》について

Q.《むかつき》が存在感を増していますが、通す側・止める側、それぞれ意識して採用したカードや心がけたいプレイングはありますか。

多くのプレイヤーが《むかつき》の存在を意識した構築やプレイングを考えていると回答。

《むかつき》を通す側

《むかつき》を消されてもゲームを継続できるように意識している。むしろ《むかつき》を対戦相手が打ち消しを持っているか確認する役割として使う場面もある」

《むかつき》を通す側は同時に《むかつき》を止める側でもある。テーブルの着順によっては先に相手に《むかつき》を唱えさせて、他の対戦相手が打ち消しを吐き切ったところで自分が《むかつき》を押し通すプランも考えている。スピードが全てではないと思う。」

応じ返し

「決勝卓まで進むなら、間違いなくどこかでウィノータスタックスとぶつかるだろう。新たに追加した《応じ返し》などのインスタントのバウンス呪文で上手く対応したい」

《軍団のまとめ役、ウィノータ》はやはり厄介な存在。スタックスが展開される前に走り切れる手札でキープしたい」

《むかつき》を止める側

《むかつき》を利用する《ロフガフフの息子、ログラクフ》&《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》デッキは多そう」

《むかつき》を意識して採用したのは《精神壊しの罠》《ナーセットの逆転》《精神壊しの罠》は1,2ターン目のコンボ始動にも対応できるのがメリット。《ナーセットの逆転》は逆にこちらが《むかつき》をもらって勝利できるのが魅力」

精神壊しの罠ナーセットの逆転

(《軍団のまとめ役、ウィノータ》を使用したプレイヤー)
「対戦相手に《むかつき》っぽい統率者がいたら、《耳の痛い静寂》《エメリアのアルコン》など有効なスタックスカードを求めて積極的にマリガンします」

耳の痛い静寂エメリアのアルコン

「とにかく軽い打ち消しを採用した。打ち消しのために2マナ立てることはこのレベルの統率者戦では後ろ向きすぎて難しいと思う」

白鳥の歌呪文貫き払拭

「積極的にライフを攻めていく。たった1点のダメージでも《むかつき》でひける枚数が変わってくる」

5人でのゲームについて

Q.第1ゲームは全てのテーブルで 5人での対戦となりましたが、どんな展開になると思いますか(なりましたか)。

「はっきり言って驚いた。5人で統率者戦をプレイしたことさえない」

「とにかく制限時間が心配だ。1人当たりの持ち時間は10分しかない」

「全員が1ゲーム目5人卓ならある意味公平かもしれない。一部だけが3人5人よりは」

「有利な統率者、不利な統率者がいる。《織り手のティムナ》《秘儀を運ぶもの、パコ》&《熱心な秘儀術師、ハルダン》のような統率者は殴り先が増えて有利だろう」

織り手のティムナ秘儀を運ぶもの、パコ熱心な秘儀術師、ハルダン

「勝てないデッキが出てくるのでは。おにぎりウーズコンボや戦闘ダメージで勝利する《軍団のまとめ役、ウィノータ》は厳しそう」

壊死のウーズPhyrexian Devourer歩行バリスタ

ライブラリー内のカードの合計マナ総量ぶんダメージを飛ばすコンボ。

《むかつき》戦略はいつも以上にスピードが求められる。誰も妨害を構えられないうちに走らせないといけないだろう」

――――より多くの参加者を受け入れるために定員を80名としたが、やはり5人卓は避けたいとの意見が多かった。今回は全員が同じ条件だったからよかったものの、一度の敗北で脱落となるトーナメントに5人卓はやはり厳しかったようだ。

統率者戦のトーナメントについて

Q.統率者戦の競技的なトーナメントは、日本国内ではあまり行われて来ませんでした。今後こういった機会があれば参加したいと思いますか。

「ぜひやってほしい。身内のコミュニティではcEDH級のデッキが4つなかなか集まらず、ガチデッキを回す機会が欲しかった」

「こういった機会があると、たくさんのデッキやカードに触れられて新しい発見がある。勉強になるし、楽しい」

「統率者戦にもモチベーションが必要だと思う。トーナメントがあればより強いデッキと戦略を求めて研究する楽しみ方が肯定されると思う」

「競技大会には競技大会の楽しさがある。緊張感のある中で戦う楽しさを統率者戦でも味わいたい」

――――インタビューをした全員が「ぜひやってほしい、参加したい」と答えました。5人でのゲームは不評でしたが、競技的なイベントそれ自体は大歓迎とのこと。

決勝卓カバレージ

決勝卓に進めたデッキ

決勝戦には《むかつき》を擁したデッキ――黒の絡んだデッキは残ることができませんでした。5 人卓である第1ゲームが突破できなかったわけではありません。準決勝にはほとんどのテーブルに《むかつき》を擁していると見られる統率者が並んでいました。

しかしながら、高速に《むかつき》《深淵への覗き込み》を唱えるターボ型の戦略は全体的にかなり強く意識されていました。スタックス型《軍団のまとめ役、ウィノータ》が散見されただけでなく、打ち消しや妨害がよりターボ型に刺さるよう調整されていたようです。

結果として決勝卓へ残ったのは――

Top4 デッキリスト

ターンプレイヤー順での掲載。

精霊の魂、アニマー – Tozawa Masahiro

クラーク&逆嶋 - Niwa Hotaka

軍団のまとめ役、ウィノータ – Kouda Shunsuke

マルコム&ターナ – Iwasaki Yutaro

精霊の魂、アニマー祖先の像雲石の工芸品

《精霊の魂、アニマー》はクリーチャー・呪文を唱えるコストを軽くする統率者。強力なクリーチャーをテンポよく展開し、クリーチャーの能力の相互作用でコンボを目指します。

親指なしのクラーク千の顔の逆嶋水没

《親指なしのクラーク》《千の顔の逆嶋》はともに『統率者レジェンズ』で登場した統率者。《千の顔の逆嶋》《親指なしのクラーク》のコピーとして戦場に出すことで、膨大なアドバンテージを獲得します。

《親指なしのクラーク》《親指なしのクラーク》コピーが戦場にいる状態で《定業》を唱えた場合、コイン投げを2回行い――

勝ち・勝ち→《定業》本体+《定業》コピー2回解決(25%)

勝ち・負け→《定業》本体は手札へ+《定業》コピー1回解決(50%)

負け・負け→《定業》本体は手札へ。何も起こらない(25%)

軽量ドロー呪文を連打して大量の手札を獲得したり、《激情の後見》《水没》などのピッチスペルを何度も唱えなおすことが可能。一度盤面を作り上げると、非常に高い防御力を持ちながら、アドバンテージを稼ぎます。

軍団のまとめ役、ウィノータ月の大魔術師刃の歴史家

《軍団のまとめ役、ウィノータ》は序盤に展開したスタックスクリーチャーからさらなるスタックスクリーチャーや高打点クリーチャーを展開できる、攻防一体となったデッキです。『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ではキルターンを圧倒的に早める《刃の歴史家》、『モダンホライゾン2』ではアドバンテージエンジン《エスパーの歩哨》《敏捷なこそ泥、ラガバン》を獲得し、ここ最近一気に強化されました。

鋭い目の航海士、マルコム血を蒔く者、ターナ光り角の海賊

《鋭い目の航海士、マルコム》《魔力の墓所》《宝石の睡蓮》で1ターン目の着地が可能で、宝物・トークンでテンポアドバンテージを獲得できる統率者。多人数戦では《光り角の海賊》との「1枚コンボ」が成立します。緑も絡んだデッキのため、《新生化》《異界の進化》などでクリーチャーを直接戦場に送り込んでコンボをスタートさせることも可能です。強力なスタックスの影響下でもコンボを目指せるデッキといえるでしょう。

ゲームの模様

ゲームはアニマーからスタートとなりました。アニマーは「(先攻だと)こうなると手札が悪くなっちゃうんだよな」とこぼしていましたが、マリガンなし、一発でのキープでした。二番手であるクラークはフリー込み2度のマリガンでキープ。4番手マルコムは3度のマリガンでキープ。終始うなっていたのはウィノータ。フリー込みとはいえ4度のマリガンを行い、手札4枚でゲームをスタートします。

序盤「ラガバン、大手柄」

《宝石の洞窟》などのプリゲームアクションは無く始まった最終ゲーム。クラークが《水蓮の花びら》を絡めて早くも《親指なしのクラーク》を着地させ、マルコムも《極楽鳥》を唱えて次のターンのマルコムを確実なものにします。対して、アニマーとウィノータは土地をセットするだけのやや大人しいスタート。

続くターンには順次統率者が現れて戦場はにぎやかになってきます。戦場にクリーチャーが並び誰もが一歩先に抜け出そうと画策していたところで、チャンスが訪れたのはクラークでした。

敏捷なこそ泥、ラガバン宝石の睡蓮

《敏捷なこそ泥、ラガバン》をマルコム相手に攻撃へ向かわせると、さすがに統率者で相打ちは選択できずにこれをスルー。すると《敏捷なこそ泥、ラガバン》が追放したのはなんと《宝石の睡蓮》即座に起動して《千の顔の逆嶋》《親指なしのクラーク》のコピーとして着地させ、《戦慄衆の秘儀術師》も戦場に送り込みます。

弁論の幻霊

わずか一度の攻撃で、統率者2体を含む圧倒的な戦場を構築してみせたクラーク。このままではクラーク優位でゲームが進んでしまうのは誰の目にも明らかとなります。しかしその手を阻む対戦相手は3人います。さっそくウィノータが《弁論の幻霊》を唱え待ったをかけます。大量の呪文を唱える下準備ができていたクラークからは「うわぁ」と悲鳴が上がります。3度マリガンしながらもキッチリと対抗策を引いていたウィノータ。ゲームは再び膠着模様となります。

中盤「マルコムかウィノータか?」

アニマーは本来ならクリーチャーを連打したいところですが、《弁論の幻霊》が邪魔な様子。 クラークも《戦慄衆の秘儀術師》で墓地から回収した《定業》を唱えるのが精いっぱい。《定業》《親指なしのクラーク》の能力で手札に回収することに成功します。

しかしウィノータはここからが本番です。《弁論の幻霊》でアタック、《軍団のまとめ役、ウィノータ》の能力でめくれたのは……

月の大魔術師エーテル宣誓会の法学者

なんと《月の大魔術師》!継続して宝物を獲得できるマルコムとクラークはともかく、ここまで基本土地を1枚も置いてこなかったアニマーはかなり苦しい展開!さらに手札からは《エーテル宣誓会の法学者》が登場。《法の定め》系スタックスが二枚並び、コンボ耐性はグンと上がり、ここまで強力に展開してきたクラークを足止めします。

《月の大魔術師》によってマナ基盤に大きな影響を受けているアニマーは《歩行バリスタ》をX=2でキャスト。事前に戦場に出していた《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》の能力でドローもついてきますが、やはり苦しそうです。クラークは相変わらず《定業》でライブラリーを掘り進めます。

歩行バリスタ

一方ウィノータはたたみかけます。 《軍団のまとめ役、ウィノータ》でめくれたのは、《イーオスのレインジャー長》。ライブラリーから《セラの高位僧》をサーチ。スタックスはすでに強力なものが用意できたので、アタッカーを調達してプレッシャーをかけていきます。

しかしここでマルコムが《金粉のドレイク》《軍団のまとめ役、ウィノータ》を取り上げることに成功します。

金粉のドレイク

こうなればウィノータの殴り先は一択です。これまでもクラーク・ウィノータから攻撃を受けてきたマルコムはウィノータから執拗に殴られ、ライフが残り2点にまで減ってしまいます。《歩行バリスタ》に載った2つのカウンターがにわかに存在感を放ちます。マルコムが勝ちに向かおうとしたらカウンターを発射、マルコムを即座に敗北させられます。

窮地のマルコムは「判断は任せます」と強調しつつも、《軍団のまとめ役、ウィノータ》を返してしまってはいいのか?」と、アニマーに静観するよう求めます。さらに「まずはウィノータを倒そう」とむしろ矛先をウィノータ側へ向けようと誘導します。確かにアニマーの動きを大きく阻害しているのはウィノータ陣営です。しかしながらウィノータのスタックスがあるからこそマルコムやクラークがコンボに入れていないとも見える盤面です。アニマーには難しい判断だったと言えるでしょう。

最終盤「勝つ確率は94%」

アニマーは決断します。ウィノータの戦闘フェイズ、《歩行バリスタ》から1点をクリーチャーに飛ばしてブロッカーの数を減らし、マルコムを退場に追い込もうとします。ところがそこにクラークが介入!「ウィノータを返してほしくない」《水没》でアタッカーをバウンスし、マルコムを守ります。

マルコムのターンのエンド前、クラークは再び《水没》を唱えます。 すでに戦場に出していた《双対の声、ヴェイラン》も手伝い、 《親指なしのクラーク》の能力は都合4回誘発し、《エーテル宣誓会の法学者》 《イーオスのレインジャー長》 をバウンスさせつつ《水没》を手札に戻すことに成功します。

続くアニマーのターンでも《水没》。なんと4連続でコイン投げに失敗しますが、《水没》は手札に戻っており、自分のターンで再びチャンスを得ます。今度は《弁論の幻霊》をバウンスさせることに成功します。

いよいよ危ないと判断したマルコムが《二重詠唱の魔道士》《水没》をコピーして妨害を謀ります。

水没二重詠唱の魔道士否定の契約

しかしここまで地道に手札を整えてきたクラーク、これを《否定の契約》で打ち消します。4回のコイン投げすべてが「勝ち」となる、およそ6%の下振れを引かない限りは《否定の契約》が手札に戻り、何度でも対戦相手の妨害札を打ち消すことができます。

続いてクラークは《ジェスカの意志》を両モードで唱え、赤マナを増やしつつ、ストームを増やし、ライブラリーを掘り進めていきます。膨大な赤マナとストーム。そして見つかる《霊気貯蔵器》。何度も唱えなおせる《否定の契約》《偏向はたき》。もはや3人になすすべはなく――《霊気貯蔵器》の無慈悲な「50点砲」が戦場を焼き尽くしました。

ジェスカの意志霊気貯蔵器

全員のキープ宣言から1時間超。ハイレベルな統率者戦にしては珍しいロングゲームを制し、「最強統率者」に輝いたのはニワ ホタカ選手の《親指なしのクラーク》&《千の顔の逆嶋》

勝者インタビュー

ロングゲームを制したニワ ホタカ選手にインタビューすることができました。

――――優勝おめでとうございます!

「ありがとうございます」

――――決勝戦は黒のいないマッチアップとなりましたが、対戦相手の統率者を見た印象はいかがでしたか?

「やはり《むかつき》は強く意識されていましたね。強力なスタックスとライフを攻める《軍団のまとめ役、ウィノータ》と、スタックスをすり抜けるクリーチャーコンボが勝ち上がりました」
《軍団のまとめ役、ウィノータ》を相手にするのは厳しいですが、緑を擁したデッキが二つあったので、《水没》が使いやすいマッチアップでした。《水没》でスタックスを除去できればチャンスがあります」

――――途中、「マルコムを落とすか、ウィノータを取り上げたままにするか」という政治的やり取りがありました。ニワ選手はマルコムを守る選択を取りましたが真意はどうだったのでしょう。

「ぶっちゃけどっちでも良かったんです。もうウィノータにターンを回すつもりはなかったので。ただ、あの時点で森をコントロールしているのはマルコムだけでした。マルコムが脱落すると《水没》が使いにくくなってしまうので守りました。”《水没》が使えなくなるから~”と正直に言うと警戒されてしまうので、”《軍団のまとめ役、ウィノータ》を返してほしくない”とアピールしました」

編集注

この当時の盤面ではアニマー側に森カードが無く、仮にマルコムが脱落すると《水没》をピッチコストで唱えることができなくなってしまう状況だった。クラークが守りたかったのはマルコムでもウィノータでもなく、マルコムの戦場にあった《森》だったのだ。

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一貫して冷静に、それでいて自分のペースでゲームを進めたニワ選手。
グッドゲーム、その瞬間までその目線はまっすぐだった。

――――改めて今日のゲームを振り返って、ご自身ではどのように評価しますか。

「緊張しました。細かいミスはありましたが満足いくゲームになりました。楽しかったです」
「ぜひ皆さんも自分がやりたいことをのびのびと追及してほしいと思います」

最後に

統率者戦のトーナメントは多くのプレイヤーの注目の中開催されました。改善点を残しつつも、多くのプレイヤーに「またぜひ!」と応援いただきました。直近では12/25、トーナメントセンター大阪でコマンダーサミットの開催が決定しています。

丸一日カメラとノート、ペンを握って会場内を取材していたいってつ自身にとても学び多き一日となりました。「統率者戦は運否天賦」と揶揄されることもありますが、たった一人の最強を決めるまでの累計21ゲームの戦いに向けられるまなざしは真剣そのものでした。

決勝卓に残れなかったデッキにも意欲的なデッキ、強力なデッキはたくさんありました。こちらからぜひご覧ください。

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もしまたあんな大会があったらどうだろう?もっとたくさんのゲームを戦って順位を決めるような……もっと大きくてシビアで……それでいて楽しい大会が……。
私は夢想せざるを得ません。

改めまして参加されたプレイヤーのみなさん、ご参加いただきありがとうございました。また統率者戦のテーブルで――あるいは大会でお会いしましょう。

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いってつ 晴れる屋メディアチームスタッフです。統率者戦は自己実現の物語。私を成長させ、貯金を破壊する。最近の悩みは統率者戦の記事執筆で忙しくて統率者戦が遊べないこと。 いってつの記事はこちら